ドラクエ的な人生

【温泉マークの連れ込み旅館】安宿はおもしろい。貧乏旅行はやめられない。

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バックパッカーだからって、ときにはツアーも利用する。

どうもハルトです。みなさん今日も楽しい旅を続けていますか? みなさんは旅をする時、どういうスタイルをとりますか。全て込み込みのパックツアー? 私もそういうツアーを利用することがあります。たとえばトルコ6都市とかイタリア7都市とか、こっちに時間がないわりに行きたい場所が多く、移動が多い時にはそういうスタイルを採用します。バックパッカーだからっていつもツアーを利用しないということではなく、都合が良ければ利用します。トルコ六都市ツアーなんかはわたしと同じような旅慣れたバックパッカーがたくさん利用していました。

しかし基本的には「宿の予約なし、現地の安宿街で当夜の宿を探す」スタイルで旅を続けてきました。

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韓国ソウルの安宿ラブホテル

 

韓国ソウルは私の第二の故郷です。いつものように安宿街を探していたのですが、ソウルは安宿街と呼べるようなチープホテルの集落はなく、その代わりに温泉マークの「連れ込み宿」がポツポツと各地に存在します。日本でいうラブホテルです。でも日本のラブホのように「けっこう高い」「ほとんど超豪華ホテルなみ」というわけではありません。連れ込み宿を、安宿の代わりに利用することができるのです。明日の朝まで眠る場所が確保できれば別に安宿だろうとラブホテルだろうと関係ありません。その日も、彼女(今の嫁)とふたりで、温泉マークの連れ込み旅館に泊まっていました。

その宿はいかにもラブホという感じの丸ベッドでした。丸いベッドなんてカタギのホテルにあるわけありませんよね? さすがに回転はしませんでした。安宿なので。

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【ソウル安宿事情】フライパンベッドは、熱くて、寒くて、半々地獄

ところがチープなホテルだけあって、部屋が寒いのです。外はソウルの冬でした。韓国の冬はとっても寒い。安ホテルの暖房はというと……まるできいていません。唯一、丸ベッドがオンドルのようにになっていて、そこだけは温かいのでした。っていうか、熱いぐらいでした。なぜかフライパンのように丸ベッドだけが熱くて、室内は凍るように寒いのです。掛布団がタオルケットのように薄いため、せっかくの熱が逃げてしまうのでした。

しばらくは我慢してフライパンベッドの上で眠ろうとしたのですが、下は熱いし、上は寒いしで半々地獄のようでした。しばらく我慢しましたが、ベッドの熱さも、部屋の寒さも、どちらも耐えられません。とうとう私はネをあげて、ホテルの管理人のところに行って「寒い。寒い! 掛布団ちょうだい。布団ジュセヨー!」とすべてジェスチャーで伝えました。下痢のジェスチャーをすることを思えば、それぐらいのジェスチャーは余裕です。ちなみに私はソウル日本人学校出身ですが韓国語はまったく喋れません。

するとホテルの管理人のオッサンは「おお。さっきの日本人か。女と一緒だっただろ。こうやって(と、管理人のオッサンはオレを抱きしめた)抱き合って眠ればいいんだよ。そうすりゃ寒くないだろ?」とすべて韓国語でいいました。でも何を言ってるのかすべてわかりました。あたかも抱き合って眠るためにわざわざ室温を下げているんだといわんばかりの言いぐさでした。

オレも仕方ないので苦笑するしかなく(あまってる布団がないかもしれないし)、掛布団を体の下に敷いて直接フライパンベッドで炒められるのを避けつつ、隣の彼女(今の嫁)と抱き合って眠りました。

どこかから女の喘ぎ声が聞こえてきましたがこちらはそんなエロい雰囲気にはまったくならず、ただ生きのびるのに必死でした。

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安宿はおもしろい。貧乏旅行はやめられない。

わたしも長い間生きてきましたが、背中は熱くてたまらず、お腹は寒くてたまらずといった半々地獄をあじわったのは、あれが最初で最後でした。

でもこう思ってしまうのです。「これだから安宿はおもしろい」と。

たぶん高いホテルに泊まったら、ありきたりの快適なサービスが提供されて、こちらの記憶には何も残らなかったに違いありません。

安宿に泊まったからこそ、一生思い出に残る経験ができたのでした。

こう考えられるから、貧乏旅行がやめられないのかもしれません。

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旅人が気に入った場所を「第二の故郷のような気がする」と言ったりしますが、私にとってそれは韓国ソウルです。帰国子女として人格形成期をソウルで過ごした私は、自分を運命づけた数々の出来事と韓国ソウルを切り離して考えることができません。無関係になれないのならば、いっそ真正面から取り組んでやれ、と思ったのが本書を出版する動機です。私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。

【本書の内容】
●ソウル日本人学校の学力レベルと卒業生の進路。韓国語習得
●関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件
●僕は在日韓国人です。ナヌン・キョッポニダ。生涯忘れられない言葉
●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
●日本海も東海もダメ。あたりさわりのない海の名前を提案すればいいじゃないか
●天皇制にこそ、ウリジナルを主張すればいいのに
●もしも韓国に妹がいるならオッパと呼んでほしい
●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
●「トウガラシ実存主義」国籍にとらわれず、人間の歌を歌え

韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。

「近くて遠い国」ではなく「近くて近い国」韓国ソウルを、ソウル日本人学校出身の帰国子女が語り尽くします。

帰国子女は、第二の故郷に対してどのような心の決着をつけたのでしょうか。最後にどんな人生観にたどり着いたのでしょうか。

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