剣道のルール。残心・気勢の一本!

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【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者

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剣道大会観戦記。

ちょっとしためぐりあわせで、剣道の試合をはじめて見た。

テレビ中継があるわけじゃないし、近親者がやっていない限り、剣道大会なんて身近に見ることはあまりないのではないだろうか。

試合がはじまった。

竹刀が面に入る。ちゃんと打撃音がしている。

なのに審判の旗が上がらない。

「えっ、何で?」

あきらかに竹刀が当たっているのに、審判が一本をとらないことがあるのだ。

とても不思議だった。

剣道の起源は、真剣での勝負を模したところにあるはずだ。もともとは殺人技術のはずである。

それなのに竹刀が相手にコツコツ当たっているのに審判の旗はあがらないのである。

これはいったい何故なのだろうか。

不思議に思って調べてみたら面白いことがわかった。

ルール上、竹刀の先が軽く触れるだけでは有効打突一本)とはならないようなのだ。

「気勢の一撃」でないと一本とはならないのである。

はて? 「気勢の一撃」って何だ?

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気勢とは何か?

これは初心者には非常にわかりにくいルールである。

気勢っていったい何なのだろうか。

『有効打突とは、充実した気勢、適正な姿勢をもって、竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突し、残心あるものとする」

全日本剣道連盟の試合規則では有効の一撃がそう決められているのだ。

気勢とは「打ち込もうとする盛んな意気」というような意味である。

剣道の試合で一本とるためには、相手を技の上でも、気持ちの上でも圧倒していなければならないというのである。

相手がひるんだすきに出した竹刀が偶然当たっても一本にはならない。

気持ちを込めた気合いの一撃でないと審判に評価されないのである。

サッカーだったらゴールキーバーのボール後逸のような凡ミスでも点数にカウントされるが、剣道ではそんなまぐれゴールは一切評価されない。

剣が精神性を帯びてきたのである。

生き残る術としての剣術は、平和になった江戸時代、絶滅しそうになったそうだ。

それが今でいうボクシングのように観戦料を徴収して試合を見せることで生き延びてきた。

同時に人格陶冶、教育的な効果を謳って、平和の時代に適合してきたのである。

茶や演劇もそうだが、禅と結びつくという日本文化の特徴を剣術も辿った。

人生の必須課程になれば滅びることはない。

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気勢の一本とは、肉を切らせて骨を断つ一撃のこと

確かに竹刀を軽く浅く打ち込むだけで試合が終了してしまったら、すこしも観客は面白くない。

軽いジャブパンチ一発で試合終了だったら、ボクシングの観客の熱狂はありえない。

ノックアウトに観客が熱狂するように、骨をも断つような気勢の一撃でないと剣道では一本とはならないのだ。

「当てるだけのジャブではだめ。ノックアウトパンチでないと一本は取らない」

それが気勢の一撃である。

気勢の一撃であるかどうか判断するのは3名いる審判員である。

審判の感じ方で判定が変わるというのは、スポーツ競技としては問題があると批判する人もいる。

たとえば国際競技としてオリンピックに採用されるためには、フェンシング電気審判機のような公平な判定でなければ世界スポーツとはなりえない、というようは批判である。

しかし我が国には「肉を切らせて骨を断つ」という言葉がある。剣道は骨を断つ一撃でないと一本とは認めない武道なのだ。電気審判機が導入されたら肉を切る技術だけが発達して、ダンスに似た「もはや別もの」のスポーツに成り下がってしまうことだろう。

「審判の主観で判定が変わっては問題がある」確かにそうとも言える。

しかし私の見た限り、見事なまでに審判三名全員が「有効打撃を認める審判旗」を同時に上げていた。

取らないときは三名全員が取らない。判定がばらけるときは稀だった。

審判団のあいだに何らかの共通感覚が確実にあるように見えた。

その共通感覚を養うために剣道の審判は厳しい修行(研修)を経ているらしい。

逆にいえば「剣士の気勢は伝わっている」ということである。

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剣術の極意書『猫の妙術』。教外別伝。剣禅一如

よく見ると意外と竹刀がコツコツと相手に当たっている。

私は門外漢であるが、相打ちでもいいのなら、打ち込めそうな気がする。

「100本のうち1本でも取ればいい」という条件だったら素人でも1本ぐらいは取れそうな気がする。

剣術の極意書『猫の妙術』にはこんなことが書いてある。

虎毛の猫「気持ちの上でまず勝ちを収めた後に敵に当たようにしています」
古猫「気の勢いだけでは勝てません。生を忘れ、必ず勝つとも思わず、身を守る気もない必死の窮鼠には猫ですらそう簡単には勝てないのです」
なるほど『猫の妙術』に書いてあることが、ちょっとだけわかったような気がした。

たとえば新選組近藤勇の学んだ試衛館天然理心流は剣道の試合には弱かったが、殺し殺される実戦には滅法強かったという。

魂は体現する。剣禅一如である。

8段ぐらいの剣道師範ともなると、カナダやイタリアなど外国に教えに行くこともあると聞いた。

「一本とは、充実した気勢で、残心あるもの」
剣道の世界は奥深い。

残心とは何か。

youtube動画を何回再生しても、わかるものではない。
師範に実際に会って教わらないと伝わらない。

武道の真髄書『猫の妙術』にはこんなことも書いてある。
「教外別伝。師は授けず、指摘するのみ。武芸心術は自得せよ」と

あるいは教わってさえ学べない境地なのかもしれない。自得せよ、と。

結局、剣術とは技術ではなく境地なのだろう。戦場の乱戦ではどんなに技術があっても思わぬところから撃たれたり刺されたりするに違いない。

むずかしい「気勢の一撃」「残心」。だけどそこが面白いと感じた。

試合中、今のは気勢の一撃だったか?  それともただ竹刀が触れただけか?  審判はどうして一本を取らないのか? 今のが残心か?
心の中でそんなことを問いかけながら試合を見ていると、急に剣道の試合の観戦が面白くなった。

「気勢の一本」をあなたもどこかの剣道大会で直接見てみてはいかがだろうか?

いや。この際、初めてみてはいかがだろうか。

本当に面白そうだと思ったら、見るよりも、やる方がはやい。ずっと真髄をつかめる。

剣士はどんどん減っているそうだ。どこの道場でも新しく剣道をはじめる人を歓迎してくれるだろう。

禅にも通じるまさしく日本文化の精髄のひとつだと思う。

サハラ砂漠で大ジャンプする著者
【この記事を書いている人】

瞑想ランニング(地球二周目)をしながら心に浮かんできたコラムをブログに書き綴っているランナー・ブロガーのアリクラハルトと申します。【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。
ランニング雑誌『ランナーズ』の元執筆者。初マラソンのホノルル4時間12分から防府読売2時間58分(グロス)まで、知恵と工夫で1時間15分もタイム短縮した頭脳派のランナー。市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。地元走友会のリーダー。月間走行距離MAX600km。『市民ランナーという生き方(グランドスラム養成講座)』を展開しています。言葉の力で、あなたの走り方を劇的に変えてみせます。
また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。
そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。江戸川左岸の撃墜王(自称)。スピードが目的、スピードがすべてのスピード狂。ロードバイクって凄いぜ!!
山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。
その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。タイ。ベトナム。カンボジア。マレーシア。シンガポール。インドネシア。ニュージーランド。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の28ケ国。パリとニューカレドニア、ホノルルとラスベガスを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。ソウル日本人学校出身の元帰国子女。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。
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千葉県在住。夢の移住先はもう決まっています!!

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