熟女イチゴ狩り。おいしい苺の見わけ方
毎年のように「いちご狩り」に行っている。何十回といちご狩りに行っている。こんなにイチゴ狩りに行っている人も滅多にいないのではないかと思っている。それほど行っている。
行き先は常春の楽園、南房総であることが多いが、栃木などにもよく出かける。
何十回といちご狩りをしていると、一回体験しただけでは気づかなかったいろいろなことに気づく。「人の書かないことを書く」がモットーの当サイト『ドラクエ的な人生』であるが、いちご狩りでも「人の書かないこと」を書いてみようと思っている。
今回は「おいしい熟女の見分け方だあ!」である。
………じゃなかった「おいしいイチゴの見分け方だあ!!」
農家でもない人間がどうして「人の書かないこと」を書けるのか?
それは何十回も通ったからこそ、だ。
それだけ投資しているからである。
1回や2回の「いちご狩り体験」では、気づけなかったこともある。
それをここに書こうと思う。
イチゴちゃんは女の子に似ている。
旨いのは熟女だ。
いくぞー!!
いちご狩りの教育的効果。様々な植物の相が同時に見られる
苺狩りは様々な植物の相が同時に見られて楽しい。
花が咲いて、白い花弁が落ちて、花の中心の三角形のとんがりが徐々に大きくなる。それが大きくなるとイチゴの形状になるのだ。白いまま大きくなり、やがて先端から赤くなる。
そういうことが誰に教えてもらわなくても自から知ることができる。
自ら知った。自ら学んだ。その体験が何よりも重要だ。
これがブドウ狩りや桃狩り、サクランボ狩りだとこうはいかない。ブドウ狩りに行っても果実はたわわに実っているが、花が咲いていたり、花とも果物ともつかない途中の「奇妙な何か」を目にすることはない。
一斉に花が咲いて、一斉に実が成る系の果物だと、果物狩りに行っても、たわわに実った結果だけを見るだけになる。途中の「奇妙な何か」を見ることができないのだ。
ところがイチゴは「花」と「フルーツ」と「その中間の奇妙な何か」を同時に観察することができる。これだけ並んでいると、植物に詳しい人に教えてもらわなくても、まるで自分が栽培したかのように、自ら学べる。
ずっと観察した人みたいな観察がわずか一日でできるのだ。いちご狩りに行くと巣箱があってミツバチが飛んでいる。虫媒とはどういうことなのか、目の前で肉眼で見ることができる。
もし親子連れで「ただおいしい果物を食べる」だけでなく、植物とか命とか何かしら子供に学んで欲しいと思うのなら、私はいちご狩りをおすすめしたい。
もちろんスーパーマーケットで梱包された果物を金で買うよりも、草木から直接フルーツをもぎ取って食べることには一定の教育的効果があるだろう。しかしできるなら子供には、花も、途中段階の「奇妙な何か」も、できあがった果物も、全部を見せた方がいい。
その方がずっと植物に興味をもってくれるだろう。3つの段階を見れば、植物が生きているのだと実感できる。生きている植物の実をもぎ取って人間が横取りしていることを実感することができるのだ。
植物観察にもイチゴ狩りはおすすめである。
果物狩りの「もぎとった瞬間の指先の快感」
クリスマスケーキに苺を乗せるので、12月24日直前がイチゴのもっともハイシーズンだとされている。ハウス栽培であるため温度は調節できるので、クリスマスに間に合うように出荷を調整して栽培されるのだ。
これが桃やブドウだったら、その12月下旬で旬が終わってしまうところだが、苺のすごいところは、そこで終わらないところである。
イチゴ狩りのシーズンは12月下旬から5月上旬まで続くのだ。つまり一つの株から次から次へと花が咲いて実がなりつづけるということである。
だから「花」と「フルーツ」と「その中間の奇妙な何か」を同じ日に観察することができるのである。これを見るといっぺんで植物に興味が湧いてくる。
直接、果物をもぎ取ることには指先の快感がある。もぎ取った直後に食べると、指先と舌の快感を同時に味わうことができる。
そして何よりも、直接もぎ取って食べると、うまい。
同じいちご狩りハウスの中にいろいろな種類のイチゴを栽培しているところもある。そういうところに案内されたら大当たりだったと喜ぼう。おいCベリー、チーバベリー、章姫、紅ほっぺ、とちおとめなどが定番である。
どれもうまいが、味は違う。食感が違う。違う種類を同時に食べれば違いが確実にわかる。
私の好みは「行った日によって違う」去年は「おいCベリー」が最高と思ったけれど、今年は「チーバベリー」だなあ、と思ったりする。その年ごとの出来具合や、いちご狩りの時期が1月か3月かで好みのイチゴが違ってくるのだろう。そういうことがわかったのも何十回も通ったからこそ、だ。
高設栽培といって中空に浮いているいちご狩りもある。地面の土で栽培しているいちご狩りばかりではない。
高設栽培は屈まなくてももぎ取れるのがいい。いいイチゴを探すには下から見上げるようにして探すことだ。すると先客が見落とした最高のいちごが葉に隠れていたりする。そんな宝探しの快楽もある。
しかし毎回思うのだが、よくまあこんなにたくさんの実が成るものだと思う。多産だなあ。
品種改良の結果だと思うが、現代のいちごの多産ぶりには本当に驚かされる。体重でいえば葉っぱよりも果実の方がずっと重いはずだから、体重の半分ぐらいを果実が占めているのではあるまいか? 果実の重さで茎が引きちぎれそうになっている姿をよく見かける。
これもブドウや桃やサクランボにはないイチゴの特徴である。本体がしっかりとした樹木であるブドウや桃やサクランボはいくら多産といっても果実の全体重に占める割合は小さいが、茎から実をつけるイチゴの果実が全体重量に占める割合には驚くべきものがある。なんて多産なんだ。
自分の体重の何倍もの子どもを生涯にわたって生み続ける繁殖用のチワワを思い浮かべてしまった(泣)
おいしい苺の見分け方。熟女いちごがオイシイ
日焼けしたように表面が赤ただれした熟女いちごがあまくオイシイ。これを「熟女いちご」と私は呼んでいる。
いちご狩り初心者の頃は、手を出さないイチゴである。見た目はまずそうに見えるからだ。
しかし私がおすすめするおいしいイチゴは「熟女いちご」である。ほとんどの人はこのことを知らない。
イチゴ狩りの初心者は、「大きくて」「はちきれんばかりの」「赤くなったばかりの」処女いちごばかりを食べてお腹をいっぱいにしてしまうのだ。私もまだ「いちご狩り」数回の初心者の頃はそうだった。
ところが私のように何十回もいちご狩りに行っていると「今日はもういいかな」という日が出てくる。とくに車中泊の旅で、二日連続でいちご狩りに行ったりすると、処女イチゴは昨日食べまくってしまったので、ちょっと「飽きてくる」。味変(あじへん=味を変える)でゲテモノに手を出してみようという瞬間が来るのである。
最初は「赤くみずみずしい巨大ないちご」にだけ手を出す。処女いちごである。
それに飽きると「とんがり帽子」いわゆる三角錐のいちごに手を出してみる。小さくても甘いのだと分かる。清楚系お嬢様いちごである。
半分白いのも食べてみる。やっぱり白いのは駄目だ。ロリータイチゴ好きの方はお試しあれ。
やがて恐々と「熟女いちご」に手を出してみるのです。腐っているのか? というような赤く爛れた実を食べてみよう。
ところがこれがあまくてうまいのだ。どうしてもっと早くこの味にたどり着かなかったのか⁉
経験者だけが知ることができる究極の味覚。それが熟女いちごなのである。
いちご狩りの注意事項。悪夢の小便デートにならないように気をつけて
いちごの周りのブツブツはタネなのだが、実の成熟が進むとタネの周りが白くなってくる。
このタネが成熟して周囲が白くなっているぐらいの熟女いちごが甘くておいしい。
食べ頃イチゴの見分け方、これがその答えだ。
ううん。熟女いちご、最高!
果物とオンナは熟れきった頃がいちばんうまいのであろうか?
だからといって熟女と「いちご狩り」デートに行く場合には注意が必要である。
イチゴ狩りで腹いっぱいイチゴを食べた後は、やたらとオシッコが出るからね。膀胱がぶっ壊れたかと思うほど小便に行きたくなる。いちごの利尿作用おそるべきである。ろくにドライブできない。数時間のうちに3~5回もトイレに行きたくなる。
若いカップルが初デートでいちご狩りに行くと「おしっこばっかり行ってた」悪夢の小便デートになっちまいますぜ。
イチゴ狩りは気心の知れた慣れ親しんだ相手と行きましょう。