粉瘤とはコブのこと。毛穴に汗や皮脂や垢がたまって大きく膨らむ
かつて私の左肩には大きなコブがありました。これを粉瘤といいます。実生活に害がないので放っておいたのですが、とうとうコブは5cm大の大きさにまで大きくなりました。が、それでも気になりませんでした。
大相撲の関取が「そんなに太っていると生活が大変じゃありませんか?」と聞かれたときに「私はいきなり太ったのではなく、幼い頃から徐々に太ったのだから、全然気にならない」と答えていました。それと同じようなものです。
5cm大のコブでしたが、徐々に大きくなったものなので、一切気にならなかったのでした。
この粉瘤というのはコブのことです。本来であれば汗や垢などは表皮から体外に放出されるのですが、毛穴が閉じてしまって袋状になってしまっているために、どんどんそこに垢や皮脂などがたまって大きくなるというものです。
マッサージ店で肩こりと間違えられて粉瘤が大爆発
私はマッサージが大好きです。とくにアジア旅行ではマッサージが欠かせません。
忘れもしない香港でマッサージ屋に入ったときのことです。いやあ気持ちよかった。マッサージってどうしてこんなに気持ちがいいんでしょうか。
滞っている血液や老廃物が流れているから気持ちがいいのだとしたら、どれほど私たち人間の体は欠陥品なのでしょうか。ここまでゴリゴリ揉んでもらわないと老廃物が流れないとすると、人間の体は欠陥品です。むしろマッサージされることが前提に設計されたのではないかと疑ってしまうほどです。
ホンコンの施術師は、私の肩を入念に揉みほぐしてくれました。すこし肩がこっていたのだろうと思います。でも違う、それはコリじゃない、コブです。粉瘤です。
いくら揉み解しても粉瘤が柔らかくなることはないのですが、それは黙っていることにしました。マッサージが気持ちよかったし、施術師の一生懸命さに水を差したくありませんでした。「それはコリじゃなくてコブなんだけどなあ」そう思いながらも揉まれるままに任せていたのです。施術師は肩の上においたタオルの上から揉んでいるので目視していないのです。肌を目視すれば異変に気づいたはずです。
粉瘤大爆発。再手術までした悪夢
彼は自分の仕事を一生懸命にやっただけです。肩のコリとコブ(粉瘤)の区別はつきませんでしたが。マッサージ師は悪くありません。私が「ストップ」というべきでした。しかし揉まれるにまかせていたために、粉瘤は熱をもって化膿し、コブの袋が破けてしまったのです。
コブの穴から臭い汁がダラダラ流れ出しました。粉瘤大爆発です。
帰国すると手術が待っていました。粉瘤は皮膚の上のことですし、内臓を切り刻むわけじゃないので手術としてはそれほど怖いものではありません。しかしきれいに粉瘤周囲の細胞を取り除かないと再発するといわれています。
私の場合も二回手術しました。一回目の医師が下手くそで粉瘤を取り切れなかったのでしょう。手術後、何年かしたらまた同じ個所が大きく膨らんできました。
別の病院で二度目の手術をしてから、粉瘤は再発していません。職場の先輩にも粉瘤の手術をしたという人がいました。けっこう粉瘤の人はいるみたいです。
全身マッサージなどしてもらうときに粉瘤もちの人は注意してください。あまり強く揉みしだかれると粉瘤は爆発します。お気をつけください。