英語ペラペラなのに団体旅行? せっかく勉強した英語、使う場面がないよ?
知り合いのお嬢さんは英語がペラペラなのに、いまだに海外旅行はツアーで飛んでいるそうです。
ずっと個人旅行をしてきた身からすると「なんでツアー?」と思わざるをえません。英語がペラペラだったら個人旅行で余裕だと思うんだけどな。
なんだかもったいない気がしませんか?
ツアー団体旅行者が個人旅行者になるきっかけ
ツアーの団体旅行者から、個人旅行者になるためには、きっかけが必要です。多くの人は完全パックツアーからはじめて、次に航空券とホテルのみというフリープランを経験した後、個人旅行者になるのではないでしょうか。
フリープランと個人旅行の差はほとんどありませんからね。
自分の故郷に「はとバス」で行く気になれますか?
わたしの場合、きっかけは韓国でした。わたしはソウル帰りの帰国子女です。放火で全焼した旧南大門を幼い頃うんざりするほど見ています。
妻イロハさんがどうしてもソウルに行きたいと言い出したのですが、わたしにとってソウルはツアーで行く場所ではありませんでした。第二の故郷です。暮らしていたのです。滞在日数でいえばガイドなんかわたしの足元にも及びません。わたしにとってソウルはガイドをつけていく場所ではありませんでした。
自分の故郷に「はとバス」で行く気になれますか? いってみればそれとおなじことです。
どうしてもツアーで行く気になれず、わたしがイロハをソウル案内することにしました。それが個人旅行のはじまりでした。
現地の言葉は喋れなくても何とかなる。
ちなみに韓国帰りの帰国子女ですが韓国語は全く喋れません。ハングルも読めません。
ソウル日本人学校では週に一度韓国語の授業があり、クラスメイトにはハングルが読めた子もいたのですが、わたしは不勉強でしたので読めませんでした。
しかしクラスメート(の小学生)にできたことが大人にできないはずがないと思い、挑戦すると簡単でした。基本的なハングルは一週間で読めるようになりました。ローマ字の要領で、簡単に読めるようになります。
韓国語は日本語と発音も似ていて面白いですよ。「コーソクトーロー」というのは「高速道路」のことでした。そのまんまです(笑)。
ソウル日本人学校の偏差値レベルと韓国語。卒業生の進路。公立? 私立?
帰国子女体験が人生にあたえた影響
韓国ソウルは海外旅行者が最初に行くような場所です。レベル1の地域でしょう。そういう意味では、わたしは海外旅行の初期から個人旅行をはじめたことになります。幼い頃のソウル暮らしのおかげです。そう考えると幼い頃の海外暮らしも何の影響もないようで大きく人生を変えているのかもしれませんね。
「ツアーは高い。個人手配旅行の方が安くあがる」は過去のひとコマになりつつある。
多くの海外旅行者が、団体旅行から個人旅行にうつるきっかけのひとつとして「ツアーは高い。個人手配旅行の方が安くあがる」という事実がありました。しかしこれはもはや過去のひとコマになりつつあります。最近では「個人手配の方が高くてツアーで申し込んだ方が安い」ことがザラにあります。
これには理由があります。個人旅行者は安宿に泊まって「宿泊代」のところで旅費を下げていたのです。航空運賃はいくら格安チケットを買ったとしても、それはもともと団体旅行チケットのバラ売りなので、それほど差がつかないのです。差がついたのは「宿泊代」でした。団体旅行の場合は、お客様の誰からも苦情が出ないようにするためとか、全員が同じホテルに泊まるためにはある程度の部屋数が必要だとか、さまざまな理由により、ある程度のグレードのホテルを手配することが必要でした。そのために宿泊代が割高となっていたのです。
ところがスマホが普及して、いまでは誰でも地方のローカルな安宿に外国から予約が入れられるようになりました。それによって個人旅行の敷居が下がったのも確かです。そして旅行会社の航空券とホテルだけ手配というフリーパッケージツアーも、ホテルの場所やグレードを自由にチョイスできるようになりました。こちらは団体割引が効きますので、個人手配よりもさらに安く宿泊場所を確保できるというわけです。
こうして個人旅行よりも、フリーパッケージツアーの方が安く上がるという時代になりました。
今後ますます個人旅行は流行らないということになるかもしれません。高いんじゃ、ね。
となると、せっかく学んだ英語を使う場面が極端に限られてきます。すくなくともこれまでに投資してきた勉強時間に見合う費用対効果があったとはとても言えないんじゃないでしょうか。実戦で使うチャンスがほとんどないわけですから。
そのお嬢さんは英文科のご出身だそうです。でも「夕食は和食が食べたい」という老夫婦でもストレスなく参加できる団体旅行では、せっかく学んだ英語を使うチャンスはほとんどありません。なんかもったいないなあ、と思ったのでした。
経験を積んでフリーパッケージツアーから、個人旅行者になってほしいなあ、と思います。