『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』著者が語るトランプ大統領の和平案
ひさしぶりにロシア・ウクライナ戦争のことについて書いてみようと思います。私はウクライナ戦争についての著書をもっています。その著書の続編のような記事になります。
ロシア・ウクライナ戦争はしばらく大きな動きはなかったのですが、アメリカの大統領がバイデンからトランプにかわって、大きな変化が現れました。だいじょうぶか、世界!?
ウクライナ戦争について、私は自分の著作に二つの柱として、「ロシア連邦の分離独立」と「領土を買うという解決法」を書いています。
最初の柱の、「ロシア連邦の分離独立」についてですが、どうしてゼレンスキーはロシア語がペラペラなのに、ロシア語でロシア連邦の共和国とか自治州に内乱、独立を呼びかけないんでしょうかね?
無料でできる攻撃(口撃)です。そして最も効果的な戦術であるはずなのに。ペンは剣よりも強し! ドローン爆弾を数機モスクワに飛ばすよりも、この手こそが、ロシアにもっともダメージを与える戦略だと思うのですが。
徴収兵士に降伏を呼びかけたりはしていますが、ロシア連邦の共和国とか自治州に独立運動や内乱、革命を呼びかけたりはしていないようです。ダメ元でやってみればいいのに。大英帝国ならまちがいなくこの手をつかっているはずです。アラビアのロレンスというのは、この手の敵国内での内乱を指揮した人物です。この手は有効なんですよ。大きな経済的利益とバックアップを約束すれば乗ってくる地方もあるはずですが。。。
ロシアに比べてウクライナは小国なんだからゲリラ的な戦略をとらなければならないはずです。それなのにまともに勝負しすぎだと思いませんか?
軍事力で縛り付けられているロシア連邦の共和国とか自治州を、独立支援を餌に離反させるのは、再びロシア革命を起こさせるよりは実現可能性が高いと思います。成功すればプーチンは対外戦争どころではありません。即刻停戦するでしょう。
ふたつめの柱である「領土を買うという解決法」ですが、どうしてトランプはウクライナ東南地域について「アメリカが買う」と言い出さないんでしょうか。ガザ地区についてはアメリカが所有すると言っているのに。喧嘩している二人の間に超強い格闘家が割り込めば、二人は喧嘩を続けられません。それと同じです。ザポリージャの原発をアメリカが所有するとは言っているようですが、どうせなら紛争四州を全域所有すればいいんじゃありませんか?
ウクライナが一時的にアメリカに土地を売り、将来、買い戻せば戦争は回避できるんじゃありませんか? グリーンランドは所有したいそうですが、ドンバス地域はいらないんですかね? タリフマンは。
アメリカ株に全賭けの投資家が語る、アメリカの経済は大丈夫か?

そのトランプ王様のアメリカですが、世界に関税戦争を仕掛けて、相互関税をやり返されちゃっています。そんなんでアメリカの経済は大丈夫でしょうか? 私はアメリカの株に全賭けしているので、ぶっちゃけ日本経済よりもアメリカ経済の方が気になります。
トランプのアメリカファースト、保護貿易政策は、世界の貿易は冷えても、アメリカ経済は逆に良くなるだろうと予想していました。しかしカナダなどから相互関税をやり返されてから株価は暴落していますね。うう、予想と違う……。
高い関税は、斜陽のアメリカ工業、工場には有利ですが、逆関税により農業輸出には不利なはず。この状況はアメリカ南北戦争の直接の原因と同じです。そんなことトランプが知らんはずはないのですがね。
シビルウォーの直接の原因は、関税です。北部は自分たちの工場製品を守るために関税を必要としたのですが、農業国の南部は関税なんてむしろ邪魔でした。だから関税のない別の国をつくろうとしたのです。

つい先日(2025年3月)ハワイで遊んできたのですが、アメリカの物価の高さにはびっくりしました。これは日米の経済格差、通貨パワーの違いというよりは、アメリカは高いインフレ状態にあるんじゃないかな、と感じました。
そんなときに安い外国製や外国産のものを締め出して、アメリカ経済は大丈夫かいな?
自動車や鉄鋼など工場製品のためにはいい政策でしょうが、一般庶民はコモディティーの値段が上がって苦しむだけなのでは?
南北戦争と同じ構図をつくって、トランプ王様は何をしたいんでしょうか?

世界最強国の大統領は、ここまでムチャクチャやれるのか!
トランプの無茶苦茶ぶりは見ていて楽しいのですが、アメリカ株の暴落だけはカンベンしてもらいたいと思っています。あと四年(トランプの任期)ぶんの現金資産が手元にないので……。
私はアメリカ市民権はありませんが、アメリカ企業の株主です。もしもトランプがアメリカをひとつの企業と見て、有権者を株主と見て、名経営者として株主にリターンを返すために働いているとするならば、異国の株主にもきっちりと返してもらいたいものです。
和平案というよりも、降伏勧告

超大国アメリカの王様トランプが、ウクライナに最終和平案をつきつけているらしい。
その内容であるが、
①クリミア半島はロシア領と認める
②ロシアの占領地を認める
③NATO加盟は諦める
の三本柱らしい。これを和平の仲介案だというのだから、おそれいった。
アメリカは、和平案というよりも、ほぼ降伏勧告のようなものを、つきつけている。
国際社会はこんなことでいいのだろうか。そこに正義はあるのかよ?
ウクライナとロシアは、のび太とジャイアンのようなものだ。

ウクライナとロシアは、のび太とジャイアンのようなものだ。ジャイアンから見れば、のび太の態度が生意気に見えたかもしれないが、殴りかかってきたのはまぎれもなくジャイアンのほうである。
こういうとき藤子不二雄先生のアニメなら、ドラえもんがすばらしい道具でのび太を助けてくれた。ジャイアンをこらしめてくれた。
しかし、現実の世界にドラえもんはいない。かつてのアメリカはいない。
この和平案は、
「おまえのものはおれのもの。おれのものもおれのもの」と、ジャイアンがのび太のものを奪い取ったら、みんながそれをジャイアンのものだと認めてしまうようなものだ。
そこに正義はあるのかよ?
学校生活だったら、こんなことは許されない。同じジャイアン被害者のスネ夫が手を組んでくれるかも。しずかちゃんや出木杉くんが学級会議にかけて助けてくれるかも。先生がジャイアンを止めてくれるかも。
もしかしたらパパとママがPTAにかけあってくれるかもしれない。おおごとになればなるほど、ジャイアンの悪が明らかになり、悪の立場は悪くなるはずだ。
あるいはのび太がもっと大人ならば、剛田ジャイアンの家は雑貨屋みたいだから、商店会などから雑貨屋にプレッシャーをかけて、母ゴリラからジャイアンを制裁してもらうという手も考えられる。
っていうか、そもそもドラえもんがなんとかしてくれるはずだ。そういう物語なんだから。ドラえもんが絶対的な力を持った正義の味方なのだ。のび太の要求が理不尽なときは、ドラえもんはそれを拒否していたはずである。のび太は弱いから泣いたのではなく理不尽だから泣いたのである。
マンガに出てくる「ドラゴンの騎士」や「巨神兵オーマ」みたいな、圧倒的な力を持った仲裁者、を神が準備したというのは、どうやら正しい設定だったみたいだ。
圧倒的な力がなければ、正義はまもれない。
理念ではなく現状追認。それが歴史の教えてくれること

しかし、ウクライナはどうすればいいんだ?
圧倒的な力を持った裁くものというのは、アメリカ以外に考えられない。
そのアメリカがインベーダーの取り分を認めるような仲裁案を持ち出してきている。
こんなことがまかり通ったら、たとえば中国が台湾や、ついでに沖縄の島を占領してきたら、日本はどうすればいいのだ?
アメリカは仲裁してくれるかもしれないが、その仲裁案は、現状追認なんだろう?
正直にいうと、トランプの言うことも、理解できないわけじゃない。「これが現実、リアルな判断だ」というんだろうな。実際、人間の歴史は、理念ではなく現状追認でやってきた。勝てば官軍というのがリアルである。それをまたやろうというトランプのほうが、歴史の流れの上に立っているのかもしれない。
「再び世界大戦が起こるよりはウクライナに泣いてもらうほうがマシ」その理屈はわからないわけじゃない。「ロシアは核をつかえるのだから、屈服させられないのだから、もうここらで手を打とう」その理屈はわからないわけじゃない。っていうか、わかる。
でも、それでも、正義はどうなる? どこにある?
グリーンランドじゃなくて、ウクライナの東部四州をアメリカが買ってやればいいじゃないか

そんなにレアアースがほしいんだったら、グリーンランドじゃなくて、ウクライナの東部四州をアメリカが買ってやればいいじゃないか。ウクライナもアメリカになら、買戻し特約をつけて、安価で売ってくれるんじゃないの?
ロシアの将軍の暗殺など、小さな反撃はやっているようだが、もっともロシアが嫌がるのは、民衆の革命であり、民族の独立運動であるはずだ。
ウクライナはそういう謀略的なことはやっていないようだ。北方領土を日本のものだと承認してくれたが、ロシア連邦の各地の独立も承認して支援してやればいいのに。
ロシア連邦には独立したがっている共和国がいくつもある。本当は独立運動のための組織づくりや、おカネや武器の支援をしてやるのがいちばんいいのだが、それができなくても、たとえば国連でそれらの共和国の独立を認める提議をするだけでも、たいぶ違うと思うんだけどな。
独立運動が盛り上がれば、もしも民衆が立つならば、ジャイアンは戦争どころじゃなくなるはずだ。

