パスポートを渡したら、集中! 集中!
ラスベガスのカジノホテルに宿泊した時のことです。ホテルのレセプションで、パスポートの提示を求められました。
これは普通のことです。私はパスポートを渡しましたが、気もそぞろでした。部屋の手配なんかどうでもよくて、背後のカジノに心を奪われておりました。
ラスベガスのカジノホテルは「ここからはカジノ、ここまではホテル」という境目がありません。フロントの待合いに普通にスロットマシンが置いてあります。
心をカジノに奪われていた私は、ルームキーを受け取ると、カジノに直行しました。
勉強して行ったクラップスに挑戦し、いくばくかのマネーを稼ぎました。
ところがいざ両替の際、手元にパスポートがないことに気づいて、顔面蒼白になります。
(落ち着け。消えるはずがない。思いだせ)
自分に言い聞かせます。そうして思い出しました。ホテルのチェックインのときにパスポートを渡したことを。カジノに意識が飛んでしまい、返してもらいはぐったのです。
即座にギャンブルをきりあげて、ホテルのレセプションに小走りで向かいます。ホテル側も返しはぐったことを自覚していたのでしょう。ちゃんと私のパスポートを保管してくれていました。

いや、ギャンブル熱が一気にさめました
IR統合型リゾート。カジノに不正はあるが、その不正の裏をかけばいい、という別のギャンブルがある
パスポートを失ったらゲームオーバー
パスポートを失ったらゲームオーバーです。
私は海外旅行をドラクエ的な関門突破ゲームのように考えているのですが、もしもパスポートを誰かに渡したら、今、いちばん大切なことは、あずけたそのパスポートを返してもらうことです。それを忘れたら痛恨の一撃を食らったようなものです。
目の前の関門突破に意識を集中しましょう。ギャンブルに心を奪われている場合ではありません。