結婚前に彼氏の自慢話を吹聴するのはまだ早い。
エジプトでピラミッド観光をしていたときのことです。司法試験に合格したという大学生の男が、彼女と一緒に旅していました。
なんで男が司法試験に合格したのがわかったのかというと、彼女が周囲に言い散らしていたからです。よほど誇らしかったんでしょう。まだ結婚してないのに彼氏の合格を自分のことのように自慢してるけど、大丈夫? まだ早くない?
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このブログの著者が執筆した純文学小説です。
「かけがえがないなんてことが、どうして言えるだろう。むしろ、こういうべきだった。その人がどんな生き方をしたかで、まわりの人間の人生が変わる、だから人は替えがきかない、と」
「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
本作は小説『ツバサ』の後半部分にあたるものです。アマゾン、楽天で無料公開しています。ぜひお読みください。
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その彼女が超絶カワイイ子ならとくに問題なかったのですが、どう見ても「ジャイ子」。おせじにも「男が離すわけないよな」というタイプの子じゃなかったのです。かなりブサイクな子でした!
司法クンも決してモテるタイプではありませんが、なにせ未来の法律家です。高収入確実です。どう考えてもジャイ子はそのうち捨てられてしまうんじゃないか、とはた目に心配になってしまうようなあやういカップルでした。
高額紙幣強奪事件発生!!
その司法クンカップルが写真を撮ってもらおうとした時のことです。ピラミッドの前でラクダに乗って写真に撮ってくれるというサービスが現地にはあります。ジャイ子と二人でそれをやろうとしていたわけです。
ところが司法クン、現地のアラブ人にお金を渡そうと目の前で大判サイズの財布をひろげていたところ、ガバッと手を突っ込まれて紙幣を根こそぎ奪われてしまったのでした。
インテリが肉体的にはひ弱というのは偏見にすぎませんが、残念ながらわが司法クンはそういうタイプでした。とりかえそうとしても砂漠の屈強なアラブ人相手にケンカしてもかなうわけがありません。お得意の法律知識もここではまったく役に立ちません。そもそも法律が違いますし、そもそも言葉が通じません。ここはエジプトです。
いじめられた子どものように「返してくれよ。返してくれよ」と叫ぶことしかできませんでした。
海外では相手商売人の目の前で財布を開かないこと
このように海外では相手の商売人の目の前で財布を広げてはいけません。
せっかく貧乏人のふりして長時間かけて値切り交渉したのに財布の中身は高額紙幣がずらりとならんでいたら相手商人に対して失礼ですし、値段交渉が振り出しに戻る可能性がありますぜ、ダンナ。
それどころかヨハネスブルグとか場所によっては「強盗してください。殺してください」と叫んでいるようなものです。
支払うときは、相手には背中を向けてこっそりと紙幣を取り出してください。
パスポートポーチを財布として使う? 普段使いの財布がベスト
海外旅行の時だけ、日本で使っているのとは別の「小さな財布」を使う人がいます。臨時用みたいな財布を海外でつかうわけですが、おすすめしません。
実は私も一時期、パスポート入れを海外用の財布として使っていました。紐がついていて強奪されないから最高だと思っていたのですが、財布から紙幣を取り出して確認する必要があるため、お金のやり取りがスマートではなくなることから、今は財布としてはつかっていません。あまり小さな財布だと紙幣を折りたたまなければなりません。ただでさえ慣れていない海外紙幣ですから、いちいち開いて確認しないと幾らの紙幣かわかりません。紙幣を折らずに使える財布がおススメです。
私は日本で使い慣れた普段使いの財布をつかうことをおすすめします。ただでさえ周囲の環境が日本と違うのですから、財布ぐらいは日本と同じ環境に揃えた方がいいと思います。あたふたしなくて済みます。
スマートにお金のやり取りができる財布がいい
要するに、スマートにお金のやり取りができる財布がいいということです。
司法クンの財布は普段使いで財布を折らずに使えるタイプでしたが、不用意にあこぎな商人の前で中身を見せびらかしたために紙幣を根こそぎ奪い取られてしまいました。
それに対してなすすべのなかった司法クン。いくら頭が良くてもまだまだ人生経験が足りません。「返してくれよう」ってジャイアンを前にしたのび太か!?
ところがこのときジャイ子が黙っていませんでした。その場で大声で喚き散らし、近くにいた日本人アテンダント(コンダクター)に助けを呼び、あげくの果てには地元の観光警察を巻き込んで彼氏のお金を取り返したのでした。
ほええ~。お見事。すごいじゃないの。ジャイ子。恥じらいってものがないけどね。女としてはどうかな~なんて思わないでもないけどね(笑)。
この事件を見るまでは、私はジャイ子はいつか司法クンに捨てられてしまうんだろうなと思っていました。彼が法律家として出世していくにつれて、ほかのいい女が寄ってくるはずです。ジャイ子がその美女に勝てるとは思えません(笑)。いつか他の女に乗り換えられて捨てられてしまうんだろうなあと思っていました。
でも「高額紙幣強奪事件」から見事に司法クンの現金を取り戻したジャイ子のたくましさを目の当たりにして、案外、もしかしたら、このままジャイ子は司法クンと結婚するかもしれないな、と考えを改めたのでした。
男と女ってどうなるかわからんからね。