昔、ドラえもんに『ほんやくコンニャク』というひみつ道具があった。食べると相手と会話できるという未来の道具であったが、時代はだんだんドラえもんに追いつこうとしている。
ここでは、最先端の翻訳機器ポケトークについて考察する。
同時通訳器が『ドラえもん』の「ほんやくコンニャク」実用レベルに。日本語で悪口言いたい放題(悪趣味)ができなくなりそうな予感
ポケトークは『いきなりPDF』の株式会社SOURCENEXTソースネクスト製品
ポケトークをつくっているのは株式会社SOURCENEXT。『いきなりPDF』でお世話になっている会社である。他にも『ウィルスセキュリティZERO』や『winDVD』などのメガヒットソフトを次々と開発している会社である。
ソフトで実績のあるソースネクストが、今度はポケトークという翻訳端末を発売して評判になっている。ソフトで勝負してきた会社がどうして今度は機器販売なのか? その秘密は「翻訳」という行為そのものにある。
マウンテンライオン(クーガー、ピューマ)はライオンなのか、ヤマネコなのか。猫と虎を人間はなんとなく見分けている。人間にはなんとなくわかることが、0か1かの世界のAIにはとても難しいことらしいのだ。
それを実現化したソースネクストのテクノロジーを、よく研究してみよう。
AI通訳機。ポケトークの仕組み
ポケトークは、74言語対応のAI通訳機である。翻訳してほしい言葉の間、ボタンを押しているだけの簡単操作を実現している。
クラウド上のエンジンが翻訳した言葉を発音し、かつ文字表記してくれるというスグレモノだ。音声を送信し、結果を発声してくれるのだ。
翻訳と通訳の違いは、文章か音声かの違いだと考えていいだろう。
音声認識した上で、外国語に変換するようなAI作業がどうしてポケットに入るような小さな機械に出来たのか?
秘密は、高度なAIの翻訳作業は外部クラウドで行っていることにある。ポケトークは送受信装置だと言えるだろう。核心の通訳・翻訳作業は外部クラウド上のエンジンで行っているのだ。
そのためポケトークではネットにつながっていないと翻訳できない。
74言語の世界と通訳するために用意されているのが「グローバル通信」である。このシステムにより、世界中で使える通信機能を内蔵しているというわけ。
eSIMと呼ばれる専用SIMカードが本体内部に用意されているタイプではそれを使うといい。もちろんWi-Fiでも使える。SIMカードによるスマホ通信でも使える。
世界中を旅してきた感想であるが、こと通信、Wi-Fi環境に関しては、世界は日本よりも進んでいる気がする。どちらかというと日本はモバイル通信発展途上国なのではないかと思っている。
むしろ日本よりも外国ではポケトークを安心して使えるだろう。ビジネス用途の人は無論であるが、とくに一人旅の人にこのポケトークをおすすめしたい。
旅は絶対に一人旅がいいという人がいる。その気持ちは私にはよくわかる。
一人旅のだいご味は何と言っても現地の人とのふれあいである。一人旅をしていると外国ではとにかくよく話しかけられる。日本じゃ誰からも声をかけられないのに何でこう声をかけられるのかと驚いてしまう。
とくに女性は声をかけられる。外国旅行はそれが楽しかったりする。「私、外国だとモテモテじゃん」と勘違いしてしまうが、男性でもそこそこ声をかけられている。やはりそこは「知らない人にも話しかける」国民性なのだろう。
そんな時、言葉が喋れないと会話が続かないんですよ(経験者は語る)。笑顔のまま無言になって最後は「じゃあ」とサヨナラするしかないのが悲しい。
せめて英語が話せたら、カオサンでもアロー通りでもデタム通りでも、もっともっと旅を楽しめただろうに。
いや、白人でも英語を喋れない人って結構いるから(経験者は語る)結局は74言語喋れたらなあってことになるんだろう。相手がフィンランド人だったらフィンランド語だ。英語は通用しない。
フランス語なんて喋れたら最高だろうなあ。。
今から勉強しても遅い。でもポケトークがあれば、自分の代わりにこの小さな機械がフランス語を喋ってくれるのである。
ポケトークは双方向の翻訳が可能なので、会話が可能なのである。カオサンで隣でシンハビアーを飲んでいる白人さんたちとポケトークがあればお友達になれるのだ。
操作はとてつもなく簡単だ。グローバル通信を使えば接続は勝手にやってくれるし、喋っている間に通訳ボタンを押しているだけである。
「ほんやくコンニャク」とまではいかないが、未来の夢にとてつもなく近づいているのだ。
ポケトークがあれば、世界を放浪できる。
ポケトークがあれば、外国人と恋もできる。
ポケトークがあれば、外人と結婚して移住することも可能かもしれない。
ポケトークがあれば、いつかポケトークがいらなくなるほどに、恋人の国の言葉が喋れるようになるだろう。