本橋信宏『全裸監督』の魅力、あらすじ、評価、感想。アダルトビデオの歴史

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書籍『市民ランナーという走り方(マラソン・サブスリー。グランドスラム養成講座)』。『通勤自転車からはじめるロードバイク生活』。小説『ツバサ』。『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』『読書家が選ぶ死ぬまでに読むべき名作文学 私的世界十大小説』『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』。Amazonキンドル書籍にて発売中。

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ネットフリックスの映像『全裸監督』ではなく、評伝『全裸監督』

ネットフリックス配信で全世界的にヒットした山田孝之主演『全裸監督』。もちろん私はこの映像作品を見ています。しかしここでは「そっちじゃないほう」の本橋信宏氏の評伝『全裸監督』の書評をしています。今後、この稿で何の断りもない場合『全裸監督』は本橋信宏氏の評伝のほうを指します。ネットフリックスの方をいう場合には映像『全裸監督』とあえて映像と書きますのでご注意ください。

評伝『全裸監督』では、村西とおるの生い立ちからバブル崩壊、そしてその後を描いています。ほぼ映像作品と全体構成は同じです。『SMぽいの好き』も含めて、私はもちろん村西とおる監督のAV作品を見たことがあります。。しかし……好きか嫌いかというと、嫌いでした。なんというか……エロくないんだよな。お笑いみたいで。評伝『全裸監督』の中に私と同じ感想がでてきます。甲高いオカマ声でアホらしいトークを繰り返す村西とおる作品は「お笑い」でした。エロにお笑いなんか必要ないでしょ? そもそも男の実況声なんかまったく聴きたくないっちゅーの。『SMぽいの好き』も私にとって性的興奮とは程遠いものでした。バカバカしくてあきれちゃった、と記憶しています。そして最後まで見通さず途中で見るのをやめてしまいました。(早送りしたかもしれません)

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村西とおるの個性が強すぎる。AVにお笑いも革新的な衝撃もいらない

ネットフリックス映像『全裸監督』でも主演の山田孝之が村西とおる本人に似せた演技をしていました。しかしどうしても演技を透かして村西本人の姿を思い浮かべてしまいます。それほど個性の強い男でした。村西本人がもっと若かったらいっそ主演自分で見たかったぐらいです。役者よりも本人で見たいと思うというのはよほどの異常事態です。それぐらい村西とおるの個性は強すぎました。そしてセクシービデオなのに女優よりも監督が前に出過ぎました。だからAV監督としては駄目な部類だったと思っています。女優のことよりも監督のことが気になる。そんなセクシービデオってあります? エロモードというよりも、なんか別のものになってしまう。いやね、そんなAV見たくないんですよ。AVっていうよりはなんか別の違うものを見せられているような気がする。それが村西とおる作品でした。しかしAVではなく、村西とおるにだけ思い切ってカメラを寄せていくというのなら話しは別です。それは面白いものになるのではないでしょうか。完全にエロではなく別の作品として違った興味で見ることができるのならば。それが『全裸監督』でした。

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応酬話法って何だ? 買わない人に買わせるセールステクニック

評伝『全裸監督』では、村西のトーク術を天才的な「応酬話法」だとしています。この応酬話法というのは営業セールストークの一種です。セールスマンは常に「買わない」というお客様の反応に常に直面するのですが、そのネガティブな気持ちをポジティブに切り替えていくトーク術のことをいいます。買わないという相手を買わせなければセールスマンはつとまりません。そのためには相手の言い分を受け入れてトークを継続しつつ相手の価値観をひっくり返すことが必要です。実際に村西は、この応酬話法でセールスマンとしては超一流だったそうです。後にAV監督になった後も、脱ぎ渋る女優を口説き落とす際に使ったそうです。そういえばオレもこのテクニック、オンナを口説くときに使ったなあ。むしろ自分を説教強盗のようだと思ってましたけど、あれを応酬話法というとは知らなかった。ちゃんと名前がついてたのね(笑)。

女にモテるただひとつの方法

説得の哲学は、相手を理解して、おのれの成功体験に基づいた情熱で語りかけることだそうです。口説きは普遍的じゃなくて流動的です。体系化して方法論にすることはできないもので、直感、センス、瞬発力だということでした。村西は英語教材の営業日本一のセールスマンのかたわら、女房に浮気されて離婚してしまいます。英語教材の次はゲームセンターのテーブルゲーム機の販売を手掛けます。この本は商売人の本としても読むことができます。「バブルと寝た男」の狂乱の日々としても。

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北大神田書店。ビニール本(ビニ本)と裏本。

若い頃は今でいうホストクラブ的なバーのボーイをしていました。客商売でお笑いのセンスを磨きます。男気と体力で女遊興の世界で生き抜きます。その中で国鉄の未亡人に「駅弁」体位を教わる。これも映像『全裸監督』に出てきたとおりですね。

ビニ本を出版すると同時に北大神田書店をつくり狂気の拡大主義に走ります。裏本の出版と販売に手を出して裏社会とつながります。裏現像所、裏製版所、裏印刷屋。エロは儲かるのでみんなが手掛けるようになりました。村西が人と違ったのは、ビニール本(ビニ本)の流通を抑えようとしたことです。ただのエロ事師じゃないのです。「流通を制する者は資本主義を制する」なんてまるでアマゾンのようじゃないの。警察に賄賂を渡していましたが、ついに逮捕されます。そして北大神田書店は解散します。

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個性的で鮮烈な登場人物たち

作中、ミツトシというボディーガード的な部下が登場します。満島真之介が演じたトシがこれでしょう。ビニ本の編集から山崎紀雄(宇宙企画、デラべっぴん)が登場し、日本のヒュー・ヘフナーと呼ばれます。出版王にしてハーレムの主という意味です。白夜書房やコアマガジンを手掛けた中澤慎一。写真時代の末井昭。なんと梶原一騎まで登場します。ワンシーンだけですが。松坂季実子。田中露央沙。卑弥呼。野坂なつみ。桜樹ルイ。飯島愛。そして乃木真梨子。沢城昭彦監督。伊勢鱗太郎監督。豊田薫監督。清水大敬監督。

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あの人は今? 黒木香の引退理由。なぜ今も顔を隠して生きているのか?

評伝『全裸監督』には卑弥呼など往年のAV女優が実名(芸名ですけど)で登場します。しかし映像『全裸監督』ではぼかされてAV女優だということはわかっても誰かはわからないような設定となっていました。その中でもごまかしきれなかったのが黒木香。この人だけは本人を登場させないわけにはいきませんでした。映像では森田望智さんが腋毛を見せていましたね。ところで黒木香は今どこに? あの人は今? どこで何してる?

このSNS時代に、どうせここまで注目されているんだから、村西とおるがそうしたように、いっそ再登場したらいいと思うんですが、どうも雲隠れしているようです。

何故でしょうか?

その理由は……本人じゃないので、想像するしかありませんが、おそらく当時とは見る影もなく別人になってしまっているからじゃないかな? そういう自分を恥じて再登場できないという羞恥心なんじゃないかな、と推察します。

この日本で姿を隠しきれるものじゃないから外国に暮らしているという噂もあるようですがドラマ全裸監督は全世界でヒットしました。この再ブームのことを本人が知らなかったはずがありません。それでもSNSなどに名乗りをあげず登場しなかったというのは……やはり容姿が衰えて、滑舌も悪くなり、頭の回転も当時のような当意即妙な受け答えのできなくなった自分を見せるに忍びないのではないか。きれいな夢のままにしておきたいのではないか、と推察します。この時代、有名人というだけでお金を稼ぐことができるんですけどね。それをやらないのは人々の夢を壊したくないからだろうと思います。

当代随一の論客たちと知性で渡り合った淫乱AV女優という唯一無二のポジションという夢を。

AV引退後は酒乱となりホテルのベランダから落下したというニュースもありました。おそらくもうセクシーでもなければ、期待される頭の回転も発揮できないことを本人がわかっているから出てこないんじゃないでしょうか。だってそうでも考えないと有名税だけ払って損するばかりです。ちょっと名乗りを上げるだけで大金を手に入れられるチャンスをふいにするっていうのはそういうことなんじゃないかな。名乗りをあげるだけで、出版社から自伝の依頼があり、回想録を出版することができるでしょうに。

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狂気の疾走。乱作こそ我が命。

評伝『全裸監督』では作者が村西とおると昔馴染みで懇意らしく、インタビューをそのまま文字起こしした文章もたくさん載っています。生の村西節が息づいているのです。

「エゴイストだよガキは。社会と接点がないんだから。ラスコリニコフと同じだよ。自分だけ許されると思っている」

【罪と罰】ドストエフスキーは今日の日本人にとっても本当に名作といえるのか?

「オリジナルな生き方を自分の頭で考えることを勉強した方がいい」

村西は活字の虫だったそうです。実際に裏本を発行するかたわら一般書の出版も手掛けています。エロ抜きのまともな出版社でした。新英出版という名でFOCUSのような写真週刊誌をつくろうとします。別口の利益を一般書で食いつぶすという……幻冬舎の見城社長と経営理念は同じなんじゃないの?

狂気の疾走。乱作こそ我が命。粗製乱造。量産時代。量が質を凌駕する思想でした。

→ わたしはマラソンをやっていたのでよくわかるのですが、どんなに少数精鋭の質の高い練習をしても、ただやみくもに走り込んでいる人にかなわなかったりします。量が質を凌駕するという思想は私にとって無縁のものではありません。

×   ×   ×   ×   ×   × 

※雑誌『ランナーズ』の元ライターである本ブログの筆者の書籍『市民ランナーという走り方』(サブスリー・グランドスラム養成講座)。Amazon電子書籍版、ペーパーバック版(紙書籍)発売中。

「コーチのひとことで私のランニングは劇的に進化しました」エリートランナーがこう言っているのを聞くことがあります。市民ランナーはこのような奇跡を体験することはできないのでしょうか?
いいえ。できます。そのために書かれた本が本書『市民ランナーという走り方』。ランニングフォームをつくるための脳内イメージワードによって速く走れるようになるという新メソッドを本書では提唱しています。「言葉の力によって速くなる」という本書の新理論によって、あなたのランニングを進化させ、現状を打破し、自己ベスト更新、そして市民ランナーの三冠・グランドスラム(マラソン・サブスリー。100km・サブテン。富士登山競争のサミッター)を達成するのをサポートします。
●言葉の力で速くなる「動的バランス走法」「ヘルメスの靴」「アトムのジェット走法」って何?
●絶対にやってはいけない「スクワット走法」とはどんなフォーム?
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本書を読めば、言葉のもつイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化されて、同じトレーニング量でも速く走ることができるようになります。
※カルペ・ディエム。この本は「ハウツーランニング」の体裁をした市民ランナーという生き方に関する本です。あなたはどうして走るのですか? あなたよりも速く走る人はいくらでもいるというのに。市民ランナーがなぜ走るのか、本書では一つの答えを提示しています。

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星月夜を舞台に、宇宙を翔けるように、街灯に輝く夜の街を駆け抜けましょう。あなたが走れば、夜の街はイルミネーションを灯したように輝くのです。そして生きるよろこびに満ち溢れたあなたの走りを見て、自分もそんな風に生きたいと、あなたから勇気をもらって、どこかの誰かがあなたの足跡を追いかけて走り出すのです。歓喜を魔法のようにまき散らしながら、この世界を走りましょう。それが市民ランナーという走り方です。

×   ×   ×   ×   ×   × 

乱作ゆえに酷評されます。評価は10点。ここでの村西AV評こそわたしの感想とまったく同じものです。まったくエロくない。なんか違う作品。室内で脱くだけでいいのに、なぜか豪華な海外ロケを頻繁に行います。そんなこと必要ですか? ワーカホリックのご褒美的なものでしょうか。しかしこれが後に海外での逮捕や放漫経営に繋がってゆくのです。

偶然から顔面シャワーを発明します。このシーンも映像『全裸監督』にありましたね。乱作の中で映像制作のコツをつかみ、とうとうビデオ大賞を受賞します。

ジャニーズ北公次の復活を助ける。損得抜きの喧嘩好き。意気地なしだったり臆病だったり引き籠っていたらやっていけない仕事でした。

謹慎すると言いながら自己存在の証明欲求はどこまでも強かったのでした。

日本の裁判システムの中で弁護士が弁舌をしたって99.9%は有罪なんだから。大丈夫、大丈夫ってニコニコって笑うんだ。こういう笑顔ってほんとに必要なんだよ。

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空からスケベが降ってくる。

昔は地下からスケベが湧いてきましたが、これからは空からスケベが降ってきます。

人間はけっして同時に二つの人生を歩めない。だからこそ別の人生を歩むことは最大の願望である。自分以外の人間を演じられる役者というのは、それゆえ最大の願望をかなえる職業でもある。

村西とおるはギリギリの限界を撮影することがAVの存在意義だと思っていた。

→ いや、だからね、エロはどうなったのよ! ドキュメンタリー映画じゃないっつーの(笑)。

自分がエッジを歩いているので、体を張っていない男を軽んじる。

三度の食事を共にしセックスさえも目の前の女とおこなう。食と性のまさしく原始共産制そのものだった。ハーレム状態だった。金と体と出演保証で専属女優たちを支配した。

→ こういう状態を「日本のヒュー・ヘフナー」というのです。これは村西とおるのことですが。ちなみにヒュー・ヘフナーというのは『プレイボーイ』誌の創業者です。インターネット時代となってもはやヌードピンナップの時代じゃありません。2020年にプレイボーイは廃刊されています。けっしてヌードだけの雑誌ではなく、男性のモードを牽引した雑誌だったのですが、時代の流れには勝てませんでした。

バブルの時代は、金を借りてくれ、と銀行からにじり寄ってきた。

ダイヤモンド映像の社長自ら商品の横流し。若い頃の恩返しで社長に迎えたが裏切られた。あんなにいい思いさせてもらっているのにさらに使い込みして……。

一度だけ仕事抜きで卑弥呼を抱いた。せつない恋情が爆発した。恋愛に昇華した。この女性だけなんですよ。防波堤を一歩越えていってもいいなというのが卑弥呼だった。

皺が一本入った。もう綺麗さ、可愛さで勝負できない。ここがわたしの売りどき。あの人の爪はいまもきれいなんだろうか?

飯島愛。やる気があるのかないのかわからないというタイプが売れたりする。本来、性というのは努力や真面目さとは真逆の世界にあるからだろう。AVからテレビのゴールデンに進出するというのは並大抵のことではない。高い壁を乗り越えたほとんど唯一の成功例となった。その彼女も自宅で遺体となって発見された。運不運は背中合わせにやってくる。

村西とおるの右眼球から噴き出した血。毛細血管が切れて血があふれだした。凄まじいストレスで体の抵抗力が落ちて粘膜の毛細血管が破れ出血することがある。

嘘しか本物って描けない場合がある。

脛に傷を持つ人間が好きだった。そこに自身を投影し、苦行を負わされた人間を応援したくなるのであろう。

矢沢永吉が三十五億の負債を返し終わったというのに、なんで村西とおるが五十億の借金を返せないのか不思議です、と本気で思ってくれてる人たちだっている。

一般女性を天才的な応酬話法で脱がせるという時代はすでに過去の話しになりつつあった。現金もいまではそれほど強い魅力ではなくなった。

ギミックによって専属女優たちはより印象深くなり、ドラマ性が生まれる。

かつての精悍な顔つきはかき消え、死相さえ浮かんでいた。呼吸がままならず、意識が薄れかけていく。「残念ですが、一週間以内にまず百パーセント死にます」

雑菌が侵入したのか、心臓の弁にカビが生えている。いきなり歩けなくなって入院したら死亡宣告。二十年におよぶ借金返済の筆舌に尽くしがたいストレスが影響をもたらしたといってもいいだろう。

儲けはしたけど、成功しちゃいねえよ。

これだけ自分に情熱を込めて語りかけてくる男はいない。人間にとってもっとも辛いことは存在を無視されることだ。人間は他者からどれだけ必要とされているかがもっとも生きる上で重要になってくる。

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エロスとは心の落差。永遠なんてくそくらえ

スケベというのは性器それ自体ではなく、人間の頭の中で考えることなんですよ。生と死のもつ希望と絶望、この心の揺れ幅がエロスなんです。振れ幅によってドキドキハラハエロスとは心の落差なんです。それが「お姫様のようなあの方のものだ」と想起したときに興奮するんですよ。誰々のものという所有者のイメージがないと性器それ自体は何も物語らない。人の心を揺さぶらない。

高槻彰監督『ナイスですね 村西とおる』。困窮した村西とおるは、それまで耐えてきた緊張の糸がぶつんと切れたのか号泣するのだ。精根尽きたかのような、尾の長い悲痛な鳴き声だ。拍手が鳴りやまなかった。

エロが空から降ってくる、なんて言って、何言ってるんだと思ったけどそれが現実になったでしょう。あの人天才だから。でも金正恩みたいだったから、意見を言える人がいなかった。

あのころはいつ潰れてもおかしくなかったよね。

運が良かったというのが大きいよね。努力して物事がうまくいくんならみんなうまくいってるよ。草野さん(村西とおる)と知り合ったことが大きい。最大の運は飯島愛。

死の向こうに花園が永遠に続くなんてことになったら、そんな世界は退屈だよ。有限の生だからこそ、泣き叫んだり、わめくということがあるわけだよ。だから楽しいんだよ。その極みってのはエロスなんだ。自分が死というものを受け入れる存在なんだということを納得したときに、目一杯生きる意味、生きる喜びを確認して死んでいこうと思えるんだ。だから生きている限り、生をむさぼるんだ。なぜ興奮するかっていうと、死ぬから。なぜ欲しいかっていうと、死ぬから。死がなければ何も感動もしないし、何も思わないんだよ。死があってこそ、性のたぎりがある。だから生きるんだよ。永遠なんてくそ食らえだよ。

→このセリフこそ評伝『全裸監督』のクライマックスでしょう。映像『全裸監督』にも使ってほしかったですね。

物語はまだつづいている。

→ その言葉どおりに物語は終わっていませんでした。この後ネットフリックスで『全裸監督』は世界的に大ヒットすることになります。

「池田エライザのリベンジポルノ(ハメ撮り動画)が流出している」という情報ソースにビックリした話し

村西とおるはただのエロ親父ではありませんでした。評伝『全裸監督』はひとりの経営者の生き様としても読むことができます。

ぜひ一読をおすすめします。

女にモテるただひとつの方法

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サハラ砂漠で大ジャンプする著者
【この記事を書いている人】

アリクラハルト。物書き。トウガラシ実存主義、新狩猟採集民族、遊民主義の提唱者。心の放浪者。市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。山と渓谷社ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。ソウル日本人学校出身の帰国子女。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。放浪の旅人。大西洋上をのぞき世界一周しています。千葉県在住。

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●◎このブログの著者の書籍『市民ランナーという走り方』◎●
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書籍『通勤自転車から始めるロードバイク生活』
この本は勤務先の転勤命令によってロードバイク通勤をすることになった筆者が、趣味のロードバイク乗りとなり、やがてホビーレーサーとして仲間たちとスピードを競うようになるところまでを描いたエッセイ集です。 その過程で、ママチャリのすばらしさを再認識したり、どうすれば速く効率的に走れるようになるのかに知恵をしぼったり、ロードレースは団体競技だと思い知ったり、自転車の歴史と出会ったりしました。 ●自転車通勤における四重苦とは何か? ●ロードバイクは屋外で保管できるのか? ●ロードバイクに名前をつける。 ●通勤レースのすすめ。 ●軽いギアをクルクル回すという理論のウソ。 ●ロードバイク・クラブの入り方。嫌われない作法。 などロードバイクの初心者から上級者まで対応する本となっています。
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●◎このブログ著者の小説『ツバサ』◎●
小説『ツバサ』
主人公ツバサは小劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。そんな中、恋人のアスカはツバサのもとを去っていきました。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。離れたくない。その叫びだけが残った。全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自身が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「それは言葉として聞いただけではその本当の意味を知ることができないこと。体験し、自分をひとつひとつ積み上げ、愛においても人生においても成功した人でないとわからない法則」 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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小説『ツバサ』
主人公ツバサは小劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。そんな中、恋人のアスカはツバサのもとを去っていきました。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。離れたくない。その叫びだけが残った。全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自身が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「それは言葉として聞いただけではその本当の意味を知ることができないこと。体験し、自分をひとつひとつ積み上げ、愛においても人生においても成功した人でないとわからない法則」 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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読書家が選ぶ死ぬまでに読むべきおすすめの名作文学 私的世界の十大小説
読書家が選ぶ死ぬまでに読むべきおすすめの名作文学 私的世界の十大小説
×   ×   ×   ×   ×   ×  (本文より)知りたかった文学の正体がわかった! かつてわたしは文学というものに過度な期待をしていました。世界一の小説、史上最高の文学には、人生観を変えるような力があるものと思いこんでいました。ふつうの人が知り得ないような深淵の知恵が描かれていると信じていました。文学の正体、それが私は知りたかったのです。読書という心の旅をしながら、私は書物のどこかに「隠されている人生の真理」があるのではないかと探してきました。たとえば聖書やお経の中に。玄奘が大乗のお経の中に人を救うための真実が隠されていると信じていたように。 しかし聖書にもお経にも世界的文学の中にも、そんなものはありませんでした。 世界的傑作とされるトルストイ『戦争と平和』を読み終わった後に、「ああ、これだったのか! 知りたかった文学の正体がわかった!」と私は感じたことがありました。最後にそのエピソードをお話ししましょう。 すべての物語を終えた後、最後に作品のテーマについて、トルストイ本人の自作解題がついていました。長大な物語は何だったのか。どうしてトルストイは『戦争と平和』を書いたのか、何が描きたかったのか、すべてがそこで明らかにされています。それは、ナポレオンの戦争という歴史的な事件に巻き込まれていく人々を描いているように見えて、実は人々がナポレオンの戦争を引き起こしたのだ、という逆説でした。 『戦争と平和』のメインテーマは、はっきりいってたいした知恵ではありません。通いなれた道から追い出されると万事休すと考えがちですが、実はその時はじめて新しい善いものがはじまるのです。命ある限り、幸福はあります——これが『戦争と平和』のメインテーマであり、戦争はナポレオンの意志が起こしたものではなく、時代のひとりひとりの決断の結果起こったのだ、というのが、戦争に関する考察でした。最高峰の文学といっても、たかがその程度なのです。それをえんえんと人間の物語を語り継いだ上で語っているだけなのでした。 その時ようやく文学の正体がわかりました。この世の深淵の知恵を見せてくれる魔術のような書なんて、そんなものはないのです。ストーリーをえんえんと物語った上で、さらりと述べるあたりまえの結論、それが文学というものの正体なのでした。
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×   ×   ×   ×   ×   × 
読書家が選ぶ死ぬまでに読むべきおすすめの名作文学 私的世界の十大小説
×   ×   ×   ×   ×   ×  (本文より)知りたかった文学の正体がわかった! かつてわたしは文学というものに過度な期待をしていました。世界一の小説、史上最高の文学には、人生観を変えるような力があるものと思いこんでいました。ふつうの人が知り得ないような深淵の知恵が描かれていると信じていました。文学の正体、それが私は知りたかったのです。読書という心の旅をしながら、私は書物のどこかに「隠されている人生の真理」があるのではないかと探してきました。たとえば聖書やお経の中に。玄奘が大乗のお経の中に人を救うための真実が隠されていると信じていたように。 しかし聖書にもお経にも世界的文学の中にも、そんなものはありませんでした。 世界的傑作とされるトルストイ『戦争と平和』を読み終わった後に、「ああ、これだったのか! 知りたかった文学の正体がわかった!」と私は感じたことがありました。最後にそのエピソードをお話ししましょう。 すべての物語を終えた後、最後に作品のテーマについて、トルストイ本人の自作解題がついていました。長大な物語は何だったのか。どうしてトルストイは『戦争と平和』を書いたのか、何が描きたかったのか、すべてがそこで明らかにされています。それは、ナポレオンの戦争という歴史的な事件に巻き込まれていく人々を描いているように見えて、実は人々がナポレオンの戦争を引き起こしたのだ、という逆説でした。 『戦争と平和』のメインテーマは、はっきりいってたいした知恵ではありません。通いなれた道から追い出されると万事休すと考えがちですが、実はその時はじめて新しい善いものがはじまるのです。命ある限り、幸福はあります——これが『戦争と平和』のメインテーマであり、戦争はナポレオンの意志が起こしたものではなく、時代のひとりひとりの決断の結果起こったのだ、というのが、戦争に関する考察でした。最高峰の文学といっても、たかがその程度なのです。それをえんえんと人間の物語を語り継いだ上で語っているだけなのでした。 その時ようやく文学の正体がわかりました。この世の深淵の知恵を見せてくれる魔術のような書なんて、そんなものはないのです。ストーリーをえんえんと物語った上で、さらりと述べるあたりまえの結論、それが文学というものの正体なのでした。
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◎このブログの著者の随筆『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』
随筆『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』

旅人が気に入った場所を「第二の故郷のような気がする」と言ったりしますが、私にとってそれは韓国ソウルです。帰国子女として人格形成期をソウルで過ごした私は、自分を運命づけた数々の出来事と韓国ソウルを切り離して考えることができません。無関係になれないのならば、いっそ真正面から取り組んでやれ、と思ったのが本書を出版する動機です。

私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。

【本書の内容】
●ソウル日本人学校の学力レベルと卒業生の進路。韓国語習得
●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
●関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件
●僕は在日韓国人です。ナヌン・キョッポニダ。生涯忘れられない言葉
●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
●天皇制にこそ、ウリジナルを主張すればいいのに
●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
●韓国帰りの帰国子女の人生論「トウガラシ実存主義」人間の歌を歌え

韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。

「近くて遠い国」ではなく「近くて近い国」韓国ソウルを、ソウル日本人学校出身の帰国子女が語り尽くします。

帰国子女は、第二の故郷に対してどのような心の決着をつけたのでしょうか。最後にどんな人生観にたどり着いたのでしょうか。

Bitly
随筆『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』

旅人が気に入った場所を「第二の故郷のような気がする」と言ったりしますが、私にとってそれは韓国ソウルです。帰国子女として人格形成期をソウルで過ごした私は、自分を運命づけた数々の出来事と韓国ソウルを切り離して考えることができません。無関係になれないのならば、いっそ真正面から取り組んでやれ、と思ったのが本書を出版する動機です。

私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。

【本書の内容】
●ソウル日本人学校の学力レベルと卒業生の進路。韓国語習得
●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
●関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件
●僕は在日韓国人です。ナヌン・キョッポニダ。生涯忘れられない言葉
●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
●天皇制にこそ、ウリジナルを主張すればいいのに
●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
●韓国帰りの帰国子女の人生論「トウガラシ実存主義」人間の歌を歌え

韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。

「近くて遠い国」ではなく「近くて近い国」韓国ソウルを、ソウル日本人学校出身の帰国子女が語り尽くします。

帰国子女は、第二の故郷に対してどのような心の決着をつけたのでしょうか。最後にどんな人生観にたどり着いたのでしょうか。

Bitly
●◎このブログ著者の書籍『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』◎●
書籍『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』
戦史に詳しいブロガーが書き綴ったロシア・ウクライナ戦争についての提言 『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』 ●プーチンの政策に影響をあたえるという軍事ブロガーとは何者なのか? ●文化的には親ロシアの日本人がなぜウクライナ目線で戦争を語るのか? ●日本の特攻モーターボート震洋と、ウクライナの水上ドローン。 ●戦争の和平案。買戻し特約をつけた「領土売買」で解決できるんじゃないか? ●結末の見えない現在進行形の戦争が考えさせる「可能性の記事」。 「紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ」を信条にする筆者が渾身の力で戦争を斬る! ひとりひとりが自分の暮らしを命がけで大切にすること。それが人類共通のひとつの価値観をつくりあげます。人々の暮らしを邪魔する行動は人類全体に否決される。いつの日かそんな日が来るのです。本書はその一里塚です。
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書籍『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』
戦史に詳しいブロガーが書き綴ったロシア・ウクライナ戦争についての提言 『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』 ●プーチンの政策に影響をあたえるという軍事ブロガーとは何者なのか? ●文化的には親ロシアの日本人がなぜウクライナ目線で戦争を語るのか? ●日本の特攻モーターボート震洋と、ウクライナの水上ドローン。 ●戦争の和平案。買戻し特約をつけた「領土売買」で解決できるんじゃないか? ●結末の見えない現在進行形の戦争が考えさせる「可能性の記事」。 「紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ」を信条にする筆者が渾身の力で戦争を斬る! ひとりひとりが自分の暮らしを命がけで大切にすること。それが人類共通のひとつの価値観をつくりあげます。人々の暮らしを邪魔する行動は人類全体に否決される。いつの日かそんな日が来るのです。本書はその一里塚です。
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