かつてのクラスメイトも、今では何を考えてどんな生き方をしているのかわからない
古い友だちとソウル旅行に行こうという話しになった。小学生時代のクラスメイト、ソウル日本人学校の同級生たちとである。友だちといっても生活が別々になって数十年も経っているので、もうそれぞれ別の人生を歩んでいる。会うと懐かしいが、今何を考えて、どんな生き方をしているのかまではわからない人たちだ。
ソウル日本人学校の偏差値レベルと韓国語。卒業生の進路と有名人。同窓会と将来
私自身は帰国子女として人生を歩み、帰国子女の人生哲学=トウガラシ実存主義を標榜して生きている。しかし友だちの中にはパスポートを持っていない人もいるのだ。
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旅人が気に入った場所を「第二の故郷のような気がする」と言ったりしますが、私にとってそれは韓国ソウルです。帰国子女として人格形成期をソウルで過ごした私は、自分を運命づけた数々の出来事と韓国ソウルを切り離して考えることができません。無関係になれないのならば、いっそ真正面から取り組んでやれ、と思ったのが本書を出版する動機です。私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。
【本書の内容】
●ソウル日本人学校の学力レベルと卒業生の進路。韓国語習得
●関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件
●僕は在日韓国人です。ナヌン・キョッポニダ。生涯忘れられない言葉
●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
●日本海も東海もダメ。あたりさわりのない海の名前を提案すればいいじゃないか
●天皇制にこそ、ウリジナルを主張すればいいのに
●もしも韓国に妹がいるならオッパと呼んでほしい
●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
●「トウガラシ実存主義」国籍にとらわれず、人間の歌を歌え
韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。
「近くて遠い国」ではなく「近くて近い国」韓国ソウルを、ソウル日本人学校出身の帰国子女が語り尽くします。
帰国子女は、第二の故郷に対してどのような心の決着をつけたのでしょうか。最後にどんな人生観にたどり着いたのでしょうか。
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いや、人生わかれたものだよねえ。かつてはクラスメイトで、同じ帰国子女だったのに。
ちなみに私は大西洋上をのぞいて世界一周しているぐらい海外旅行に行きまくっている。おそらくソウル旅行グループの中でももっとも海外経験が豊富な一人だと思う。
そういう人たちと一緒に海外旅行に行くとなると、いろいろ思いもかけないものをぶっ込んできて、とても面白い。
ここは自分のやり方を脇に置いて、人のやり方に従ってみよう。他人に旅をあずけることで、自分では行かなかった場所に行けるし、自分ではやらなかったようなことが経験できるのだから。
しかし……やっぱりツーカーの妻と旅するのとは違うなあ、と非常に感じる。妻がどれほど旅のしやすいパートナーであるかということを赤の他人と旅することで改めて実感させられるのだ。
海外旅行に「モバイルWiFi」「トラベラーズSIM」「eSIM」は必要か?
ほとんど海外旅行に行っていない人たちと、一緒にソウルに行こうということになった。彼らは「モバイルWiFi」か「トラベラーズSIM」「eSIM」を使おうとしている。
ええっ、マジか。オレ、世界100都市以上行ってるけど、海外でそんなもの使ったことないんだけど?
みんなが使うというので調べると、かなりの安さで海外でもネット環境に接続できるらしい。やってもいいかな、と思える程度の金額である。だからみんな繋ぐらしい。
IoH(Internet of Human)か!
でもおれはやらない。だってせっかく海外まで行ってスマホの画面ばかり見ていたくないもの。道に迷うことを心配しているらしいが、迷ったら現地の人に聞けばいいじゃん。それがコミュニケーションになって印象に残るんだから。スマホに聞いて、現地の誰とも喋らない旅なんておれは選ばない。逆につまらないと思うから。
ネット環境下にないとGrabがつかえない。
海外でモバイルWiFiやSIMカード入れ替えなどをしたことがないので、Grabを使ったことがない。ネット環境下にないとGrabは使えません。でもタクシーがあるのだから、別にGrabが使えなくても不自由はない。
ちなみに私の場合、図書館で借りたガイドブックを写真に撮って保存、ブロガーのウェブページをページ保存などして情報を事前に得ておく。
ネットはまったくつかわないというわけではなく、宿泊ホテルやコーヒーショップでの無料Wi-Fiは利用させてもらっている。ネット環境での情報のおかげで飛行機に乗り遅れずに済んだという危機一髪の体験をしたこともあった。
映画『カサブランカ』より。旅行トラブル『最終日の夜は、空港ちかくの街で過ごすべし』旅先での携帯電話とWi-Fi活用の重要性について
貧乏だからお金をかけたくないだけだろ! というツッコミが聞こえるが、そうではない。貧乏ではなくビンボー主義者なのだ。貧乏旅行を楽しんでいるのである。
映画館で映画を見るより、動画のサブスクのチャンネルを契約した方が安くて楽しい
グーグルマップはオフラインでも利用できる
ちなみにグーグルマップはオフラインでも利用できるの知っていますか?
たとえばソウルならソウル市一帯をダウンロードしておけば、オフラインでも地図を見ることが可能です。
さらに現在位置を示すGPSはオンラインでなくてもつかえるので、GoogleのオフラインマップとGPSで、無料でロードマップとして利用することができる。
グーグルマップは行きたい場所をセットして仲間うちで共有することもできるので、今回の旅のような場合、とても便利です。
また、現在位置を共有すれば、別行動しても、相手の居場所がまるで迷子を探すようにサーチすることができます。
非常に便利です。基本的に別行動しない嫁との二人旅ならこれで十分です。ネット環境に繋がっていなければならない理由はありません。
現地の交通カードは買うべきか否か?
また友人たちはパスモみたいな交通カードを買おうとしている。これはいいアイディアのようでもあり、そうでもないかもしれない。
交通カードのメリットは時短効果である。電車に乗るときに券売機に並ばなくてもいいというのが最大のメリットだ。海外では場合によっては券売機の前でものすごく並ぶことがある。
私の場合、券売機に並ぶ時間さえもマンウォッチングの時間と思って楽しんでいるので無駄にしないため、ほとんどの場合、交通カードを買うことはない。
デメリットは、旅程によってはきちんと未使用運賃の払い戻しできない場合があること。買取型の交通カードの場合、短い旅程だと金銭的損失が大きいことである。数か月単位で暮らすなら交通カードを買ってもいいが、数日の旅なら現金精算の方がいい。
ソウルの場合、確実にまた行くことになると思うので、友人たちが交通カードを買うのなら、つきあって一緒に買ってもいいと思っている。
食事するところを全部決めていこうとしているんだが、無理じゃないか
友人たちは、食事するところをぜんぶ決めていこうとしている。
私たちは夫婦で旅する場合、何かを食べたいまでは頭に入れるが、お店を決め打ちするのはよっぽど特別な場合のみ(わざわざそのお店に行くこともある)で、基本的には腹が減った時に目に入ったお店の中から選ぶことにしている。そのぐらい自由がないと、計画に旅が縛られてしまうからだ。
そんなにうまくスケジュールどおりにいくもんかね。無理じゃないかと私は思う。
しかし今回は、友人たちの流儀で旅をしてみるつもりだ。なぜなら最初に述べたとおり、他人に旅をあずけることで、自分では選ばなかった場所に行くことになるし、自分では選択しない経験ができるのだから。そういうイレギュラーが今回の私の旅の楽しみだ。
私にとって旅とは「トラブルをクリアしていくゲーム」
私から見ると、何も準備しない主義だからこそ、ふっと思いたった時に旅に出られるのだと思う。だからこそ多くの旅に出られたのではないか。そんなに準備が必要だと構えていると準備するだけでカネと時間と精力を使ってしまうではないか。そんなことよりも現地で何が起こるかわからないぐらいの空身素手で旅した方が「トラブルをクリアしていくゲーム」になって旅が楽しくなると思うのだが……。
旅は準備をすればするほど敷居が高くなる。しかし準備をしながら気持ちを高めていっているみたいなので、今回は私もそれに乗ろうと思う。いわば個人旅行だがツアー旅行に参加しているような気持ちである。
ふつうはツアー旅行は現地で知り合い現地で解散してしまう関係だけれど、昔のクラスメイトとの旅なのでそうではないところが面白かったりする。
はたしてどんな旅になることやら??