『Dr.STONE』ドクターストーン。現代人が、石器時代にタイムスリップしたら、生き残れるだろうか?

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現代の科学ロビンソン・クルーソー

「現代人が、石器時代にタイムスリップしたら、生き残れるだろうか?」

アウトドア愛好家のひとりとして、頭の片隅にはそういう空想がずっとありました。

キャンプ愛好家縄文時代とか石器時代のようなローテク時代が大好きです。

そんな中、『Dr.STONEドクターストーンというアニメーション作品と出会いました。

この物語は科学マニアの高校生が石器時代に放り込まれたらどうなるか? というストーリーです。

衝撃的に面白かったので、まだ見ていない方のためにご紹介します。

「Dr.STONE」のあらすじ

なぜか人間を石化してしまう謎の光線が世界を覆って、人類は石器時代に逆戻りしてしまいます。

そしてその石器時代に理科系オタクの主人公センクウが蘇るというお話しです。

「現代人が、石器時代にタイムスリップしたら、生き残れるだろうか?」

そんな疑問にこたえるようなストーリー展開となっています。

アウトドアマンが夢想しているテーマが冒頭から示されて引き込まれました。アウトドアマンはサバイバルが大好きですからね。

ただし、ドクターストーンが凄いのは、この先です。普通は「ロビンソン・クルーソー」的な展開だろうと予想するじゃないですか。

ロビンソン・クルーソーは現代人が遭難してジャングルで生き延びようとする話しです。

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石器時代とジャングルの違いはあっても、文明が通用しないローテクの世界という意味では同じです。

摩擦熱で火を起こしたり、木で住居をつくったりして、なんとか生きのびるっていう展開を予想しますよね?

ところが『Dr.STONE』では科学をつかって、生き延びようとします。

火どころではありません。電気をつくり、電灯をつくり、動力伝達のギアをつくり、水力発電所をつくり、電池をつくり、挙句の果てには携帯電話までつくるのです。

「生き伸びる」どころではありません。近代科学をよみがえらせようとするのです。

サバイバルどころではありません。石化してしまった人類を復活させようとします。

いかに物語は進化するものだとはいえ、ロビンソン・クルーソーにくらべると、物語は近代科学文明ほど大進化を遂げています。

驚き学び成長していく未熟サイドが本当の主人公

主人公のくせに悪役顔のセンクウはひじょうにいい味だしています。

しかしこういうストーリーの場合、メンター(指導者)よりも、未熟の側こそが本当の意味での主人公となるのではないでしょうか。

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未熟サイドが現代の科学文明にふれて驚き、学び、成長していく姿が、私たちが何も知らなかった子供の頃に科学文明にふれて驚いたこと、学んだこと、成長していった姿と重なるからです。

近代文明を知らない石器時代の理数系男子のクロムが、センクウが教える科学に感動・興奮する。

同じく近代文明を知らない石器時代の職人のカセキのジイサンが、センクウが教える技術に感動・興奮する。

そのような石器時代の人たちの近代文明に対するリアクションとリスペクトに私たちは共感するのです。

メンターのセンクウには、そのような驚きや興奮はありません。すでに知っていることを披露するだけだからです。しかしそんな中、クロムとカセキが自分たちだけで水車を発明した時、センクウは驚き、感動します。人類が科学を生み出したチカラの根源をクロムとカセキの中に見たからです。

そしてとうとう水力発電を生み出すのでした。ロビンソン・クルーソーとは全然違う話しの展開ですね。

メンタリスト=あさぎり ゲンが最高

この物語で個人的に最高なのがメンタリスト=あさぎりゲン。彼はセンクウと同じく石化をとかれた現代人です。

近代科学文明を知っているけれど、再現できないという私たち読者に最も近い立場にいる存在です。

私たちはラーメンを知っているけれど、たったひとりで石器時代の放り出されても、それを再現できません。科学の天才センクウだからできるのです。

あさぎりゲンは最初はエスタブリッシュメントを復活させないという勢力の手下でした。

『Dr.STONE』は、獅子王というローテク崇拝キャラクターと、センクウというハイテク崇拝キャラクターの対立を通じて、テクノロジー文明を考えさせる展開となっています。

「コーラが飲みたい」あさぎりゲンはいいました。その気持ち、わかりますよね?

「昔に戻りたい」(現代文明を取り戻したい)という意味です。

あさぎりゲンはセンクウがつくった電灯の光に感動して、センクウの仲間になります。

センクウに賭けたのです。

センクウはあさぎりゲンが賭けた「昔に戻りたい」夢をかなえることができるのでしょうか?

進化したロビンソン・クルーソー物語

いかがでしたでしょうか。

『Dr.STONE』の魅力が伝わりましたでしょうか?

ただ石器時代に生き残れるのか? というロビンソン・クルーソー的な展開ではありません。

ひとりの天才高校生が、石器時代の人々の助けを借りながら、文明をよみがえらせることができるか、という少年漫画ならではの壮大なストーリーとなっています。

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