時間こそ唯一の資産。好きな仕事は自分時間だけれど、やらされている仕事、嫌な仕事は他人時間

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『ドラクエ的な人生』とは?

心の放浪者アリクラハルトの人生を走り抜けるためのオピニオン系ブログ。

書籍『市民ランナーという走り方(マラソン・サブスリー。グランドスラム養成講座)』。『通勤自転車からはじめるロードバイク生活』。小説『ツバサ』。『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』『読書家が選ぶ死ぬまでに読むべき名作文学 私的世界十大小説』『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』。Amazonキンドル書籍にて発売中。

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自分時間を取り戻す革命。メメント・モリ。死を忘れるな

このページでは堀江貴文さんの著書『時間革命』をネタに、人生の生き方について語っています。

タイムイズライフの哲学は、いにしえの哲学であり、人類の普遍的な考え方のひとつです。

自分時間を取り戻す革命を人生に起こしたかったら、生き方を変える行動をするしかありません。

ライフタイムを吸いとられている仕事の内容が不満なら、今すぐに転職しましょう。

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【書評】堀江貴文『時間革命』

ホリエモン独自の哲学を展開した本……と紹介できるといいのですが、堀江さんが発明した新しい生き方はひとつも書いてありません。

ただそれでも一読の価値がありますので紹介します。

最初に出会った神さまを人は信じるものです。たとえそれが二番煎じだったとしても。
人類に最初に提唱した先駆者を尊敬するのではなく、自分の最初に教えてくれた身近な人を尊敬するのです。

IT業界の革命児から囚人、そして今では思想家と、余人があまりやっていない時間の過ごしかたを実践している堀江貴文さんが書いているからこそ、本書の説得力が上がっているということがあります。

「何を言うかではなく、誰が言うかが重要」。

ビジネスで大きく成功している堀江さんがアルバイトや好きでもない労働を「他人時間の労働だ」と捉えて喋る文脈には、他の人が語るよりも説得力があります。

「同じことを言うにも、どう言うかで心への響き方が違う」

『時間革命』の内容についてまずは簡単にご紹介します。

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TIME IS LIFE

まずは「時間こそが人生だ!」「タイムイズライフ」という堀江さんの考え方が紹介されます。
「時間は人生そのものだ。時間の質を高めれば、人生の質も高くなる。ハッピーになれる」という考え方です。

実はこれは古くからある考え方です。

私が自殺を考えたマレーシアのキナバル山の山荘で、私を救ったポスターの励ますような言葉にもそれと全く同じことが書いてありました。

ダイヤモンドヘッド232mに登れなかった女のキナバル山4095m登山挑戦記
富士山よりも高い山に登ったことがあるでしょうか? 私はあります。 スイスのブライトホルン4164mでは、山頂は真っ白で、山頂まで続く氷河の上を南アフリカ人とザイルで体を結んで登頂しました。 台湾のニイタカヤマ(玉山)3952mで...

ホリエモンの斬新な新しい考え方では全くありません。
何千年も昔の人も同じように考えた人は大勢います。

たとえばメメント・モリ(死を忘れるな)という芸術運動もそのひとつでしょう。

しかしあのホリエモンが「お金は自分時間を生むための手段でしかない」と言えば説得力があると思いませんか?

自分のやりたいことを、すべて自分のお金で準備しなければならないとすると、準備に時間がかかりすぎて、寿命が尽きてしまいます。

たとえば始めるのにお金がかかる事業などは、一生のうちに、貧乏人は誰も立ち上げられないことになります。

しかし今は信用さえしてもらえれば、企業債があるのです。

お金があれば人を雇って雑務を頼めるし、信用があれば銀行からお金を借りることができます。
借金することですぐに事業がはじめられれば、個人の時間を節約できた、と考えるのが堀江流なのです。

時間(人生)を切り売りし、換金する行為をやめよう

メメント・モリ。死を忘れるな

アルバイトなどに、時間(人生)を切り売りし、換金する行為をやめようと本書は主張しています。
あなたの時間(人生)は本当に時給1000円ほどの価値しかないのですか? と。

アルバイトの場合、経営者側にとっては、本来自分がやらなければならない仕事を低賃金で外注できれば、その分、自分の時間が浮くというメリットがあるのです。

お金と時間はトレードオフの関係にあるわけですね。

しかし本当に重要なのは時間であってお金ではありません。手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』は終始このテーマが貫かれています。大金持ちが死ぬ間際に「やり残したことがあって」寿命をお金で買おうとするのですが、残念ながら時間(寿命)をお金で買うことはできません。

お金は貯められますが、時間は貯められないのです。「いま」しか時間はありません。お金は増やせますが、時間は増やせないのです。

手塚治虫は死ぬ直前の残りの寿命はお金よりも価値があることを描きましたが、ホリエモンは20歳前後の人生の若い盛りの時代をわずかなお金に換金する労働にすべてを費やしてしまうのは勿体ない、と疑問を投げかけています。

時間こそは誰もが平等に手にできる唯一の資産

ぼくたちの「時間=人生」は、他人に売り渡すためにあるのではない。そうホリエモンは言います。

私の人生を変えた本『ヴァガボンディングガイド』にもこれと全く同じ主張が書かれています。

人生を変えた本『旅に出ろ! ヴァガボンディング・ガイド』リアル・ドラゴンクエスト・ガイドブック
いくら旅に時間を費やしたところで、自分と向き合うことに時間を費やさなければ、何の意味もありません。どれだけ何かが変わっても、それに対処するのは自分しかないからです。 どこに行こうと、何が変わろうと、そこには自分がいます。これは言葉ではありません。生き方なのです。

サマーバケーション(という有給休暇)を国が制度として付与してくれるのを待つ必要はない。仕事を辞めればすむことだ、と『ヴァガボンディングガイド』には書いてあります。

堀江さんは旅好きとしても知られていますが、やはり旅人のスピリッツを持っている人なのだと感じました。
お金持ちだから旅をしているのではないということです。

『ヴァガボンディングガイド』は、お金がないと旅行ができないというのは思い込みだ、貧乏放浪旅をすればお金なんてなくなって何とかなる、むしろ失ってはいけないのは時間だ、時間こそが誰もが平等に持っている唯一の資産なのだから旅に出たいと思った時に出るべきだ。そういうことが書いてある本です。
ぜひ一度読んでみてください。私の人生を変えた本です。

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時間泥棒に自ら時間を差し出してはいないか?

「人生の質を高めるには、自分時間を増やし、他人時間を減らす」ことだと堀江さんは言います。
いやな仕事や会社など他人の時間に振り回されている場合ではない。自分の時間を起点にすべきだ、と。

これも古くからある考え方です。アドラー心理学を知っていますか?

コントロールできる自分事とコントロールできない他人事にわけて、コントロール可能な自分事のみに集中するようにとアドラーはすすめています。

『時間革命』の中にはアドラー心理学の考え方がちょくちょく登場します。堀江さんはアドラーの考え方に影響を受けていると感じました。

好きな仕事は自分時間だけれど、やらされている仕事、嫌な仕事は他人時間です。
他人時間を強要してくる相手は時間泥棒です。じぶんも時間泥棒にはなりたくないという倫理観をもっています。時間を取り上げることが刑罰になるという刑務所暮らしで堀江さんはこのことを実感したといいます。

堀江貴文『刑務所なう。』最も自由な奴は、最も不自由な場所にいる!
どうもハルトです。みなさん今日も楽しい旅を続けていますか? このページは『刑務所なう。』について書いています。 著者はホリエモンこと堀江貴文さんです。 私は大学の卒業論文で『サド侯爵夫人』を書いて以来、獄中、牢獄と...

だとすれば嫌な仕事を我慢して続けている(他人時間を生きている)ことは刑務所にいることと似ているということになりますね。

自分時間を増やすためには、他人時間を減らすしかありません。
誰もが24時間しか持っていないからです。
それができないのは、嫌われるのが恐いからだ。と堀江さんは言います。ここにもアドラー心理学の影響が見られます。

「性格」が「人」。簡単に変われるなら「性格」なんてない。「性格」がないならどうやって他人を愛したらいいのだろう?
お金持ちの世界を一瞬で手に入れる方法 お金持ちになったらどんな気持ちだろうか、と思うことはありませんか? 貧乏な私たちとは「触れているもの」「感じていること」何もかもがお金持ちは違うと思ってはいないでしょうか? しかし実際は「同じ...

嫌われる勇気が必要なのは、自分時間を増やすためです。
嫌われないように他人の顔色を気にして生きているのは他人時間を生きていることになるというわけです。

頭の中の他人の評価や過去の思い出に負の感情を再燃させて自分時間を奪われる。
こんな無益なことはないとホリエモンは合理的です。
なかなかこうまでドライに考えられないものですが、大きなことを成し遂げる人はさすがに違いますね。

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他人時間に自分時間を売り渡しているのは「自分」

自分時間を奪っているのは他人時間ですが、他人そのものではありません。
他人時間の発生源は、あなた自身の中にある、と鋭いことを堀江さんは言います。
なぜなら自分時間を捨てている真犯人は自分に他ならないからです。

自意識が作り出す世間体(=承認欲求)は心の中のマボロシだから、そぎ落としてシンプルに、スピードに行動せよと本書は勇気を鼓舞します。

本当に大切にしたいこと以外はすべて手放し、自分の根本的な欲求に向きあうこと。
シンプルに考えることで時間が増える。と単純な主張をしています。

先の『ヴァガボンディング・ガイド』の場合は、その時間で旅に出ようという本だったわけですが、別にビジネスを始めたってかまわない。
やりたいことは違っても、考え方は同じです。

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ホリエモンのオリジナルな考え方ではなく、人類の普遍的な考え方のひとつ

さて、これまでの人生哲学は、実はホリエモンが世界で最初に考えたものではないという論旨で展開してきました。

ホリエモンのオリジナル性を否定することで、逆に「人類の普遍的な考え方のひとつである」と本書の有益性を逆に強く証明できたのではないかと思っています。

本書『時間革命』は古くからある「タイムイズライフ」の哲学を再提起しているにすぎないのですが、提起の仕方が非常に現代的です。

その現代的な提案こそが、ホリエモンの真骨頂と言えるかもしれません。

スマホを利用した自分時間仕事術については、スマホ以前の哲学者は誰ひとりとして述べていませんからね。
最新テクノロジーを語ることの有利さは、誰もが大家、先駆者になれるところにあります。

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自分の時間を増やすには、人にまかせること。他人を使うこと

さて、ホリエモンのライブドア社はブログやニュースを配信する広告収入型の会社だったと思っている人はいませんか?

それは一面に過ぎず実は「投資」の会社でした。
野球チームを買おうとしたり、ニッポン放送を買ってフジテレビを買収しようとしたことは有名です。

投資家らしく、ホリエモンは時間についてこう言います。
自分の時間を増やすには、人にまかせること他人を使うことだ、と。それが彼の時間術の核心だそうです。

さすが経営者ですね。

たとえば先の『ヴァガボンディング・ガイド』において、放浪の旅のため、バックパッカーが自分の時間を最大限に取り戻すために、旅の時間をつくるためには「仕事をやめること」という手段を提案していることにくらべて、経営者らしくホリエモンは同じ考えを深掘りしています。自分の不得手は人にまかせて、その分、自分は得意な分野に集中しろ、と言います。

ブラック企業なら転職すればいい、嫌な仕事ならやめてしまえとホリエモンは思っていますが、そうする勇気のない人が多いことを彼は知っています。だからといって勇気のない人にあわせた意見を言うのではなく、堀江さんはあくまでも自分の意見を言っているのです。別の世の中全員が自分の言う通りにするべきだという意味ではありません。

白黒つけるぜ的なゼロイチ思考は生き方をハードにします。

影響を受けて行動するかどうかは、自分時間を生きるあなた自身が決めることなのです。

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人は「暇つぶし」のために働いている

あなたは食べるために働いていますか?

すくなくとも今日や明日の仕事を「食うためだけのために」している人はほとんどいないのではないでしょうか。

私もそうです。今日の仕事は明日のメシ代のためではありません。堀江さんはこのような仕事を暇つぶしと言っています。

仕事=本当はしなくてもいいものだと。

やらなくても誰も困らないような仕事だったら、仕事の意義はたのしい趣味的なもの、自己満足できるものしかやる必要がないのではないでしょうか?

ベーシックインカムのような制度は、仕方なく仕事をしている人を労働時間から解放してくれます。

あなたの時間には限りがある。時間を失うことは人生を失うことだから、嫌な仕事で負け組になることはない。

結果に差が出ることは避けられないが、仕事の目的が楽しむことならば、結果として成果がでなくても不満はもたないはずだ。
成果、お金……そういうものが目的である限り、あなたの人生は他人時間に食い荒らされて終わるだけだ。仕事は楽しいか、楽しくないか、価値はそれしかないと、ホリエモンは負けても満足できる競争社会をつくろうと提案しています。

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食欲、性欲、睡眠欲は「幸福を感じるための最高のツール」

食欲性欲睡眠欲を満たすことが「幸福を感じるための最高のツール」だと古代ギリシアのエピクロス学派みたいなことを言っています。いわゆる快楽主義ですね。

人生は無常だが、現れては消える「泡」に幸せを感じられてしまう存在が人間なのだから、次から次へと現れる泡を楽しめばいい、とホリエモンは主張しています。

人生に意味なんかないんですね。

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「時間の換金グセ」をやめないと一生あくせく働くことになる。

自分の境遇に文句ばかり言う人がいます。
自分がストレスの生活を選んでいるのに。他の生き方も選べるのに。

転職すればいいんですよ。
スケジュールを他人時間でいっぱいにして「忙しい」と不満を垂れていれば、自分の人生の空虚さを忘れていられるからそうしているだけなのです。
みんな他人のことを気にしすぎです。心のエネルギーを他人事に振り向けて浪費するのは本当にばかげていると完全にアドラー心理学と一致したことを堀江さんは言っています。

そうではなく、架空の他人をアタマから追い払い、無心になって没頭できることを見つけよう

めんどくさい、うっとおしいを解消する手段を常に考えながら、自分でルールを決めること。
他人の作ったゲームの上で動かないこと。

「時間の換金グセ」をやめないと一生あくせく働くことになるぞ、と。

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予防医療によって死なないことで自分時間を確保する

さすがホリエモンと思わせる章に入ってきました。イヤハヤ合理的な人ですね。

タイムイズライフの哲学者はたくさん知っていますが(私もその一人です)、こうまで具体的なひとはなかなかいなかったと思います。死なないことで自分時間を確保する、なんて。

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最高の「いま」を生きる

嘘は他人が信じる現実に迎合する行為だから、ウソをつけばつくほど他人時間を生きることになります。

本音こそが自分時間です。本音を隠すたびにあなたの人生はどんどん他人時間で埋め尽くされていきます。

ストレスの99%は過去か未来に由来したものだそうです。

人間の脳みそは、目の前にありもしない過去を再現したり、未来をシミュレーションしたりして「わざわざイヤな感情を水増しする」という厄介なくせをもっていますよね。フロイトの言う「防衛機制」とか。「反復脅迫」とか。悪感情を反芻して強化してしまうから、その場で整理をつけてもう思い出さないようにしなければなりません。今が輝いていれば過去、未来を思う余裕はないはずですから。

イマココが楽しい。夢中になるという瞑想をしようとホリエモンはいいます。
「やりたいこと」があるやつが本当に強い。

人生の滝も、自分ではコントロールできないものだから、その流れを楽しんでしまえ。

自信の根拠は数字ではない。本当の自信とは自分の心によせる強固な信用である。数字には上には上が必ずいるものだから。根拠なんてない方がいい。
自分の心だけはコントロールできると確信できるかどうか。思い通りにできるのは自分の心だけだ。
そのためには最高の「いま」を生きることだ。
堀江さんはそのように主張しています。

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好きな仕事は自分時間だけれど、やらされている仕事、嫌な仕事は他人時間

友人に「夢はホテルで暮らすことだ」という男がいます。私の知人の職業は公務員。給料の上限が決まっています。今の職業を続けている限り、夢がかなう可能性はゼロですね。

「夢=強烈な望み」だとしたら、ホリエモンの言うとおり、ただちに転職するべきですね。

堀江さんはホテル暮らしをしていることで有名です。洗濯など自分でしないし、食事は100%外食ということですね。

スマホひとつで仕事できると豪語するホリエモンだからできることです。THEノマドワーカーなのが堀江さんです。

モバイルデバイスで顧客の時間をいかに獲得するかを競っている現代では、スマホをつかって情報のシャワーを浴びることが重要だと本書『時間革命』の中で主張されていました。

そして友よ、夢があるなら、他人時間の中に生きることをいさぎよしとせず、今すぐに転職しましょう。

堀江貴文『時間革命』1秒も無駄に生きるな、は現代の良書です。ぜひ読んでみてください。

×   ×   ×   ×   ×   × 

このブログの著者が執筆した純文学小説です。

「かけがえがないなんてことが、どうして言えるだろう。むしろ、こういうべきだった。その人がどんな生き方をしたかで、まわりの人間の人生が変わる、だから人は替えがきかない、と」

「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」

本作は小説『ツバサ』の後半部分にあたるものです。アマゾン、楽天で無料公開しています。ぜひお読みください。

Bitly

×   ×   ×   ×   ×   × 

物語のあらすじを述べることについての私の考えはこちらをご覧ください。

物語のあらすじを紹介することについて
あらすじを読んで面白そうと思ったら、実際に照会している作品を手に取って読んでみてください。ガイドブックを読むだけでなく、実際の、本当の旅をしてください。そのためのイントロダクション・ガイダンスが、私の書評にできたらいいな、と思っています。

私は反あらすじ派です。作品のあらすじ、主題はあんがい単純なものです。要約すればたった数行で作者の言いたかった趣旨は尽きてしまいます。世の中にはたくさんの物語がありますが、主役のキャラクター、ストーリーは違っても、要約した趣旨は同じようなものだったりします。

たいていの物語は、主人公が何かを追いかけるか、何かから逃げる話しですよね? 生まれ、よろこび、苦しみ、死んでいく話のはずです。あらすじは短くすればするほど、どの物語も同じものになってしまいます。だったら何のためにたくさんの物語があるのでしょうか。

あらすじや要約した主題からは何も生まれません。観念的な言葉で語らず、血の通った物語にしたことで、作品は生命を得て、主題以上のものになるのです。

作品のあらすじを知って、それで読んだ気にならないでください。作品の命はそこにはないのです。

人間描写のおもしろさ、つまり小説力があれば、どんなあらすじだって面白く書けるし、それがなければ、どんなあらすじだってつまらない作品にしかなりません。

しかしあらすじ(全体地図)を知った上で、自分がどのあたりにいるのか(現在位置)を確認しつつ読書することを私はオススメしています。

作品のあらすじや主題の紹介は、そのように活用してください。

偉そうに? どうして無名の一般市民が世界史に残る文豪・偉人を上から目線で批評・批判できるのか?
認識とか、発想とかで、人生はそう変わりません。だから相手が世界的文豪でも、しょせんは年下の小僧の書いた認識に対して、おまえはわかってないなあ、と言えてしまうのです。それが年上だということです。涅槃(死。悟りの境地)に近いということなのです。

※キンドル本の読み方は以下のページで解説しています。

読み放題サービス「電子書籍kindle」の使い方3選(画像入り解説付)
kindle unlimitedの使い方を解説します。 ここではデジタル書籍の読み放題サービスである kindle unlimitedについてその使い方をご紹介しています。読書には、物理的に紙の本を買う方法と、デジタル文字をダウン...

転職サイトのご紹介

今は、退職代行サービス、転職情報サイト、転職エージェントというのがあります。

このようなサイトに登録しておくと、転職の条件をセットできますので、条件に合う企業を探せます。

あなたが会社を選び、会社があなたを選べばマッチング成立です。

なんだがカップル成立みたいな話しですね。

実際、合コンのようなノリで、登録だけしておいても損はありません。

男女もそうですが、一発でマッチングするとは限りません。

出会う機会は多い方がいいのです。

たくさんの案件が登録されているサイトですので、美女(優良案件)と出会う確率が跳ね上がります。

同じ「働く」でも嫌な仕事は他人時間、楽しい仕事は自分時間です。

堀江さんのいう『時間革命』とは、自分の楽しいことをやるという選択のことです。

いつまでも他人時間に人生を奪われていないで、自分が楽しいと感じられる仕事を見つけてください。

時間は容赦なく過ぎていきますよ。

勇気を出してください。

私は自由の味方です。応援しています!!

人生を変えたいのならば、仕事を辞めるという選択肢がある。
団体バスの行き先がろくな場所ではないとわかったら、もうバスは降りてしまっていいのではないですか? 仕事を変えれば、生き方を変えることができますよ。 今は退職代行サービスや、転職エージェントがあなたのキャリアアップを助けてくれる時代です。
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★★

サハラ砂漠で大ジャンプする著者
【この記事を書いている人】

アリクラハルト。物書き。トウガラシ実存主義、新狩猟採集民族、遊民主義の提唱者。心の放浪者。市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。山と渓谷社ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。ソウル日本人学校出身の帰国子女。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。放浪の旅人。大西洋上をのぞき世界一周しています。千葉県在住。

【この記事を書いている人】
アリクラハルト。物書き。トウガラシ実存主義、新狩猟採集民族、遊民主義の提唱者。心の放浪者。市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。山と渓谷社ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。ソウル日本人学校出身の帰国子女。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。放浪の旅人。大西洋上をのぞき世界一周しています。千葉県在住。
●◎このブログの著者の書籍『市民ランナーという走り方』◎●
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●◎このブログ著者の書籍『通勤自転車から始めるロードバイク生活』◎●
書籍『通勤自転車から始めるロードバイク生活』
この本は勤務先の転勤命令によってロードバイク通勤をすることになった筆者が、趣味のロードバイク乗りとなり、やがてホビーレーサーとして仲間たちとスピードを競うようになるところまでを描いたエッセイ集です。 その過程で、ママチャリのすばらしさを再認識したり、どうすれば速く効率的に走れるようになるのかに知恵をしぼったり、ロードレースは団体競技だと思い知ったり、自転車の歴史と出会ったりしました。 ●自転車通勤における四重苦とは何か? ●ロードバイクは屋外で保管できるのか? ●ロードバイクに名前をつける。 ●通勤レースのすすめ。 ●軽いギアをクルクル回すという理論のウソ。 ●ロードバイク・クラブの入り方。嫌われない作法。 などロードバイクの初心者から上級者まで対応する本となっています。
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●◎このブログ著者の小説『ツバサ』◎●
小説『ツバサ』
主人公ツバサは小劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。そんな中、恋人のアスカはツバサのもとを去っていきました。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。離れたくない。その叫びだけが残った。全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自身が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「それは言葉として聞いただけではその本当の意味を知ることができないこと。体験し、自分をひとつひとつ積み上げ、愛においても人生においても成功した人でないとわからない法則」 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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小説『ツバサ』
主人公ツバサは小劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。そんな中、恋人のアスカはツバサのもとを去っていきました。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。離れたくない。その叫びだけが残った。全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自身が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「それは言葉として聞いただけではその本当の意味を知ることができないこと。体験し、自分をひとつひとつ積み上げ、愛においても人生においても成功した人でないとわからない法則」 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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読書家が選ぶ死ぬまでに読むべきおすすめの名作文学 私的世界の十大小説
読書家が選ぶ死ぬまでに読むべきおすすめの名作文学 私的世界の十大小説
×   ×   ×   ×   ×   ×  (本文より)知りたかった文学の正体がわかった! かつてわたしは文学というものに過度な期待をしていました。世界一の小説、史上最高の文学には、人生観を変えるような力があるものと思いこんでいました。ふつうの人が知り得ないような深淵の知恵が描かれていると信じていました。文学の正体、それが私は知りたかったのです。読書という心の旅をしながら、私は書物のどこかに「隠されている人生の真理」があるのではないかと探してきました。たとえば聖書やお経の中に。玄奘が大乗のお経の中に人を救うための真実が隠されていると信じていたように。 しかし聖書にもお経にも世界的文学の中にも、そんなものはありませんでした。 世界的傑作とされるトルストイ『戦争と平和』を読み終わった後に、「ああ、これだったのか! 知りたかった文学の正体がわかった!」と私は感じたことがありました。最後にそのエピソードをお話ししましょう。 すべての物語を終えた後、最後に作品のテーマについて、トルストイ本人の自作解題がついていました。長大な物語は何だったのか。どうしてトルストイは『戦争と平和』を書いたのか、何が描きたかったのか、すべてがそこで明らかにされています。それは、ナポレオンの戦争という歴史的な事件に巻き込まれていく人々を描いているように見えて、実は人々がナポレオンの戦争を引き起こしたのだ、という逆説でした。 『戦争と平和』のメインテーマは、はっきりいってたいした知恵ではありません。通いなれた道から追い出されると万事休すと考えがちですが、実はその時はじめて新しい善いものがはじまるのです。命ある限り、幸福はあります——これが『戦争と平和』のメインテーマであり、戦争はナポレオンの意志が起こしたものではなく、時代のひとりひとりの決断の結果起こったのだ、というのが、戦争に関する考察でした。最高峰の文学といっても、たかがその程度なのです。それをえんえんと人間の物語を語り継いだ上で語っているだけなのでした。 その時ようやく文学の正体がわかりました。この世の深淵の知恵を見せてくれる魔術のような書なんて、そんなものはないのです。ストーリーをえんえんと物語った上で、さらりと述べるあたりまえの結論、それが文学というものの正体なのでした。
Bitly
×   ×   ×   ×   ×   × 
読書家が選ぶ死ぬまでに読むべきおすすめの名作文学 私的世界の十大小説
×   ×   ×   ×   ×   ×  (本文より)知りたかった文学の正体がわかった! かつてわたしは文学というものに過度な期待をしていました。世界一の小説、史上最高の文学には、人生観を変えるような力があるものと思いこんでいました。ふつうの人が知り得ないような深淵の知恵が描かれていると信じていました。文学の正体、それが私は知りたかったのです。読書という心の旅をしながら、私は書物のどこかに「隠されている人生の真理」があるのではないかと探してきました。たとえば聖書やお経の中に。玄奘が大乗のお経の中に人を救うための真実が隠されていると信じていたように。 しかし聖書にもお経にも世界的文学の中にも、そんなものはありませんでした。 世界的傑作とされるトルストイ『戦争と平和』を読み終わった後に、「ああ、これだったのか! 知りたかった文学の正体がわかった!」と私は感じたことがありました。最後にそのエピソードをお話ししましょう。 すべての物語を終えた後、最後に作品のテーマについて、トルストイ本人の自作解題がついていました。長大な物語は何だったのか。どうしてトルストイは『戦争と平和』を書いたのか、何が描きたかったのか、すべてがそこで明らかにされています。それは、ナポレオンの戦争という歴史的な事件に巻き込まれていく人々を描いているように見えて、実は人々がナポレオンの戦争を引き起こしたのだ、という逆説でした。 『戦争と平和』のメインテーマは、はっきりいってたいした知恵ではありません。通いなれた道から追い出されると万事休すと考えがちですが、実はその時はじめて新しい善いものがはじまるのです。命ある限り、幸福はあります——これが『戦争と平和』のメインテーマであり、戦争はナポレオンの意志が起こしたものではなく、時代のひとりひとりの決断の結果起こったのだ、というのが、戦争に関する考察でした。最高峰の文学といっても、たかがその程度なのです。それをえんえんと人間の物語を語り継いだ上で語っているだけなのでした。 その時ようやく文学の正体がわかりました。この世の深淵の知恵を見せてくれる魔術のような書なんて、そんなものはないのです。ストーリーをえんえんと物語った上で、さらりと述べるあたりまえの結論、それが文学というものの正体なのでした。
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×   ×   ×   ×   ×   × 
◎このブログの著者の随筆『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』
随筆『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』

旅人が気に入った場所を「第二の故郷のような気がする」と言ったりしますが、私にとってそれは韓国ソウルです。帰国子女として人格形成期をソウルで過ごした私は、自分を運命づけた数々の出来事と韓国ソウルを切り離して考えることができません。無関係になれないのならば、いっそ真正面から取り組んでやれ、と思ったのが本書を出版する動機です。

私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。

【本書の内容】
●ソウル日本人学校の学力レベルと卒業生の進路。韓国語習得
●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
●関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件
●僕は在日韓国人です。ナヌン・キョッポニダ。生涯忘れられない言葉
●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
●天皇制にこそ、ウリジナルを主張すればいいのに
●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
●韓国帰りの帰国子女の人生論「トウガラシ実存主義」人間の歌を歌え

韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。

「近くて遠い国」ではなく「近くて近い国」韓国ソウルを、ソウル日本人学校出身の帰国子女が語り尽くします。

帰国子女は、第二の故郷に対してどのような心の決着をつけたのでしょうか。最後にどんな人生観にたどり着いたのでしょうか。

Bitly
随筆『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』

旅人が気に入った場所を「第二の故郷のような気がする」と言ったりしますが、私にとってそれは韓国ソウルです。帰国子女として人格形成期をソウルで過ごした私は、自分を運命づけた数々の出来事と韓国ソウルを切り離して考えることができません。無関係になれないのならば、いっそ真正面から取り組んでやれ、と思ったのが本書を出版する動機です。

私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。

【本書の内容】
●ソウル日本人学校の学力レベルと卒業生の進路。韓国語習得
●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
●関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件
●僕は在日韓国人です。ナヌン・キョッポニダ。生涯忘れられない言葉
●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
●天皇制にこそ、ウリジナルを主張すればいいのに
●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
●韓国帰りの帰国子女の人生論「トウガラシ実存主義」人間の歌を歌え

韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。

「近くて遠い国」ではなく「近くて近い国」韓国ソウルを、ソウル日本人学校出身の帰国子女が語り尽くします。

帰国子女は、第二の故郷に対してどのような心の決着をつけたのでしょうか。最後にどんな人生観にたどり着いたのでしょうか。

Bitly
●◎このブログ著者の書籍『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』◎●
書籍『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』
戦史に詳しいブロガーが書き綴ったロシア・ウクライナ戦争についての提言 『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』 ●プーチンの政策に影響をあたえるという軍事ブロガーとは何者なのか? ●文化的には親ロシアの日本人がなぜウクライナ目線で戦争を語るのか? ●日本の特攻モーターボート震洋と、ウクライナの水上ドローン。 ●戦争の和平案。買戻し特約をつけた「領土売買」で解決できるんじゃないか? ●結末の見えない現在進行形の戦争が考えさせる「可能性の記事」。 「紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ」を信条にする筆者が渾身の力で戦争を斬る! ひとりひとりが自分の暮らしを命がけで大切にすること。それが人類共通のひとつの価値観をつくりあげます。人々の暮らしを邪魔する行動は人類全体に否決される。いつの日かそんな日が来るのです。本書はその一里塚です。
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書籍『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』
戦史に詳しいブロガーが書き綴ったロシア・ウクライナ戦争についての提言 『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』 ●プーチンの政策に影響をあたえるという軍事ブロガーとは何者なのか? ●文化的には親ロシアの日本人がなぜウクライナ目線で戦争を語るのか? ●日本の特攻モーターボート震洋と、ウクライナの水上ドローン。 ●戦争の和平案。買戻し特約をつけた「領土売買」で解決できるんじゃないか? ●結末の見えない現在進行形の戦争が考えさせる「可能性の記事」。 「紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ」を信条にする筆者が渾身の力で戦争を斬る! ひとりひとりが自分の暮らしを命がけで大切にすること。それが人類共通のひとつの価値観をつくりあげます。人々の暮らしを邪魔する行動は人類全体に否決される。いつの日かそんな日が来るのです。本書はその一里塚です。
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