どうもハルトです。みなさん今日も元気に走っていますか?
ここでは右肩脱臼骨折のその後について、後日譚を書き残しておこうと思います。
スキー場で転倒し、脱臼骨折をしてしまった私ですが、右肩は完治まで3カ月ほどかかりました。
正確にはいまだに直ってはいません。いまでも右肩はグルグル回すと変な音がするし、筋肉や関節には違和感が残っています。
ロードレーサーの新城幸也選手などが大腿骨を骨折しても、また第一線の選手として戦線復帰できるのを見ると、奇跡のような気がします。
リハビリのやり方なのではないかと思います。
まだ筋肉や関節が治りかけの柔らかい頃から、激痛に耐えながらも動かすことが重要なのだと思っています。
私の場合は、痛みに負けて、あまり動かしませんでした。
動かすと痛いのです。動かさなければ痛くないのです。だから動かしませんでした。
そうすると「動かない関節」として治癒してしまいます。
ハルトは中学時代、長距離走は全校で一番でしたが、遠投力でも学年3本の指に入る強肩でした。
しかしもう物は投げられません。
正確にはものを投げるというのも、腕や肩ではなく、体幹をひねって、その勢いで投げるのですが、それにしても柔らかいムチのようにしなるべき肩がガチガチに「動かない関節」となってしまっては、もう「何かを投げる」スポーツをすることはできません。
しかし得たものもあります。
ひとつは再び読書の楽しさを知ったことです。
仕事で活字づけになっていると、オフに読書をしようという気にならず、本を読むということから遠ざかっていたのですが、まあ面白いのなんのって。
テレビとか映画よりも、基本的に読書というのは面白いものだと思っています。
もちろんツマラナイ作品も多いですが、想像力を刺激する本は、映像作品を越えてきます。
読書よりも面白いものは、夢だけでしょう。
夢、見ますか? 疲労していると、熟睡してしまい、夢は見ませんよね。
惰眠をむさぼると、夢を見ます。明るい昼間に眠ったりすると、夢を見ます。
夢は最高ですね。自分が本当に体験している臨場感で、自分の好きな世界で、欲望をかなえるような夢を見ます。
夢ほど面白いものはありません。
ケガの療養中に、それを思い知りました。
そして、もうひとつ得たものとして、腕を吊っているために全く走らない日々が終わると、そのおかげで膝の傷が癒え、再び私は走れるようになっていたのでした。
ケガというのは、ひとつの挫折ですが、この体験から私は思うのです。
挫折というのは、ひとつの流れ、運命であって、それにあらがって元に戻ろうとするのではなく、いっそ新しい人生に変えるチャンスともなりうるということです。
癌になった人が「私の人生で最良の出来事は癌になったこと」だと言うのを聞いたことがあります。
嘘偽りなく、この人はそう思ったのでしょう。
癌という挫折により、人生を変えた。しかも今までの生き方よりも、よいように変えた。
だから挫折が最良の出来事となったのでしょう。
私にとっても右肩脱臼骨折は、人生において、欠かすことのできない体験のひとつになっています。