ドラクエ的な人生

囲碁アニメ『ヒカルの碁』。平成VS平安の棋士のインターネット対決が面白い!

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親世代の友人から囲碁に誘われた話し

私には親の世代の友人がいます。三十歳近く年が離れています。もともとは一緒に走っていた走友でした。私が市民ランナーのグランドスラムを達成できたのは、この人に走友会に誘ってもらったおかげです。そういう意味では恩人のような人です。

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※雑誌『ランナーズ』の元ライターである本ブログの筆者の書籍『市民ランナーという走り方』(サブスリー・グランドスラム養成講座)。Amazon電子書籍版、ペーパーバック版(紙書籍)発売中。

「コーチのひとことで私のランニングは劇的に進化しました」エリートランナーがこう言っているのを聞くことがあります。市民ランナーはこのような奇跡を体験することはできないのでしょうか?
いいえ。できます。そのために書かれた本が本書『市民ランナーという走り方』。ランニングフォームをつくるための脳内イメージワードによって速く走れるようになるという新メソッドを本書では提唱しています。「言葉の力によって速くなる」という本書の新理論によって、あなたのランニングを進化させ、現状を打破し、自己ベスト更新、そして市民ランナーの三冠・グランドスラム(マラソン・サブスリー。100km・サブテン。富士登山競争のサミッター)を達成するのをサポートします。
●言葉の力で速くなる「動的バランス走法」「ヘルメスの靴」「アトムのジェット走法」「かかと落としを効果的に決める走法」
●絶対にやってはいけない「スクワット走法」とはどんなフォーム?
●ピッチ走法よりもストライド走法! ハサミは両方に開かれる走法。
●スピードで遊ぶ。スピードを楽しむ。オオカミランニングのすすめ。
腹圧をかける走法。呼吸の限界がスピードの限界。背の低い、太った人のように走る。
マラソンの極意「複数のフォームを使い回せ」とは?
究極の走り方「あなたの走り方は、あなたの肉体に聞け」
本書を読めば、言葉のもつイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化されて、同じトレーニング量でも速く走ることができるようになります。
あなたはどうして走るのですか? あなたよりも速く走る人はいくらでもいるというのに。市民ランナーがなぜ走るのか、本書では一つの答えを提示しています。
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どんなレースに出ても自分よりも速くて強いランナーがいます。それが市民ランナーの現実です。勝てないのになお走るのはなぜでしょうか? どうせいつか死んでしまうからといって、今すぐに生きることを諦めるわけにはいきません。未完成で勝負して、未完成で引退して、未完成のまま死んでいくのが人生ではありませんか? あなたはどうして走るのですか?
星月夜を舞台に、宇宙を翔けるように、街灯に輝く夜の街を駆け抜けましょう。あなたが走れば、夜の街はイルミネーションを灯したように輝くのです。そして生きるよろこびに満ち溢れたあなたの走りを見て、自分もそんな風に生きたいと、あなたから勇気をもらって、どこかの誰かがあなたの足跡を追いかけて走り出すのです。歓喜を魔法のようにまき散らしながら、この世界を走りましょう。それが市民ランナーという走り方です。

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しかしふしぎと可愛がってもらって、走ること以外でも飲みに行ったりしてつきあうようになりました。

その人に「碁をやらないかい?」と誘われました。

「碁は面白いぞ。陣取りゲームだよ。すごく奥が深いよ」

というのです。

突然の碁のお誘いに戸惑ってしまいました。碁のことは何も知りません。

なによりせっかくのお誘いを無下に断るわけにもいきません。

そこで有名な囲碁のアニメ『ヒカルの碁』を見て勉強してみることにしたのです。

筆者自身による読み聞かせはyoutubeでどうぞ。よければチャンネル登録、高評価よろしくお願いします。

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アニメ『ヒカルの碁』について

『ヒカルの碁』は進藤ヒカルという普通の少年が、ふとしたきっかけから囲碁に目覚め、プロ棋士を目指していくというお話しです。

ふとしたきっかけというのが、平安時代の天才棋士、藤原佐為(サイ)の亡霊に取り憑かれるということなのです……。

藤原佐為は囲碁の御前試合にいかさまで敗れ、無念の思いで死んでしまった人物。無念の思いが怨念となってこの世に残ってしまったのです。

囲碁といい、平安貴族といい、怨霊といい、とても和風な作品です。

怨霊サイの囲碁を打ちたいという願いに応えているうちに、ヒカルは塔矢アキラという同年代の少年と出会い、囲碁の面白さに目覚めます。

そしてサイと囲碁を学び鍛えつつ、プロ棋士を目指していくというストーリーです。

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このブログの著者が執筆した「なぜ生きるのか? 何のために生きるのか?」を追求した純文学小説です。

「きみが望むならあげるよ。海の底の珊瑚の白い花束を。ぼくのからだの一部だけど、きみが欲しいならあげる。」

「金色の波をすべるあなたは、まるで海に浮かぶ星のよう。夕日を背に浴び、きれいな軌跡をえがいて還ってくるの。夢みるように何度も何度も、波を泳いでわたしのもとへ。」

※本作は小説『ツバサ』の前編部分に相当するものです。

アマゾン、楽天で無料公開しています。ぜひお読みください。

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物語のあらすじを述べることについての私の考えはこちらをご覧ください。

物語のあらすじを紹介することについて
あらすじを読んで面白そうと思ったら、実際に照会している作品を手に取って読んでみてください。ガイドブックを読むだけでなく、実際の、本当の旅をしてください。そのためのイントロダクション・ガイダンスが、私の書評にできたらいいな、と思っています。

私は反あらすじ派です。作品のあらすじ、主題はあんがい単純なものです。要約すればたった数行で作者の言いたかった趣旨は尽きてしまいます。世の中にはたくさんの物語がありますが、主役のキャラクター、ストーリーは違っても、要約した趣旨は同じようなものだったりします。

たいていの物語は、主人公が何かを追いかけるか、何かから逃げる話しですよね? 生まれ、よろこび、苦しみ、死んでいく話のはずです。あらすじは短くすればするほど、どの物語も同じものになってしまいます。だったら何のためにたくさんの物語があるのでしょうか。

あらすじや要約した主題からは何も生まれません。観念的な言葉で語らず、血の通った物語にしたことで、作品は生命を得て、主題以上のものになるのです。

作品のあらすじを知って、それで読んだ気にならないでください。作品の命はそこにはないのです。

人間描写のおもしろさ、つまり小説力があれば、どんなあらすじだって面白く書けるし、それがなければ、どんなあらすじだってつまらない作品にしかなりません。

しかしあらすじ(全体地図)を知った上で、自分がどのあたりにいるのか(現在位置)を確認しつつ読書することを私はオススメしています。

作品のあらすじや主題の紹介は、そのように活用してください。

偉そうに? どうして無名の一般市民が世界史に残る文豪・偉人を上から目線で批評・批判できるのか?
認識とか、発想とかで、人生はそう変わりません。だから相手が世界的文豪でも、しょせんは年下の小僧の書いた認識に対して、おまえはわかってないなあ、と言えてしまうのです。それが年上だということです。涅槃(死。悟りの境地)に近いということなのです。
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結局は少年ジャンプの王道マンガだった『ヒカルの碁』

物語の冒頭から引き込まれました。

平安貴族の格好をしたサイは「神の一手」を極めたいと囲碁に想いを残した怨霊です。

最初、ヒカルはサイの命じるままに碁石を打ちます。ルールも定石も何も知らず、碁石のカッコいい持ち方も知りませんでした。

その初戦の相手が囲碁の天才少年アキラです。アキラは指導碁のつもりでしたが、完敗してしまいます。

実際には伝説の天才棋士を相手にしているのですから、かなうわけがありません。

天才囲碁少年アキラははじめて挫折を味わい、狂ったように打倒ヒカルに邁進していくのです。

同年代に負けるなんて思いもよらなかったアキラにヒカルという存在が強烈に焼き付きます。

ヒカルとはいったい何者なのでしょうか?

ヒカルはライバル視されて、ちょっととまどいます。

だってアキラがライバル視しているのは本当は自分ではなくサイなのですから。

この冒頭で私の目線はサイという平安時代の伝説の囲碁打ちに、現代の囲碁定石で挑む囲碁少年アキラという構図ができあがってしまいました。

私はこのままアキラが、天才サイを目指して、成長し、上昇していく物語であったほうが面白かったかな、と思います。主人公がヒカルの立場ではなく、アキラの立場であった方が、面白かったのになあと思うのです。

現代では無敵なのに、平安時代のレジェンドには勝てないって、面白くないですか?

あまりそういうストーリーは見たことがありません。

しかし実際の『ヒカルの碁』では、囲碁に目覚めたヒカルが、サイの手を借りないで、自分の力で現在の囲碁の世界に飛び込んで成長していくさまが描かれます。

結局、少年ジャンプの王道を行ったということです。後半になるほど、囲碁版のキン肉マン、聖闘士星矢みたいになってしまいます。

はっきりいえば、だんだん面白くなくなるということです。

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少年ジャンプの王道でない変化球のストーリーが見たかった

サイの登場は、ちょっとだけだからいいのかなあ……。

みんな少年ヒカルの成長する姿が見たかったのでしょうか。

極論すれば、サイなんて別に登場しなくてもよかったのでしょうか。

私の場合、佐為が消えた後は、ほぼ興味がうせてしまいます。

もうヒカルはサイなしでも自分の力で強くなることができる存在です。

「神の一手を目指すのが、なぜ私ではなくヒカルなのですか。私は消えるのに」

そんな人間ぽい言葉を残して、平安時代の天才棋士、怨霊の藤原佐為は消えてしまいます。

平安時代の怨霊サイが消えてしまった後は、まるで関羽や劉備が死んだ後の『三国志』みたいです。

三国志。天下の笑いものになると挑発し、逃げたふりして伏兵で囲むワンパターン。
三国志は、やたらと閉口する人物が、天下の笑いものになることを恐れ、バカにされると激怒して昏倒して死んだりする物語です。 知将の戦略は、逃げたふりして伏兵で取り囲むワンパターンです。ときどきオーパーツ兵器が登場して、敵を火薬で吹っ飛ばしたりします。

天羽セロニアス時貞が死んだ後の『特攻の拓』みたいです。

続けて読むか迷うぐらいに、何か物足りないのです。

囲碁について何も知らない主人公ヒカルの知識が増えると同時に、読者の囲碁の知識も増えていきます。そういう読み方ができるような構成になっています。実際に『ヒカルの碁』は大人気を博して、囲碁人口が増えて、漫画界のみならず囲碁協会からも数々の賞を受賞しているそうです。

少年ジャンプの王道パターンにまだ慣れていない人はこれでいいと思うのですが、ジャンプパターンに慣れてしまった私としては、やはりサイをライバルとした、ヒカルたち現代の棋士が主人公というパターンの方が変化球が効いていて、これまで誰も見たこともない作品になったのではないかと思うのです。

平安棋士の怨霊サイのキャラクターが表に出るほど、私にとって『ヒカルの碁』は面白いものでした。

「1000年たっても囲碁に勝負する人の熱い気持ちは変わらないんですねえ」と感慨を抱いたり「なんで月に人が行ける時代になっても、傘のカタチは平安時代からぜんぜん変わらないんでしょうか」とか、サイの登場によって物語が複層になって面白くなります。

囲碁も平安時代とは少しルールが変わっているらしく、近代の囲碁を知らないサイの打ち方は「古い」と言われたりします。

そういう微妙なところで平成VS平安の囲碁対決にしても面白かったのではないかと思います。

サイはヒカルに指示して、アキラをはじめとする現代の強豪に圧勝してしまいます。相手はヒカル少年に負けたと信じて愕然としてしまうのです。

ヒカルは過大評価されている自分の実力に歯噛みして、それに相応しい実力を身につけようと努力を重ねます。

そして少年ジャンプの王道ストーリーになってしまうのです。

繰り返しますが、私はヒカルが成長し上り詰めていく物語ではなく、レジェンドの平安棋士に挑むアキラという構図のままであった方が、誰も見たことがない面白いストーリーになったのではないかな、と思います。

同世代のライバル(アキラ)に挑む少年(ヒカル)という構図は、いくらでも見飽きた構図だからです。

中学生ヒカルよりも、年齢的に藤原サイの方が近いせいもあるのかな。

キャラクター設定上、現代の中学生よりも、平安時代の夢半ばに死んだ棋士の方がはるかに感情移入できるのです。

韓国版『ヒカルの碁』のタイトルは『ゴースト囲碁王』だったとか……。

韓国版の命名の方が、私が望むストーリー展開を表現しているタイトルになっていますね。

見たかったのは『ヒカルの碁』ではなく『謎のゴースト囲碁王に対決していくアキラたち現代の棋士たち』というストーリーだったからです。

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オンライン囲碁

怨霊であり、ヒカルにしか姿が見えないサイにとって、オンライン囲碁こそ、最高の活躍の舞台でした。

サイの指揮でヒカルが打つと「ガキのくせに強すぎる」と噂になってしまいますが、オンライン囲碁ならヒカルの姿を見せずにサイは思うがままに大好きな囲碁を打つことができました。

オンライン囲碁では「むちゃくちゃ強い奴がいる」と噂になったりします。

そして最後には佐為と現代名人がオンライン囲碁で戦う名場面があります。

ヒカルではなく、佐為が打つと作品が急に面白くなるんだよなあ。

サイは現代の名人と勝負して、見事勝ちをおさめます。

1000年の囲碁怨霊がそう簡単に負けるはずがありません。

サイが消えた後の展開は、お決まりの少年ジャンプ展開です。

「消えてもサイはヒカルの心の中にいる」「サイの意志はヒカルが引き継ぐ」

悪くない結論だけど、どこかで聞いたことがあるんだよなあ。っていうかもう飽きたよ、このオチ。

作品をつくる上で、日本棋院の全面協力を仰いだ以上、現代の少年が、現代の囲碁界で頂点を狙う棋士のストーリー展開になるのはやむをえないのかもしれません。

平成の棋士が、なかなか平安の棋士に勝てないストーリーを日本棋院の全面協力で展開していくのは難しいでしょう。

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囲碁は奥深すぎる。片手間でできる趣味じゃないとわかった

王道の少年ジャンプ展開がすこし残念であったが、囲碁というものの魅力が『ヒカルの碁』を通じて、すこしだけわかった気がしました。

「囲碁をやらないか?」という大先輩のお誘いは、結局、受けませんでした。

『ヒカルの碁』で囲碁の奥深さがわかったからです。片手間の趣味でやるには時間がかかりすぎると思いました。

地球一周を走る瞑想ランニングだけでも、いくら時間があっても足りないと思っているのに、これ以上趣味を増やすのは賢明ではありません。

藤原佐為という平安時代の天才棋士の怨霊の登場で『ヒカルの碁』はとても面白いアニメでした。

基盤の上のほとんど動きのない囲碁で、よくここまで作品を盛り上げたものだと思います。

「お前にはぜったに負けない」と啖呵を切る二人がぶつかるから、勝敗の行方が気にかかる。

平成の名人と、平安の怨霊が対決するから、面白い。

それが『ヒカルの碁』というアニメ作品です。

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このブログの著者が執筆した純文学小説です。

「かけがえがないなんてことが、どうして言えるだろう。むしろ、こういうべきだった。その人がどんな生き方をしたかで、まわりの人間の人生が変わる、だから人は替えがきかない、と」

「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」

本作は小説『ツバサ』の後半部分にあたるものです。アマゾン、楽天で無料公開しています。ぜひお読みください。

Amazon.co.jp

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