目次
- 1 車中泊のすすめ。ガイダンス
- 2 キャンピングカーとステーションワゴン車中泊の違いとは?
- 3 車中泊の本当の良さは車内ではなく車外にある
- 4 2018ゴールデンウィーク。GW車中泊大遠征9泊10日
- 5 金曜日の夜の首都高速の渋滞は帰宅渋滞なのか?
- 6 アイマスクと耳栓は車中泊のマストアイテム
- 7 鉄砲座間(てっぽうざま)を「TE PPO ZA MA」と表記するのはどうなのか
- 8 スペイン・セビリア万博の日本館のメイン展示物だったという安土城天守
- 9 国文学の女王・紫式部が源氏物語を執筆したという石山寺
- 10 「瀬田の唐橋に我が風林火山の旗を立てよ」
- 11 朝鮮戦争と朝鮮半島の南北統一に関する個人的見解
- 12 車のキー紛失事件!? クルマのカギがない!
- 13 日本三名鐘のひとつ。鐘の三井寺
- 14 映画『ちはやふる』のロケ地。カルタの聖地・近江神宮
- 15 比叡山延暦寺。風水都市・京都の鬼門を守る寺院
- 16 比叡山ドライブウェイはUターンしない。すると2倍の料金を取られます
- 17 抹茶スイーツは100分待ち。宇治、平等院は諦める
- 18 日本三景、天橋立
- 19 コウノトリ育むお米、豊岡市の城崎温泉
- 20 鳥取砂丘。サンドアート
- 21 地方空港は外せない観光地。鳥取砂丘コナン空港
- 22 すなば珈琲
- 23 道の駅「神話の里 白うさぎ」
- 24 楽園探求。ここではない、違う場所に行きたい。
- 25 恋愛成就の神。白兎は恋のキューピット
- 26 宍道湖に突き出た「出雲縁結び空港」
- 27 オオクニヌシの社、出雲大社
- 28 車のキー紛失事件(この旅、二度目!!)
- 29 出雲の阿国の墓。歌舞伎の創設者は女性だった
- 30 人生の折り返しの復路。往路ほど新鮮な感動がなかったとしても復路でしか出会えない景色や人があるはず
- 31 世界で二番目に面白い美術館。大塚美術館
- 32 コインランドリーは働く子育て世代向けのスキマ需要がある
- 33 警察の職務質問を受けた車中泊の体験談
- 34 渋滞時は物語性のあるDVDが向いている
- 35 渋滞している高速道路はすぐに降りる
- 36 車で観光地に行くテクニック→二三駅手前で車を停めて電車で行く
- 37 奈良観光旅行
- 38 伊賀越え「せきやど」ではなく「せきじゅく」
- 39 道の駅に宿泊する
- 40 浅間神社はたくさんあります
- 41 美味・富士宮焼きそば
- 42 まかいの牧場は魔界の牧場ではない。牛飼いなのに馬飼?
- 43 ××はレベルが上がった(まとめ)
このページでは国内放浪旅行『車中泊』についてガイダンスから実際の例までを語っています。
また持ち物リストと注意点を実際の例を見ながら説明しています。
後半は実際の例になりますので、興味のない方は飛ばし読みしてください。おそろしく長い記事になります。
このページで読むべき主要なコンテンツは、
・車中泊は「車で過ごすタイプ」と「アウトドアで過ごすタイプ」に二分される。
・南北朝鮮の38度線は統一の目線をもてば、国境ではなく、県境のようなもの。
・カギ紛失事件。スマートキーが見つからなくても旅は続けられるが、車ごと盗難される危険がある。
・ゴッホは一日一枚描いていた。ダ・ヴィンチは画業に専念すべきだった。
・車中泊している時に警察から職務質問されたら「明日には他県に出ます」と言ってください。県警相手ですからずっと同一県内にステイしていないことを主張することが肝心です。
・車で超メジャー観光地に行くテクニック→→二三駅手前に車を停めて、電車で行く。
・渋滞に巻き込まれないためには、子供の移動しない時間に、子供の行かなそうなところに行くのがコツ。
・帰りの時間は決まっている。そして人生も、あの世へと帰る時間が決まっているのです。もっとも大切なのは時間。旅するように生きる。
この記事で一人でも多くの方が、車中泊という自由な生き方を知っていただけたらなあと考えています。

【この記事を書いている人】
瞑想ランニング(地球二周目)をしながら心に浮かんできたコラムをブログに書き綴っているランナー・ブロガーのサンダルマン・ハルトと申します。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。
初マラソンのホノルル4時間12分から防府読売2時間58分(グロス)まで、知恵と工夫で1時間15分もタイム短縮した頭脳派のランナー。市民ランナーの三冠王グランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。月間走行距離MAX600km。雑誌『ランナーズ』で数々の記事を執筆していた物書きです。「頭のよさで走り勝つことはできるか?」その答えを書いたハルトの【サブスリー養成講座】を展開しています。
また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。
そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。スピードが目的、スピードがすべて。ロードバイクって凄いぜ!!
山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。
その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。インドネシア。マレーシア。ニュージーランド。タイ。ベトナム。カンボジア。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の27ケ国。パリとニューカレドニアを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。ソウル日本人学校出身の元帰国子女。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。
登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。
千葉県在住。夢の移住先はもう決まっています!!
※この稿の内容は以下のとおりです。
車中泊のすすめ。ガイダンス
私ハルトは日常的に車中泊をしていますが、キャンピングカーを所有しているわけではありません。いわゆるステーションワゴンで車中泊をしています。
車は移動して寝るだけの場所です。
キャンピングカー所有者から見ると「初心者め。まだ真の楽しみを知らないとみえる」ってことになるかもしれません。
しかし私は「車中泊の本当の良さは車内ではなく車外にある」と思っているので、キャンピングカーのように車中で日常を過ごそうという考えがそもそもありません。
車内で過ごすなら、家で過ごしてもあまり変わりはありません。っていうか家よりも不便なのは確実です。
車は移動して寝るためだけの場所と割り切って考えています。それ以外の時間は車外で過ごすのです。
そういう意味では車中泊はアウトドアアクティビティーのひとつといえるかもしれません。
キャンピングカーとステーションワゴン車中泊の違いとは?
私は幕張メッセのジャパンキャンピングカーショーに買う気もないのに毎年通っていますので、たくさんのキャンピングカーに乗り込んで、中身を知っています。


車中泊の快適度は、車の中で立ち上がれるかどうかが決定的な分水嶺だと思っています。
キャンピングカーが圧倒的に快適なのは「車内で立てるから」であり、暮らすように過ごすには車内で立ち上がれることが決定的な要素となってきます。
車内で立ち上がれれば「運動」ができます。
「キング・オブ・筋トレ」と言われるスクワットができます。
大雨で閉じ込められても苦になりません。
車内で立ち歩けるか否かは決定的な違いとなります。
キャンピングカーの欠点は「普段使い」に向いていないところです。
近くのスーパーにキャンピングカーで行くのは、ちょっと目立ちすぎませんか?
二台持ちするなら問題ありませんが、ビンボーな私は一台しか持てませんので、キャンピングカーを所有するつもりはこれからもありません。
なぜかというと、キャンピングカーのように車中で日常を過ごそうという考えがないからです。
車内で過ごすなら、家で過ごしてもあまり変わりはありません。
車中泊の本当の良さは車内ではなく車外にあります。
だから昼間は外で過ごします。外に出かけ、外で食事して、外で遊びます。
そして眠るときだけ車の中で過ごすのです。
キャンパーのテントの代わりに車がなっているようなものです。
キャンパーで昼間もテントの中で過ごす人はいないでしょう。
雨の日はどうするのかって?
車中泊族を車中泊族とはじめて呼んだ、こちらの記事をごらんください。

車中泊の本当の良さは車内ではなく車外にある
それでも車中泊をやりたいとなると、ワンボックスカーか、ステーションワゴンが選択肢になります。
私は新車を見に行くときには、ほとんど荷室スペースしかチェックしませんでした。
後部座席を倒して就寝スペースが確保できるか? そのときのスペースの高さと大きさは?
そんなことばかりチェックしていました。
車中泊というからには車内で寝ないことには始まりませんが、車中泊の本当の良さは、車内ではなく車外にあります。
私はこれまでに景勝地の最高のロケーションにあるホテルよりもはるかに景色のいい場所に泊まってきました。
海や山が見える一泊数万円もするホテルよりも、はるかにいい景色の場所に、車中泊なら無料で泊まることができます。
どれだけお金をかけたホテルでも、個人所有が不可能な国有地に駐車した車中泊に、景観でかなうわけがありません。
海が見えるホテルは高価ですが、車中泊は無料です。しかもホテルよりももっと海に近づくことができます。
海鳴りも、風の歌も、朝日も、すべて独り占めすることができます。
この自然の中で眠るキャンプ感覚はホテル泊まりでは味わうことはできません。
朝、起きたら目の前に海や山や朝日や湖があることこそ、車中泊でもっともすばらしいことです。
その音や匂いを目覚めた瞬間に感じることができること。
これこそがもっとも素晴らしいことで、ほとんどの車中泊族は車内で日常を過ごすことを求めているわけではありません。
お金がかからずに、お金をかけた人以上の経験ができる。それが車中泊です。
雨の日はショッピングモールや地方の図書館などで過ごします。
夜は日帰り温泉に入って、夕食は地方の居酒屋でビールを飲んだりして、車で過ごすのは夜、本当に寝る時だけです。
ときにはマンガ喫茶やスーパー銭湯などが宿泊場所として頼りになります。夏場の暑すぎる夜などは、泊まれるスーパー銭湯に泊まることもあります。
こういう時にキャンピングカーの人はエンジンをかけて冷房をかけるのですが、ステーションワゴン車中泊族は、車中泊なのに車中泊しない日もあるのです。
車中泊では「道の駅」や海辺の無料駐車場などが宿泊場所として有力です。
したがって車中泊では都市部ほど泊まりにくいです。
どうしても泊まれる場所がなかった場合、地方の市役所や公民館の駐車場に泊ったこともありました。公共駐車場なのでたいていは泊まることができます。
普通、人が泊まらないような場所で車中泊する場合は、夜、暗くなってから車を停めて、朝、人が来る前に立ち去れば間違いはありません。
駐車場の管理者から注意されたことはほぼありません。
警察の職質は何度か何度か受けたことがあります。
つづいて実例に入ります。
車中泊というものがどういうものか、未経験の方の参考になれば、と思います。
2018ゴールデンウィーク。GW車中泊大遠征9泊10日
2018ゴールデンウィーク(GW)車中泊の旅の実録です。
仕事後に軽くシャワーを浴びて出発しました。
途中、有給休暇を挟んで9泊10日の大遠征です。
妻イロハと二人旅です。
今回の旅は鳥取砂丘をいちおうの目標地にしていますが、到達できればよし、できなくてもまたよし、と思っています。
The・放浪旅。気の向くままに進み、寄りたいところがあれば寄る予定です。
つねに旅は「事故さえ起こさなければ旅は成功だった」というスタンスでいます。
私は千葉県人なので、西日本に行くときには首都高速そして東名高速道路を利用します。
鳥取砂丘に行くのに、わざわざ銀座や渋谷を通らなければならないのはおかしいといつも思っていました。
しかし、昔と違い今は圏央道があります。
けっこうな大回りになってしまいますが、わざわざ皇居周辺の都心部を通らなくてもいい分、こちらを利用すべきか迷いました。
しかし結局、首都高を選びました。
スカイツリーがあるからです。
仕事後の出発なので周囲はもう暗くなっています。
夜はスカイツリーがライトアップされて綺麗なんですよ。
ゴールデンウィークの車旅なので、下手をすると渋滞30kmクラスの最悪体験をすることになります。
実際に私は経験者ですが、もう二度と出かけるものか、というぐらいの最悪体験になります。
大渋滞を避けるには、他人と、時間と場所を別にすることが大事です。

それを考えて、金曜日の仕事後に出発したにもかかわらず、首都高の渋滞に巻き込まれました。
渋滞情報によると対抗馬だった圏央道は空いている様子です。
表示板情報ではスッカスカです。
失敗したな、と思いました。やはりGWの旅は圏央道で行くべきであったか。
スカイツリーは綺麗でした。しかし渋滞にはまってしまいます。ノロノロ、ノロノロ。

この渋滞はGW渋滞なのかな。仕事が終わった時間だし、帰宅渋滞なんじゃないの?
むむむ。なるほどそういう考え方がありましたか。
金曜日の夜の首都高速の渋滞は帰宅渋滞なのか?
私は「遊び」でしか使わない首都高です。
しかし「通勤」で使っている人がいても不思議はありません。
飛行機や新幹線も「遊び」でしか使ったことがありませんが、羽田の国内線なんてほとんどサラリーマンが「仕事」で使用しています。
(ちなみに便利な羽田が国内線で、不便な成田が国際線なのは、結局、サラリーマンの仕事優先という政府の配慮なんだな、と私は考えています)
毎日、この首都高の上ではこのような渋滞が発生しているのか、と感慨深いものがありました。
そんなことを考えながらカーナビ通りに走っていると、
イロハ「次、右だよ。右折!」
カーナビを眺めていたイロハが助手席で叫ぶので、あわてて指示通り右折したら。。。首都高降りちゃった。

どないすんねん。首都高降りちゃったじゃないか。

だってカーナビが右折を指示していたんだもん
確かにカーナビは右折を図示していました。
悪いのはイロハではなくカーナビです。
渋滞を抜けて高速走行していたので、はやめはやめにナビは指示を出してくれていたのでしょうが、親切が仇となりました。
「首都高降りちゃった」のはこれで2度目です。
過去には、首都高・新宿線に乗りたくて「新宿、新宿」と新宿の看板を追いかけて走っていたら「新宿IC」で降りちゃったことがありました。
イナカモンには難しいっす。首都高。。。
その時は悔しくて即座にUターンして同じインターチェンジから乗ったら首都高は一方通行だということを完全に忘れていて、泣く泣く都心環状線を一周して新宿線に戻りました。
高いんだよな、首都高。。。もっと安くならんか?
あの時と同じ失敗を繰り返さないように、ここは冷静にならなければなりません。
もう一度首都高に乗った方が早いのは確実ですが、料金を2倍払うのは悔しいし、急ぐ旅でもないので、ここは一般道で行こう。
そう決めました。もともと目的地もないのです。鳥取砂丘に行けなくたって別に構いやしません。
東京都心の一般道路はいやまあ運転しにくかった(笑)。
高速道路やビルが視界を塞いでいて圧迫感が半端ないです。
空気は汚いし、人は多いし、道は入り組んでいるし、正直いって田舎者の来るところじゃありません。
ストレスフルなドライブになってしまいましたが、東名高速まではなんとか一般道で進みました。
これもカーナビがあるおかげです。ありがたいことです。
時々は首都高降ろされちゃったりしますが、基本的にはカーナビはお利口さんです。
東名高速を100km弱のスピードで進みます。
車中泊の愛車ホンダのフィットにはクルーズ・モードというのがあります。
一度スピードを設定すると、アクセルを踏まなくてもずっとそのスピードで進んでくれます。
右足の前脛骨筋(下腿のスネに付着している足を上げるための筋肉)がラクチンです。
眠くなったところで、今夜の旅は終了です。初夜は東名高速・牧之原サービスエリアにて宿泊。
自販機、トイレ、コンビニしかないせいか、夜はとても空いています。
どうも見たところがある光景だと思っていたら、昨年のGW車中泊の旅とまったく同じ宿泊場所でした。
2017年GW車中泊の旅では、千葉→高野山→花山温泉→大塚美術館→お遍路めぐり→しまなみ海道サイクリング走破→広島&厳島→錦帯橋→関東へ戻る、というコースでしたので、仕事後に東名を使って西に向かう前半部分は同じなのです。
一年前の車中泊の旅を懐かしく思いながら、車泊の準備をしました。
事故なく戻れますように。おやすみなさい。
アイマスクと耳栓は車中泊のマストアイテム
2日目の朝です。おはようございます。昨夜は東名高速道路・牧之原サービスエリアで車中泊でした。
一年前もそうでしたが、人(車)がすくなく、寝やすいSAでした。
5月ですと、朝5時には日が昇ります。
普段雨戸を締め切って眠っているので知りませんでした。
ガラス窓一枚でしか遮断されていない自然と一体の「車中泊」ゆえに、日の出とともに起床です。
そうせざるをえないのです。
ちなみに車中泊の時は、アイマスクと耳栓をつけると、近隣の騒音がシャットアウトされます。
慣れないと、アイマスクと耳栓は付け心地が悪いと思いますが、慣れてしまえば、こっちのものです。
6時に出立準備完了して、琵琶湖に向かいます。
生まれ故郷の名古屋は素通りしました。両親ともに祖父母がなくなり、名古屋に戻る理由がなくなってしまいました。幼い頃に名古屋を離れ、名古屋のことを詳しく知っているわけでもありませんが、心は名古屋人です。
ふるさと納税するなら名古屋以外に考えられません。
しかし、素通りです。車中泊で泊まるなら、名古屋港水族館をおすすめします。
ゴールデンウィークの旅では渋滞を避けるのが鉄則です。
愛・地球博がいまでもやっているのならば話は別ですが、人々が動き出す前に名古屋はすり抜けてしまいましょう。

途中、東名・養老サービスエリアで休憩します。
ツイッターを呟いたら知らない人から「いいね!」が付きました。
誰かと思って詳しく見たら養老サービスエリアでコーヒーショップをやっている方からの「いいね!」でした。
ありがとうございます。営業熱心ですね。
鉄砲座間(てっぽうざま)を「TE PPO ZA MA」と表記するのはどうなのか
彦根ICで降りて彦根城に向かいました。
国宝の城の中の鉄砲座間(てっぽうざま)がすべて「TE PPO ZA MA」とローマ字表記になっていてちょっと笑えます。
絶対、意味、理解できないでしょうが >✋(ツッコミの手)
半分ぐらいは「GUN HOLE」と書いてあげなさいよ。
全部「TE PPO ZA MA」って(笑)。
ひこにゃんが有名ですが、どうして猫なのでしょうか。
疑問に思って調べてみたところ、井伊家の当主が猫の招きのおかげで落雷から逃れて命が助かったという伝説があるそうです。それで猫なのですね。
たんにかわいいから、じゃなかったようです。
彦根城の自動販売機に喉が渇いたので100円玉を入れました。
するとそのままお釣りのコーナーをウォータースライダーのように滑って外に落ちた100円玉が見事に自販機の下に消えていきました。
こうして何人の100円玉が自販機下に消えたことであろうか。二度と取り出せませんでした。
新手の詐欺マシーンか>✋(ツッコミの手)
スペイン・セビリア万博の日本館のメイン展示物だったという安土城天守
次に近江八幡市『信長の館』に向かいます。
スペイン・セビリア万博の日本館のメイン展示物だったという安土城天守の復元を鑑賞。万博フェチとしては1992年セビリア万博当時の写真がとても気になりました。
行ってみたかったですね。セビリア万博。
『逆説の日本史』の愛読者なので織田信長の偉大さはよくわかっているつもりです。
日本から宗教紛争を一掃したのは信長だとか。
しかしイロハに『信長の館』の面白さが伝わったかどうかは自信がありません。
ホント女性は「武士っぽい」ものには興味ないですものね~。
だいたい首都高降りちゃって仕方なく通過した三軒茶屋とか駒澤大学前あたりにたくさんいた女子大生というのは、このGWにどこに行っているのでしょうか。見回してもどこにもいません。
みんなハワイってわけでもないでしょうに。箱根でスイーツというような選択をしないせいでしょうか、どこに行っても若い女性に会うことはありませんな。
ツーリングしているライダーがいるのでそこそこ若い男性には会いますが、ほぼ同数いるはずの若い女はいったいどこにいるんだ?
インドで感じた疑問と同じ疑問をなぜか国内車中泊の旅で感じてしまいます。
インドも街中で見かけるのは男ばっかりで、ほぼ同数いるはずの女性はあまり目にしません。
みんな家や都市で遊んでいるのでしょうか??
琵琶湖毎日マラソンのコースを走って、たまたま見つけた義仲寺に向かいます。
ここは木曾義仲を巴御前が供養したことが由来とされるお寺ですが、俳聖・松尾芭蕉の墓があることでも知られています。
しかし看板に従って進んだにもかかわらず、歩行者専用かと思うほど狭くて人の多い道で断念しました。
いなかもんはどこでも車で行けるものだと思っているのです。
琵琶湖左岸は本当に都会で、想像とは全然ちがうところでした。
侵入しちゃってスミマセン。
これから行く人はお気をつけください。
国文学の女王・紫式部が源氏物語を執筆したという石山寺
俳聖の墓は行けませんでしたが、代わりに国文学の女王・紫式部が源氏物語を執筆したという石山寺を参拝しました。
私は早稲田の国文科の出身です。
当時の国文科は「紫式部」か「井原西鶴」かという世界でした。
今はどうなんでしょうか。ユーミンの歌が音楽の教科書に載っているような時代ですから、現在の国文科は「村上春樹」とかが主流になっているんですかね?
『源氏物語』は知れば知るほど凄いストーリーで、あれを超えらえる作品は洋の東西を問わずそうそうないのではないかと思います。
石山寺硅灰石という国の天然記念物を従えて日本三塔の多宝塔が立つ石山寺は、さすがに見事でした。
このような清浄なお寺で、あの不倫・愛欲ドロドロの風紀紊乱物語を書いたのか(笑)。
それがちょっとしたカルチャーショックでした。
「瀬田の唐橋に我が風林火山の旗を立てよ」
今夜は、瀬田の唐橋の下に宿泊です。
かの武田信玄は「瀬田の唐橋に我が風林火山の旗を立てよ」と遺言したと伝えられます。
琵琶湖というのは京都の水がめで、多くの河川が流れ込みますが、流れ出ているのは瀬田川のみです。
その瀬田川にかかる唯一の橋が瀬田の唐橋でした。
迂回せずに陸路で京都に入るためにはどうしても渡らなければならない橋であり、それゆえ「唐橋を制する者は天下を制す」と言われたのです。
どうして唐橋が唯一の橋だったかというと、ちょうどいいところに中の島があるために、橋を二分できたということが大きな理由だろうと思います。
当時の建築技術ではあまりにも長大な橋は難しかったでしょうから。
しかし武田信玄はついに瀬田の唐橋を見ることはありませんでした。
三方ヶ原で徳川家康を破ったのち、三河の地(愛知県東部)で世を去ります。
平将門を討った藤原秀郷の大ムカデ退治の伝説もある瀬田の唐橋下で今夜は泊まらせてもらいます。
武田信玄がついに見ることができなかった瀬田の唐橋と月が美しい夜でした。
いや本当に信玄に見せてやりたかったです。
月夜の瀬田の唐橋は、まるで源氏物語のワンシーンのように幻想的でした。
世の中が平和で国境(関所)がなくなって本当によかった。
朝鮮戦争と朝鮮半島の南北統一に関する個人的見解
武田信玄の戦争も、後世の視点から見れば、結局は「日本国」として統一されていくわけですから、そんなに無理して争わなくてもよかったのに、と思ってしまいます。
結局は山梨県と長野県、岐阜県、新潟県で争っただけです。
当時の国境と思い込んでいたのは、まあヤクザの縄張り争いみたいなものでした。
そのために命を落とした人が大勢います。
このゴールデンウィークの旅の間に、車載テレビで南北朝鮮が停戦協定を終戦協定にしようというニュースを見ました。
そうあってほしいと思います。
現代人が戦国時代を見る時、同じ国同士がそこまでして争わなくてもよかったのにと感じるように、南北朝鮮もひとつの国になればいいと心から思っています。
当時、国と思っていたものは、統一の視点から見ると、県境にしか見えません。
38度線も未来はそう見えると思います。っていうか、絶対にそうなると思います。
だから戦争はやめてください。無駄死にです。
今は絶対に社会経済体制も違うし、相いれない国だと思い込んでいますが、当時の織田信長と武田信玄も同じように思っていたはずです。
瀬田の唐橋下から月と川の流れを眺めながら、そんなことを考えていました。
車のキー紛失事件!? クルマのカギがない!
おはようございます。ゴールデンウィーク車中泊の旅3日目です。
瀬田の唐橋で夜を明かし、とりあえず車をコンビニに移動させます。
トイレを借りて、朝食を仕入れるためです。
しかしコンビニに降りようとして大問題が発覚しました。
か、カギがありません。クルマの。。。
まだ旅が始まって三日目だというのに車の鍵が見当たりません。
いや、このままでは旅が終わってしまいます。
車中泊の旅では自宅(寝室や衣服、全財産)がそのまま移動しているようなものですから、カギをなくしたら移動できないのはもちろんですが、セキュリティ上もクルマから離れられないということになります。
カギ、どこだ?
これが古いタイプの車であったら、そもそもカギを鍵穴に差し込んで回さないことにはクルマは動いてくれません。
しかし愛車ホンダ・シャトルは最新のスマートキー式です。
鍵を差し込む鍵穴もないのです。
キーは持ち歩くだけ。
クルマの中にキーがあれば、それがどこにあるのかわからなくてもエンジンがかかって動いてしまうのです。
だから移動した先でいざ降りようとすると鍵が見当たらないということにもなるのです。
しかしコンビニまで移動できたということは、おそらく車内のどこかにカギがあるということなのでしょう。
問題は『カギがどこにあるかわからなくても、とりあえず運転できちゃう』ということなのです。
もし万が一、このままカギが見つからなかったとしても、旅は終わりません。
とりあえず扉は開くし、エンジンもかかります。
家に帰ることもできるでしょう。
しかし「観光地に着いても、クルマを降りることはセキュリティ上イマイチ」というビミョーな旅になってしまいます。
財布など貴重品はすべて身に着けて、無理やり車を降りることもできないことではありませんが、ちとキビシイ。
さらにいうと一番の貴重品が盗まれる可能性があります。それはクルマ本体です。
とりあえず扉が開いてエンジンがかかるわけですから、クルマごと盗難される危険性があるわけです。
やはりここは床をひっぺがしてでも鍵を探すしかないようです。
「絶対に車内にカギはあるはず」
その確信で探しまくって、ようやくカギを見つけることができました。
寝間着のポケットにしのばせた鍵が寝ている間にこぼれ落ちてしまったのでしょう。
カギは後部座席の丸まった布団の中から出てきました。
教訓ですが、とくにパートナーと二人で交互に運転するような場合、カギの所在は常に確認したほうがいいと思います。
極端なことを言えば、スマートキーは車内にあれば、シートと背もたれの隙間でも、フットマットの下に隠されていてもエンジンはかかり、動いてしまうのです。
カギを目視できなくても、手で触れなくてもエンジンがかかるために、なんとなくお互いが持っているのであろうと思っていると、いざ車を降りる時に、カギが見当たらないということになりかねません。
私たちも、お互いに「相手が持っているものだと思っていた」ことが何度もありました。お気をつけください。
クルマ本体を盗まれるという危険がなくなったため(笑)、安心して三井寺に出かけます。
日本三名鐘のひとつ。鐘の三井寺
三井寺は延暦寺の分派とされ、中世には何度も延暦寺と抗争したお寺です。
延暦寺の僧、武蔵坊弁慶が戦利品として比叡山上まで鐘を引きずっていったという伝説があります。
そして日本三名鐘のひとつ。鐘の音で有名なところです。もっとも音が美しいとされている鐘です。
実は早朝すぎて、入場料などを一切払わずに済んだ半面、誰もいないし何もやっていなかったので、美しい鐘の音も聞くことができませんでした。
これも車中泊の宿命です。お寺が開くまで何時間も待っていられません。縁がなかったと諦め、次の目的地に向かいました。
森の中を朝散歩できただけでも良しとしましょう。
映画『ちはやふる』のロケ地。カルタの聖地・近江神宮
その後、カルタの聖地・近江神宮にいきました。映画『ちはやふる』のロケ地として、また百人一首の神社として全国的に有名なところです。
おおっ。映画の影響でしょうか。これまで見かけなかった若い女性がなぜか近江神宮にはいます。
映画の影響力ってすごいね。
百人一首の百句すべてが飾られていました。
しかしこの西行法師はどうなのか?
どんなかこち顔でしょうか。
もしかしてヘン顔で笑わそうとしているのかしらと思うぐらい、テキトーな絵だと思います。
西行といえば『願わくは 花の下にて 春死なむ その如月の 望月のころ』という句が有名です。
しかしこんな顔で言われてもなあ(笑)。
似顔絵、何とかならんかったのか?
比叡山延暦寺。風水都市・京都の鬼門を守る寺院
そしてマラソンモンク大阿闍梨様の比叡山延暦寺へ。
風水都市・京都の鬼門を封じる寺院として有名な延暦寺です。
当然、山頂からは京都の市街地が望めるのかと思い込んでいたのですが、むしろ見えたのは琵琶湖側でした。
これはちょっとした驚きでした。天皇を見下ろさないようにした配慮なのかしら。
昨年のGW旅で訪れた高野山金剛峰寺と双璧とされる比叡山延暦寺ですが、高野山が真言密教だけを重んじるカレッジなのに対し、比叡山は仏教の総合大学ユニバーシティであり、著名な僧侶はほとんど延暦寺に学んだ方々ばかりです。
盆踊りの元祖とされる踊念仏の一遍上人や、おみくじの元祖とされる慈覚大師。織田信長最強の敵・一向宗の祖である親鸞さん。鯛の浦伝説の日蓮さま、また日本のダンテ『往生要集』の源信さんも比叡山で学ばれた方です。

比叡山ドライブウェイはUターンしない。すると2倍の料金を取られます
何度か行っている比叡山ですが、クルマで行くのは今回が初めてです。
比叡山ドライブウェイというのがあり、カーナビで確認したところ『比叡山ドライブウェイ』と『奥比叡ドライブウェイ』に分かれているようです。
山道で道路が一本しかなく逃げ道がないために、帰り道で料金を払うシステムです。ここで私は交通費を節約する妙案を思いつきました。
通しで走ったら両ドライブウェイの料金を徴収されるはずですから、東塔・西塔・横川と三か所を見た後に、Uターンして入口に向かいました。
こうすれば両方の通行料金を払わずに片方の料金だけで済むはずです。
うむ。我ながら賢い、と思って料金所を通ったら、『比叡山ドライブウェイ』と『奥比叡ドライブウェイ』を両方通った料金のお金を取られてしまいました。
Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン
一回、ぶっ通しで下山して、さらに登ってきて二回有料道路を通った計算をしているようです。
比叡山ドライブウェイは一方通行で片道で山を下りてしまった方が安く済みます。お気をつけください。
抹茶スイーツは100分待ち。宇治、平等院は諦める
その後宇治に行きましたが、さすがGWです。
凄い人で抹茶スイーツは100分待ちとのことです。

なんでこんなに並んでいるんだ。抹茶スイーツなんてどこでも食べられるし、どこで食べても同じ味だろうに

女子は宇治で抹茶を食べたいんだよ。女ごころのわからない男だなあ
ツレの女性が食べたいと言うので、男性は100分、付き合って待っているのか。
世の男性諸君。お疲れ様です!
上海にも同じ店がありますが、すこしも並ばずに食べられますよ。
平等院も同じくGWのあまりの人の多さに断念。
しかし本当のお目当ては源氏物語ミュージアムなのです。
昨日訪れた石山寺で執筆した源氏物語の宇治十帖分が映像で解説されています。
国文学の女王の作品に再び触れ、篠山マラソンの篠山を超えて、福知山マラソンの福知山でお風呂に入って本日は終了。
長年市民ランナーをやっていると、マラソン大会の分布で日本地図を把握していたりするのです(笑)。
今日はドライブイン「やくの」にて宿泊です。おやすみなさい。
日本三景、天橋立
ハルトです。おはようございます。
GW車中泊の旅も3泊目が終了。
いよいよ4日目に突入です。
『ドライブインやくの』は車中泊には最高の場所でした。

車中泊の朝は早い。朝日に叩き起こされます。
スカスカに空いているけれど、車中泊賊がわずかにいるのがいい宿泊場所の条件です。
そういう意味で良いところでした。
自動販売機で購入するぐらいしかお金を落としませんでしたが、お世話になりました!
サンクス!
福知山から北上し、まずは日本三景、天の橋立に向かいます。
去年GW車中泊の旅・厳島神社も日本三景なので二年連続の日本三景です。
さすがに多くの外国人観光客がいました。
『Yokoso japan』という多国籍ツアーに遭遇。
たいていの外国人ツアーは国籍が同じ(イタリア人ばかりとか。中国人ばかりとか)なのですが、あきらかに多国籍軍です。
おそらく英語ガイドが付いているのでしょうが、白人も、東南アジア人も、中国人もいました。
こういう現地ツアーが日本にもあるんだなあ、と思いました。
おそらく日本で申し込むツアーなのだと思います。
私がよく外国で利用する旅行会社ツアーの日本版なのでしょう。
主催は天下のクラブツーリズムでした。大型バスも立派です。
重量オーバーでパンクして帰りの飛行機に乗り遅れそうになるベトナムのシンカフェツアーとは違いますね。

人おおすぎ。パンクしちゃうんじゃないかと思ったらこの後、パンクしました
チェンマネもありました。
チェンマネを見ただけで旅愁をそそります。ああ放浪の旅に出たい。
おおっと。今も私は、旅の途中でした。。。(笑)

股のぞきもモチロンやってくださいね

今回のGW旅行の中で観光地として一番良かったのは私は天橋立だったなあ。股のぞきが面白かったよ。ハルトは?

おれは富士山。

ズコーッ。近っ! 車中泊10泊の大遠征しなくても、いつでも行けるじゃん。
コウノトリ育むお米、豊岡市の城崎温泉
鳥取砂丘に向かう途中、思いつきで城崎温泉に立ち寄ります。
城崎温泉は田んぼに降り立ったコウノトリの脚の傷が早く治ることの不思議から温泉が発見されたという伝説があります。
そしてここがコウノトリで有名な豊岡市だったことに驚きました。
豊岡市がコウノトリの繁殖事業をやっているのには、そういうゆかりもあるのかな。

観光バスにもコウノトリが飛んでいます
先を急いで高速道路をすっ飛ばして来たわけではないのですが、もう当初の目的地の鳥取砂丘の手前まで来てしまいました。
このままでは今日中に鳥取砂丘に着いてしまいます。

この橋を利用するのは、住民しかいません。専用橋です
行ければよし、行けなくてもまたよし。
そう思っていましたが、事故でも起こさない限り、どうやら行けそうです。
まずは目的地に辿り着いてしまいましょう。
そしてその先のことは、その後に考えることにします。
人生は短い。光陰矢の如し。
このブログも既に最終章を書き上げてしまっています。
https://arikura.com/born-to-run/
しかし最終章の後も、こうして執筆という冒険は続くのです。
「いつやるか? 今、でしょう」という塾講師の言葉が流行りましたが、夢や目的はとっておくものではなく、さっさとやり遂げてしまうものだと思っています。
目的地に到達した後も、冒険の旅は続くのです。
カーナビを城崎温泉から鳥取砂丘に設定します。
するとなぜか内陸部を道案内してきました。
これはいったいどういうことなのでしょうか。
目視での最短ルートはどう見ても海沿いの道です。
それなのにどうして内陸部を走らせようとするのでしょうか。
普段、内陸部で暮らしているため、海を眺めるのが好きです。
城崎温泉も鳥取砂丘も日本海側にあり湾岸道路を走れば一直線で行けそうです。
なのにどうしてカーナビが内陸部の道を案内するのかさっぱり理解できませんでした。
急ぐ旅でもないので、カーナビは無視して湾岸道路を走ることにしました。
海がすぐそこにあるというのに、あえて内陸部を通るルートは放浪旅ではありえません。
するといきなり山登りです。
ワインディングロードが続きます。
南房総の湾岸道路とは全然イメージが違います。
山が海岸線までせり出しているためにフラットな湾岸道路を建設できないのでしょう。
どうりでカーナビが内陸部を案内してくると思った。
カーナビが案内してくれた道は、山を迂回した平坦な道なのだと思います。
海を眺めながら潮風を感じて走るイメージだったのですが、行ってみたらチラリと海が見えるだけの完全なる山越えルートでした。
アップダウンが凄い道です。

カエル岩。人がハエのような小ささです

ゲロゲロ~。気持ち悪い(車酔い)

カエルか! ごめん。想像してたのと全然違うわ、この道
兵庫から鳥取の日本海沿いの道を通ろうという方はご注意ください。
東京島(神津島、新島、八丈島など)の海岸線に近いです。
こうして走ってみると、本州も島なんだなあと思いました。
鳥取砂丘。サンドアート
鳥取といえば大砂丘です。
しかし私とイロハはサハラ砂漠やワディラム砂漠やヌビア砂漠やアリゾナ砂漠を見ているので、鳥取砂丘ぐらいじゃ「ふ~ん」ぐらいにしか感じません。
ピラミッドを見た直後に石舞台古墳を見ても、鼻くそぐらいにしか見えません。
世界を見る、世界を知るというのは、こういうことなのです。
しかし鳥取砂丘では砂の芸術=サンドアートというのを開催しておりまして、これが想像以上に面白かったのでご紹介させていただきます。
さっぽろ雪まつりの砂バージョンというところです。
こんな面白いものを見られるなんて!

北欧神話の大神オーディンとラグナロクで彼を呑み込むフェンリル狼
こうして崩れ去るものに造形する作家のパッションはどこから来るものなのだろうか。
こんなに上手に彫れるなら、永く残る石に彫ればいいのに。
そう考えずにはいられません。
しかし崩れやすいということは彫りやすいということです。
木に彫った円空仏は作品の完成度よりも彫り上げた数こそが重要だったために、手に入りやすく掘りやすい木は最適な素材だったのだろうと思います。
しかし現代の砂(サンド)アーティストは、どういう気持ちで、やがて壊すことが確実なものに精魂込めて彫っているのでしょうか。
カタチあるものはやがては消える。すべては「空」。
でも一瞬に賭ける。人生だって同じだ。
それを強く感じたサンドアートでした。

鳥取砂丘と人。砂漠を行くラクダもこんな感じに見えます
鳥取砂丘ではラクダ乗りの営業もやっています。
たしかに砂漠っぽい感じですものね。
しかし実際には目の前に海があります。
そのギャップが鳥取砂丘の魅力です。
本物の砂漠は海と一緒には見られませんからね。

サハラ砂漠のキャラバン
海への大落差も健在でした。
海から拭いてくる風が砂を盛り上げたんでしょうけれど、なんでこんなに海と落差ができちゃったんだろう。
地方空港は外せない観光地。鳥取砂丘コナン空港
10日連続車中泊の大遠征の予定です。
しかし当初の目的地だった鳥取砂丘に4日目にして着いてしまいました。
滅多に来られない山陰地方に来たのですから、もうすこし山陰を楽しむことにしましょう。
イロハと相談し、世界遺産・石見銀山を次の目的地に設定します。
石見銀山に向かう途中で面白いものがあれば拾っていきましょう。
すると早速、面白いものが!
空港です。国内線の地方空港。私は空港フェチなので、地方空港は外せない観光地のひとつです。

鳥取の空港は『鳥取砂丘コナン空港』という命名です。
作品というものがいかに短命かを知る私としては、アニメ『名探偵コナン』を空港の名前に付けてしまうことに無謀さを禁じえないのですが、行ってみるとびっくりするほど変わっていて面白い空港でした。

よく見ると怪盗キッドがいます
最寄りの空港が成田空港である私は、どうしても地方空港を閑散としたイメージで想像してしまいます。
茨城空港みたいにガラーンとした空港を想像して行ったのですが、駐車している車も多く、利用客も多いようでした。
おそらくこれは名探偵コナンのおかげではなく、ゴールデンウィークの旅行需要なのではないかと思います。

眠って過ごそうか?
しかし毛利探偵や怪盗キッドがさりげなくいるという演出や、名探偵コナンの作中トリックを実際に展示して見せていたりなど、空きスペースをエンターテインメントに活用していて、とてもいい空港でした。
こういう空港があるから、地方空港めぐりはやめられません!!

スナーバックス珈琲がもう一度飲みたい
すなば珈琲
鳥取にはスターバックスコーヒー(スタバ)に対抗しているのか「すなば珈琲」というのがあります。

グランデじゃなくてベンティサイズでお願いします
鳥取砂丘の砂場とスタバをかけての命名でしょう。
鳥取県は人口が少なく、スターバックスが唯一ない県として有名でしたが(現在はあります)、いったいスターバックスが何の指標になるというのでしょうか。
スタバの有無がバカにされる指標であるはずがありません。
ただのシアトル発アメリカのコーヒーチェーン店にすぎません。
スタバが町にあるからってどんな自慢になるでしょうか。
スタバなんていらないですよ。「すなば珈琲」があれば。
このウェブページのキャッチコピーがなんと「目指せ、シアトル!」。その心意気やよし。
逆輸出して、ぜひカウンターアタックをかけていただきたい。応援しています。
すなば珈琲の「珈琲チョコレート」がコナン空港の試食で非常に美味しかったのでお土産に購入して帰りました。
道の駅「神話の里 白うさぎ」
その後、さらにクルマを進めて、道の駅「神話の里 白うさぎ」で今夜は泊まります。
海が目の前の理想の宿泊場所です。
これまで隣の車がエンジンをかけているとうるさくて眠れなかったのですが、ハイブリッド車だとあまり気にならないですね。
とても静かで、朝まで気が付きませんでした。
しかしマナーとして車中泊をする場合、エンジンは必ず切って寝てください。お願いします。
ハルトです。おはようございます。GW車中泊の旅も5日目に突入しました。
朝から神話「因幡の白兎」で有名な白兎海岸を散歩します。
太陽が海に反射して輝きながらゆらめく。のんびりした朝です。
こういうのが車中泊の醍醐味です。これだからやめられなくなるのです。
朝、起きてすぐ海辺を散歩することなんて、普通はありえませんからね。
楽園探求。ここではない、違う場所に行きたい。

岩礁をフカの背中に見立てた物語
私は内陸部に住んでいるので、海が見える場所に憧れますが、実際にはこの鳥取の海岸沿いに住む人は少ないと思いました。
鳥取県そのものが東京都八王子市ぐらいの人口しかありません。民家がないのです。
人は海に憧れるのではなく、ここではない場所、自分の見慣れない景色に憧れるのでしょう。
美しい景色が見たいのではなく、違う景色が見たいのだと思います。
そうでなければこれほど美しい海沿いに人が定住しないことが説明できません。
美しい海だって、見慣れて、飽きて、そして旅立つのでしょう。
ここではない、違う場所に行きたい。それが放浪の魂なのでしょうか。
そういう意味では究極の地、楽園という場所はないのかもしれませんね。
もしも究極の地、楽園があるのだとすれば、それは「場所」にあるのではなく「人」にあるのだろうと思います。
恋愛成就の神。白兎は恋のキューピット
ところで道の駅「神話の里 白うさぎ」には白兎神社という神社があります。
縁結びの神様なのですが、どうして白兎が縁結びの神になったか、知っていますか?
因幡の白兎のお話は知っていると思います。私もだいたいは知っていました。
『フカの数を数えると嘘をついて海を渡ろうとした白兎が、ウソがばれて皮をはがされて痛がっていたところ、旅の途中の兄神たちは海水で洗えとイジワルを教え、オオクニヌシは真水で洗えと優しく教えた……』
その程度は知っていましたが、詳しくはこういうお話でした。
兄神や大国主神が旅をしていたのは、因幡の八上姫に求婚するためでした。
大国主神のおかげでケガが治った白兎が兄神よりも先に八上姫のところに脱兎のごとく駆けつけて「結婚すべき相手は大国主神である」ことを訴えたために、姫は大国主神を選んだのだそうです。
まさに恋のキューピット。だから白兎が縁結びの神とされているのです。
宍道湖に突き出た「出雲縁結び空港」
宍道湖に突き出た出雲縁結び空港をあくまでも観光地として訪問します。
私、空港フェチなので。空港大好き。
地方空港と言うと、いつも地元の茨城空港のイメージでひやかしに行くのですが、たいてい茨城空港よりも多くの人が使っている印象があります。
茨城は成田に違い分だけ利用者がすくないのかもしれません。
ハルト「ゴールデンウィーク中だから無料駐車場に車がいっぱいだね。みんなここから成田に飛んで、そこから海外旅行に出かけているんだろうね」
イロハ「ひええ。海外から疲れ切ってやっと成田に帰国したら、そこからもう一回国内線に乗って帰らなきゃいけないのか。たいへんだなあ」
ハルト「おれたちは成田が近いから気にしてないけど、ほとんどの海外ツアーは成田発着だよ。地方の人は成田まで別料金で国内線に乗るんだよ」
イロハ「たいへんだなあ。私たちは恵まれてるね。でも出雲空港からなら、成田に行くより、韓国仁川国際空港で乗り継ぎした方が近いし楽しくない? 空港でスンドゥブチゲが食べられるよ」
ハルト「そういうこと。個人旅行者ならイーチョンをハブにした方が楽しいよね。でもツアーだとそうはいかないんだよ。集合場所が成田って決まっているからね」
鳥取砂丘コナン空港はANAのみが就航、出雲縁結び空港はJALのみの就航でした。
国土交通省の指令で、住み分けができているのかしら?
オオクニヌシの社、出雲大社
さていよいよ本日の目的地オオクニヌシの社、出雲大社に向かいます。
因幡の白兎海岸から1時間ぐらいかと思ったら3時間もかかってビックリしました。
オオクニヌシノミコト、相当移動しましたね。約130km。
当時は徒歩ですから大変な大移動でした。
多くの神々をそこまで歩かせるとは、八上姫はさぞや美しいと評判だったんでしょう。
イロハ「隣の国のお姫様だったんじゃないの? 婚姻によって国を安定させるために必死だったんだよ。政略結婚だよ」
ハルト「白兎がキューピットの矢の如く駆けたロマンの物語に、なんて現実的なことを言うんだ。でも隣の国が130kmも隣にあったとすれば、出雲の国はとてつもない大国だった証拠だね」
かつては出雲には日本最大のクニがあったのです。
そこには国津神オオクニヌシが住んでいました。
しかし天津神アマテラスが降臨し、鹿島神宮のタケミカヅチを派遣。
国を譲れという話になり、戦いが起こり、敗れた大国主命の息子(タケミナカタ)が逃げた長野地方で諏訪大社で祀られているという神話です。
私は鹿島神宮の近くに住んでいるために、どうしてもオオクニヌシ側ではなくタケミカヅチ側で神話を見てしまいます。
すると諏訪の人はタケミナカタ側から神話を見るってことになります。
負けて逃げた神を祭るっていうのは、どんな感じなんでしょうか?
あまり面白くないでしょうな。
そしてかつての出雲大社は日本最大の高層建築であったと言われています。
『逆説の日本史』では国を奪われた大国主神の怨霊鎮魂のためだとされています。
大国主神は、ダイコク様と同じ音で読めることから(大黒・大国)同一視されて、福の神になってしまいました。
しかし実在の人物、もしくはモデルとなる人物はいたとされています。出雲の領主で、国を譲った人物が。
「神代の昔」という言葉がありますが、実際のところ、そんなに古い話でありません。
卑弥呼が魏に使いを送ったのが238年。三国志の曹操の孫が相手です。
「卑弥呼」が「日の巫女」つまり天照大神だったとして、ヤマタイ国がヤマト国だったとしたら、ヤマトにイズモを国譲りしたオオクニヌシはもっと後の人物ということになります。聖徳太子が574年の出世とされているので、その間の人物です。
どうも神様たちが曹操や劉備よりも後の人物ということに違和感がぬぐえませんな。
曹操と同じ220年に死んだ関羽が神様(関帝廟)になっていますから、そんなに不思議でもないのかな?

ギザの大ピラミッドは紀元前2500年頃に造営されたもので、ツタンカーメン王は紀元前1300年頃の人物、もちろんイエス・キリストは西暦0年ごろのお方です。
そう考えると、とても最近の話だ、という気がします。
日本は歴史があるとよく言いますけれど、それほどでもないのではないでしょうか。
正面を向かず、そっぽを向いているオオクニヌシ様に礼拝をします。
その後、四隅突出型墳丘墓を見ます。
こういう形のハンドスピナーを東南アジアの屋台でたくさん見たなあ(笑)。
寝るにはまだ早かったので、関東ではあまり見ない『ゆめタウン』「you me」というショッピングモールで島根名物の赤天と薔薇パンを買って、映画『リメンバー・ミー』を観ました。

ユー・ミーかと呼んでいましたが「ゆ・め」と読むんですね。
夢とyou&me「すなば珈琲」みたいに二つの意味をかけた名前なんでしょう。
『生きることは旅のようなもの』そんなスタンスで旅をしているので、旅の途中で映画を見ることもあります。
ところが、ところが、ここで思いもよらぬ大事件が発生してしまいました。
車のキー紛失事件(この旅、二度目!!)
映画の後、クルマに戻るとカギがありません。
この旅、二度目の車のキー紛失事件発生です。
しかも今度は車のドアが開きません。ヤバいです。これは。
「鍵があるはずだけれどどこにあるのかわからない」
一回目の鍵紛失事件よりも、確実にヤバい事態です。
身の回りに完全に「鍵がない」ということです。
これはヤバい。本格的なピンチです。
車中泊の旅はここで終了――そんなピンチです。
真っ青になって映画館に戻ります。
幸い次の映画ははじまっておらず、映画のチケットをまだ持っていたので、座った座席がわかりました。
必死に鍵を探しますが、見当たりません。
イロハは座席と背もたれの間の隙間に手を突っ込んで必死に鍵を探しています。
すると金属音がして、何かが床に落ちました。
「あった。あった」
イロハが小躍りして喜んでいます。クルマのカギが見つかりました。
よかった!
映画館ですので「折り畳みタイプの椅子」でした。
目視してもカギは見当たらなかったのですが、椅子と背もたれの間に手を突っ込むと目に見えないところにカギが隠れていて、手に触れて床に落ちたのです。
ジーンズの後ろポケットにカギを入れていたのが、座っている最中にこぼれて、椅子と背もたれの隙間に入り込んでしまったようでした。
こういう時はいくら目視してもダメですね。手を突っ込んで触感で探さなきゃいけません。
視覚より手の感触です。
無事『ゆめタウン』を離れ、今夜は出雲大社近くの公共駐車場で車中泊です。
カギが見つかった安心感と、スーパーパワースポット出雲大社のおかげで、とてもよく眠れました。
おはようございます。ハルトです。この旅、6泊目がスタートしました。
パワースポットの出雲大社から今日一日分の元気をもらい、起床します。

車中泊の車内。朝はいつもこんな感じ
起床するとすぐにコンビニに移動。
コンビニでのトイレ、朝食はもはや朝のルーティーンとなっています。
車中泊で大遠征していると、やたらとコンビニのお世話になります。
コンビニのイートインコーナーでは中国人(台湾人?)が朝からダベっています。
昨今ではどこに行っても外国人がいますが、ここ出雲ではとくに外国人居住者が多いように感じました。
やはり彼らもここがパワースポットであることを感じ取っているのでしょうか?
海外放浪旅では私も今の彼らの立場にいますので、こういう場面ではなるべくウェルカムな雰囲気を出そうと努めています。
しかし海外移住を真剣に考えたことがある身としては、気になるのがビザのことです。
コンビニや飲食店など、いろんなところでアジアの人たちが働いているが、就労ビザってそんな簡単に取れるものだっけ?
私が移住(就労)を真剣に検討したマレーシアやタイでは、そんなに簡単に就労ビザはとれないことがわかりました。
滞在だけならビザなしでマレーシアは90日、タイは30日滞在できます。
いわゆる安宿に「沈没」しているバックパッカーは一度、国外に出て、また戻ってくるということを繰り返しているのです。
タイやマレーシアなら陸路で出国も簡単ですが、島国ニッポンではそう簡単に出国できないはずです。
現在日本にいる外国人はどういう資格で滞在しているのでしょうか。
在留資格というものがあるようですが、就労ビザとの違いがいまいちよくわかりません。在留資格というのは日本だけのシステムなのでしょうか。世界がもっと行き来自由になればいいのに。
※旅から帰って、在留資格について調べたレポートはこちらをご覧ください。

出雲の阿国の墓。歌舞伎の創設者は女性だった
出雲出発の本日はまず出雲の阿国の墓を見舞います。
京都四条大橋のブロンズ像で有名な歌舞伎の創設者だと言われている方です。
現在は男ばかりの歌舞伎ですが、本家本元の創設者は女性なのです。
エロいから幕府に規制されたのですが、そんなら男ばっかりでエロっぽさを排除してやろうってことになったら、国際的にも特異な発展をしてしまったという日本が誇る伝統文化ですね。
しかしこれだけ立派なお墓が残っているってことは、阿国は当時から有名人であったし、ともすれば歌舞伎は後世に引き継がれる文化だという確信があったのかもしれません。
歌舞伎役者や演劇をする者の参拝が絶えない場所です。
そして国譲り神話の稲佐の浜へ移動。
旧暦10月の神無月(神在月)に八百万の神々をお迎えする浜だそうです。
日本海の地図を眺めれば、韓国あたりから船が漂着しそうな場所であります。
そこから世界遺産・石見銀山に移動。
鉱脈というのは岩のクラックに水が流れることにより金属がたまって固まったものなのだそうです。温泉で湯ノ花の塊ができるようなものなのですね。
初めて知りました。
鉱山では地下水を掻き出したり、酸素を送り込んだり、硬い岩盤を削ったり、たいへんな重労働だったらしいことは容易に想像できます。
マスクなんてしないから肺病で鉱山奴隷の寿命は30年もてばいいほうだったということです。
現代の視点だともはや奴隷です。
死んだら次の労働者を送り込めばいいぐらいの感覚だったのでしょう。
江戸時代の鉱山労働者の子に生まれなくてよかった。
人生の折り返しの復路。往路ほど新鮮な感動がなかったとしても復路でしか出会えない景色や人があるはず
石見銀山を西限として、Uターンすることを決意しました。いつまでも旅は続けられません。
島根は関西人には近いかもしれないが、関東人にはすごく遠いところです。
島国のくせに意外とデカいよ日本。
しかし復路もまた旅であります。
9泊10日の旅のまだ6日目です。
帰りながら見逃したところを拾っていきます。
人生も同じ。折り返しの復路でも楽しんでいきましょう。
たとえ往路ほどざまざまな驚きや感動がなかったとしても復路でしか出会えない景色や人があるはずです。
まずは足立美術館を訪問します。
日本庭園15年連続日本一の外国人に人気の場所です。
なぜこの場所を私が知っているかというと「世界! ニッポンに行きたい人応援団」というテレビ番組で、日本庭園を愛する造園業を営む外国人男性が、日本でどうしても行ってみたい場所としてここを挙げていたためです。
専属のプロの庭師さんが借景の山まで整えている姿をテレビで見てしまったために行ってみたいと思っていた場所でした。
それが放浪の旅の途中、向こうから勝手にこっちに迫ってきます。
行くしかありません。
実業家の足立さんが、実家の跡地に美術館を建造してしまったとのこと。
こういうのを故郷に錦を飾るというのでしょう。
ただお金をため込んだだけではやがては忘れ去られてしまいますが、いまでは世界中から彼の故郷に人が訪れてきます。
お金というのはこうやって使うものなのですね。
借景となる山にはなんと人口の滝を流しています。
窓ガラスから見る日本庭園はまるで絵葉書のようだと思っていたら、ミュージアムショップで本当に絵葉書が売っていました。
お隣は「あらエッサッサー」の安来節園芸館。全国区の踊りとの思いもかけない出会いでした。
夜は岡山県新見市まで移動し、新見千屋温泉「いぶきの里」で入浴。
こうして車中泊の旅6泊目が終了しました。
世界で二番目に面白い美術館。大塚美術館
おはようございます。ハルトです。ゴールデンウィーク車中泊の旅もとうとう7日目です。
旅の西限である石見銀山からはすでに引き返していますが、まだ主たる目的地のひとつに行っていません。
それは徳島県鳴門市にあります。よく最も遠い地点が旅の主たる目的地だと思われることが多いですが、必ずしもそうとは限りません。
今回の旅で、ぼんやりとイメージしていた主たる目的地は「鳥取砂丘」と「大塚美術館」であり、実際にもっと遠かった「出雲大社」や「石見銀山」は足の赴くままに立ち寄っただけです。
主たる目的地なんてあってないようなものなのです。それが放浪旅行です。
ルーブル美術館に次いで、世界で2番目に面白い大塚美術館。

もし通りすがりにこの美術館があるのだとしたら素通りすることは難しいことです。
私の場合は、瀬戸大橋を渡ってわざわざ寄りましたけれど。四国で一番おもしろいスポットだと思っています。
通算、イロハは3回目。私は5回目の大塚美術館です。
昨年のゴールデンウイークにも車中泊で大塚美術館を訪れており、二年連続となります。
大塚美術館には美術ガイドツアーがあるので同行します。
このような場所はガイドがあった方がずっと面白く見ることができます。
ボランティアガイドさんが世界の名画を一生懸命説明してくれます。
このあたりにお住まいの方なのでしょう。
もう仕事はリタイアしボランティアで美術館のガイドをしておられるようですが、老後の生きがいとしては最高なのではないかと思います。
ルーブル美術館やプラド美術館にある世界の名画をまるで自分の故郷の絵のように誇らしく鑑賞者に語っていました。

黄色いプラスチックかと思っていたら本物の黄金製だった祭壇
絵画が祭壇画であった場合、その祭壇まで再現されています。
現地では祭壇画は開閉されるものなので、大塚美術館の祭壇画は時間で自動開閉します。
そして閉じた外側にも現地と同じ絵がありました。
何度も通い詰めているのにガイドツアーに参加してはじめて知りました。
ガイドさんからは世界三大名画というものを教えてもらいました。
ベラスケスの「ラス・メニーナス」。
エル・グレコの「オルガス伯の埋葬」。
レンブラントの「夜景」。
そのすべてがこの大塚美術館では一か所で見ることができます。

また、炎の画家ゴッホがピストル自殺までの10年で2000作品ほど残していると聞きました。年間200作品です。これはちょっと驚くほどの多作、スピードなのではないでしょうか。
どう考えても1日じゃ書けないような大作もあるから、ほぼ1日1作品といってもいい執筆速度なのではないかと思います。
有名な『ヒマワリ』などはまず一日で書き終えた作品だと考えて間違いないと思います。
そうでなければ10年で2000作品を残せません。
生前のゴッホは1点しか売れなかったと聞きます。ほぼ一枚も売れなかったようなものです。
売れないということがどれほどガッカリして描くモチベーションを下げるかということが想像できるので、一枚も売れないような状態でよく2000作品も描けたものだと感動を禁じえません。
描くこと、それしかなかったのでしょう。おそらく。
真っ白なキャンパスの状態から、絵画が完成するまでの間、彼が描いているのを後ろから眺めてみたかったものだ、と思いました。
おそらく鬼気迫る迫力で、一瞬の躊躇もなく書き殴ったことだろうと思います。
スピードこそが力だったのでしょう。
『星月夜』ですら、一二日で書き上げたのでしょう。
絵具もキャンバスもたくさんお金がかかったことでしょう。
常人の気力ではありません。
一枚も売れない、誰からも認められないとわかったときに、その激しさが死を選ばせたのでしょう。
現存するレオナルド・ダ・ヴィンチの作品が15点程度しかないのに、印象派のモネは目が見えなくなるまで描いて6000点だと聞きました。
多作だなあ。
近代絵画の連中も子供の落書きみたいな絵ばかりでなく、ちゃんとした絵を描こうと思えば描けるんじゃないでしょうか??
レオナルド・ダ・ヴィンチは画家というよりは科学者でした。
レオナルドは医学や発明品など興味が多彩で、当時の技術を更新させる力があり、それゆえに画業だけに没頭できませんでした。
逆にゴッホは発明なんてできず、画業に没頭できたのです。それが完成画の数の違いでしょう。
しかし科学者の業績は上書きされる世界ですから、後世から見るとどうしても見劣りします。
ダ・ヴィンチの科学や生命に対する認識は当時としては画期的でも現代の視点から見ると間違いだらけですし、大砲やヘリコプターの発明はICBMやスペースシャトルの時代から見ると幼稚なものでしかありません。
しかし画業は違います。
感動は上書きされる世界ではないために、芸術は後世に残ります。
レオナルド・ダ・ヴィンチは画業に専念した方がよかったのではないでしょうか?
閉館時間まで大塚美術館で過ごしました。この美術館はいつも時間がたりません。
すべてが名画ですから、いつも全部見ることができず、何度も訪問することになるのです。
コインランドリーは働く子育て世代向けのスキマ需要がある
この旅はじめてコインランドリーで洗濯&乾燥をします。
自宅にいる時は洗濯機&天日乾燥ですので、コインランドリーなんて100%使いません。
普段しないことをするというのも、また車中泊のだいご味かもしれません。
コインランドリーには常連のような人が必ずいますが、自宅に洗濯機がない人なのかな?
クルマがない人がレンタカーを借りるように、洗濯機のない人がコインランドリーを利用しているのかしら?
しかしクルマは250万円ぐらいするわけですから(今回の車中泊の愛車ホンダ・シャトルを新車で買った場合)レンタカーも十分視野に入ってくると思いますが、洗濯機なんて10万円もあれば買えるのですからコインランドリーの常連さんの存在は私にとって謎です。
私のようなランナーには洗濯機なしの暮らしなんて想像もできません。
ほぼ毎日洗濯していますから、いちいちコインランドリーに行くなんて面倒くさくてしょうがない。
ほどんどの人が洗濯機を持っている中で、どうしてこんなに世の中にコインランドリーの数があるのか、検索したら、働く子育て世代の女性をターゲットにしているのだそうです。
働く子育て世代の女性は仕事に行きますのでなるべく洗濯は手軽に済ませたいところ。しかし「雨が降ると干せない」「部屋干しだと生乾きの臭いが気になる」など手軽には行かない日もあります。
そこで乾燥まで短時間で済むコインランドリーのスキマ需要があるようなのです。洗濯&乾燥中に買い物を済ませるという人もいるらしい。
なるほどそういうわけだったんですか。車中泊の人のためにコインランドリーがあるわけないですよね。
警察の職務質問を受けた車中泊の体験談
去年と同じ『王将』で食事をして、去年警察に職務質問された海辺の駐車場にて就寝しました。
路駐しているのならともかく、れっきとした国立公園の無料駐車場で車中泊していただけなのに、昨年はどうして職務質問されたのでしょうか。
ほかにも同じような人が10台弱ほどいるというのに。
夜間の車中泊の職務質問というのは、こんな感じです。
みなさん、経験ないですよね?
「どうも。警察です。職務質問したいのですがよろしいですか?」
車の扉をノックされて、声を掛けられます。
悪いことをしていない限り、警察というのは最後は味方だと思っているので協力します。
「(起こされて眠たい目をこすりながら)どうぞ」
「ここで何をされているんですか? いわゆる車中泊というやつでしょうか」
「おっしゃる通りでございます」
「そうですか。どちらからいらっしゃったのでしょうか。免許を拝見してよろしいでしょうか」
「どうぞ」(ト免許証をわたす)
「いつまで本県にいらっしゃいますか?」
「今日までです。明日には出ます」
「ほう。どちらに行かれますか?」
「淡路島から関西方面に行きます」
「わかりました。お気をつけください」
県警です。要は他県に出ちゃえば行った先の県警の問題となり、とりあえずは問題解決のようです。
おそらくは車内で麻薬吸引や恐喝や強姦がされていないか確認してくださっているのでしょう(超好意的解釈)。
昨年は虫よけネットで目張りしていたためそれが不審がられたのかもしれません。
今年は職質されませんでした。おかげで熟睡できました。
車中泊している時に警察から職務質問されたら「明日には他県に出ます」と言ってください。ずっとステイしていないことを主張することが肝心です。
渋滞時は物語性のあるDVDが向いている
おはようございます。ハルトです。いよいよゴールデンウイークも終盤です。
本日は徳島県鳴門市にある大塚美術館から、鳴門大橋を通って、淡路島を抜けて京都に向かう予定です。
しかし、ゴールデンウィークの洗礼を受けて小渋滞。
淡路島までは順調だったのですが、大阪あたりから高速道路が低速道路となってしまいました。
愛車ホンダ・シャトルは、運転中でもDVDが見られる仕様にしたため、レンタルDVDをここぞとばかりに鑑賞します。
車が動いているときは音楽の方が向いていますが、渋滞中はストーリー性のあるDVDの方が退屈がまぎれます。
テレビから映画をDVDにダビングする場合、CMをカットしておきましょう。
もちろん字幕版だと車ではアウトです。日本語吹き替え版にしてください。
渋滞している高速道路はすぐに降りる
あまりの渋滞に高速道路を降りました。
渋滞の時は最寄りのICで一般道に降りることにしています。
その方が何かと都合がいいのです。
高速道路の利点は二つ。速いことと、目的地まで道に迷わず確実にたどり着けることです。
しかし渋滞している場合、スピードのメリットはすでになく、カーナビ時代になって道に迷うこともなくなったため(カーナビ以前は今自分がどこにいるのかわからないということがよくありました)、一般道を走った方がいいと思っています。
一般道でしたらトイレにすぐに行けますし、いざとなったらすぐに仮眠をとることもできます。なにぜ車中泊旅です。後部座席に寝室があります。
高速道路が込んでいるときは一般道も混んでいることが普通ですが、それは目的地が同じ場合です。
目的地を外せば、渋滞から逃れることもできます。
私は京都をあきらめ、奈良に進路変更することにしました。
奈良方面へは渋滞もありませんでした。
ただしGWです。車でこのまま奈良まで行ってはいけません。
長年の放浪旅行で編み出した「車で観光地に行くテクニック」をここでご紹介しましょう。
車で観光地に行くテクニック→二三駅手前で車を停めて電車で行く
車で超メジャー観光地テクニック。それは目的地まで車では行かず、二三駅手前の鉄道駅の駅前駐車場に車を止めて、電車で目的地まで行くことです。
数駅離れていれば駅前駐車場は確実に空いていますし、電車と徒歩ですから、現地がどれほど人であふれていても問題になりません。
宿泊する場合も同じです。
たとえば青森ねぷた祭りを見に行く場合、青森市のホテルに泊まろうとしないことです。
目的の駅から数駅離れた駅近のホテルなら空いていますから、そこから電車で目的地に行けばいいのです。
その鉄則に従って、奈良まで車で行かず、手前の木津駅で車を降ります。
コイン駐車場に車をとめて、歩いて奈良観光です。
ひさしぶりの奈良だったのですが、JRの駅舎が新しくなっていてびっくりしました。
国際観光都市らしからぬ地味な駅舎が話のネタだったのですが、普通に駅ビルができていました。
しばらく来ないと変わりますね。
歩いて興福寺、春日大社、東大寺に向かいます。ありきたりの定番コースですが、ここまで来たら外せません。
さすがGW。たくさんの人です。
外国人が半数以上でしょうか。いつからこんなに外国人が来日するようになったんだろう。
しかし日本人観光客ばかりよりも、旅情が高まり、私は気分が上がります。
国内旅行をしていても、海外旅行をしている気分になります。
マンウォッチングは旅行の楽しみのひとつです。
中国の観光地はまだ中国人ばかりでした。
万里の長城や天壇も外国人観光客が増えればもっと楽しくなると思います。
タイのカオサンやクアラルンプールのアロー通りが面白いのは「どこの国とも知れない外国人ばかり」だからです。
泊まらす日帰りで京都に戻る人も多いようです。
そういう観光客は荷物の量でわかります。自分も外国では同じことをしていますので。
奈良のシカはもともとは鹿島のシカを連れて行ったものが繁殖したものだと聞いたことがあります。
本家の鹿島神宮のシカが檻の中だというのに、奈良の鹿は自由に歩き回っています。
「奈良のシカは野生動物で。。。」という注意看板に「ウソつけ!」とツッコミたくなるぐらい人慣れしています。
触られても嫌がりません。
外国人がシカをとてもよろこんでいます。珍しいのでしょう。
これほど大きな野生動物がこれほど都会の人の近くでなついていることは世界的にも珍しいことと思います。
インドを除いて。
しかしGWで溢れかえった人間がみんな鹿せんべいを食べさせたため、午前中ですでにお腹はいっぱいらしく、外国人の子供たちがせっかく買った鹿せんべいを鹿たちの口元に持っていっても、もう食べようとはしません。
それがすこしかわいそうでした。
鹿せんべい売りも、自分たちの商売のことばかり考えず、もうシカが食わないぐらい飛ぶように売れたら、もうその日は店じまいして帰ってのんびりすればいいのに、と思います。
鹿が食べてくれなかったため、奈良駅まで鹿せんべいを持ち帰っている外国人をたくさん見ました。
それ、食わずに捨てろよ。人間のお菓子じゃないぞ。
奈良観光旅行
諸外国でお世話になるチェンマネ(両替)が奈良にもありました。
春日大社が有料で参拝させているのを見てすこしガッカリしました。
仏教寺院はたいてい有料ですが、神社は無料なのかと思っていました。
神社なんて元々ただの森みたいなものですし、神様も精霊みたいなものなのですから。
同じタケミカヅチ神を祭っている鹿島神宮も入場無料ですし、オオクニヌシを祭る出雲大社ももちろん無料で参拝させてくれました。
気持ちはわかりますけれど。
すぐ隣の東大寺や興福寺が参拝料でメチャクチャ儲けているのを尻目に、料金所ひとつ設けるだけで大儲けできるというのに、それを我慢するのはキツイだろうなとは思います。
仏教施設はタイや中国でも見られますが、神社は日本でしか見られません。
大勢の外国人がやってきて、彼らは珍しい神社をことさら有難がるわけですよね?
わざわざ日本まで来ているくらいですから、彼らはお金を出してでもshrineを近くで見たいわけです。
しかし富士山浅間神社を含めて他の神社すべてが無料なのに春日大社だけがお金を取るシステムを採用していたことがすこしガッカリです。
どうして春日大社だけ有料にできるのかは知りませんけど、プライドをもって無料開放してほしかったですね。
外国人にさすがシントー(神道)ってことになるんだけどな。
興福寺は阿修羅像を眺めます。
迦楼羅など他の像とくらべてもハッとするほどりりしい少年の姿でなんともいえない魅力があります。
仏教の世界ではそれほど高い地位の方ではないはずなのに、ど真ん中に展示されています。信仰というより芸術なんですね。
東大寺にも行きました。いつも思うのですが、有料拝観の大仏様よりも、無料で見られる仁王像の方が私は素敵だと思っています。
伊賀越え「せきやど」ではなく「せきじゅく」
その後、伊賀越をして道の駅「関宿」にて宿泊。「せきやど」ではなく「せきじゅく」です。
国道1号沿いなので夜中うるさいかと思いましたが、それほど車もなく、熟睡できました。
ハルトです。いよいよ今晩が最後の夜です。あしたには帰らなければなりません。
道の駅に宿泊する
いつものとおり5時に日の出、起きたのは6時です。
早朝、トイレに起きると、バイクライダーの方が寝袋ひとつでトイレ前の屋根の下に寝ていました。
テントを担ぐと、寝袋ひとつよりも荷物が3倍になってしまいますから、省略するのでしょう。
テントは雨風を避けるための装備ですので、天気が確実な、市街地の屋根の下で眠る予定ならば、テントは省いた方がむしろ快適かもしれません。
昨日の宿泊地、道の駅「関宿」でトイレをすませ、自動販売機でカフェインを仕込むと、朝からいきなり高速道路に乗ってしまいます。
まだ早朝ですので高速道路はすいていました。
ゴールデンウィーク渋滞を避けるため、またしても大都市・名古屋を素通りです。すまん故郷よ。
れの心はいつも名古屋にあるが、体は常に名古屋の外にあるのであった。
岡崎サービスエリアで小休止。八丁味噌グッズがたくさん売られています。
浅間神社はたくさんあります
2、3キロの小さな渋滞に何度かハマるが、本格的な渋滞前に高速を降りて、富士宮の浅間神社へ。
昨年もそうでしたが、最終日は富士山を選択しました。
これは関東人の特権です。
富士山なんていつでも見られると思っているのは、関東の一部の人だけです。
名古屋を過ぎると南アルプスなどの壁があるために、富士山なんて全く見られません。
イロハがカーナビで「浅間神社」と入れて、ナビの指示通りに進んだら「杉田浅間神社」という誰もいない神社に案内されてびっくりしました。
なんだよ。杉田浅間神社って(笑)。
ウチのカーナビは頭わるすぎです!!
沼田で検索したら沼田駅や沼田市役所が最上位に結果表示されるべきなのに、沼田歯科とか沼田ガソリンとかが最上位で検索されるのです。
公共施設よりも個人が上位表示されるってどういうこと??
浅間神社というのは富士山をご神体としており、鳥居の先には富士山があります。
富士山をぐるりと取り囲むようにして、いろんな浅間神社があるんですね。
ぷぷぷ。杉田浅間神社って、どんなナビだよ。
想像したのとは全然違う小さな浅間神社でした。どうりで誰も参拝者がいないわけです。
杉田浅間神社からは富士山が見えませんでした。
美味・富士宮焼きそば
名物の富士宮焼きそばを食べて気を取り直します。
そして本家本元・富士宮本宮・浅間大社へ。
全国に約1300社ある浅間神社の総本社です。
私のホームグラウンド、裏富士(山梨県民よすまん)の北口本宮富士浅間神社は森の中の神社なのに、富士宮の浅間神社は市街地にあり、燦燦と太陽の差し込む明るい神社でした。
驚いたのは、本家本元の浅間神社は鳥居の先に富士山がなかったことです。
裏富士的(山梨県民よすまん)に表現すると忍野八海の富士の湧き水(静岡では湧玉池といいます)が流れ出した湧水川沿いに参道をレイアウトしたために、鳥居と富士が一直線にはならなかったのでしょう。

鳥居と富士山、ちょっとずれています
湧玉池の水はさすがに富士の湧き水で透き通っており、裸足を水にひたして涼んでいる女子たちがおりました。
あの赤い富士山の神輿がある富士吉田の浅間神社よりも、富士宮の浅間神社の方が格式が上なのは東海道のおかげであり、静岡駿府の徳川家康のおかげであろうと思います。
こどもの日にあわせてか、流鏑馬の神事があり、天下の奇祭『吉田の火祭り』以上に屋台が出ていました。
さあ。もうそろそろ最後の夜の準備をしなければなりません。
ラストナイトはやはり慣れ親しんだ山中湖へと向かいます。
途中、白糸の滝はものすごい人で駐車場が足りず、こっそり路駐して降りようとしたら、前から警察の見回りがやってくるではありませんか。
「やべえ!」あわててエンジンをかけて、車をバックします。
罰金からぎりぎりのところで逃れました。
まかいの牧場は魔界の牧場ではない。牛飼いなのに馬飼?
魔界の牧場というところで、富士山見ながら大休止。
すごいネーミングセンスだと思っていたら、馬飼野牧場さんでした。
「まかいの」って平仮名だから誤解しちゃうんでしょうが。
馬飼野さんなのに牛飼っているのね牛飼野さんは。
「ゆるキャン△」でおなじみのところだな。
いつも見ている山中湖側からは見られない剣ヶ峰や大沢崩れ、宝永山を眺めながら富士山を半周します。
河口湖までの道がこの旅最大の渋滞でしたが、DVDのおかげで苦になりませんでした。
富士吉田の浅間神社の前を抜け、道の駅富士吉田にて、世界で一番愛する「ふじやまビール」でイロハと乾杯。
最後の夜を楽しみました。
翌朝、5時に起きて、GW帰宅大渋滞が始まる前に無事、帰宅しました。
これにてGW車中泊の旅、終了です。
はああ。楽しかった。
ホテル泊まりしていたら、こんなに面白い旅にはならなかったことでしょう。
これだから車中泊の旅はやめられません。
××はレベルが上がった(まとめ)
ここでは2018年GW車中泊の旅。
旅の総括をハルトとイロハで語りたいと思います。
2度目のGW車中泊大遠征で、私たちの車中泊スキルは大幅レベルアップしました。
車中泊は日焼けする。
ハルト「どうでした? 10日間の車中泊の旅?」
イロハ「旅って感じだね。リゾート感はないね」
ハルト「クルマに乗っているときは、人を轢き殺しちゃうかもっていう緊張感がどうしてもあるから、脳みそまで日焼けしてパーになっちゃうようなリゾート感はないよね」
イロハ「日焼けといえば、ハルトはずいぶん焼けたね」
ハルト「日焼けというのは太陽と正面から対しているとテキメン焼けるから、朝に焼けたと思うんだよね」
イロハ「運転しているときに焼けたんだよ。知ってる? 真夏の太陽よりも5月頃の方が黒くなりやすいって」
ハルト「そうだねー。肌で感じているよ。真夏の方が太陽が近いのにどうしてだろう?」
イロハ「紫外線の波長が違うらしいよ。5月の方が日焼けしやすい波長なんだって」
ハルト「田植えの人がめちゃくちゃ真っ黒なのはそのせいか」
渋滞にあわない方法
イロハ「ゴールデンウイークで最も恐れていた大渋滞に、二年連続であわなかったね」
ハルト「昔にくらべて大渋滞って減ったかな。ニュースの渋滞距離って昔よりも減ってる気がするけど」
イロハ「GWよりもお盆の方が渋滞しそうじゃない? それと比較しているんじゃない?」
ハルト「なるほどそうかもしれない。渋滞に巻き込まれないためには、子供の移動しない時間に、子供の行かなそうなところに行くのがコツかな」
イロハ「クルマで移動するのは親子連れが多いからね。たしかに子供は出雲大社や足立美術館なんか興味無さそうだ(笑)」
ハルト「高速道路インフォメーションによると、連休初日の早朝よりも前日仕事後の方が込むらしいよ。本当かなと疑問に思ったね。俺たちのように車で泊るならいいけれど、ホテル取ったって眠るだけになってしまうのに、わざわざ高いお金を払って夜に出発するかな? 謎だな」
イロハ「連休最終日よりも、前日(二日前)の夕方の方が込むっていうのは納得がいったよ。みんな最終日は家でゆっくりしたいんだね」
ハルト「俺たちは最終日の早朝派だよね」
イロハ「そのあと、家に帰って爆睡(笑)」
ハルト「骨の髄まで疲れたよね。クルマって乗ってるだけで腰の筋肉をショックアブソーバー的に使っているから肉体的にも疲労するよね」
イロハ「10日ぐらいなら余裕だけど、暮らすような長期間は私にはキビシイな」
ハルト「雨が降っていたらトイレに行くにも靴を履いて濡れなきゃならないし、車内では軽い運動、ストレッチさえできない。立って歩けないということは人間にとって大きなストレスだね」
イロハ「ちょっとした牢獄みたい。自宅は快適だよ。何時どんなことでもできるもの。お風呂だって、トイレだって、洗濯だって、テレビだって自由自在だよ」
ハルト「車中泊では、できないこと。無理なことは多いね。食事もどうしてもコンビニ食になりがちだ。生野菜なんか縁遠くなる。生きがいのランニングも汗の処理がなあ。すぐにシャワーをあびて洗濯ができる自宅が恋しくなる時もあったよ」
ハルト「二年連続で山口、島根まで行って、日本一周だって簡単にやれるメドがついたけれど、気軽に楽しむのなら二泊三日ぐらいでちょくちょく出かけるのががいいかもね」
イロハ「ハルトは車の運転、そんなに好きじゃないしね。ずっと車で暮らすのは無理だよ。たとえキャンピングカーだったとしても車で暮らすのは無理。自宅よりも余計にお金もかかるしね」
エンジンをかけたまま眠るマナー違反車を避けるには、トイレの前を避ける
イロハ「寝る前に後部座席に寝室をつくる準備が手際よくなってしまって少し悲しかった(笑)」
ハルト「眠りが浅いから昼間眠くなったりしたね。密閉度が低いから朝の太陽がまぶしいし、夜中もいろいろな物音で起こされてしまう」
イロハ「エンジンかけたまま眠るマナー違反車が隣に泊まると、うるさくて眠れないよ」
ハルト「体感だけど、そういうマナー違反者はトイレの前あたりに多いと思う」
イロハ「だからそのあたりをいつも避けているのか」
ハルト「トイレの前は人も多いし、照明がまぶしいじゃん。経験から得た知恵だよ」
イロハ「道の駅にはいろいろな車がとまっていて見ていて楽しいね。石見銀山で地元千葉のカーナンバー見つけた時には親近感がわいちゃった。あなたもこんな遠くまで来たのかって」
ハルト「外国で日本人同士が親しくなるのと似てるね」
旅するように生きる
不自由さもありましたが、10日間の車中泊の旅、楽しかったです。
何よりも自由だった。
自由は癖になる。
麻薬のようにそれなしでは我慢できなくなる。
そして知る。もっとも大切なのは時間だと。
帰りの時間は決まっている。
復路のエアチケットの期日があなたの旅のリミット。
そして人生も、あの世へと帰る時間が決まっているのです。
それまでの短い時間を楽しみましょう。
旅するように生きるということは、そういうことなのです。
お忘れ物なく。いってらっしゃい!!
