バックパッカーと普通の旅行者の違い。旅行者と旅人の違いとは?
よくこういう問いかけがあります。
バックパッカーと普通の旅行者はどこか違うのか。
旅行者と旅人は同じなのか。それとも違うのか。
明確な定義があるわけではないので、もっているイメージは人それぞれかもしれませんが、どちらも経験したことのある筆者アリクラハルトがこの問いに答えようと思います。
バックパッカーと普通の旅行者はどこか違うのか。
バックパッカーと普通の旅行者の違いは明瞭です。バックパッカーはパックパック(リュックサック)を背負っています。そして普通の旅行者はスーツケースを引きずっています。
そしてバックパッカーは個人旅行をしています。そして普通の旅行者は旅行会社のツアーで団体旅行をしています。
この二つは密接に関連しています。個人旅行者は旅行中に電車のチケットを買ったり、書類にサインをしたりするために両手が自由になっていた方が便宜がいいのです。だからバックパックを背負っているのです。
逆に旅行会社のツアーに参加する場合、両手が自由でないと不便だと感じる場面はほとんどありません。むしろ荷物の容量や、バスに積載するときにはソフトケースよりもハードケースの方が内容物が潰れることもないことから、バックパックよりもスーツケースのほうが使い勝手がいいのです。旅先で着る予定のオシャレな洋服をくしゃくしゃにしたくない場合もスーツケースの方が便利です。
旅行者と旅人は何が違うのか?
私はこう思います。「個人旅行は冒険の途中、ツアーバスは移動の途中」だと。
ツアーバスというものには冒険感がまったくありません。コーディネーター(ツアー会社)にすべてをまかせて爆睡してしまって何の問題もありません。日本語以外に使う必要も機会もないでしょう。
しかし個人旅行の場合は安易に眠ってしまうわけにはいきません。貴重品の安全管理は大丈夫でしょうか。近くにスリがいるかもしれません。
言葉も日本語はほとんど使えず、現地の人と何とか意思疎通する必要があります。目的地を寝過ごす危険もあり、爆睡するというわけにはいかないのです。
旅行者と旅人とは何が違うのでしょうか? まったく同じものだ、と区別しない人もいると思います。
しかし私は二つの言葉を区別して使っています。旅行者はツアーバスを使って移動する人、旅人はそうではない人、と。
ツアーバスの目的地は決まっています。訪問都市も、泊まるホテルも、何時に到着して何時に出発するのかも、日本にいるときから決まっています。スケジュールどおりなのが旅行者。
それに対して個人旅行者は、訪問都市も、泊まるホテルも決まっていません。頭の中にイメージはあってもその通りになるとは限りません。いくらでも変更が可能です。目的地までの手段もバスを使うか電車を使うかタクシーか、それも現場で判断します。人によってはいつ日本に帰国するのか未定の人もいます。
このような個人旅行はツアー旅行とはまったく異質のものです。それを同じ言葉で表現するのはどうかと思います。だから私は言葉を使い分けているのです。
個人旅行には自由と冒険がある。
最近はお金も時間もツアー旅行の方に軍配があがるようになってきました。ツアー旅行の方が、金銭的に安く、時間的にも効率的に回れることが多いようです。
昔は金銭的には、旅行会社の中間マージンがない分、個人旅行の方が安く旅ができたのですが、そういう時代ではなくなってきました。
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しかし今でも、個人旅行にはツアー旅行にはない自由があります。
そしてシステムがわからない国に、言葉もわからず飛び込んで、自分の才覚でどうにか対処しなければならない冒険感があります。
自由と冒険が今でも個人旅行には残っています。
団体旅行から帰ってくると「また行きたい。お金を貯めよう」と思います。
個人旅行から帰ってくると「また行きたい。自分の能力を高めよう」と思います。「英語を勉強しようかな」という気になるのです。
どちらもたくさん経験したことがある、これがわたしの回答です。