「寝るのは日本で」推進委員会
昔は「寝るのは日本で」をスローガンに、夜通し遊んでいたものでした。
若い頃は、海外旅行中に寝るのがもったいなく感じていました。だって寝てしまったら、そこが日本だろうが、外国だろうが、どこでも同じです。
とくに帰りの飛行機は寝るチャンスととらえていました。狭くて暗い機内で眠れなければ却ってつらいばかりです。前夜は夜更かしして外国を楽しみ、なんとか飛行機に乗って爆睡すれば好都合だと考えました。
のんびり骨休めのために海外に行くという人がいますが、そういう人の気持ちがまったく理解できないのが、「寝るのは日本で」推進委員会のメンバーなのでした。
昼間はホテルで寝て、夜に活動するスタイルを手に入れる
しかし、状況が変わったのは、ラスベガスでした。
ラスベガスは砂漠の中の街ですから、日中の暑いこと暑いこと。汗がだくだく。とても外を出歩けませんでした。もちろん四六時中カジノはやっているのですが、夜にくらべて人がいなくていまいち盛り上がっていません。掛け金ミニマム・ベットも昼間は夜よりも低く設定されています。本番は夜なのです。
閑古鳥の鳴くこの状況では、必勝の倍がけ方も使えません。目立たないのが、倍がけ法の鉄則です。仕方ないので夜の部に備えるため、部屋に戻って休むことにしました。
疲労をためない海外観光。喫茶店に一日座り込んで、マンウォッチング
最近では、「寝るのは日本で」推進委員会は、活動停止中です。基本スタンスとしては、体を休めるのは帰国してからで十分というスタンスに代わりはありませんが、睡眠時間を削ってまで遊ぶということは、あまりなくなっています。
旅のパートナーである嫁が、疲労をためると体調を崩すことが多くなってきました。「寝るのは日本で」推進委員会も転換点に来ているのかもしれません。
これまでは、とにかくショートステイの弾丸旅行が多かったことから、疲労をためることなど構わずに、毎日活動していました。たとえば外が雨でも、海外のその場所にいられる時間は限られているので、雨具を着て外出していました。
しかしこれからはロングステイの長旅を増やしていこうと思っています。数か月単位の長旅を考えた場合、寝るのは日本でというわけにはいきません。さすがに毎日毎日外を歩き回るのも疲労がたまることでしょう。そうなると、たとえば雨の日には一日ホテルにこもって休むというような過ごし方ができないとキツイということになってきます。たまには骨休みの日がないと、海外ロングステイはキビシイということになりますね。
というわけで、最近では、我々は、喫茶店に一日座り込んで、マンウォッチングをするような過ごし方を取り入れました。日本でこれをやってもちっとも面白くありませんが、外国だと、それが旅人にせよ、現地の人にせよ、マンウォッチングしているだけで時間が流れているのを忘れるほど楽しめます。体は座っているだけなので、それほど疲れません。
連泊して室内清掃を断れば、ホテルで一日寝ていることも可能です。フリーWi-Fiがあれば、スマホがあれば、なんとか暇つぶしもできます。
寝るのは帰ってきてからで十分というのが、寝るのは日本で推進委員会のモットーだったのですが、時代が変わりました。それでも変わらないこともあります。
短い命です。みなさんも、力の限り生きていきましょう。