『ドクトル・ジバゴ』の本の厚みにびっくりした話し
先日のことです。図書館で本を借りようとして、ひっくり返りそうになりました。
借りたのはパステルナークの『ドクトル・ジバゴ』。もちろんはじめて読みます。
すぐに読み終わってしまうような軽い本だろうと思って複数の本を予約していたのですが、司書さんが持ってきてくれた本を見てびっくりしました。
ぶ、分厚い……。
ドクトル・ジバゴがこんな大作とは思いませんでした。これはたいへんだ。2週間の返却期限内に読み終わるかな?
他にも四冊本を借りちゃっているけど、そっちを読んでる暇ないぞ、これは。
本屋さんと図書館の違い
もちろん本屋は本を購入して自分の所有物にする場所で、図書館は本を借りて読んだ後に返却する場所です。
それがもっとも大きな本屋さんと図書館の違いですが、もうひとつ重大な違いがあります。
本屋の場合は現物を見て買っていますが、図書館の場合、現物を見ないで借りているということです。
もちろん図書館でも書架にある本から選ぶ場合もあります。しかし大きな図書館では大半の本はバックヤードの書庫にあります。とくにわたしのようにあらかじめ「読みたい本」がある場合は、図書館の本は予約して借りることになります。つまり現物を見ないで借りるわけです。
すると……『ドクトル・ジバゴ』のようなことが起こります。
まさかこんなにぶ厚い本とは思わなかったよ!! ってことになるのです。
古っ! まさかこんなに古めかしい本とは思わなかったよ!
ほかにもこんなことがありました。
ヘミングウェイの『男だけの世界』を借りたのですが、予想外に本が古すぎてびっくりしました。
奇麗な文庫本を想像していたのですが、埃まみれで紙魚の巣窟となっていそうな古い本でした。本だかゴミだか微妙な状態でした。古本屋のゴミから拾ってきたような状態でした。
正直、読まずに返却しました。紙質が経年劣化でポロポロでしたから。
まさかの旧字体!
紙質が経年劣化でボロボロまで行かなくても、中の漢字が旧字体のオンパレードでビックリしたこともあります。
伊藤正徳『帝国陸軍の最後』を借りたときのことです。まさかのオール旧字体でした。よ、読みにくい……。戦後の出版のはずなのに……。
「読めない本」は現役から引退させてあげたらいかがでしょうか?
紙質がダメージを負いまくっている本とか、もはやほとんどの市民には読めない(読む気になれない)旧字体の本などは、もう現役から引退させてあげたらいいのではないでしょうか?
普通に借りられる状態にある現役本ではなく、どこか本の歴史的価値を蒐集する博物館行きにしてしまえばいいのではありませんか?
捨てるのはもったいないので。どこかで大切に眠らせてあげましょうよ。