チョコレートは値段が高くなるほどまずくなる
テレビを見ていたら高級チョコレートの特集が流れてきた。
テレビの中の女性は「チョコレート、大好きです」といいながら、ゴディバとかフォションとかピエールマルコリーニとか、ブランドの高級チョコレートをたくさん買い込んでいた。
プレゼントではなく、コロナ禍の在宅需要、自分にご褒美消費で自分で食べるのだという。どんどん買ってください。そして消費を盛り上げてください。
ところで私が気になったのは「チョコレート大好き」という彼女たちのコメントである。
ホントにチョコレートが好きといえるのか?
私もチョコレート、たべたーい。
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ところで彼女たちは本当にチョコレートが好きといえるのかな? 高級チョコほどよけいな夾雑物が混ざっていて、チョコレートから遠ざかっていくと思わない?
高級チョコを齧ってみるとチョコレートでコーティングされたキャラメルだったりすることがよくあります。ウイスキーボンボンといってチョコレートを齧ると中から洋酒がドロッと出てくるタイプのものもありました。
ああいうのが好きな人はチョコレートが好きなのではなくて、チョコレートにトッピングされた「何か」が好きというのが正解なのではないでしょうか。
正直言って、私はゴディバよりも明治の板チョコの方が好き。チョコレートは値段が高くなるほど不味くなると思っている
アイスクリームと板チョコレートの組み合わせとかの方が、ゴディバのつめあわせセットよりおいしいじゃん?
高級ブランド志向で、本当にチョコレート好きと言えるのか?
高級ブランドのチョコレートは、チョコレートのみではなくナッツが含まれていたり、チョコレートはコーティングにしか使っておらず、中身は別ものだったりすることがほとんどです。中身がチョコレートの場合でも「やわらかい謎のチョコレート」だったりします。乳化剤とか食用油で柔らかくしているのではないでしょうか?
そもそもチョコレートの色が内外で違ったりします。色が違うということは添加物が加えられているということではないでしょうか。
そんなものを好きだという人を、本当に「チョコレートが大好き」と認定していいのかどうか。ここではそれを追求していきます。
本当にチョコレートが好きなら「純チョコ」じゃなきゃダメなんじゃね? と私は思いました。
本当のコーヒー好きがブラックコーヒーを好むようなものです。「あまいコーヒー牛乳が大好き」という人は本当はコーヒーじゃなくて砂糖や牛乳が好きなんじゃないの? というわけです。
そんなことを思ったので調べてみました。そして驚きました。
チョコレートの奥深い世界。純チョコレート規格
そもそも「純チョコ」の定義が違いました。
私は明治の板チョコみたいな「100%同一素材の純粋チョコレート」を純チョコというのかと思ってました。明治の板チョコは、上から下まで全部同じものでできています。そういうものを純チョコというのかと思い込んでいました。
ところが純チョコというのは、純チョコレート規格というのがあって、厳密に決められているものでした。
ちなみに明治ブラックチョコレートの成分表はこちら。砂糖(外国製造)、カカオマス、植物油脂、全粉乳、ココアバター/レシチン、香料、(一部に乳成分・大豆を含む)。先に表示されているものほど含有量が高いということです。
純チョコレート規格の定義からいうと、私が純チョコだと思っていた明治の板チョコは純チョコレートではないのです。
半分近くは砂糖でできています。
砂糖は最高依存度の合法ドラッグ
ところで調査する前からわかっていたことに「砂糖」要素がありました。おそらく安い板チョコには大量の砂糖が使われているだろう、と予想していました。
砂糖というのは「依存度最高の合法ドラッグ」だという人もいるぐらい中毒性があります。料理を含めて一切の砂糖を排除した生活を考えられますか?
考えられません。間違いなく禁断症状が出ると思います。
チョコレートの原料であるカカオ由来のカフェインと、最高依存度の合法ドラッグである砂糖という二大コンボで、安い板チョコは最強なのだろう、というのが私の予想です。
高級ブランドチョコレートがどれだけ工夫しても、カカオと砂糖をあわせただけの板チョコに勝てるわけがない、と思いました。
チョコレートがやめられない、というのは、砂糖がやめられない、ということ
ところで私の「砂糖とカカオ」という予想は外れていました。
砂糖要素はドンピシャで正解でした。板チョコの砂糖含有量は30~40%程度だそうです。
えっ!? 想像以上なんですけど!! ほとんど砂糖の塊を食べてるようなものじゃん。
実際のカカオ成分は苦くてあまりおいしくないそうです。「カカオだけ」だと嗜好品とはなりえないのです。
チョコレートがやめられない、というのは、砂糖がやめられない、ということです。
さすが史上最強の合法ドラッグですね。
「チョコレート」じゃなくてむしろ「砂糖」と表示してほしい
安い板チョコレートにはカカオ成分はあまり含まれていないそうです。それなら「チョコレート」じゃなくてむしろ「砂糖」と表示してほしい……。
では、高級ブランドチョコレートはカカオ要素が大きいから「あまりうまくない」のでしょうか?
調べてみるとそうではないことがわかりました。結局、高級ブランドチョコレートもカカオ要素にたいして違いはありません。チョコレートの成分は板チョコとほとんど変わらないのです。
そもそも「カカオだけ」だと苦すぎて食べられません。砂糖とブレンドするから、カカオと苦みと砂糖のあまみがブレンドされていい感じになっているのが、私たちが知っているチョコレートなのです。
ゴディバチョコであっても、明治チョコであっても、そこは同じことなのです。商品によって異なりますが、成分表示を見ると、砂糖、全粉乳、ココアバター、カカオマス……と、ゴディバも板チョコとたいしてかわりません。
味の違いは砂糖のブレンドの問題にすぎず、ブランドの問題は包装などディスプレイの仕方にすぎません。
健康を考えるなら「あまいチョコレートはひかえる」のがいちばん
健康のために、カカオポリフェノールを摂取するために、チョコレートを……というのなら高級ブランドチョコレート嗜好もしかたないかと思いましたが、嗜好品のチョコレートとカカオポリフェノールは別の問題だということがわかりました。
嗜好品チョコレートはどっちにしても砂糖なのです。健康を考えるなら「あまいチョコレートはひかえる」のがいちばんよさそうです。
コカ・コーラがそうであるように、チョコレートのおいしさは、砂糖という最強依存度の合法ドラッグ由来のものだったのです。
ブラインドテストでは国産チョコレートの方がおいしいというデータもある
ところでみなさん、本当に高級ブランドチョコレートがおいしいと思いますか?
ブラインドテスト(商品名を隠して味だけで好きな方を選択するテスト)だと、ブランドよりも国産チョコレートの方が、選択する人が多かったというデータもあるそうです。
けっきょく、チョコレートの味くらべというのは、砂糖のブレンドの調合の妙の比較ってことになります。
多くの人が「ブランドものだからおいしい」と思い込んでいているのではないでしょうか。
「料理は見た目も味のうち」なら高級ブランドチョコレートもあり
チョコレートは高くなるほど不味くなるんじゃないか? と思ったので、ここではチョコレートの正体について調査しました。
嗜好品チョコレートの正体は「砂糖」でした。カカオは問題外で、砂糖のブレンドがチョコレートの味だということです。
「料理は見た目も味のうち」という言葉があります。そういう意味では「包装がしっかりしているから味も間違いない」と「見た目」が高級ブランドチョコレートをおいしいと錯覚させているのかもしれません。
ただし、高級ブランドチョコレートは本物のカカオが入っていて、安い国産チョコレートには入っていない、という予想は間違っていました。嗜好品チョコレートの成分はどちらもたいして違いありません。そして「チョコレートの正体は砂糖」なのです。
それほど砂糖におんぶにだっこなら、やっぱり安い板チョコでいいんじゃないの?
贈答品ならともかく、自分で食べるのに、どうしてわざわざ高いチョコレートを買う必要があるでしょうか。費用対効果でいえば確実に安い板チョコの方がいいといえるでしょう。
いらんよオレは、高級ブランドチョコレートなんて。国産の板チョコでじゅうぶんです。
おれって安上がりにできているんだなあ。
バレンタインデーが安上がりで助かるわ!