『宗像教授伝奇考』のすごさ。牛頭天王とミノタウロスの起源は同じ?
『宗像教授伝奇考』というマンガ作品があります。その中で八坂神社の祭神である牛頭天王とミノタウロスがもともと同じ起こりだったんじゃないか、という仮説が提示されています。
これにはさすがに驚いてしまいました。いや、悪のミノタウロスと、疫病退散の牛頭天王が、同じ発祥だなんて……たしかに牛頭人間ってことだから姿は似てるけどさ。ギリシアと日本、そうとう離れてますけど……。
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このブログの著者が執筆した「なぜ生きるのか? 何のために生きるのか?」を追求した純文学小説です。
「きみが望むならあげるよ。海の底の珊瑚の白い花束を。ぼくのからだの一部だけど、きみが欲しいならあげる。」
「金色の波をすべるあなたは、まるで海に浮かぶ星のよう。夕日を背に浴び、きれいな軌跡をえがいて還ってくるの。夢みるように何度も何度も、波を泳いでわたしのもとへ。」
※本作は小説『ツバサ』の前編部分に相当するものです。
アマゾン、楽天で無料公開しています。ぜひお読みください。
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中村圭志著『宗教図像学入門』複合概念。イメージは糊とハサミでつくられる。
イメージは糊とハサミでつくられます。複合概念です。キメラです。頭だけが動物の人間というのは、だれでも考えつくモンスターです。犬頭のアヌビスとか、鳥頭のカルラ・ガルーダとか、ガネーシャなど洋の東西いくらでもあります。だからウシ頭なんて誰でも考えつくと思うんだけどなあ。。。
というわけで、中村圭志著『宗教図像学入門』を読んでみました。これはラングドン教授の専門分野だと思います。
ミノタウロスと牛頭大王の起源が同じってホント??
詳しい内容は本書に譲りますが……この手の本の典型的なよくない書き方でした。残念な本でした。
作家ではなくキュレーター。ひとつひとつの事例を説明するだけの「まとめ本」にはオリジナリティーがない。
この手の本の典型的な良くない書き方というのは一個一個のトピックスを説明するだけ、という書き方です。ひとつひとつを関連付けようとしない無難な書き方をすることです。知識の羅列になってしまうのです。
せいぜい「似たような話しが××神話にもあります」といった関連付けがあるぐらいです。天地創造や竜殺しの神話など、神話のストーリーが似ていることは説明しますが、『宗像教授伝奇考』のように、思い切った関連付けや思考の飛躍がまったくありません。宗像教授は天の羽衣伝説をスバル星座と関連付けました。そういった「マジか」「こんなの聞いたことないよ」という飛躍が学者の書いた平凡な本にはないのです。鉄の伝来とともに神話、伝説も広まった、ルーツは同じだ、と宗像教授は語りました。ラングドン教授は、最後の晩餐でイエスの横に描かれているのは男性(ヨハネ)ではなく女性(マグダラのマリア)だと言いました。イエスには妻がいて、子どもがいたと語りました。それが神ではなかった……というカトリックを巻き込む大事件に発展するわけですが……。
たとえば狛犬というのは高麗・唐の犬と勘違いしたもので、本来は獅子です。その獅子というのはインドにいる百獣の王ライオンを、日本人が伝え聞いたものから想像して造形したものなのです。起源はインドにあります。なかなかのロマンじゃありませんか。
せめてひとつでもそういう歴史につながる壮大なロマンがあればと思って通読したのですが……なにもなくて残念でした。ただの知識の羅列になってしまっています。ひとつひとつの事実を説明するだけでは、ただの知識の寄せ集めに過ぎません。「まとめサイト」のようなものです。
キュレーションも初心者には価値があるのでしょうが、しょせんは「まとめサイト」です。読者は著者の意見がききたいのですが、著者は知識を並べ立てるだけでは「だから何だ」と言いたくなります。「作家」ではなく「キュレーター」です。「作品」ではなく「まとめサイト」です。
悪貨は良貨を駆逐する。読書界の未来を案じる
あ、いちおう現代のアニメ・マンガにも神話と似たところがあるよとサブカルの知識を披露していましたが……宗像教授の深さにはとうてい及びません。
関連知識を並べて「ハイ、イッチョあがり」とまとめ本をつくるのは、安直すぎます。新たに付け加えるような書くべきことがないのなら、本なんか出さなきゃいいのに。
それにくらべて『宗像教授伝奇考』という作品は本当に驚きました。前方後円墳を彗星のカタチではないかと推論してみたり……この作者にしか書けない想像力にあふれています。
突拍子もない意見に聞こえますが、事実じゃないとは言い切れないのです。そうじゃないとは誰も証明できないんですから。
いち読書家として、本というものは、こういうものであってほしいと思います。
醸造アルコールによって日本酒の人気が落ちたように、安直な本の出版は書物そのものの人気を下げてしまうのですよ。
もっとも唯一無二であろうとして、誰からも顧みられなくなる可能性というものはあります。まったく売れない本になってしまう可能性もあるので……書店では「まとめ本」の方が売れるのかもしれませんね。悪貨は良貨を駆逐するんですな。
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このブログの著者が執筆した純文学小説です。
「かけがえがないなんてことが、どうして言えるだろう。むしろ、こういうべきだった。その人がどんな生き方をしたかで、まわりの人間の人生が変わる、だから人は替えがきかない、と」
「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
本作は小説『ツバサ』の後半部分にあたるものです。アマゾン、楽天で無料公開しています。ぜひお読みください。
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