ここでは千葉県野田市関宿から三重県亀山市関宿へと車中泊の旅をした時のことをレポートしています。
関宿(せきやど)から関宿(せきじゅく)へ。
この旅で私はケータイを忘れるという大失態をしてしまいました。YouTube撮れねえ!
失敗も含めて、車中泊の旅の参考にしてください。
- ぼくらが旅に出る理由
- 東海道を行こうとすると東京を通過しなければならないという大問題
- 「かまぼこ」と「ちくわ」「はんぺん」の違いとは何?
- 静岡富士山空港。「煙草」ではなく「茶箱」
- 日本のアーチーズ(ネバダ砂漠)。奥三河の乳岩峡
- 雪の車中泊。道の駅関宿。ラッセル泥棒・車バージョン
- 中部国際空港セントレア。国際線はすべて欠航
- 常滑焼。日本一の「招き猫」の生産地
- カギ紛失事件。犯人は……お前だ!!
- 「モーター茶筅」で抹茶体験
- 豊橋ヤマサのちくわ。銚子醤油のヤマサとは同姓同名の別人
- 名古屋うなぎ「ひつまぶし」
- デートにおすすめ。日本三大砂丘「中田島砂丘」
- 海と富士。天女の羽衣伝説が残る「三保の松原」
- 箱根駅伝を避けて御殿場から来たルートで帰宅
ぼくらが旅に出る理由
年末年始の休暇ではいつも海外旅行をしていたのですが、新型コロナウィルスの影響でほとんどの飛行機は欠航しています。とても海外旅行という雰囲気ではありませんでした。しかたがないので車中泊の旅をすることにしました。
県外に出ることに抵抗感がある人もいるかもしれませんが、我々はマイカーの中で暮らして、山とか滝に行く予定です。ご近所のスーパーマーケットの方がよっぽと人が密集しています。全く人のいないところにしか行く予定はありませんので車を走らせることにしました。
私はただ生きていればいいという風には人生を考えていません。
東海道を行こうとすると東京を通過しなければならないという大問題
私は名古屋の生まれですが、現在、千葉県在住です。
正月6連休という短い休みですから、九州や北海道に行くわけにはいきません。どこに行こうかと考えて、ひさしぶりに故郷名古屋あたりを攻略しようと思いました。
あ、もちろん祖父母に会いに行くわけではありませんよ。祖父母とはもう死別しています。
ところで千葉県人が東海道・名古屋に行こうとすると、ひとつ大きな問題に直面します。それは東京を通過しないとならない、ということです。
いやなんだよなあ、東京を通過するの……。なんで用もないのに銀座とか皇居回りを通らなければならないのでしょうか。首都高速道路がそのようなルートになっているのでしょうがないのですが、こちらも迷惑ですが、あちら(都内サイド)も迷惑でしょうに。
一般道(環八とか環七)を使っても似たようなものです。結局都内……。都内は右折レーンとか左折レーンが突然現れるので運転しにくくてしょうがありません。
直進したいのに右折レーンに巻き込まれて、車線変更したら、突然現れた警察に私は切符を切られたことがあります。
よく見れば黄色い車線変更禁止のレーンだったんでしょうが、まっすぐ行きたいんだよおれは。知らない都内の道を車線変更しなかったら、どこへたどり着くのやら、もしかして永遠に都内から出られないかも??
お互いのことを考えて、なるべく都内は通りたくないものです。都内を避けて、千葉県最北端の関宿地区から、埼玉県を東から西に抜けることで都内の通行を回避することにしました。反時計まわりに都内を回避して東海道に向かいます。
2020年12月28日。夜に出発し、関宿から反時計回りに都内ドライブを回避しました。
神奈川県唯一の村である清川村にある道の駅「清川」に宿泊。
登山基地として、キャンプ地として面白そうな場所でした。今回はただの通過地点でしたが、清川村はいつか目的地に設定したい場所です。
「かまぼこ」と「ちくわ」「はんぺん」の違いとは何?
12月29日。道の駅「清川」から湘南の海へ。
ここまできたら国道1号「箱根越え」するしかありません。
鈴廣かまぼこの里に立ち寄りました。年末年始のため、デコレーションかまぼこがたくさん売っていました。「かまぼこ」と「ちくわ」「はんぺん」との違いが気になりましたが、「かまぼこ博物館」を見学してもどこにも書いてありませんでした。調べてみたら、
かまぼこ=白魚のすり身を練って、蒸したもの
ちくわ=細い竹などに輪にように巻き付けて焼いたもの。穴がある。
はんぺん=魚のすり身に山芋などをくわえて蒸した練り物。
こんな感じなようです。もともと「商品」なので、厳密な定義にこだわる意味はないみたいです。売っている人が「はんぺん」だといえばそれは「かまぼこ」じゃなくて「はんぺん」なのでしょう。
清水漁港で昼食をとりました。
静岡富士山空港。「煙草」ではなく「茶箱」
その後、私たちの趣味である地方空港へ。「静岡富士山空港」というそうです。
国際線は飛んでいないというのに、無料駐車場は満車状態でした。国内線の利用者たちです。
東京へは飛行機よりも新幹線で行った方が早いから、何線が主力なのだろう? と興味がありました。北海道や沖縄だろうと予想したのですが、実際には博多や鹿児島など九州方面への便が多かったです。
鳥取砂丘コナン空港や、福島ウルトラマン空港ほど、遊びに特化した空港はありませんが、こんなものがありました。
煙草(たばこ)に見えて茶箱(ちゃばこ)です。中には「お茶の葉」が入っています。さすが茶どころ、静岡県。
そして「ゆるキャン△」も。どっちかといえば山梨県のキャラクターだと思いますが、富士山同様に、志摩リンたちも取り合いなんですね(;^_^A
山梨と静岡は永遠のライバルですね。
浜名湖の湖畔で宿泊しました。湖畔で夕食を食べていたら、人懐こい猫が寄ってきたのですこしおすそ分けしてあげました。
日本のアーチーズ(ネバダ砂漠)。奥三河の乳岩峡
12月30日。
朝から「阿寺の七滝」の散策をしました。滝が七段あるから七滝というそうです。日本の滝100選にも選ばれている滝ですが、誰もいません。やっぱ滝は夏見るものだからかしら。
つづけて奥三河の乳岩峡へ。ここは想像以上にいいところでした。筆者自身によるYouTubeはこちらをご覧ください。
アメリカのアーチーズのような岩橋が形成されています。
巨大な乳岩は、登山家も満足させるレベルのものでした。この旅で出会った最高のもののひとつです。
鳳来寺にも行きました。
今夜は入浴の日。ラグーナテンボスの「ラグーナの湯」に入湯。ヨットがライトアップされていてキレイでした。
お風呂の後、この旅の最終目的地(西端)を現在流行っている『鬼滅の刃』にあやかって奈良県柳生の里の「柳生一刀石」に決定!! この時点まで、どこで折り返すか、決めていませんでした。
有名な四日市の「工場夜景」を眺めて、柳生の里へと向かいました。
途中でなんと雪が降ってきました。それもけっこうな大雪です。実は私たちの車、スタットレスタイヤじゃありません。ノーマルタイヤです。これはやばい……。
急いで周囲の道の駅を探すと「道の駅 関宿」を近くに発見。ここを使うのは二度目ですから慣れています。
それ以上進むのは諦め、道の駅で宿泊することにしました。
雪の車中泊。道の駅関宿。ラッセル泥棒・車バージョン
12月31日。
車中泊から目が覚めると、車がとんでもないことになっていました。雪まみれでございます。
夜中ぜんぜん音がしなかったので、たいして降っていないかと思っていたのですが、大間違いでした。
雨音は心地よく屋根に響くのに、雪は静かに降りますね。
私は必ずエンジンを切って寝るので問題ありませんが、雪の車中泊でエンジンをかけっぱなしで寝ると、ときどき排気口を雪が塞いで一酸化炭素中毒で死んでしまうことがあるそうです。
命を守る上でも、騒音マナーの上でも、車中泊の際、エンジンは必ず切ってください。ぶ厚いマットレスと毛布、羽毛掛布団があれば、全然寒くありませんよ。
柳生の里「柳生一刀石」は山の方にあるので、諦めることにしました。ノーマルタイヤだと坂道を登れず立ち往生してしまう可能性があります。
天気を調べると、名古屋から静岡方面には雪が降っていないようです。関宿を折り返し地点にして、帰り始めることにしました。
「道の駅関宿」の目の前の国道一号線ですが、たくさんの車がわだちをつくってくれれば、ノーマルタイヤでもなんとか通行できそうです。
ラッセル泥棒・車バージョンを狙うことにして、機が熟すまで宿場町「関宿」を観光することにしました。
古い町並みを利用した銀行がありました。なんか高利貸しみたいだ(笑)。
外国人が好きそうな安宿も。素泊まりもできます。問題は中部国際空港セントレアから関宿までの足でしょうね。外国人は車がないのが前提だから、ルートがない場所へはいけないのです。
ラッセル泥棒して、千葉へ戻り始めます。
予想もしなかった大雪のために、今回の車中泊の旅は関宿(せきじゅく)から関宿(せきやど)への往復旅となってしまいました。
中部国際空港セントレア。国際線はすべて欠航
名古屋人の私がかつて飛行機を利用するときには小牧空港オンリーでした。しかし今は中部国際空港セントレアがあります。
空港フェチの私としては、これは行かないわけにはいきません。
伊賀、甲賀が近いせいか、忍者で売っている空港でした。しかしやはりセントレア空港はいわゆる「地方空港」とは雰囲気が違います。地方空港特有のコンビニ感覚、アソビがありません。規模の小さな成田空港という感じです。
何よりも今は人がいません。旅人がいるから空港は楽しいのです。旅情が湧いてくるのです。その旅人が今はコロナでいないのです。
年末年始の航空券の値段が一年で最も高騰する時期、いちばん空港がにぎわっているはずのこの時期に、旅人がおらず閑散としています。
「コロナ時代」のために、すべての国際線が欠航という状況です。仕方がないのですが、空港関係者や売店の人がかわいそうなくらいでした。
空港のいいところはおみやげが充実しているところです。国際空港ではその国の全国の代表的なお菓子などを買うことができます。私たちも名古屋みやげを空港の売店で買いました。
成田にくらべるとセントレアからの旅先はやはり限定されていますね。ほとんど中国、韓国、などアジアばかりです。そういうところは地方空港と同じですね。
この中で私が行ってみたいのはアブダビ。トランジットで空港に滞在したことはありますが、降りたことはありません。
常滑焼。日本一の「招き猫」の生産地
セントレア空港近くの常滑焼の街を散策しました。常滑は日本一の「招き猫」の産地なのだそうです。
セントレア近くのイオンには世界一巨大な「とこなめ招き猫」がありました。「マスクをしようにゃん」
その後、車中泊できる場所を探して、知多半島一周ドライブ。
翌朝が元旦なので、日の出が見られるスポットを探したのですが、渥美半島があるために、知多半島で「海から登る日の出」を見るのは難しいと思いました。
いつもは9時ごろ寝てしまうのですが、年末なので、車の中でビールを飲んで、テレビで紅白を見て過ごします。私たちにはとても珍しい夜でした。
カギ紛失事件。犯人は……お前だ!!
知多半島の海辺スポットで、車中泊しました。いやものすごい風でした。この北風が昨夜の雪を運んできたのでしょう。海岸の砂が車を叩くように吹き付けます。
紅白をカーテレビで見ている時、ふと思いました。
「あれ、車のカギ、どこ?」
最後に鍵を使ったはずの妻イロハにキーを持っているか聞きました。
「ううん。もってないよ」
二人して身の回りを探しますが、鍵が見当たりません。
エンジンはかかっているので、鍵が近くにあることは間違いありません。しかし見つからないのです。
どこか荷物の中にしまったのでしょうか。しかし大荷物なので、すべての荷物を探すのは面倒くさい。
私は鍵を探すいい手を考えつきました。
スマートキー装備の車は、鍵が車外に出ると「キーが見つかりません」とインパネに表示されます。これを利用して、どこかに必ずあるはずのキーを探すことにしました。
まず荷物の半分を車外に出します。そしてドアを閉めます。「キーが見つかりません」と表示されました。これで車外の荷物の中にキーがあることがわかりました。
(ドアが開いていると「ドアが開いています」表示の方が「キーが見つかりません」よりも優先表示されるので注意してください)
更に半分の荷物を車内に入れます。「キーが見つかりません」と表示されました。やはりキーは車外の荷物の中です。
このようにして二分の一、四分の一、八分の一と探す荷物を絞り込みます。
荷物が十六分の一になったら、もう探すのは簡単です。残った車外の荷物をくまなく探しますが、スマートキーは見つかりませんでした。
どこかにあるはずなのに、どうしてないんだろう。私は自分の全身のポケットを全部探しました。すると……ありました。寒いのでオーバーコートを着ていたのですが、その一枚内側のジャケットの中に鍵はあったのです。
カギ紛失の犯人は……オレでした。
そりゃ何回トライしても鍵が車外にあるはずだよ。だってオレがもってるんだもん。
「すいません……犯人は……私でした」
妻イロハに大爆笑されてしまいました。コートのポケットはちゃんと探ったのですが、まさかその下のジャケットに鍵があるとは……面目ない。シュン。
2020年の年末には、数年に一度の大寒波が来たそうです。車が揺れるようなものすごい風でした。海辺で泊まるのは朝方の景色がすばらしいのがメリットですが、風を遮るものが無く、大風の時には向きません。妻のイロハは車が転覆するのではないかと心配したそうです。
私は豪雪よりはマシだと思っていました。
「モーター茶筅」で抹茶体験
2021年1月1日。年が明けました。おめでとうございます。知多半島は暴風でしたが、雪は降りませんでした。
名古屋発祥の喫茶店コメダ珈琲でモーニングをとりました。
抹茶の生産量日本一だという愛知県西尾市で抹茶の体験をします。寒かったので熱い抹茶が飲みたかったのです。
路面店は年末年始で休みだったので、デパートの中のお店を狙いました。
抹茶は手でかき回すのではなく、モーター茶筅でかき回しました。
お店のバックヤードでも、手ではなくこの「モーター茶筅」で攪拌して提供しているそうです。
千利休クラスの名人がバックヤードにいなくても、「モーター茶筅」で簡単に抹茶が提供できるのですね。
豊橋ヤマサのちくわ。銚子醤油のヤマサとは同姓同名の別人
名古屋生まれの母に「名古屋のおみやげ何がいい?」と聞いたら、「あわ雪」と「ヤマサのチクワ」がいいという返事がありました。
豊橋に入って名物の「ヤマサのチクワ」のお店があったので寄って買うことにしました。
気になったのはヤマサという屋号です。
千葉県人から見るとヤマサといえば銚子の醤油会社のことです。ところがチクワは豊橋名物。これは同じヤマサなのでしょうか。もしそうなら三井、三菱クラスの大企業ってことになりますが……。
調べてみると、どうやら単なる同姓同名の別人で、何の関係もないようでした。
ヤマサのちくわは、普段ラポッキなどで食べているちくわとは別物のおいしさでした。ヤマサの竹輪はラポッキに入れるのはもったいないです。
名古屋うなぎ「ひつまぶし」
嫌いじゃないが、高いんだよなあ、ウナギ。
費用対効果で元が取れると私は思いませんが、妻を車中泊の旅に惹きつけておくためには「いい温泉」「おいしい食事」「地元お土産」の三点セットは欠かせません。
必要な投資だと考えて、浜松に車を停めました。年始のせいか、コロナのせいかわかりませんが浜松市は大都市の割に閑散としていました。うなぎ屋はほとんど開店していませんでした。
しかし何とか営業している店を探して、名古屋うなぎ「ひつまぶし」(4000円)をお茶漬けで食べました。
デートにおすすめ。日本三大砂丘「中田島砂丘」
その後、私はサハラ砂漠やワディラム砂漠やヌビア砂漠やネバダ砂漠など鳥取砂丘とは比べ物にならない砂の大地を知りますが、今でも砂丘が大好きです。
その砂丘が静岡にもあるというので行ってみました。日本三大砂丘のひとつ「中田島砂丘」です。
いや、行ってみた甲斐がありました。想像に劣らないいい場所でした。
コロナ禍でしばらくはサハラ砂漠なんかに行けませんので、近場の静岡で気分を出して楽しみましょう。
筆者自身によるYouTube動画はこちらをどうぞ。デートにも最適です。
焼津のお風呂に入浴して、地ビール「静岡麦酒」を飲んで車中泊です。
海と富士。天女の羽衣伝説が残る「三保の松原」
1月2日。
私は将来の移住先の候補地に「海と山が近い場所」という贅沢を考えています。山=富士山とすれば、それは静岡県に他なりません。
しかし地図上で探した「富士市」には本当にがっかりしました。富士市は堤防が大きくて陸から海がほとんど見えません。陸地と海がはっきりと分かれています。海が管理されすぎていて自然の海を感じられません。千葉県人からすると「これは海じゃない」と叫びたいところでした。
しかし静岡東部の工業地帯の海と違って、静岡西部の海は非常に美しかったです。三保の松原の西側(静岡市)は、富士山よりもむしろ伊豆半島の方が美しいぐらいで「人のいない湘南」という感じでした。
静岡西部は移住先として人気のあるところです。その理由がよくわかりました。なるほど静岡県西部は移住先の候補地として残しておきたいと思います。
海辺のいちご農園地帯を抜けて、天女の羽衣の伝説が残る三保の松原へ。ここで見たいのは山梨側では絶対に不可能な「海と富士」です。
三保の松原を抜けて海岸線に近づくと念願の「海と富士」を見ることができました。右側に瘤のある静岡側の富士山です。
箱根駅伝を避けて御殿場から来たルートで帰宅
「マグロ尾の煮つけ」500円を購入。はじめからこれを狙っていました。浜松の「ひつまぶし」4000円よりも「マグロのテールの煮つけ」500円の方がずっと美味いんですけど、だいじょうぶですか??
こんなに魚が美味いなら、哺乳類なんか一生食わなくても大丈夫です!!
その後、もう一泊してもよかったのですが、帰宅できるところまで戻ってきてしまったので一気に帰ることにしました。それもこれも三重県の関宿で雪に進路を阻まれて後退を余儀なくされたためです。
この日は「箱根駅伝」復路の日です。箱根越えをして湘南から帰るのは危険です。
御殿場から北にルートをとって、千葉県の関宿までいっきに戻りました。
関宿(せきやど)をスタートし、関宿(せきじゅく)で折り返した年末年始車中泊の旅でした。