『ぼくは日本兵だった』J・B・ハリス。とにかく「音」で必死に日本語を覚える。

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書籍『市民ランナーという走り方(マラソン・サブスリー。グランドスラム養成講座)』『通勤自転車からはじめるロードバイク生活』、小説『ツバサ』キンドル書籍にて絶賛発売中です。ぜひご一読ください。

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ラジオ『大学受験ラジオ講座』『百万人の英語』のパーソナリティー

わたしの敬愛する作家、ロバート・ハリスの父親、J・B・ハリス(ジェームス・バーナード・ハリス以下、ジミー)の自伝小説です。私は一度も聞いたことがありませんが、ラジオ『大学受験ラジオ講座』『百万人の英語』のパーソナリティーとして有名人だったそうです。

ロバート・ハリス『エグザイルス』

タイトル通り、太平洋戦争に徴兵されたイギリス人ハーフが、日本軍の中で苦労しながら、周りに溶け込もうとする姿が描かれています。

この本は軽い気持ちで読んでいたのですが、夢中になってしまいました。それほど面白かったです。日本軍の兵卒が書いた手記の中ではもっとも面白い部類に入るのではないでしょうか。

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日本語は喋れるけれども、読めないというレベル

イギリス人ジャーナリストが極東特派員となり、日本で子供をつくったハーフの息子が筆者です。母親はラシャメンパンパンパン助のもっと古い言い方)とからかわれたそうです。

その子ロバート・ハリスはクオーターですね。ジミーは父と同じ職業のジャーナリストになります。英語新聞の記者でした。

ロバート・ハリス『ワイルドサイドを歩け』walk on the wild side.

ジミーは教育は英国式をさずけられているので、もちろん英語は本格的なものでした。本書も英語で書かれたものを、翻訳者が日本語化しています。直接日本語で書かれてはいません。

日本語は喋れるけれども、読めないというレベルだそうです。耳で言葉はおぼえられるけれど、漢字が難しいんでしょうねえ。

関東大震災で家を失った後、父親の転勤でカリフォルニアへ移住して、アメリカを知りました。

父が肺炎で死んで帰国。英字新聞の記者として活躍していたところ、戦争が起こります。

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英語が敵性言語に。とにかく「音」で必死に日本語を覚える。

開戦と同時にスパイ容疑で逮捕されます。日本国籍を取得していたため法的には完全な日本人なのですが、ジミーの顔つきは完全に西洋人でした。

スパイ容疑は晴れたものの、今度は徴兵されてしまいます。英語が敵性言語として禁止されて、漢語中心の軍隊でジミーはとにかく「音」で必死に覚えます。軍人勅諭も丸暗記します。

下の階級のものをいじめる絵にかいたようないじわるな上官がいる一方で、面倒を見てくれる守護天使のような上官もいた。

シブヤ兵長殿、もしこの本がお目にふれましたら、かならずご連絡ください。ぜひお目にかかってあの頃のお礼を申し上げたいのです。

高学歴のインテリで、日本の勝利を疑っている人もいました。

「いや正直に言っていいんだよ。おれはどうも勝てないんじゃないかと思っているんだ。物量の差はいかんともしがたいんじゃないのかな。アメリカの資源は無尽蔵だというし、イギリスだって世界中に植民地をもっているんだ。そう簡単にへこたれるはずがない。むしろ日本の方が先にネをあげるはめになるような気がするな」

「おまえはそんなにきれいな日本語を話すのに、読んだり書いたりできないのは不思議だな」

略奪をたしなめ、ちゃんと支払いをしようとする上官もいた。

いばりくさってばかりいるにわか仕立ての幹部候補生。かれらはあまりにもどっぷりと軍隊の水につかりすぎていた。おべっか、ねたみ、へつらい、皮肉、うそ、居直り……一面ではじつに人間的といえるこうした弱さを、長い兵営生活のあいだにからだ全体にこびりつかせ、指導者の立場になってからもそっくりそのまま引きずっているように思えた。

今から思えばつまらないことがうらやましくてうらやましくて、かたわらでじっと指をくわえて眺めていたものだ。

戦争なので、人を殺している体験についても告白しています。

「ぼくが何人殺したかわからないが、返り血を浴びて頭から足の先まで真っ赤に染まっていることなど、まったく気がつかなかった」

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NHKテレビドラマの由来。ヒラカワ・タダイチの「カムカムエブリバディ」というラジオ英会話講座

そしていよいよ終戦。ポツダム宣言の受諾です。伍長に昇進していたジミーは捕虜収容所に入れられた。そこで重慶軍(共産党ではなく蒋介石軍)の将軍から娘の英語教師に抜擢されるのだった。

若い女性に接することができるし、教師として尊敬され大切にされ、食事も一緒にすることでジミーは普通の捕虜ではなくなりました。

そして収容所でも英語を教えることになります。かつての上官たちに「記憶力がにぶいですね。基本をおぼえなくちゃ」と皮肉たっぷりにいびってやると、うらめしそうな目で睨み返してくる。

どうだ、思い知ったか。

ジミーは心の中でひそかに快哉を叫ぶのだった。

日本に引き上げる際、重慶軍の将軍には中国にとどまるように地位を提示されたが、たったひとりの母に会うために引き上げ船で帰国します。

そして再びジャーナリズムの道へと進むのでした。

垢だらけの軍服を身にまとい、日がな一日闇市にたむろしている旧軍人。ぼくの心ははげしく痛んだ。これがつい最近までぼくの仲間だった、誇り高い皇軍兵士の成れの果てかと思うと、思わず涙が出そうになるのだった。いったい、誰が彼らをこんな姿にしてしまったのか?

街中のすさまじいばかりの英語の氾濫。ラジオ番組ヒラカワ・タダイチの「カムカムエブリバディ」という英会話講座。NHKのテレビドラマのタイトルはここから来ているんでしょうね。

いよいよぼくの活躍できる時代がやってきたのだ。なんとなくそんな予感がした。

英語を使う外国人には必要以上に卑屈になり、日本人だと見下げた態度をとる——戦争に負けたことで日本人は魂まで失いつつあるのではないだろうか?

ぼくにはそれがとても悲しかった。

そして本は、ジミーが東京裁判の担当になるところで終わります。

英語で行われる世紀の裁判に、一兵卒だったジミーが、元帥たちの「平和に対する罪」を見届けることになるのでした。

くりかえしになりますが、日本軍の兵卒が書いた手記の中ではもっとも面白い部類に入るのではないでしょうか。視点がハーフだけに、そして憎めないキャラクターをもっているだけに、ひじょうに面白い本でした。

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サハラ砂漠で大ジャンプする著者
【この記事を書いている人】

アリクラハルト。物書き。新狩猟採集民族、遊民主義の提唱者。心の放浪者。市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。山と渓谷社ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。ソウル日本人学校出身の帰国子女。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。放浪の旅人。大西洋上をのぞき世界一周しています。千葉県在住。

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このブログ著者の小説『ツバサ』
小説『ツバサ』
主人公ツバサは劇団の役者です。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」
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