坂本龍馬。ことを成して去る。ドラクエ的な英雄

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【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者アリクラハルトの旅する人生を走り抜けるためのオピニオン系ブログ。

youtube 始めました。(grandma-cuisine

当ブログの写真はご自由にダウンロードして二次使用していただいて結構です。

このページは司馬遼太郎『竜馬がゆく』の雑記感想文になります。

読了後、自分と同じ感想を抱いた同士はいないかな、という人が読むのに適しています。

もっとも重要な論文についてはこちらの別ページに記載しています。

https://arikura.com/ryoma-2/

【この記事を書いている人】

瞑想ランニング(地球二周目)をしながら心に浮かんできたコラムをブログに書き綴っているランナー・ブロガーのハルトと申します。

ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。日本脚本家連盟修了生。

その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。

あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。

夢は海外移住。希望移住先はもう決まっています!!

※この稿の内容は以下のとおりです。

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未読の人はいないと思うが。。。概要説明

『竜馬がゆく』は司馬遼太郎先生の長編時代小説です。

この作品は金八先生こと武田鉄矢が「人生の書」にしていることで知られています。
金八先生の姓は坂本ですね。
武田鉄矢のバンド名は海援隊ですが、元ネタは坂本龍馬です。

武田鉄矢が『竜馬がゆく』を熱く語ることで、発行部数は何万、何十万も増えたのではないかと思います。

武田鉄矢「今朝の三枚おろし」
YouTube音だけ聴取のすすめ みなさんは寝る前に何をして過ごしているのだろうか。 私はスマホでYouTubeを聴いている。画面は伏せてしまって見ていない。目を閉じて音声だけを聞いている。 このYouTube音だけ聴取が習慣...

作品は簡明で、さくさくと読むことができます。

坂本龍馬をモデルにした本書の主人公は坂本竜馬であるが、司馬遼太郎がわざと竜馬にしたのは「本書はフィクション、歴史小説」です、というあえて意思表示らしい。

架空のキャラクターである盗賊と絡むなど、完全なフィクション要素もありますが、根も葉もない嘘ではなく、根も葉もあるフィクションというところが司馬作品の面白いところですね。

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落差が飛躍を際立たせる

竜馬(龍馬)の面白いところは、何の後ろ盾もない脱藩浪人が、どうして歴史に残るような大仕事(薩長同盟、大政奉還、私設海軍、日本初の海運商社・株式会社)を成し遂げることができたのか、というところにあると思います。

竜馬エピソードには「子供の頃はハナ垂れ泣き虫小僧だった」落ちこぼれだったということが最初に必ず出てきます。

これはヒーローの雛形のようなところがあります。
エジソンとかアインシュタインとかが幼い頃落ちこぼれだったということは将来の大発明とワンセットです。

落ちこぼれが天才と呼ばれるからこそサクセスストーリーが盛り上がるのです。

「だから落ちこぼれのキミだって将来ものになるぞ」と思わせるから、読者の共感を得やすいのです。

坂本竜馬も、子どもの頃のダメっぷりは、将来とワンセットのエピソードになっています。

その落ちこぼれが英雄になっていく姿を追う中で、明治維新の歴史的背景が自然と学べるから、本作の人気はいつまでも衰えないのです。

戦国時代や明治維新は歴史そのものが面白いから、誰が主人公でもそこそこ面白くなります。脇役が主役級ですからね。本書の脇役は西郷隆盛であり、桂小五郎であり、勝海舟であり、高杉晋作であり、新撰組である。

これで面白くない小説を書く方が難しい。

しかも主人公は坂本竜馬です。

さて、落ちこぼれの泣き虫ハナタレはどうやって英雄になっていったのでしょうか。

そのステップを追いかけてみましょう。

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坂本竜馬はエリート中のエリートである

さて。そもそも坂本竜馬は無位無官の浪人として大仕事を成し遂げたのでしょうか?

いいえ。そうではありません。

坂本竜馬は東京大学を首席で卒業しています。
もちろん現在の感覚にたとえて言えば、ですが。そういってもあながち嘘ではありません。

日本一の剣術道場の北辰一刀流の免許皆伝となっているのです。しかも塾頭にまでなっています。

当時の剣術道場は、人間が心胆を練ることを学ぶ学校のようなものでした。

武士の教養・学問とは畢竟「死」への対処であり、それは剣術道場で学んだのです。

胆を練るとは、剣技を磨くこととほとんど同義語でした。

剣道のルール。残心・気勢の一本!
剣道大会観戦記。 ちょっとしためぐりあわせで、剣道の試合をはじめて見た。 テレビ中継があるわけじゃないし、近親者がやっていない限り、剣道大会なんて身近に見ることはあまりないのではないだろうか。 試合がはじまった。 竹刀が...

同じ流派に学んだものは、今でいう同窓生のようなものであり、仲間意識がありました。

同じ北辰一刀流に学んだというだけで酒を酌み交わして、たちまち同志関係を結ぶことができたようです。

学問というか、思想的な傾向を同じにしていたのです。

これはもう当時の剣術の腕というのは、学歴みたいなものと考えていいのではないでしょうか。

日本最高の剣術道場が北辰一刀流です。これは現代でいえば東京大学のような存在といっても過言ではありません。そこの免許皆伝の塾頭。すなわち東大主席卒業。いわば最高の学閥をバックにもっていたです。

ちなみに桂小五郎(木戸孝允)は神道無念流道場の塾頭、武市半平太鏡心明智流道場の塾頭でした。早稲田大学の首席卒業と、慶応大学の首席卒業のようなものでしょうか。

エリート教育機関の首席たちが交わりあっていたのです。

もちろん格上なのは東京大学首席卒業の坂本竜馬です。

この東大主席(北辰一刀流免許皆伝)がどのような形で志士活動に役立ったのか?

当然、どこにいても一目置かれる存在です。

ボディガードとしてどこにでも連れて行ってもらえます。

他藩の志士を訪れても「ご一手、ご教授ねがいたい」ということになり、下へも置かれぬ師として遇されます。

道場で汗を流して酒を酌み交わせば、たちまち人間の距離を縮めることができました。

また捕吏など追っ手に追われたときにも、武術の腕前は実際に役に立っています。

理論だけの弱い武士だったら、とっくの昔に捕縛されて、刀の露と消えていたでしょう。

また勝海舟の神戸海軍塾の塾頭にもなっています。

ペリーの黒船で幕を開けるこの時代には、蒸気船を操船できることは時代の最先端の技術を持っている言っても過言ではありません。

今でいうICTエンジニアみたいなものでしょうか。

坂本竜馬というと天下の浪人というイメージが強いのですが、たんねんに読み進めてみると実際のところ、藩というバックこそありませんが、エリート中のエリートなのだということがわかります。

竜馬の仕事は、落ちこぼれがやった仕事ではなく、エリートがやった仕事なのです。

(そもそもサムライというだけでエリートという時代でした)

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生涯歩きまくる。メチャクチャ健脚

竜馬は江戸時代末期のマスコミもSNSもない時代に生きていました。
テレビはもちろん、新聞すらありませんでした。

江戸時代末期、情報の伝達手段というのは、手紙レベルの口コミしかなかったのです。

いちばんいい情報収集は自分のその目で見ることでした。

吉田松陰が外国に密航したかったのはそういう理由です。

坂本竜馬は土佐を脱藩して天下の浪人となりますが、日本中、神出鬼没です。
江戸、神戸、長崎、京都、下関、越前……と飛び回っています。

飛び回っているが、飛べるはずがありません。実際には歩いていました。

マスコミもSNSもない時代は健脚が超大切な武器だったのです。

足腰が強くないと維新の志士はつとまらないと思います。
他の志士もメチャクチャ歩いています。

竜馬の場合は船を多用していますが、桂小五郎なんて江戸と長州(山口県)を生涯で何十回往復しているでしょう。

あっちに行って謀議し、こっちで密議する。そっちで献策し、戻ってきて会議する……出かけて行って喋って聞くことが志士の仕事でした。

他国の志士を訪問した時に、北辰一刀流免許皆伝は名刺代わりに非常に役に立ったことでしょう。

メールもSNSもないから、会うしか関係性をつくりえません。

維新の志士は、当時、テレビや新聞の代わりをしていた部分があります。
ジャーナリストだったのです。

今ならばインターネットを使いこなしている人間というところでしょうか。

いつの時代でも情報をもっているものが尊重されます。

そうした関係性の中で薩長同盟を成立させたのが竜馬です。

薩長同盟の発案者が竜馬ではないことは小説『竜馬がゆく』にも明記されています。

薩長同盟を考えたのはいち竜馬だけではない。当時多くの人がそれを考えていたのです。

ただ利をもって犬猿の仲の周旋したのが竜馬であり、盟約の裏書をしていることで、ほとんど彼の功績ということにになったのです。

今でいえば北朝鮮と韓国を仲直りさせるのに成功した、みたいなイメージでしょうかね。

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愛されることが最強

すごい健脚で諸国を歩き回っても、行く先々で受け入れられなければ何にもなりません。

坂本竜馬は「なんともいえない愛嬌がある」「男が惚れる男」というような描かれ方をしています。

藩とか身分にとらわれない平等精神。

世界の海援隊をやろうという自由な魂。

江戸幕府を倒すというアナーキーでrock ‘n’ rollな魂。

日本を洗濯しようという大志。

脱藩浪人という冒険の人生。

命を狙われるデンジャラスライフ。

その魅力を言葉で書けばこのような感じでしょうか。

リアルな現実では、声のよさ、笑顔のよさ、人間のもつ匂いのようなもので、好きって決まるものだから、坂本龍馬がどうしていろんな人に愛されたのか、本当のところは会ってみないと誰にもわかりません。

司馬遼太郎さんは小説上のテクニックとして、竜馬の相手側が惚れる姿を描くことで、竜馬の魅力を鏡のように表現しています。

司馬さんが「この男はただものではない」「いつか何かをやる男だ」「いつしか子分のようになってしまった」と描写することで、ああ竜馬って男は人を惹きつける魅力があるんだなあ、ということを相方の反応で成立させているのです。

まくら言葉の英雄。肩書としての英雄

小説中、肩書としての英雄、枕詞としての英雄、というのがよく出てくる。

代表的なのが、竜馬の殿様である土佐の山内容堂。

天下の賢候とか英傑とか、小説中「まくら言葉」つきで登場するのですが、実際の挙動が英雄とか賢候ぽくないので、まくら言葉だけが浮いて踊っています。

あれは当時の人の評判を司馬さんが書いたのでしょうか。

当時の人の「おべっか」をそのまま小説に書いてしまったのでしょうか。

老公、老公というから爺ぃかと思ったら四十五歳で死んだ人でした。

全然老公じゃない。

まだまだ若造ジャン!

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ドラクエ的な退場。悲劇的な死にざま

悲劇的な死にざま。

未来があるはずなのに、若くして死ぬ。

判官びいきのわが国で英雄になるためには、必要な条件だと思います。

長生きしすぎたミック・ジャガーは他国では知らず、この日本では輝けるrock ‘n’ rollスターとはなりえないだろうと思います。

射殺されたジョン・レノンとは比較にならないですよね。

西郷隆盛が英雄なのも、西南戦争の悲劇的な死があってこそ。

竜馬も志半ばで刺客に殺されていることが、やはり彼の評価をレバレッジしていると思います。

「この後も生きていたら、どれだけのことを成し遂げただろうか」

三菱商事をつくった岩崎弥太郎以上のことができたはずなのに…………そうやって惜しまれるんですね。

小説中、竜馬はひじょうにいさぎよい人間として描かれています。

大政奉還成立後、

「大樹公、今日の心中さこそと察し奉る。よくも断じ給えるものかな。よくも断じ給えるものかな。予、誓ってこの公のために一命を捨てん」

と泣いて、

明治新政府の高官になることが確実なのに、自ら身を引き、

「あれは、きらいでな。窮屈な役人が。世界の海援隊でもやりましょうかな」

と日本を去ろうとする。

このシーンで私は「ドラクエ」の勇者たちを思い出しました。

龍王を倒し、英雄となれるのに、国を去るドラクエ(1)の勇者を。

大魔王を倒し、英雄となったのに、いつの間にかいなくなるドラクエ(3)の勇者を。

おまえを倒してこの地を去るといった『ダイの大冒険』の勇者ダイを。

…………

竜馬は突如、中岡をみて笑った。澄んだ、太虚のようにあかるい微笑が、中岡の網膜にひろがった。

「慎の字、おれは脳をやられている。もう、いかぬ」

それが、竜馬の最後のことばになった。言いおわると最後の息をつき、倒れ、なんの未練もなげに、その霊は天にむかって駆けのぼった。

…………

坂本竜馬もドラクエの勇者たちのようにこの国を去ろうとし、そして暗殺によって本当に去っていったのです。

まさに物語の勇者(英雄)のように。

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✖✖はレベルが上がった(まとめ)

物語の英雄のように仕事を終えた後、去っていった坂本龍馬。

だからこそ英雄なのだと申し上げました。

暗殺されなかったとしても、革命からは大政奉還で去ろうとした竜馬。

たぶん海運業、三菱商事のような商社をイメージしていたのだと思います。

しかしこの海運業、本当に成功したかは疑問です。

実は竜馬、びっくりするほど高確率で船を沈めています。

亀山社中(海援隊)として、3~4隻ぐらいしか船を運用していないのに、うち2隻はほとんど処女航海で沈めているのです。

沈没率50%。

よく懲りないものだ。オレなら船とは縁を切りたいですね。ろくなもんじゃない。

操艦、下手くそすぎです。

もし竜馬が暗殺で死なず長生きした場合「大政奉還で革命から身を引き海に戻る」まではカッコよかったのですが、世界の総合商社をはじめても、輸送船の沈没で商売に失敗した可能性が大いにあると思いますね。

老後、何をやっても失敗して失意のうちに死んだ後藤象二郎のように、船の沈没で無一文になり、失意のまま死んだ残念な人になってしまった可能性があります。

どうせ人間はいつか死にます。

竜馬は英雄のまま死ねた。

そういうことなのだと思います。

『竜馬がゆく』はたくさんの人の心を動かし、本書を人生の書としている人たちがすくなからず存在する日本人必読書です。

未読の方は必ず読んでください! 読まずに死ねるか、の筆頭の書です。

電子書籍キンドル版も入手できます。

電子書籍キンドルの詳しい利用方法はこちらのページで詳しく説明しています。

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このブログ著者の小説『結婚』
小説『結婚』
愛とは何か? 結婚とは何か? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。恋人のアスカはツバサのもとを去っていきます。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。  離れたくない。その叫びだけが残った。  全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。 引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。 そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。 それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自信が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。 アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。 死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。 生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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このブログの著者の小説『片翼の翼』
小説『片翼の翼』
なぜ生きるのか? 何のために生きるのか? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。 かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。 同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。 アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。 自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。 人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。 ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 ※※本作は小説『結婚』の前編、バックストーリーに相当するものです。両方お読みいただけますとさらに物語が深まる構成になっています。※※
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小説『片翼の翼』
なぜ生きるのか? 何のために生きるのか? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。 かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。 同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。 アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。 自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。 人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。 ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 ※※本作は小説『結婚』の前編、バックストーリーに相当するものです。両方お読みいただけますとさらに物語が深まる構成になっています。※※
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【この記事を書いている人】

アリクラハルトと申します。【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。
市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。地元走友会のリーダー。月間走行距離MAX600km。『市民ランナーという生き方(グランドスラム養成講座)』を展開しています。言葉の力で、あなたの走り方を劇的に変えてみせます。
また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。
そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。
その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。タイ。ベトナム。カンボジア。マレーシア。シンガポール。インドネシア。ニュージーランド。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の28ケ国。パリとニューカレドニア、ホノルルとラスベガスを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。
登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。千葉県在住。

【この記事を書いている人】
瞑想ランニング(地球二周目)をしながら心に浮かんできたコラムをブログに書き綴っているランナー・ブロガーのアリクラハルトと申します。【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。 市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。地元走友会のリーダー。月間走行距離MAX600km。『市民ランナーという生き方(グランドスラム養成講座)』を展開しています。言葉の力で、あなたの走り方を劇的に変えてみせます。 また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。 そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。 その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。タイ。ベトナム。カンボジア。マレーシア。シンガポール。インドネシア。ニュージーランド。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の28ケ国。パリとニューカレドニア、ホノルルとラスベガスを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。 登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。千葉県在住。
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