水上ドローンの元祖は日本の特攻モーターボート震洋。「震洋」と水上ドローンの違い

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終末時計。ウクライナ戦争で、人類滅亡までの時間は過去最短になった

「終末時計」という学者たちがつくった時計があります。この時計は人類滅亡までのカウントダウンをしています。零時になったときに人類が滅ぶというもので、現在その90秒前だということです。もちろんロシアが核ミサイルをつかって、西欧との全面核戦争によって人類が滅び去る、というストーリーがエンディングをむかえようとしているというアラートシグナルを発してるのです。

水上ドローンという自爆特器を見て小型特攻ボート「震洋」を思い出す

そんなウクライナ戦争のウォッチャーである私が見ていて、なんでこのことを軍事の専門家は解説しないんだろう、と思うことがあります。

ウクライナ戦争ではほぼ海軍皆無のウクライナが「水上ドローン」というモーターボート型の自爆特攻兵器を使ってロシアの軍艦に損害を与えているそうです。

かつて大日本帝国にも同じような兵器がありました。それが「震洋」と呼ばれる特攻兵器です。これはカミカゼ兵器の一種です。飛行機に爆弾を抱えて突っ込む神風特別攻撃隊。潜水艦に爆弾を抱えて突っ込む回天。そしてモーターボートに爆弾を抱えて突っ込む震洋がありました。

海辺に謎の人工の洞穴を見たことがあります。そこが震洋の隠し場所でした。そこからモーターボートを出撃させて、本土進攻のために近づいてくる米艦艇に自爆特攻を仕掛けるという兵器が震洋でした。

まったく水上ドローンと同じ発想です。違うのは人が乗っているかいないかだけ。それはシャヘドとかバイラクタルといった空中ドローンも同じことです。違うのは人が操縦して死ぬかどうかの違いだけ。

ところがこの震洋はほとんど戦果をあげなかった、といわれています。それなのに同じ発想の水上ドローンは成果をあげています。そこが謎なのです。

どうしてテレビの「ウクライナ戦争」番組ではそれを解説しないのでしょう。なぜ震洋のことを水上ドローンに関連して言わないのでしょうか。

ウクライナは陸軍国であるために、テレビで戦況解説する元自衛隊の軍事専門家は陸将であることがほとんどで、海軍の歴史に詳しくないためかもしれません。

特攻モーターボート「震洋」がまったく戦果をあげられなかった理由

特攻モーターボート「震洋」は、貧弱なモーターボートだけに自力で外洋を航行することができませんでした。海辺に潜んで敵を迎え撃つための秘密兵器でした。ところが本土決戦をするまえに日本が降伏してしまったために、敵の上陸を迎え撃つという活躍の場がなかったというのが、震洋の戦果がほとんどなかった最大の理由のようです。

また大平洋戦争当時の米軍は上陸前に執拗な空襲を常道としていました。その空襲によって破壊された震洋も多かったそうです。木造ベニヤづくりのモーターボートはあっという間に船底に穴が開いて使い物にならなくなったし、すぐに燃えてしまいました。

また秘密兵器だったために、秘密を保持するために、陸路から攻められた場合、日本側がむなしくも自ら海底に破棄したケースも多かったそうです。

それらが震洋がまったく太平洋を震撼させることなく滅び去った理由でした。

水上ドローンと震洋の違い。大きな戦果をあげている理由

ところが震洋とまったく同じ発想で製造された「水上ドローン」が黒海でロシア軍あいてに大活躍しているといいます。

水上ドローンは無人リモート運転なので、震洋にくらべて操縦士の訓練や死を克服する勇気が必要ありません。また震洋にくらべて小型で航続距離も長くなっています。なによりもGPS誘導なので夜間に特定の場所に特攻することができます。軍港など敵の場所がわかっている地点には文字通り目を閉じても進むことができます。またカメラを搭載しているので操作者が目視することもできますし、戦果を確認することができます。無人機であれば震洋より冒険的な攻撃をすることができます。

それらが水上ドローンが大きな戦果をあげている理由です。

日本海軍は秘密兵器「震洋」を過小評価していたのではないか。

 

しかしこう考えると自爆モーターボートの元祖「震洋」は惜しかったですね。黒海での水上ドローンの活躍を見ていると、太平洋でもうすこし大暴れしてもよかったのではないか、と思ってしまいます。

日本の海軍は戦艦大和のような圧倒的な軍艦があったために、震洋のことはまともな戦力として捉えてはいませんでした。竹槍程度にしか思っていなかったでしょう。

しかしウクライナには軍艦がひとつもないために、小さなモーターボートを海上の主力戦力と捉えています。そして実際に戦果をあげています。

ありし日の日本海軍は、主力艦どうしの砲の撃ちあいによって雌雄を決しようと考えていたそうです。これを大艦巨砲主義といいます。

その主砲戦艦は航空母艦に敗れ、空母は潜水艦に敗れました。信濃も大鳳も潜水艦の雷撃で沈んでいます。

映画『U・ボート』。太平洋戦争中。すでに潜水艦の新時代に移り変わったのに、日本軍はまったく気づかなかった。

帝国海軍は戦艦から空母主力へはギリギリなんとか頭を切り替えたようですが、潜水艦や特攻モーターボートが主力兵器になるとは夢にも切り替えられなかったようです。

ウクライナ軍ぐらい柔軟な頭の使い方をしていれば、震洋はもうすこし活躍できたのではないか、と思います。すくなくとも「水上ドローン」の元祖は日本の特攻秘密兵器「震洋」であると、いささか誇らしく語ってもいいのではないでしょうか。それほど「震洋」は忘れ去られています。テレビで軍事専門家が解説しているのを見たことがありません。

「震洋」はウクライナの水上ドローンのご先祖様、元祖です。

原爆を落とされた史上唯一の国であることも、水上ドローンの発祥の国であることも、この国の抑止力に貢献すると信じるがゆえに、ここにそう記します。

決戦! 「戦車の拳」部隊による大戦車戦

かれこれ一年九カ月近くウクライナ戦争をウォッチしてきました。

ウクライナではゼレンスキーが西側の戦車を終結した「戦車の拳」部隊を結成してロシアと決着をつけると息巻いていました。

なるほど……戦車戦ですか。ウクライナは独ソ戦の古戦場ですからね。クルスク大戦車戦の古戦場も近いし。私はそのうち戦車による決戦が行われるのだろうと思っていました。

アニメ「女子高生がやる」シリーズの傑作=ガルパン

その過程で私は『ガールズ&パンツァー』(通称ガルパン)というアニメ作品と出会います。この作品はありがちな「女子高生がやる」シリーズですが、やるのは戦車戦です。ゆるい日常とハードな戦場がないまぜになっている作品です。パンツァーはドイツ語で「戦車」という意味。戦闘シーンはかなりハードで、戦車があまりにもアクティブに動くのでびっくりしました。アニメ的な誇張もあるのでしょうが……。

世の中には「女子高生がやる」アニメがあふれかえっています。女子高生がバンドをやる。女子高生が百人一首をやる。女子高生がDIYをやる。女子高生が登山をやる。女子高生がバイクをやる……これらを「女子高生がやるシリーズ」と私は命名しています。

大ヒットした「ゆるキャン△」も女子高生がキャンプをやるので「女子高生がやるシリーズ」のひとつですね。

女子高生がやるシリーズの中でもこの「ガルパン」は名作だと思います。比較したくなるのが『艦隊これくしょん-艦これ-』。こちらも大日本帝国の艦船(大和とか赤城とか)の魂が女子高生にやどって海戦を行うという一種の「女子高生がやる」シリーズです。しかし何故かガルパンのほうがずっとおもしろいのです。よく考えるとこれは奇妙なことだと思います。太平洋戦争は海戦ばかりで大がかりな戦車戦がなかったことから、日本の作家としてはどうしたって「艦船」のほうに意識が向きがちです。

大和や瑞鶴のような誇るべき軍艦はありましたが、日本の戦車はろくな性能じゃありませんでした。だから日本のアニメ作家としては「艦これ」の方が感情移入しやすいはずです。それを戦車戦とは……よくぞつくったものだとクリエーターのクリエイト力に感嘆いたしました。

その証拠にガルパン作中では日本陸軍戦車よりもむしろドイツ戦車への憧れが充満しています。ドイツ人が作るのならともかく、この戦車戦とは無縁の日本でガルパンのような戦車戦を主体とした作品が生まれること自体、奇跡のようなことなのですが、本作が予言するような戦車戦がウクライナで行われようとしている(戦車の拳)というので私の注目度は俄然高まったのでした。

ガルパンとウクライナ戦争。塹壕を突破できない戦車なんて

ガルパンと同じような戦車戦が、ウクライナの地でも繰り広げられるだろうと私は待っていました。できれば弱く虐げられた国がジャイアントキリングする姿を見たかった。

しかし現在、ロシアは塹壕戦を選んで戦線は膠着しています。塹壕を挟んで火砲の撃ちあい、そんなことがずっと続いています。このままでは戦車戦なんて起こりそうもありません。

そもそも塹壕を突破するために戦車というのは開発されたのですが、なんで塹壕を突破できないんでしょうか? 当初の使用用途を果たしていませんが?

おそらくそれは携帯用対戦車ミサイルと対戦車地雷が強力すぎるためだと思います。対戦車ドローンと呼べる新兵器さえ存在します。塹壕から撃ってくる機銃なんてものともしない戦車ですが、どうやら現代の戦車は塹壕を突破できないみたいです。塹壕は最強なんですね。ベトナムがアメリカに勝った地下トンネルも、ガザ地区の地下トンネルも一種の塹壕です。

戦争はそんなに都合のいいものじゃない。スカッとするものじゃない。格好のいいものじゃない。

戦争はそんなに都合のいいものじゃない。スカッとするものじゃない。格好のいいものじゃない。ウクライナ戦争をウォッチしているとつくづくそんなことを思い知らされます。

大平洋戦争だって多くの人が期待していたような巨大戦艦どうしの艦隊戦なんて起こりませんでした。予想もしなかった対空母戦、対潜水艦戦だったのです。

ウクライナ戦争も同じです。塹壕戦での膠着なんて誰も予想していなかったのに現実はそうなっています。戦車戦はどうした!? 戦車戦は?

過去の戦争だと、決着がわかっているので、「この先どうなるんだろう」と深く思いをはせることがありません。一日で全部の資料を読み終わってしまって、それで思考停止となります。そういった意味でウクライナ戦争はわたしがはじめて「この先どうなるんだろう」とヤキモキしながら見たリアルタイムの戦争でした。

ゼレンスキーは天寿をまっとうできるのだろうか?

はたしてゼレンスキーは天寿をまっとうできるのだろうか? 過去の戦争だったら一瞬でわかることが、リアルタイムだからわかりません。ヒトラーがどうなるか、昭和天皇がどうなるか、リアルタイムだったら先がわからずヤキモキしたことでしょうが、過去の戦争だから、数時間以内にヒトラーの死にざまや、昭和天皇のその後を知ることができます。すぐにわかることは、心に残りません。

しかしウクライナ戦争は違います。考えたり、思ったりした時間が長い分だけ、いろいろなことが心に残ると思っています。

もしかしたらこの戦争は、認められないことを認めることでしか終わらせられないかもしれません。それに対して「このわたし」はどうすることもできません。ただ、戦争が終わったら、ウクライナの黒海沿岸地域を旅行してみたいな、と思っています。戦争がなかったら、黒海の北側なんて旅先の候補地に入らなかっただろうと思います。

世界は、いったいどうなるのでしょうか?

これからもそれを見守りたいと思います。

軍事ブロガーと、ロシア・ウクライナ戦争

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