平成ナンバーワンの名作ゲーム『クロノトリガー』評価

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『ドラクエ的な人生』とは?

心の放浪者アリクラハルトの人生を走り抜けるためのオピニオン系ブログ。

書籍『市民ランナーという走り方(マラソン・サブスリー。グランドスラム養成講座)』。『通勤自転車からはじめるロードバイク生活』。小説『ツバサ』。『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』『読書家が選ぶ死ぬまでに読むべき名作文学 私的世界十大小説』『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』。Amazonキンドル書籍にて発売中。

平成という時代が終わってしばらくたちます。ちまたでは「平成の××」という企画が出そろったようです。

そんな中で私が非常に気になったのが「平成のゲーム 最高の一本」という平成××でした。

「ファミ通」の企画で、平成のナンバーワンゲームが読者のアンケート投票によって選ばれました。

ドラクエやゼルダの伝説を抑えて一位になったのは「クロノトリガー」。

実は私、未プレイのゲームでした。

平成最高のゲームとは、いったいどういうゲームなのでしょうか?

実際にプレイしてみました。ニンテンドーDSでプレイしました。

なるほどみんなが絶賛するだけのことはありました。

1995年の作品です。25年前のスーパーファミコンの時代にこんな名作ゲームがあったとは!!

驚きです。グラフィックもストーリーも想像以上でした。

このコラムでは今さら『クロノトリガー』について書いています。

筆者自身による読み聞かせはこちらをどうぞ。よければチャンネル登録、高評価よろしくお願いします。

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物語のあらすじを述べることについて

物語のあらすじを述べることについての私の考えはこちら。

物語のあらすじを紹介することについて
あらすじを読んで面白そうと思ったら、実際に照会している作品を手に取って読んでみてください。ガイドブックを読むだけでなく、実際の、本当の旅をしてください。そのためのイントロダクション・ガイダンスが、私の書評にできたらいいな、と思っています。

私は反あらすじ派です。

作品のあらすじ、主題はあんがい単純なものです。

要約すればたった数行で作者の言いたかった趣旨は尽きてしまいます。

たとえば「死すべき運命を受けいれて、短い命を燃焼させて、人間らしく充実して生きた」とか。

世の中にはたくさんの物語がありますが、主役のキャラクター、ストーリーは違っても、要約した趣旨は同じようなものだったりします。

物語は主人公が「何かを追いかけるタイプ」か「何かから逃げるタイプ」しなかいといった人もいます。

だったら何のためにたくさんの物語があるのでしょうか。

あらすじや要約した主題からは何も生まれません。

観念的な言葉で語らず、血の通った物語にしたことで、作品は生命を得て、主題以上のものになるのです。

作品のあらすじを知って、それで読んだ気にならないでください。

作品の命はそこにはないのです。

しかしあらすじ(全体地図)を知った上で、自分がどのあたりにいるのか(現在位置)を確認しつつ読書することを私はオススメしています。

作品のあらすじや主題の紹介は、そのように活用してください。

この記事がみなさんの読書ライフの良質な旅の地図になることを願っています。

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クロノトリガーとは

クロノはギリシア神話の時の神クロノス由来の接頭語です。時間を意味します。クロノグラフィーはストップウォッチことですね。トリガーとは銃の引き金、ものごとを引き起こすきっかけを意味します。

クロノ・トリガーは、その名の通り、タイムトラベルRPGです。時間の流れを旅しながら冒険するゲームですね。

原始時代(B.C.65000000)。古代(B.C.12000)。中世(A.D.600)。現代(A.D.1000)。文明滅亡の日(A.D.1999)未来(A.D.2300)と、6つの時代をタイムワープしつつ物語が進みます。

問題を解決するために、過去にさかのぼって禍根を断つ、という解決方法をとるのです。
ドラえもんによくある解決法ですね!

ラスボスは宇宙から来たラヴォス。たぶんカッコいい名前を思いつかなかったのでしょう。

シドーとかゾーマとかダークドレアムとかデスピサロとか、モンスターぽくて、なおかつカッコいい音感のネーミングするのって、けっこう難儀な仕事なんですよ。

だから世の中にはネーミング辞典なんてものが出版されていたりします。

ラスボスっぽいネーミングは、濁音が多いのが特徴です、たぶん(笑)。
ラヴォスなら文句なしですね。覚えやすいし(笑)。

×   ×   ×   ×   ×   × 

このブログの著者が執筆した「なぜ生きるのか? 何のために生きるのか?」を追求した純文学小説です。

「きみが望むならあげるよ。海の底の珊瑚の白い花束を。ぼくのからだの一部だけど、きみが欲しいならあげる。」

「金色の波をすべるあなたは、まるで海に浮かぶ星のよう。夕日を背に浴び、きれいな軌跡をえがいて還ってくるの。夢みるように何度も何度も、波を泳いでわたしのもとへ。」

※本作は小説『ツバサ』の前編部分に相当するものです。

アマゾン、楽天で無料公開しています。ぜひお読みください。

https://amzn.to/44Marfe

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『クロノ・トリガー』のあらすじ・ストーリー

日本刀らしき武器を使う現代の主人公クロノは、お祭りの場で王女マールと出会います。しかしマールはルッカのつくった時間転送装置で中世に転送されてしまいます。クロノとルッカは400年前の中世にマールを追いかけます。そこでカエルと知り合って、ともに王女を助けます。

現代に戻ると王女誘拐犯にされて裁判にかけられてしまいます。この裁判場面はハリーポッターの映画のように幻想的です。クロノトリガーはグラフィックが幻想的なのが特徴です。

クロノは死刑から逃げ出して、未来へと逃避します。未来は廃墟(ディストピア)でした。そこでロボと出会います。

未来を破壊したラヴォスは中世に魔王が復活させたことを知り、クロノは再び中世に行きます。中世では魔族と人間が争いをしていました。

中世で伝説の剣グランドリオンを手に入れます。名剣は折れていましたが現代の名工ならばなおせそうでした。現代の名工は原始時代のドリストーンという材料があればなおせるといいます。

それを求めてクロノは原始時代に行くのです。原始時代では恐竜人と人間が争っていました。そこでエイラと出会い一緒に戦います。そしてドリストーンを得て、グランドリオンを復活させるのでした。

中世に飛んでクロノたちは魔王に戦いを挑みます。魔王さえ倒せばラヴォスの脅威はなくなると信じて。

しかしラヴォスは原始時代に宇宙から飛来した地球外生命体であり、魔王を倒したからといってその存在が消えてなくなるものではありませんでした。

ラヴォスを阻止する鍵は、飛来した原始時代にあるかもしれません。原始時代にタイムワープしたクロノはエイラと一緒に恐竜人と決戦し、これを滅ぼします。

そこでラヴォスの飛来を目撃したクロノたちは古代へと飛ばされてしまいます。古代にはラピュタアバターのような浮遊大陸に魔法王国がありました。女王ジールはラヴォスの力を利用した巨大な魔力にとりつかれ、身を破滅させていきます。クロノはジールを止めようとしますが、できませんでした。

女王のたくらみはとうとうラヴォスを目覚めさせてしまいます。クロノたちはラヴォスと戦いますが破れます。クロノは消滅してしまいます(主人公の死)。

しかしタイムマシンがあります。仲間たちはクロノが死ぬ直前にタイムワープして、クロノの命を救います。

そして女王ジールと、彼女の力の源であるラヴォスに戦いを挑むのでした。

この星の生物の遺伝子を自分のものにしているラヴォスとの最終決戦はこれまでの中ボスと連戦するような戦いになりました。

そしてクロノたちはこの星のすべての生き物を代表してラヴォスを滅ぼすのでした。

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ドラクエとの違い。攻略サイトがないとクリアできなかった難易度

ドラクエⅠのラストシーンを思い起こさせるような、記憶に残るゲームでした。

さすが平成ナンバーワンゲームに選ばれただけのことはありました。

まだプレイしていない人はぜひどうぞ。

非常に面白いゲームだったのですが、私はたぶん攻略サイトがないとクリアできなかったと思います。

私はニンテンドーDS版でプレイしたのですが、グラフィックがよくわかりませんでした。美しいグラフィックなのですが、そのせいで現代の目から見ると、ちょっとわかりにくいところがあります。ダンジョンの入り口とか階層の上下とか、階段とか、慣れるまでグラフィックがよく認識できませんでした。

そういうグラフィック上のわかりにくさもありつつ、それでも面白いのがクロノトリガー。

その程度はまだマシです。

攻略サイトなしにはクロノトリガーはゲームクリアできなかったと思う決定的な理由は、「想像力でゲームを補わなければいけないところ」にあります。

RPGゲーム上のクリアのヒントは登場人物の会話の中にあるのですが、非常にヒントとなるセリフが非常にすくないのです。

セリフのメモリ容量がとれないってことはないと思いますから、そういうゲーム設定なのでしょう。

ドラクエだとセリフの中に謎の答えが書き込まれているので全員と会話すればまず謎が解けるのですが、クロノトリガーでは想像して問題を解決するしかありません。

過去や未来に謎を解く鍵があったりするので、それを頭の中で物語を想像して、つなげるしかありません。

非常に高度なゲーム設定でした。

そういうのは謎が解けたときには爆発的なよろこびをプレイヤーにもたらします。

しかし時間がない中プレイしているとストレス要因にしかなりません。

残念ながら私は後者でした。

「必要な人物や物資をタイムワープで別の時代から持ってきてあてがう」というゲーム構成になっているのですが、ヒントが少なすぎて、クリア方法が攻略サイトなしにはわかりませんでした。

別の時代のことをリアルな登場人物が知っているはずがありませんから、会話の中にゲーム攻略のヒントを埋め込むとゲームのリアリティを損なってしまいます。「中世の人が、未来の××さんに聞けばわかるよ」と教えてくれるはずがありません。そこはプレイヤーが関連付けるしかないのです。

そこがドラクエとの大きな違いです。ドラクエはシナリオライターの堀井雄二さんが「メチャクチャ親切」なので「死ぬほどわかりやすい」設計にしてあります。攻略サイトなしにもクリアできるほどヒントがゲーム内に埋め込まれているのです。

またゲームが自由な反面、ストーリー上まだ絶対にクリアできないダンジョンが突然目の前に現れたりするのです。マストアイテムを入手後でないとクリアできないダンジョンが、まだアイテムをもっていない段階で目の前に現れます。そういった先に進めるダンジョンと、そうでないダンジョンが、攻略サイト抜きにはよくわかりませんでした。

マストアイテムを別時代から持ってくるという難易度に加えて、わかっちゃいるけどクリアできないところもありました。
ネズミとの追いかけっこや、雪山の暴風など、クリアの仕方はわかっているけど、何度も失敗しました。
何度も失敗すると「この方法で本当にクリアできるのか」自分のやり方に疑問を覚えます。挫折しそうになった時にはYouTubeのゲーム実況サイトを見て、自分のやり方が間違いないことを確認しました。
成功例を目の前で見せられると「自分もできるのだ」と確信が得られます。できないかもしれない、と思いながら進むのと、絶対にやれるのだ、と確信しつつ進むのでは、全然、違います。
そのように攻略サイトや、ゲーム実況サイトに助けられながら、なんとかクリアできたのでした。
攻略サイトを見たために、私の面白さは減じてしまった部分もあります。犯人を知った上で推理小説を読んでいるようなものですからね。イマジネーションを駆使して、自分の力で悩みつつクリアした人は、もっともっと印象に残ったゲームだったに違いありません。
それでも、あえてそれでも、面白かったです。クロノトリガー。
さすが多くの人が絶賛するだけのことはありました。
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真っ黒な周囲。真っ黒なゲーム。省略の芸術作品

この四半世紀のあいだに、ゲームのハードは圧倒的に進化しているのに、25年も前のゲームがナンバーワンだと言われる理由は何でしょうか?

たぶんひとつにはグラフィックというものはリアル・詳細であればいいってわけじゃないってことがあるのでしょう。

クロノトリガーをプレイすればわかりますが、とても黒っぽいゲームです。

裁判の画面も周囲は真っ黒です。魔王の城も主人公の周囲や重要な部分以外は真っ黒です。

ゲームの容量に限界があるため、黒い画面にしてメモリをセーブしたのだと思いますが、それが却ってよかったのではないかと思います。

重要な部分のみを描き、その他は「闇の中」。それがプレイヤーのイマジネーションを刺激したのです。

これは文章や絵画でも同じです。全部描写するのではなく、必要なところ以外は描かない。短歌とか俳句というのはそのような省きの芸術です。

省略は詳述に勝るのです。

クロノトリガーの名前の由来になったクロノス(サトゥルヌス)のゴヤの有名な絵も同じです。

肝心な部分のみ描いて、周囲は真っ暗。それが却って絵画の効果を高めています。

クロノトリガーも同じです。肝心な部分以外、周囲は真っ黒。

それがイマジネーションを刺激して、忘れられない作品となったのでしょう。

グラフィックも、言葉も、イマジネーションで補うようなものが最高なのかもしれません。

周囲は真っ黒、それが省略の芸術です。

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クリエーターには旬の時期がある。

そしてもうひとつには、やはりクリエイターには旬の時期があるということなのだと思います。

同じ会社が存続していて、同じクリエイターが今も生きています。それなのにどうして彼らは25年前の作品を超えるものを作り出せないのでしょうか。実際クロノトリガーには、続編『クロノクロス』があります。それなのに評価では『クロノトリガー』は越えられませんでした。

(例を出して失礼ですが)たとえば村上龍。『限りなく透明に近いブルー』『コインロッカーベイビーズ』など初期の村上龍は間違いなく天才作家でした。村上龍の書いたものなら何だって読みたいと思ったものです。彼は今も生きて活躍していますが、しかし彼の書いた小説を今はもう読みたいとは思いません。あの頃の彼、かつての彼を、もう超えることができないのです。

結局、クリエーターには旬があるということなのでしょう。

クロノトリガーはそのようなゲームでした。旬のクリエーターたちが今をかぎりの才能を爆発させて作ったゲームでした。

そのゲームは圧倒的な評価を得ましたが、その後、それを超えることはできなかったのです。

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クロノトリガーの何がウケたのか

モンスターも独特で、いったんカミナリの呪文を当てた後でないと倒せないような「ギミックつき」が多数存在します。そういうのを子供時代に自分で発見したときには、感動したんだろうなあ、と思います。
私が「ドラクエⅠ」のエンディングに痺れるほど感動したように。
動きがあって、表情があるモンスターは、動かない絵だったドラクエ世代には、新鮮だったでしょう。
世界を救うファンタジーというのも魅力のひとつです。
私は最近のドラクエは「はじめてのおつかい」だ、と批判しました。
https://arikura.com/dragon-quest/
クロノトリガーにはドラクエがなくしてしまった中世ロマンがあり、世界を救うという動機があります。
クロノトリガーは25年前の発売当時にみんなと一緒にプレイしてみたかったです。
しかしタイムマシンはありません。クロノトリガーではないのです。
平成ナンバーワンゲーム『クロノトリガー』確かに名作でした。
名作物語をもう一度読むように、もう一度レベル1から挑戦したいと思います。
二度目のプレイは、もっと時代ごとの背景や、年代ごとの絡み合いなどのストーリーラインが明確にわかって、初回よりもっと面白くプレイできることでしょう。

新しい令和の時代にも、『クロノトリガー』のようなすばらしいゲームに出会えるといいなあ。

×   ×   ×   ×   ×   × 

このブログの著者が執筆した純文学小説です。

「かけがえがないなんてことが、どうして言えるだろう。むしろ、こういうべきだった。その人がどんな生き方をしたかで、まわりの人間の人生が変わる、だから人は替えがきかない、と」

「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」

本作は小説『ツバサ』の後半部分にあたるものです。アマゾン、楽天で無料公開しています。ぜひお読みください。

Amazon.co.jp

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サハラ砂漠で大ジャンプする著者
【この記事を書いている人】

アリクラハルト。物書き。トウガラシ実存主義、新狩猟採集民族、遊民主義の提唱者。心の放浪者。市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。山と渓谷社ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。ソウル日本人学校出身の帰国子女。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。放浪の旅人。大西洋上をのぞき世界一周しています。千葉県在住。

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●◎このブログの著者の書籍『市民ランナーという走り方』◎●
書籍『市民ランナーという走り方』Amazonにて発売中
雑誌『ランナーズ』のライターだった筆者が贈る『市民ランナーという走り方』。 「コーチのひとことで私のランニングは劇的に進化しました」エリートランナーがこう言っているのを聞くことがあります。市民ランナーはこのような奇跡を体験することはできないのでしょうか? いいえ。できます。そのために書かれた本が本書『市民ランナーという走り方』。ランニングフォームをつくるための脳内イメージワードによって速く走れるようになるという新メソッドを本書では提唱しています。「言葉の力によって速くなる」という本書の新理論によって、あなたのランニングを進化させ、現状打破、自己ベストの更新、そして市民ランナーの三冠・グランドスラム(マラソン・サブスリー。100km・サブテン。富士登山競争のサミッター)を達成するのをサポートします。 ●言葉の力で速くなる「動的バランス走法」「ヘルメスの靴」「アトムのジェット走法」って何? ●絶対にやってはいけない「スクワット走法」とはどんなフォーム? ●ピッチ走法とストライド走法、どちらで走るべきなのか? ●ストライドを伸ばすための「ハサミは両方に開かれる走法」って何? ●マラソンの極意「複数のフォームを使い回せ」とは? ●究極の走り方「あなたの走り方は、あなたの肉体に聞け」の本当の意味は? 本書を読めば、言葉のもつイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化されて、同じトレーニング量でも速く効率的に走ることができるようになります。 ※カルペ・ディエム。この本は「ハウツーランニング」の体裁をした市民ランナーという生き方に関する本です。 あなたはどうして走るのですか? あなたよりも速く走る人はいくらでもいるというのに。市民ランナーがなぜ走るのか、本書では一つの答えを提示しています。
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この本は勤務先の転勤命令によってロードバイク通勤をすることになった筆者が、趣味のロードバイク乗りとなり、やがてホビーレーサーとして仲間たちとスピードを競うようになるところまでを描いたエッセイ集です。 その過程で、ママチャリのすばらしさを再認識したり、どうすれば速く効率的に走れるようになるのかに知恵をしぼったり、ロードレースは団体競技だと思い知ったり、自転車の歴史と出会ったりしました。 ●自転車通勤における四重苦とは何か? ●ロードバイクは屋外で保管できるのか? ●ロードバイクに名前をつける。 ●通勤レースのすすめ。 ●軽いギアをクルクル回すという理論のウソ。 ●ロードバイク・クラブの入り方。嫌われない作法。 などロードバイクの初心者から上級者まで対応する本となっています。
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●◎このブログ著者の小説『ツバサ』◎●
小説『ツバサ』
主人公ツバサは小劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。そんな中、恋人のアスカはツバサのもとを去っていきました。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。離れたくない。その叫びだけが残った。全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自身が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「それは言葉として聞いただけではその本当の意味を知ることができないこと。体験し、自分をひとつひとつ積み上げ、愛においても人生においても成功した人でないとわからない法則」 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
Amazon.co.jp: ツバサ eBook : アリクラハルト: 本
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小説『ツバサ』
主人公ツバサは小劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。そんな中、恋人のアスカはツバサのもとを去っていきました。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。離れたくない。その叫びだけが残った。全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自身が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「それは言葉として聞いただけではその本当の意味を知ることができないこと。体験し、自分をひとつひとつ積み上げ、愛においても人生においても成功した人でないとわからない法則」 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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読書家が選ぶ死ぬまでに読むべきおすすめの名作文学 私的世界の十大小説
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×   ×   ×   ×   ×   ×  (本文より)知りたかった文学の正体がわかった! かつてわたしは文学というものに過度な期待をしていました。世界一の小説、史上最高の文学には、人生観を変えるような力があるものと思いこんでいました。ふつうの人が知り得ないような深淵の知恵が描かれていると信じていました。文学の正体、それが私は知りたかったのです。読書という心の旅をしながら、私は書物のどこかに「隠されている人生の真理」があるのではないかと探してきました。たとえば聖書やお経の中に。玄奘が大乗のお経の中に人を救うための真実が隠されていると信じていたように。 しかし聖書にもお経にも世界的文学の中にも、そんなものはありませんでした。 世界的傑作とされるトルストイ『戦争と平和』を読み終わった後に、「ああ、これだったのか! 知りたかった文学の正体がわかった!」と私は感じたことがありました。最後にそのエピソードをお話ししましょう。 すべての物語を終えた後、最後に作品のテーマについて、トルストイ本人の自作解題がついていました。長大な物語は何だったのか。どうしてトルストイは『戦争と平和』を書いたのか、何が描きたかったのか、すべてがそこで明らかにされています。それは、ナポレオンの戦争という歴史的な事件に巻き込まれていく人々を描いているように見えて、実は人々がナポレオンの戦争を引き起こしたのだ、という逆説でした。 『戦争と平和』のメインテーマは、はっきりいってたいした知恵ではありません。通いなれた道から追い出されると万事休すと考えがちですが、実はその時はじめて新しい善いものがはじまるのです。命ある限り、幸福はあります——これが『戦争と平和』のメインテーマであり、戦争はナポレオンの意志が起こしたものではなく、時代のひとりひとりの決断の結果起こったのだ、というのが、戦争に関する考察でした。最高峰の文学といっても、たかがその程度なのです。それをえんえんと人間の物語を語り継いだ上で語っているだけなのでした。 その時ようやく文学の正体がわかりました。この世の深淵の知恵を見せてくれる魔術のような書なんて、そんなものはないのです。ストーリーをえんえんと物語った上で、さらりと述べるあたりまえの結論、それが文学というものの正体なのでした。
https://amzn.to/43j7R0Y
×   ×   ×   ×   ×   × 
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×   ×   ×   ×   ×   × 
◎このブログの著者の随筆『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』
随筆『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』

旅人が気に入った場所を「第二の故郷のような気がする」と言ったりしますが、私にとってそれは韓国ソウルです。帰国子女として人格形成期をソウルで過ごした私は、自分を運命づけた数々の出来事と韓国ソウルを切り離して考えることができません。無関係になれないのならば、いっそ真正面から取り組んでやれ、と思ったのが本書を出版する動機です。

私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。

【本書の内容】
●ソウル日本人学校の学力レベルと卒業生の進路。韓国語習得
●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
●関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件
●僕は在日韓国人です。ナヌン・キョッポニダ。生涯忘れられない言葉
●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
●天皇制にこそ、ウリジナルを主張すればいいのに
●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
●韓国帰りの帰国子女の人生論「トウガラシ実存主義」人間の歌を歌え

韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。

「近くて遠い国」ではなく「近くて近い国」韓国ソウルを、ソウル日本人学校出身の帰国子女が語り尽くします。

帰国子女は、第二の故郷に対してどのような心の決着をつけたのでしょうか。最後にどんな人生観にたどり着いたのでしょうか。

Amazon.co.jp: 帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル (民明書房) eBook : アリクラハルト: 本
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随筆『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』

旅人が気に入った場所を「第二の故郷のような気がする」と言ったりしますが、私にとってそれは韓国ソウルです。帰国子女として人格形成期をソウルで過ごした私は、自分を運命づけた数々の出来事と韓国ソウルを切り離して考えることができません。無関係になれないのならば、いっそ真正面から取り組んでやれ、と思ったのが本書を出版する動機です。

私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。

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●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
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●僕は在日韓国人です。ナヌン・キョッポニダ。生涯忘れられない言葉
●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
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●◎このブログ著者の書籍『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』◎●
書籍『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』
戦史に詳しいブロガーが書き綴ったロシア・ウクライナ戦争についての提言 『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』 ●プーチンの政策に影響をあたえるという軍事ブロガーとは何者なのか? ●文化的には親ロシアの日本人がなぜウクライナ目線で戦争を語るのか? ●日本の特攻モーターボート震洋と、ウクライナの水上ドローン。 ●戦争の和平案。買戻し特約をつけた「領土売買」で解決できるんじゃないか? ●結末の見えない現在進行形の戦争が考えさせる「可能性の記事」。 「紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ」を信条にする筆者が渾身の力で戦争を斬る! ひとりひとりが自分の暮らしを命がけで大切にすること。それが人類共通のひとつの価値観をつくりあげます。人々の暮らしを邪魔する行動は人類全体に否決される。いつの日かそんな日が来るのです。本書はその一里塚です。
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