ロバート・ハリス『ワイルド・アット・ハート』の魅力・あらすじ・解説・考察
ここではロバート・ハリス著『ワイルド・アット・ハート』の魅力・あらすじ・解説・考察について書いています。
赤字はわたしの感想、黄色は本文からです。
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このブログの著者が執筆した純文学小説です。
「かけがえがないなんてことが、どうして言えるだろう。むしろ、こういうべきだった。その人がどんな生き方をしたかで、まわりの人間の人生が変わる、だから人は替えがきかない、と」
「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
本作は小説『ツバサ』の後半部分にあたるものです。アマゾン、楽天で無料公開しています。ぜひお読みください。
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作品の詳細。ボヘミアン・ヒッピーというカウンターカルチャー
作者のロバートハリスが何を基準にものをいっているかというと、1960年代後半いわゆるヒッピーの時代を基準にしています。ボヘミアン・ヒッピーというカウンターカルチャーの目線で、文化論を述べる人なのです。
どんよりした表情の人。あいかわらず夜遅くまで働かされている。
満員電車に乗らなかった人には、乗った人がこのように見えました。
オルタナティブな理想をかかげるカウンターカルチャーという知性
格差社会、DV、幼児虐待、親殺し、猟奇殺人、オレオレ詐欺、いじめ、自殺、談合、環境破壊、政治不信、地球温暖化、ネットカフェ難民
お金イコール幸福というクレイジーな方程式。
ヒッピーというのはお金はないけど頭がフラワーな人たちのことです(笑)。ダイダイのシャツにジーンズ、サンダル。散髪いらずの長髪にヘッドバンド。……ベジタリアンや自給自足に走る人も多い。とにかくお金のかからない人たちです。お金イコール幸福とは考えない人たちのことです。
ぼくなりの今の社会の流れに対するオルタナティブ・サジェスチョン。昔いっしょに遊んだ悪ガキに向けて書いたぼくなりの遺言。
お金よりは自由になる時間。モノより教養、情報より文化を大切にしよう。
人間が人間としてゆとりをもって、精神的にも豊かに暮らしていけるのか。
現実を変えられないのだから、現実を見る眼を変えよう。
『いちご白書をもう一度』フラワームーブメントは敗れ、ほとんどの人はサラリーマンとなった
あれほど力があった団塊世代が、どうして社会のお荷物のようにいわれてあまんじているのか。本書はロバートハリスの同世代に向けてのアジであり、若者へのサジェスチョンなのでした。
生活のダウンサイジング。時間を自由に使うことで。生活は驚くほど質素だが、王様のように優雅に生きている。
真の贅沢とはお金じゃなく、自由になる時間だ。自分の自由になる時間がいちばん貴重だ。質素な暮らしにすれば、働いている分の時間を、自分の好きなことにあてられる。
贅沢品はなかったけれど、優雅に流れる時間はふんだんにあった。
「通勤電車に乗ったやつ」「乗らなかった奴」で二分すると、刹那的な享楽に溺れ、おいてけぼりをくらった人種にしか見えなかった。その人物がいまずっと勝ち組を自負してきた奴らにうらやましがられている。自由気ままにやりたいことをやりつづけてきたからだ。自分のスタイルを変えずにやっていく。いかに今を楽しんでいるかが最大のテーマ。
『ティファニーで朝食を』の名刺。「ホリー・ゴライトリー。旅行中(トラベリング)」
トレーラーハウスを買って国内を旅してまわる。ほとんどが年金生活者だ。パーペチュアル・トラベラー=永遠の旅人。
映画『ティファニーで朝食を』で主演したオードリー・ヘップバーンのホリー・ゴライトリーを思い出しました。彼女の名刺にはただ一言「旅行中(traveling)」と書いてありました。かっこいい!!
幸福の度合いというものは、個人個人の認識に過ぎない。
持ち物の九割は必要じゃなかった。なくたって生きていける。手ばなさないのは本ぐらいだと思う。
無数の選択肢や生き方があるだけじゃなく、いくつもの側面を持った自分も実感した。
自分の中から何も声がわきあがってこないときは、いったんそこから逸脱してみるといい。
ビジョン・クエスト。ウォーク・アバウト。通過儀礼、自分の一生の志を探し求めるもの。
ビジョンクエスト、ウォークアバウトというのは成人式の儀式みたいなものです。「試練の山」をクリアして大人になる、という通過儀礼です。
本当の幸せというのは愛する人々と一緒に時間を共有することなんだな、と身にしみてわかる。肝心なのは今を楽しむことだ。今について話す。
国によって異なる幸せの原理。
モノよりも感動に比重をおいてシフトしていこう。
旅先では裸の自分、素の自分で人々と付き合っていくと面白い。
リゾートのプールサイドで分厚い文芸書を読み、暑くなると泳ぐスタイル。一番優雅で贅沢な休暇の過ごし方だ。
やっぱりドロップアウトする人生の方がいいな。
読書もまたひとつの旅である。
自分がどこにいようと、頭の中でちょっと想像力を働かせれば、誰もが好きな場所、時代、空間を自由に旅することができる。自分の頭の中で旅ができる本がいっぱいある。
読書もまたひとつの旅であるってことですね。このブログは旅系ですが、書評もしています。ロバートハリスと同じように読書をひとつの旅だと考えているからです。書評の中でおすすめなのはこちらです。興味があればご覧ください。
自分の好きなことから始めればいい。何かを残せるかもしれないし、自分が貪欲であれば周囲にもその熱意や生きる力は伝わるものだ。自分が楽しんでできない、誇りをもって取り組めない活動は、何もいいものは生み出さないからだ。
特別な目的も、理由もなく過ごしてみる。
眠ってしまった冒険者たちへ。定住志向、守ることを選択した人生がダメにした。
旅人の孤独感、さびしさと開放感が入り混じった複雑な気持ちになる。
守りの姿勢を捨てて、自分の欲望に忠実に生きる選択をすることで、これからの人生が余生ではなくなる。
ある人にあう靴も他の人には窮屈である。あらゆるケースに適用する人生の秘訣などない。(ユング)
好きなことをやったらいいじゃないか。やってみたらいい。一度でも働いてみれば、どんなに金儲けがたいへんかがわかるだろう。
ジェラスになり、ついには愛想をつかされてしまった。
おれもいまだに女の子のことはよくわかんないよ。
大きい魚をつりあげるときは、ゆっくりゆっくりやらなきゃダメだよ。
失敗を自分の汚点や心の傷にすることはなかった。
ひとつひとつの恋愛は道の国への旅と同じで、次に何が起こるかもわからない。だから恋ってすばらしいのだ。
弱い自分と対峙することを恐れてはいけない。向き合わなきゃだめだ。
荷物をたくさん抱えすぎてしまうと、やがては重荷になり、足かせになる。
親の物語、親の生き方、家族から受け継いだ物語がある。共有した時間の大切さをわかってもらえればいい。愛情はためるものじゃない。次の世代へバトンタッチしていくものだ。こういったものは、たくさんあればあるほど人生が豊かになる。感動した記憶や楽しい思い出を色褪せることなく持ち続けることができたら。一緒に過ごした楽しい時間。愛の連鎖があるから、人間って無償の愛をあたえられるのだと思う。
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このブログの著者が執筆した「なぜ生きるのか? 何のために生きるのか?」を追求した純文学小説です。
「きみが望むならあげるよ。海の底の珊瑚の白い花束を。ぼくのからだの一部だけど、きみが欲しいならあげる。」
「金色の波をすべるあなたは、まるで海に浮かぶ星のよう。夕日を背に浴び、きれいな軌跡をえがいて還ってくるの。夢みるように何度も何度も、波を泳いでわたしのもとへ。」
※本作は小説『ツバサ』の前編部分に相当するものです。
アマゾン、楽天で無料公開しています。ぜひお読みください。
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自分の生きた証を伝えたい気持ちは、人間の根源的な欲求のひとつだ。どんな人でもどこかに非凡な波乱に満ちた部分はあるはずだ。幼年時代の思い出、失恋の傷みとか、人生で出会ってきた忘れ得ぬ仲間たち……。
自分の考えた通りに生きなければならない。そうでないと、自分が生きた通りに考えてしまう。
そろそろ会社勤めも潮時かもしれないぜ。おまえが本当にやりたいことは何なんだ?
美大生、アーティスト、ボヘミアン、ジャンキー、ドラッグディーラー、ニューハーフ、ファッションモデル、ギャングの大物、最高裁の判事、ヌードダンサー、パフォーマンスアーティスト。パンク。料理評論家、社会学者、弁護士、娼婦、ゲイの活動家、チリの知識人。トップレスバーのウェイターにバーテンダー。あらゆる種類の客。
ブックショップをたたむまでの五年間。カタログ販売。読み漁ってはオーダーする毎日。人々に憩いの場を提供した。あわただしい、熱気とカオスに満ちた日々を送った。一番の宝物はなんといっても人間との出会いである。たくさんの人々を愛し、たくさんの人々から愛された。
ゲイ小説を山ほど買っていった。ディスカウントで売りさばいた。
展覧会の落選展。自分で売る力を身につけてほしかった。
楽しみに金のかからない人がもっとも幸福である。ヘンリー・デビット・ソロー
後につきあうことになるのだが、真相をベッドの中で聞いた。
本物のプロってやつはとにかくケタ外れに強い。レベルが違いすぎる。
ハッタリをかますなら、周囲の記憶に残るくらい大風呂敷を広げないと。
もう日本人のシーンは全部おまえが演出しろ。おまえが日本人の台詞も書いてみろ。
勢いがあるときは迷ってちゃだめだ。
仕事の上での人間関係の調整。
自分だけが社会からまったく必要とされず、つまはじきにされている気分だ。
自分が楽しむのが一番。
よく出入りするカフェバーの常連客のマドンナ的存在。
欲しいものを買うな。必要なものを買え。必要でないものには何の価値もない。
旅に出たら素の自分しかなくなる。人間、意外な素顔が見えた方がおもしろいし、親しみもわく。
素顔をさらして守るものがないほうが人間は強くなれる。
自分のスタイルを裏切るような仕事はしちゃいけない。一生我慢料をもらい続けるような生き方はごめんだ。自分が考える一線を超えた指示に対しては迷わずノーというようにしている。自己嫌悪に陥りたくないからだ。
なるべくたくさん旅をして本を読んで映画を見て人と話して恋をして情熱的に生きることだ。
社会やオーソリティーに反発。
いかに自分の引き出しを多く持っているか。
人をエンターテインすることが根本的な仕事だが、できることなら、深みと味をもって遂行していきたい。
最初の高揚感や興奮がおさまれば、人は元の自分に戻る。嫌な奴は嫌な奴に、暗い奴は暗い奴に戻る。
世の中をあまく見るな。ロマンをもつな。理想を持つな。そんなことばかり言い続けて人のやる気をそぐ。
一般のサラリーマン社会ではほとんど通用しないキャリアしかなかった。おれは人生に失敗したんだろうか? おれは社会に必要とされていないのだ。
悪夢を見て、自殺を考えた夜(ダイヤモンドヘッド232mに登れなかった女のキナバル山4095m登山挑戦記)
一生懸命がんばっても、うまくいかないときはいくらでもある。
おれは今まで普通の人間の何倍もの人生を歩んできた。おれの中には語るべきものがたくさんある。だからこのまま埋もれるはずがない。
なぜできるようになったかというと、ひとえにトライし続けたからだ。場数をこなしてきた成果だと思う。苦手意識なんてのは持たない方がいい。いくつになっても克服できる。
傷つくのを恐れ、自分の殻に閉じこもる。人間は日ごろから感情の流れをよくしておくべきなのだろう。気持ちを抑圧したり、ため込んだりしてはいけないのだ。悲しいときはちゃんと悲しみ、悔しいときには悔しがる。怒りたい時も適度に怒った方がいい。泣いたり、わめいたりしながら、マイナスのエネルギーをプラスのエネルギーに変えて、何とかはい出していくのだ。
人生をより楽しく生きたいのなら、五感を全開にして心も全開にすることだ。ボロボロに泣きわめき、鼻水たらして本音をぶちまける。ハートブレイクな状態は、胸が張り裂けるようなといった比喩ではなく、文字通り本当に心臓が痛いことだった。
いい交友関係を築くには、他人に対してどれだけ自分がオープンになっていけるかだ。
人との出会いの向こうには、必ず別れが待ち受けている。でもだからこそ、ぼくはこの一生を、一人で、自分の殻に閉じこもって終わらせたくない。この世には、人と一緒に感動したり、驚いたり、手を叩いたり、涙を流したりしたくなるような素晴らしいことが山ほどある。彼らと人生におけるいろいろな瞬間を分かち合い、それを楽しんでいくつもりだ。
無能が私の根源だ。
崖っぷちを歩きながら、にやにや微笑む僕。危機感や不安感を抱きながらそれを楽しんでいる僕がいる。人生に頭から突っ込んでいくような生き方。危機感、不安感が心のどこかで渦巻いていても、人間なるようにしかならない。運命の波にさからわないことだ。
特定の枠内に属さないと不安になる。ムラ社会的な国民性。おまえら、本当にバカじゃないか?
自分の本当のポテンシャルや、心の奥底に秘めた願望を、いつの間にか忘れてしまい、社会的なペルソナを演じているだけに過ぎない。
どこかでロックしてないとね。
大好きなジャンルの執筆だって、産みの苦しみはある。楽に片付く仕事などありえない。
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このブログの作者の書籍『通勤自転車から始めるロードバイク生活』のご紹介
この本は勤務先の転勤命令によってロードバイク通勤をすることになった筆者が、趣味のロードバイク乗りとなり、やがてホビーレーサーとして仲間たちとスピードをガチンコで競うようになるところまでを描いた自転車エッセイ集です。
※書籍の内容
●スピードこそロードバイクのレーゾンデートル
●軽いギアをクルクル回すという理論のウソ。体重ライディング理論。体重ペダリングのやり方
●アマチュアのロードバイク乗りの最高速度ってどれくらい?
●ロードバイクは屋外で保管できるのか?
●ロードバイクに名前をつける。
●アパートでローラー台トレーニングすることは可能か?
●ロードバイククラブの入り方。嫌われない新入部員の作法
●ロードバイク乗りが、クロストレーニングとしてマラソンを取り入れることのメリット・デメリット
●ロードバイクとマラソンの両立は可能か? サブスリーランナーはロードバイクに乗っても速いのか?
●スピードスケートの選手がロードバイクをトレーニングに取り入れる理由
初心者から上級者まで広く対象とした内容になっています。
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守りに入らない。焦らない。欲をかかない。運を呪わない。神を冒涜しない。嫌な奴にならない。一番いいのはゲームを楽しむこと。ギャンブルの場では、ほくそ笑む奴が一番嫌われる。
負けが込んできたときは、誰も見ていないところで思い切り歯ぎしりしてくるといい。
この際、封印したまま捨ててしまおう。本当に残すべきなのはモノではなく物語だ。残すのは思い出だけでいい。
毎日があつかった六〇年代の自分と再会できるかもしれない。もう一度、ハートに火をつけてみようじゃないか。