「ベター車中泊ライフ」への気づき、提案
GWの車中泊遠征旅行(越後、越中、越前)も終了してしばらくたちました。また日常生活に戻りつつあります。その旅の様子はこちらをご覧ください。
今回の車泊旅から学んだ「ベター車中泊ライフ」への気づき、提案についてここでは書いています。
車中泊のベテランさんは「ああ、わかる。あるよね~」、初心者の方は「なるほど~」と思っていただけるのではないかと思います。
経営に成功する道の駅とは?
車中泊の旅を続けていると、情報収集、トイレ、宿泊場所として「道の駅」にひじょうにお世話になることになります。なるべく道の駅には泊まらないようにしているのですが、旅の半分ぐらいは道の駅にお世話になっています。
日本中を車泊でまわっている私は、たくさんの道の駅を見てきました。
道の駅といっても、全国にはいろいろなものがあります。ただの「農産物直売所」のような道の駅がもっともありふれた道の駅ですね。
レストランがあったり、マリオカートを貸し出すなどアクティビティがあったり、温泉があるなど特徴ある道の駅も旅の中でたくさんありました。「博物館」のような道の駅もあります。
情報収集、トイレ、宿泊場所として「道の駅」にひじょうにお世話になっているのですが、わたしたち車中泊族は普段はあまり道の駅にお金は落としていません。帰宅最終日に地域農産物を買うぐらいでしょうか。
むしろ夜中にトイレを利用するだけで去っていくので、招かれざる客かもしれません。
全国に道の駅が増えるのはいいことですが、経営的に成功する魅力がないと「車中泊族にトイレを貸し出すだけで掃除ばかり手間がかかるお荷物施設」になってしまいます。
そうならないでほしいのでこのコラムをかいています。
辣腕の経営者が工場の24時間運営を考えるように、道の駅も夜の客を活用すべき
道の駅の昼間の盛況具合は売り物次第ですが、問題は夜です。ほどんどの道の駅は夜は施設が使われていません。
しかし優秀な経営者が工場の24時間運営を考えるように、道の駅で営業成績を上げたいと思ったら、夜の時間を活用するしかありません。それには車中泊族の人気を得る必要があります。夜のお客様は車中泊賊だけだからです。
車中泊賊はトイレを使うだけでお金を使わないじゃないか、と思われていますが、そうではありません。道の駅が閉まっていてお金を使おうにも使う場所がないのです。
車中泊賊は夜は暇です。夕食はコンビニ弁当で済ませることが多く、食事の後は何もやることがないので早く寝てしまいます。本当はお風呂に入ってビールが飲みたいのです。もしも道の駅がそういうものを提供してくれたら……ほとんどの車泊賊はよろこんでお金を払うでしょう。お酒を飲めるなら一人当たり5000円だって使うのではないでしょうか。
経営に成功する道の駅とは、車中泊族をポジティブに取り込むこと
これでは寝る場所が車の中というだけでほとんどホテルに泊まっているようなものです。こういう道の駅はめったにありません。車中泊の目線からいうと、お風呂に入って、ビールが飲めて、朝には定食が食べられるということです。道の駅氷見ではみんなが一体となって完全に「車中泊を取り込む営業」をしていると思います。実際に車中泊の人たちが、お風呂に入り、ビールを飲み、そして朝定食を食べるために並んでいました。いっぺんで私も道の駅氷見のファンになりました。家から近かったら毎週末ごとに訪問したいぐらいです。
とくに朝定食には人が並んでいました。みんな車泊だから10時開店だと帰っちゃうわけです。8時からの定食には車泊の人が並びますよ、それは。氷見漁港直送の新鮮な魚だし。
その甲斐もあって、深夜というのに道の駅氷見は大盛況でした。こんなに夜中にたくさん車が停まっている道の駅はあまりありません。東京都とか神奈川県とかじゃありません。石川県の能登半島ですよ。ガラガラでもおかしくないのに、車がいっぱいでした。
経営に成功する道の駅とは、車中泊族をポジティブに取り込むことではないかと思います。
キャンピングカーがものすごく増えました。車中泊のブームが来ていると思います。キャンピングカーのオーナーは基本的にお金持ちです。車内のユニットシャワーよりも、温泉があるならそっちにお金を使うでしょう。キャンピングカーだからお金を使わないだろうと思うのは間違いです。快適な施設(道の駅)がないから彼らはキャンピングカーを買うのです。
これらの「お金を使うお客様(=車中泊族)」を無視して、夜を放置しているようでは、これからの道の駅の競争に勝ち抜いていくことは難しいのではないかと思います。