世代間ギャップの面白話を聞いたのでご紹介します。人づてに聞いた話なので、もしかしたらどこかのお笑い芸人のネタかもしれませんが、いかにも身近なところで「本当に合った話し」のような気がします。
ファックスを物質転送装置だと勘違いする新入社員
ファックス、使わなくなりましたね。最近では仕事上の通信もほぼ「電子メール」をつかいます。紙ベースのものでもスキャンして画像で電子メールに添付して送りますよね。ファイルを保存もできるし、画質の劣化もしないし、便利なものです。
ところが我が社で「社内セキュリティ」上、電子メールが使えなかったことがありました。〆切が近く、急いでいたので、ファックスを使うことになったそうです。「書類、ファックスで送って」先輩が新入社員にファックスで書類を送るよう指示したところ、ファックスを知らなかったそうです。まあ、たしかに生まれてから一度も使ったことないかもしれませんね。生まれた時からインターネットがある世代だもんね。
その先輩は唖然としましたが「電話番号を入力して、ここのソーターを通せば送れるから」とファックスの使い方を教えて自分の仕事に戻ったそうです。しばらくするとその新入社員の子がやってきて「先輩。紙が出てきちゃいました」と言ったそうです(笑)。
ドラえもんか! 物質転送装置じゃねえんだよ。
どうやらファックスで紙ごと相手に送れると思っていたみたいです。たしかに「相手に送れる」って言ったけどさ……。
ラブホテルのエアシューターじゃあるまいし
昔、ラブホテルに「エアシューター」というものがありました。不倫客が従業員と対面しなくていいように、「ホテル代」を密封容器に入れてボタンを押すと「容器を丸ごと」部屋からフロントに送れる装置でした。たしかにあれは物質転送装置でした。あれと同じものをイメージしたのでしょうか。
たしかにファックスは滅び去る運命にあると思います。感熱紙のような保存に適さないものにしか印画されないし、画像としてひどく劣化するし、紙の補充も必要です。
ポケベルよりもEメールの方が圧倒的に優秀であるように、ファックスよりもEメールにスキャンして添付するやり方が圧倒的に優れています。だからやがてファックスなんて誰も使わなくなるんでしょうなあ。
今どき、ポケベルを知らなくても誰もバカにしないように、ファックスを知らなくても誰もバカにしないという時代が来るんでしょう。わたしたち全員が死に絶えた後に、いつかやがて。
トレンディ・ドラマの隔世感がおもしろい
20世紀終わりごろのトレンディ・ドラマは、今でも第一線で活躍している俳優さんたちが「携帯電話」なしで頑張っている姿を見ることができます。家族に聞かれないように、家電(いえでん)だけでデートの約束している姿が微笑ましかったりします。時代の隔世の感が逆に面白かったりします。かつてトレンディといわれていたものが、これほど古く感じるのはやはりケータイがないから、でしょう。
かくいうわたしもそちらの時代を知っている人間のひとりです。
世代間のギャップに愕然とする。
しかしFAXを知らないとはなあ……ファミレスで「おひとり様ですか?」と聞かれて「いや、結婚してます」とこたえるような「おじさん」たちは、モロにガックリきてしまいます。
こうやっておれたち社会を退場していくんだなあ、と世代間のギャップに愕然とするのです。
いっそ部長に「コピー焼いてきて」と言われたら、ゼロックスを丸ごと燃やしてしまえば、若者チームに入れてもらえるでしょうか。
いつまでも若者の側にいたいと思う今日この頃です。