ドラクエ的な人生

ウクライナ戦争。水上ドローンの元祖は日本の特攻モーターボート震洋。「震洋」と水上ドローンの違い。

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終末時計。ウクライナ戦争で、人類滅亡までの時間は過去最短になった

「終末時計」という学者たちがつくった時計があります。この時計は人類滅亡までのカウントダウンをしています。零時になったときに人類が滅ぶというもので、現在その90秒前だということです。もちろんロシアが核ミサイルをつかって、西欧との全面核戦争によって人類が滅び去る、というストーリーがエンディングをむかえようとしているというアラートシグナルを発してるのです。

ウクライナ戦争の停戦和平案。核ミサイルさえ打たなかったら許してやる、ぐらいの命の保証をしないと、この戦争はおさまらない

私はこれまでにこのサイトでウクライナ戦争のウォッチャーであることを公言してきました。

ウクライナ戦争後の世界。ロシアの分割統治(案)。日本は樺太をもらえ

こちらの「分割統治」のコラム。

ロシアの軍事ブロガーって何者だ? なんでブログにそんなに影響力があるのか。

「ロシアの軍事ブロガー」のコラムは、検索順位も高く、多くの人に見てもらっています。

また、分析・批判記事だけでなく、様々な提案をしてきています。

NATOは「主権国家の判断」でウクライナだって受け入れるというのならば、ロシアが独立主権国家としての判断でNATOに加盟申請すれば門前払いもできまい、という記事や

ウクライナ戦争。ロシアがNATOに加入すればいいんだよ

互いのメンツを潰さないために占領ではなく「領土売買」した態にして金で解決すればいい、など。

ウクライナ戦争の和平案。買戻し特約をつけた「領土売買」で解決できるんじゃないか? 

「テレビで誰かが言ったこと」ではない提案をしてきました。

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水上ドローンという自爆特器を見て小型特攻ボート「震洋」を思い出す

そんなウクライナ戦争のウォッチャーである私が見ていて、なんでこのことを軍事の専門家は解説しないんだろう、と思うことがあります。

ウクライナ戦争ではほぼ海軍皆無のウクライナが「水上ドローン」というモーターボート型の自爆特攻兵器を使ってロシアの軍艦に損害を与えているそうです。

かつて大日本帝国にも同じような兵器がありました。それが「震洋」と呼ばれる特攻兵器です。これはカミカゼ兵器の一種です。飛行機に爆弾を抱えて突っ込む神風特別攻撃隊。潜水艦に爆弾を抱えて突っ込む回天。そしてモーターボートに爆弾を抱えて突っ込む震洋がありました。

海辺に謎の人工の洞穴を見たことがあります。そこが震洋の隠し場所でした。そこからモーターボートを出撃させて、本土進攻のために近づいてくる米艦艇に自爆特攻を仕掛けるという兵器が震洋でした。

まったく水上ドローンと同じ発想です。違うのは人が乗っているかいないかだけ。それはシャヘドとかバイラクタルといった空中ドローンも同じことです。違うのは人が操縦して死ぬかどうかの違いだけ。

ところがこの震洋はほとんど戦果をあげなかった、といわれています。それなのに同じ発想の水上ドローンは成果をあげています。そこが謎なのです。

どうしてテレビの「ウクライナ戦争」番組ではそれを解説しないのでしょう。なぜ震洋のことを水上ドローンに関連して言わないのでしょうか。

ウクライナは陸軍国であるために、テレビで戦況解説する元自衛隊の軍事専門家は陸将であることがほとんどで、海軍の歴史に詳しくないためかもしれません。

大平洋戦争。命よりも価値のあるものがある。自分だけが生きのびればいいというものではない。

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特攻モーターボート「震洋」がまったく戦果をあげられなかった理由

特攻モーターボート「震洋」は、貧弱なモーターボートだけに自力で外洋を航行することができませんでした。海辺に潜んで敵を迎え撃つための秘密兵器でした。ところが本土決戦をするまえに日本が降伏してしまったために、敵の上陸を迎え撃つという活躍の場がなかったというのが、震洋の戦果がほとんどなかった最大の理由のようです。

また大平洋戦争当時の米軍は上陸前に執拗な空襲を常道としていました。その空襲によって破壊された震洋も多かったそうです。木造ベニヤづくりのモーターボートはあっという間に船底に穴が開いて使い物にならなくなったし、すぐに燃えてしまいました。

また秘密兵器だったために、秘密を保持するために、陸路から攻められた場合、日本側がむなしくも自ら海底に破棄したケースも多かったそうです。

それらが震洋がまったく太平洋を震撼させることなく滅び去った理由でした。

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水上ドローンと震洋の違い。大きな戦果をあげている理由

ところが震洋とまったく同じ発想で製造された「水上ドローン」が黒海でロシア軍あいてに大活躍しているといいます。

水上ドローンは無人リモート運転なので、震洋にくらべて操縦士の訓練や死を克服する勇気が必要ありません。また震洋にくらべて小型で航続距離も長くなっています。なによりもGPS誘導なので夜間に特定の場所に特攻することができます。軍港など敵の場所がわかっている地点には文字通り目を閉じても進むことができます。またカメラを搭載しているので操作者が目視することもできますし、戦果を確認することができます。無人機であれば震洋より冒険的な攻撃をすることができます。

それらが水上ドローンが大きな戦果をあげている理由です。

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日本海軍は秘密兵器「震洋」を過小評価していたのではないか。

 

しかしこう考えると自爆モーターボートの元祖「震洋」は惜しかったですね。黒海での水上ドローンの活躍を見ていると、太平洋でもうすこし大暴れしてもよかったのではないか、と思ってしまいます。

日本の海軍は戦艦大和のような圧倒的な軍艦があったために、震洋のことはまともな戦力として捉えてはいませんでした。竹槍程度にしか思っていなかったでしょう。

しかしウクライナには軍艦がひとつもないために、小さなモーターボートを海上の主力戦力と捉えています。そして実際に戦果をあげています。

ありし日の日本海軍は、主力艦どうしの砲の撃ちあいによって雌雄を決しようと考えていたそうです。これを大艦巨砲主義といいます。

その主砲戦艦は航空母艦に敗れ、空母は潜水艦に敗れました。信濃も大鳳も潜水艦の雷撃で沈んでいます。

映画『U・ボート』。太平洋戦争中。すでに潜水艦の新時代に移り変わったのに、日本軍はまったく気づかなかった。

帝国海軍は戦艦から空母主力へはギリギリなんとか頭を切り替えたようですが、潜水艦や特攻モーターボートが主力兵器になるとは夢にも切り替えられなかったようです。

ウクライナ軍ぐらい柔軟な頭の使い方をしていれば、震洋はもうすこし活躍できたのではないか、と思います。すくなくとも「水上ドローン」の元祖は日本の特攻秘密兵器「震洋」であると、いささか誇らしく語ってもいいのではないでしょうか。それほど「震洋」は忘れ去られています。テレビで軍事専門家が解説しているのを見たことがありません。

「震洋」はウクライナの水上ドローンのご先祖様、元祖です。

原爆を落とされた史上唯一の国であることも、水上ドローンの発祥の国であることも、この国の抑止力に貢献すると信じるがゆえに、ここにそう記します。

なんでベトナムはアメリカにジャングルで勝って、日本軍は南太平洋の密林で負けたのか?

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このブログの筆者の著作『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』

戦史に詳しいブロガーが書き綴ったロシア・ウクライナ戦争についての感想と提言。

『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』
●プーチンの政策に影響をあたえるという軍事ブロガーとは何者なのか?
●文化的には親ロシアの日本人がなぜウクライナ目線で戦争を語るのか?
●日本の特攻モーターボート震洋と、ウクライナの水上ドローン。
●戦争の和平案。買戻し特約をつけた「領土売買」で解決できるんじゃないか?
●結末の見えない現在進行形の戦争が考えさせる「可能性の記事」。

ひとりひとりが自分の暮らしを命がけで大切にすることが、人類共通のひとつの価値観をつくりあげます。それに反する行動は人類全体に否決される。いつかそんな日が来るのです。本書はその一里塚です。

Bitly

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