世界を変える男。イーロン・マスク

ペイパル(電子決裁)、テスラ(電気自動車)、スペースX(宇宙事業)、ニューラリンク(頭脳と電子のインターフェイス)、ツイッターX(SNS)、ソーラーシティ(SDGs)、ボーリングカンパニー(地下洞窟)、そしてChatGPTの創業者・関係者であるイーロン・マスク。彼のことを書いた伝記『イーロン・マスク』。私はフェイスブック(メタ)のマーク・ザッカーバーグが世界を変えたとは思いませんが、アップルのスティーブ・ジョブズは世界を変えたと思っています。それと同じ意味で世界を変えるかも知れない男イーロン・マスク。
ChatGPTとGoogleのSearch Generative Experience(SGE)対決(2023年11月の戦い)
ちなみに私はテスラの株主でもあります。彼のことを書いた伝記『イーロン・マスク』を読んで、新しい時代の男の生い立ち、生き方、考えていることを見ていきましょう。
苦しみが原点。人格破綻者の父親の折檻、南アフリカでの暴力的ないじめ。人生は痛みの連続。ちょっとやそっとでは痛いと感じなくなった。感情をシャットアウトできる。成長が止まってしまった子供がいる。
自閉症スペクトラム障害=アスペルガー。対人関係がうまく行かない人。
→いじめが原因なのか、元からなのか、イーロンは感情をシャットアウトできる、感情に鈍感な人間となりました。それゆえに社員の首を平気で切れるし、空気を読まずに大きな夢を語る経営者となります。
ゲーマーで読書家。読むのはSF、百科事典。コンピュータープログラム。物理学。インターネットビリオネア。
地図に事業者名簿を統合するグーグルマップのようなZip2
→この今でいうGoogleマップのような事業でイーロン・マスクはビリオネアになります。
ぶっ通しで仕事して休まない人。
大事なのは勝つこと。大きく勝つこと。
電子決済ペイパル。Xドットコム。
マラリアにかかる。
→ イーロン・マスクの仕事の忙しさは決して同じ暮らしをしてみたいと思うようなものではありませんが、世界を飛び回る生き方(とうぜん自家用ジェットです)には羨望を覚えます。いったいいつ寝ているんだろうという感じですが。超人なんですね。
スペースX。ロシアから中古ロケットを買うのではなく、自分でつくることにする。
→ イーロン・マスクの凄さは、アイディアを出す天才ということではなく、あくまでも製品をつくり出してしまう実業家であることにあります。ロケットや全自動運転車を実際に生産して流通させてしまうところが、マスクのすごみです。
私が冒頭で、フェイスブック(メタ)のマーク・ザッカーバーグが世界を変えたとは思いませんが、アップルのスティーブ・ジョブズは世界を変えたと思っていますというのは、ザッカーバーグがやったのはインターネットプラットフォームを構築したことですが、ジョブズがやったのはスマートフォンを工業ラインで生産したことだからです。
偉大だったのはスティーブウォズニアックではなくて、スティーブジョブズだと思うのは、パソコンを作ったからではなく(作ったのはウォズニアックです)、パソコンを工業化して世に売り出したからだと思うのです。テスラモーターズの電気自動車はその例です。電気自動車を考えたのはエジソンも同じでした。でも工業化・大衆化はできなかったのです。
しかし車は車。しょせんは動力が違うだけでクルマであることは同じです。もちろん自動運転化できれば人々はもっと意識を違う何かに向けることもできますが。
そういう意味でやぱりイーロン・マスクの真骨頂は宇宙事業。スペースXなのだと私は思っています。
ツイッターのような「ただの遊び場」に、この人の精力が向けられて無駄に消耗してしまわないように願うばかりです。
ばかやろう指数とは、材料費と完成品の値段の差のこと
ばやかろう指数。材料費に対して完成品がどれぐらい高いかを示す数値。ロケットはばかやろう指数がすごく高い。
なんとかして直せ。
新しいやり方は試す。失敗覚悟でやってみる。
一枚かませてくれ。
→「一枚かませてくれ」という投資家の顔をマスクはもっています。もっとも有名なのはChatGPTの初期のエンジェル投資家としてのマスク。AIが人類を滅ぼすかもしれないという危機感を抱くマスクは、AIアルゴリズムをオープンにして対抗しようとしました。
二酸化炭素排出量を減らす。持続可能な社会構造にする。AIを制御しないと人類が危ない。
テスラのロードスター工場見学。映画『アイアンマン』の監督と主演俳優をインスパイアしてマーベルコミックのヒーローのモデルと言われる。
設計の技術者は組み立てラインのすぐ横にいなければならないというのがマスクの信念だ。「生産ラインの隣に技術者を置かないと成功はおぼつかない」。
工程や作業をミリ秒単位でスピードアップする方法を探っていく。
心の安全は、切迫感、進歩、軌道速度、本気など、マスクが大事にするものの敵。不安はいいものだ。ワークライフバランスなど知ったことではない。
怪我で走れなくなった市民ランナー。リゾートランナーの悟り「人生とは肉体」
メディアを生み出す人の労に報いる仕組みを作りたい。
リモートワークは認めない。
時間こそ唯一の資産。好きな仕事は自分時間だけれど、やらされている仕事、嫌な仕事は他人時間
足かせのない言論の自由など職場にはない。怨嗟のコメントを書いた社員は全員追い出せ。ネガティブな奴を職場から消す。いいからクビを切れ。
マスクはずっと本気で生き、オールインを繰り返してきた。のんびり休暇を楽しむなど、成功した人間のすることではないと軽蔑していた。
→ 私はマラソンをずっとやってきたのですが、マラソンはちんたら走ってもちっとも面白くありません。全力でやってはじめて面白い競技だと思っています。すべてを尽くして、自分の限界に挑戦してはじめて面白かったと言えるのです。だからこうして著作を自身をもって世に問うことができます。イーロン・マスクの言うことがわかる気がします。
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雑誌『ランナーズ』のライターが語るマラソンの新メソッド。ランニングフォームをつくるための脳内イメージ・言葉によって速く走れるようになるという新メソッドを本書では提唱しています。
(本文より)
【入力ワード】写真からランニングフォームを学ぼうとする人が多いので注意喚起したいと思います。写真からフォームを学ぶのはお勧めできません。写真というのは瞬間を切り取ったものなので、間違った解釈をする可能性があるからです。「振り上げた脚」(往路)なのか「戻ってきた脚」(復路)なのか、写真ではわかりません。大地を蹴ったように見えている脚が本当に大地を蹴っているのか、大地を蹴ったように見えているだけなのか、写真からはよくわからないからです。写真で振り上げた膝の高さを見て「ふむふむ、膝はここまで上げるのか」と思い込んでマネするのもよくありません。慣性の法則で結果として脚がそこまで上がっているだけで、実際のランナーの意識としてはそこまで上げようとしていないかもしれません。「結果としてのフォーム」と「ランナー本人の走るときのフォーム意識(入力ワード)」は、必ずしも同じではないのです。
【腹圧をかける走法】そもそも息をするのは、酸素を吸うためです。吐くことよりも、吸うことに意識をおくほうが自然な発想です。肺の中に残っている空気(残気量)は、どうせゼロにはできないのです。吐き切るという努力は、動かない壁を押すような無駄な努力です。そこに力を割くべきではありません。持ち上がらないバーベルを無理やり持ち上げようと喘ぐと、余計に息が苦しくなってしまいます。楽に息するのとは真逆のことです。それよりも思いっきり吸うことです。そのための走法が腹圧をかける走法です。肺を絞って痩せた人のように走るのではなく、腹はたるんたるんと力を抜いてだらしなく腹が太った人のように走ります。そもそも重力は下向きなのだから、横隔膜を下げることは理にかなったことです。それに対して、吐き切ることを意識すると、重力に逆らって横隔膜を持ち上げながら肺を絞らなければなりません。どちらが楽にできると思いますか?
【ストライド走法】ピッチ走法には大問題があります。実は、苦しくなった時、ピッチを維持する最も効果的な方法はストライドを狭めることです。高速ピッチを刻むというのは、時としてストライドを犠牲にして成立しているのです。
【踵落としを効果的に決める走法】私はカラテ素人ですが、サブスリーランナーとして、すくなくとも「踵落とし」を無力化する方法をすぐに思いつくことができます。答えはカンタン。攻撃側が踵を振り上げて止まったポイント(これを上死点といいます)に、自ら打撃ポイント(脳天など)を近づけていくことです。上死点では運動エネルギーがゼロになっているために、破壊力もゼロです。上死点から距離をとらないことで「踵落とし」というキックを無力化できます。
ストライドを稼ぎたいあまりに、未熟ランナーほど振り出した前足が最も伸びきったところで着地してしまうのです。つまり「膝が伸びきったまま」「踵から着地」してしまうのです。これは「踵落とし」の運動エネルギーがゼロになっている上死点で着地してしまっているのと同じことです。これでは速く走ることはできません。
言葉のもつイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化して速く走れるようになる新理論の書。言葉による走法革命。とくに走法が未熟な市民ランナーであればあるほど効果的です。本書はあなたのランニングを進化させ、市民ランナーの三冠・グランドスラム(マラソン・サブスリー。100km・サブテン。富士登山競争のサミッター)を達成するのをサポートします。
●「動的バランス走法」「ヘルメスの靴」「アトムのジェット走法」「かかと落としを効果的に決める走法」「ハサミは両方に開かれる走法」「腹圧をかける走法」
●マラソンの極意「複数のフォームを使い回せ」
●究極の走り方「あなたの走り方は、あなたの肉体に聞け」
●【肉体宣言】生きていることのよろこびは身体をつかうことにこそある。
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シャクルトン型だ。自分は本気だと宣言するやつにだけ残ってもらう。
猛烈な戦士が安らぎではなく危険を感じる環境。エンジン全開で攻撃的な環境をマスクが好む。その結果いろいろ壊してしまうこともある。
制御不能になり、きりもみで落ちていく飛行機のエンジンを換えているところだ。生きのびているのは奇跡だといえる。
アップルとけんかするな。ツイッターもアップルを敵に回すのはまずい。アプリストアから追い出されたりしたら確実に死んでしまう。

マスクはスティーブジョブズに似ている。頭はすごくいいが人当たりは最悪な現場監督で、現実歪曲フィールドを身にまとっている。部下にできるはずがないと思ったことをやらせてしまう。味方に対しても敵に対しても対決をいとわない。
こんなクソだらけで、どうやったら火星まで行けるっていうんだよ。
文明はこうして衰えていくんだな。リスクを取らなくなる。そしてリスクを取らなくなると動脈硬化が起きるんだ。審判がどんどん増え、プレイヤーはどんどん減っていく。成功が続くとリスクを取る気概が失われるんだ。こうして月に行けるロケットとかを作れなくなったんだ。
→ アメリカはもう月に行ける技術をもっていないのですね。技術が衰えるということをはじめて知りました。
スターシップの爆発。なにがなんでも高く狙い、思いのままに進み、大きなリスクを取って、目の覚めるような成果をあげる。歴史を変えるほどの成果とド派手なしくじり。成果も壮大なら失敗も壮大。彼の人生には炎の流れをそらす要素がほとんどないのだ。成熟したCEOならまず取らないリスクを取りまくっているのだ。
闇の衝動に駆られた言動や悪魔モードの噴火などを抑えたマスクは、自由なマスクと同じことができるのか。口にフィルターをかけ、首に縄をかけても、マスクはマスクでいられるのか。偉大なイノベーターは、つまらない教育に反発し、リスクを求める「男の子」だったりする。むちゃだったり、周りが眉を顰めるような人間だったり、毒をまき散らす人間だったりする。クレイジーなこともある。自分が世界を変えられると本気で信じるほどに。
事実は小説より奇なり。実話ベースの書物に、創作物はかなわない

命がけの闘いこそ、前に進み続ける原動力なのです。
イーロンマスクの仕事の仕切り方とスピードを見ているとまるで専制主義国家の君主を思い浮かべます。たとえばあっというまにアウトバーンをつくってしまったヒトラーのような。
ときどき民主主義は決断が遅いとか衆愚だという人がいます。そういう人はイーロン・マスクのような人物を脳裏に描いて批判しているのでしょう。
マスクは多数の従業員を容赦なくクビにしています。そのかわりユニバーサルベーシックインカムを訴えているわけですが。
民間の会社ならば専制主義でもぎりぎりいいのかもしれません。イーロンマスクほど革新的な人ならば。しかし政治が専制的だったらどうでしょうか。
そのような専制的なところに批判の余地はあるものの、エキサイティングな読書体験でした。こういう実話ベースの書物に、創作物はかないません。事実は小説より奇なりです。
株式投資するぐらいしか手伝えませんが、イーロン・マスクが世界を変えてくれることを期待しています。

