ストーリー自体は「パラレルワールドもの」だが……たまらん。おもしろすぎる

サブスクでパーソナライズドされておすすめされたガンダム・ジークアクスをちょっとだけ見たら、引き込まれて見入ってしまいました。
ストーリー自体は「パラレルワールドもの」といった感じだし、あるわけない人類の革新ニュータイプについて延々と語るのはちょっとアレだけど、モビルスーツがオールドファンにはたまりません。
おすすめする理由ですが、まずはキャラクターです。ファーストガンダムではチョイ役だった人たちが、生き返って(パラレルワールドだからはじめから死んでないけど)大活躍します。とくにシャリア・ブルが主役級の活躍です。死んじゃったあの人や、死んじゃったあの人も。なつかしいなあ! シャリアブルと一緒に死んじゃったはずのフラナガン機関の女性士官とか、マクベとか、カムランさんも出てきます。そいつにスポットを当てるのか、というマニアックさがたまりません。
そしてモビルスーツ。あたらしいモビルスーツはもういいんだよ。おれたちはビグザムやジオングが見たいんだ、と思っているオールドファンは多いはずなのですが、量産化されたビグザムがたくさん登場します。マジか! そしてそのビグザムがギャンに撃破されるという(笑)。マジか! ギャンに負けるビグザムなんてあります?
ハンブラビとともにサイコガンダムが登場したときには、なぜかちょっと胸が感動で震えました。ゼータだけどさ。

あたしゃ、ゼータはきらいなんだよな。
主語だけで述語がないセリフが多くて、脚本がバカっぽくて。
それなのに、なぜかサイコガンダムに胸が震えた。
エヴァンゲリオン・テイストのガンダム。ジオングを期待します

エヴァンゲリオンのスタッフたちがガンダムをつくっています。そのせいかエヴァンゲリオン・テイストのガンダムが登場します。
まあ、それはいいとしても、ブラウブロ(本作ではキケロガと呼ばれる)に撃破されるサイコガンダムなんてあります? マジかよ。
『ククルス・ドアンの島』みたいにアムロなど主役級が登場するアナザーストーリーはこれまでにもありましたが、まさかギャンとシャリアブルが主役級に活躍する物語を見ることになるとは思いませんでした。
ジャアザクも出たし、白いガンダムも出ました。ビグザムもよかったよ!
この上はジオングを期待したいです。オタクな製作者たちの愛がジオングにあるかどうか……。
ジークアクス、おすすめします! 思い出補正なんでしょうが、感動しました!
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(本文より)
カプチーノを淹れよう。きみが待っているから。
カプチーノを淹れよう。明るい陽差しの中、きみが微笑むから。
ぼくの人生のスケッチは、まだ未完成だけど。
裏の畑の麦の穂は、まだまだ蒼いままだけど。
大地に立っているこの存在を、実感していたいんだ。
カプチーノを淹れよう。きみとぼくのために。
カプチーノを淹れよう。きみの巻き毛の黒髪が四月の風に揺れるから。
「条件は変えられるけど、人は変えられない。また再び誰かを好きになるかも知れないけれど、同じ人ではないわけだよね。
前の人の短所を次の人の長所で埋めたって、前の人の長所を次の人はきっと持ちあわせてはいない。結局は違う場所に歪みがでてきて食い違う。だから人はかけがえがないんだ」
金色の波をすべるあなたは、まるで海に浮かぶ星のよう。
夕日を背に浴び、きれいな軌跡をえがいて還ってくるの。
夢みるように何度も何度も、波を泳いでわたしのもとへ。
あの北の寒い漁港で、彼はいつも思っていた。この不幸な家族に立脚して人生を切り開いてゆくのではなくて、自分という素材としてのベストな幸福を掴もう、と――だけど、そういうものから切り離された自分なんてものはありえないのだ。そのことが痛いほどよくわかった。
あの人がいたからおれがいたのだ。それを否定することはできない。
人はそんなに違っているわけじゃない。誰もが似たりよったりだ。それなのに人はかけがえがないなんてことが、どうして言えるだろう。
むしろ、こういうべきだった。
その人がどんな生き方をしたかで、まわりの人間の人生が変わる、だから人は替えがきかない、と。
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