- 海外に二カ月以上ロングステイすると、やっと観光気分が抜けて、暮らすようになる。
- どこに行くか? 物価の安い国を選べ
- ビザ問題。できれば観光ビザ範囲内で滞在したい。
- バリ島にロングステイ
- タイにロングステイ
- 外国に行って、何をするつもりなのか? 老齢になって新しい趣味を開拓するのは難しい
- これまでやらなかった趣味には、やらなかっただけの理由がある
- 老後に趣味は急にはできないもの。若いころからの助走期間が必要
- 海外でないと始められない趣味とは?
- どこに住むか? 民泊。コンドミニアム。サービスアパート
- 海外ロングステイ先でしかできないことは、現地料理、現地文化ぐらい
- 主婦はメイドを雇って家事から解放されるメリットあり
- 海外ならでは。日本人同士、旅人同士の交流
海外に二カ月以上ロングステイすると、やっと観光気分が抜けて、暮らすようになる。
ここでは2カ月以内のロングステイを考えます。なぜ二カ月にしたかというと、さすがに二カ月もステイすると旅人感覚ではいられないと思うからです。
わたしは4年ほどソウルに暮らしたことがあります。そのときの経験から「住んでみないと本当のことはわからない」と断言します。
たとえばわたしはバンクーバーにほれ込みましたが滞在したのは1週間ほどです。一週間の観光旅行ではバンクーバーの本当のことは何もわからない、と自覚しています。旅人感覚でいる間はそれだけのことです。住んでいる感覚になるまでなじまないと本当のことは見えてきません。
わたしはキナバル登山をするためにコタキナバルに滞在したことがありますが、街には三日で飽きました。観光客として一週間を過ごすのは少々きつかったです。ドリアンばかり食べてました。パリなら一週間ぐらい観光客として余裕過ごせますが……二カ月となるとどうでしょうか? 観光客気分は抜けて≪現地滞在者≫になるのではないかと思います。
というわけで、ここでは観光客から現地滞在者になるには二カ月以上滞在することと定義します。さすがに二カ月以上も観光客として過ごすのはニューヨークであってさえ難しいだろうと思うからです。
二カ月は「日本の家はそのままに」海外に滞在します。これが一年も海外で暮らすとなると、日本の家の処分(賃貸の場合はアパート解約して貸倉庫を借りて保管。一軒家の場合は貸倉庫に荷物を保管して賃貸借する借り手を探す)が視野に入ってきます。
どこに行くか? 物価の安い国を選べ
まずは物価の安い地域を選ぶ。たとえばウクライナなら一人当たりのGDPが5千ドルで日本の4万ドルから比べると四分の一です。単純に日本の10年間の生活費で40年暮らせます。
お金持ち以外、物価の安い国以外は、選ぶべきではありません。
ビザ問題。できれば観光ビザ範囲内で滞在したい。
ビザ問題のクリアは重要です。特殊なビザを取得しないとならないとなると敷居がひとつ上がります。
ちなみに日本人ならウクライナは3カ月滞在可能だそうです。おそらく最大の資金援助国のひとつだからでしょう。
ウクライナ戦争後の世界。ロシアの分割統治(案)。日本は樺太をもらえ
ウクライナ戦争。ロシア軍は兵装が古すぎる。ソ連製の戦車って。
バリ島にロングステイ
タイにロングステイ
タイの場合、観光で30日以内の滞在はビザは不要です。観光ビザを取得すれば60日間滞在(30日延長可で合計90日滞在できる)できますが、約5千円の申請料もかかりますし手続きも面倒です。それよりもノービザで30日滞在して、その間にたとえばマレーシアなどに出国すれば滞在日数がリセットされる仕組み(ビザラン)を利用した方がいい。この方法で二カ月滞在することが可能です。
外国に行って、何をするつもりなのか? 老齢になって新しい趣味を開拓するのは難しい
海外にロングステイするのはいいが「行って何するの?」これはよく考えた方がいいです。
老齢になって新しい趣味を開拓するのは難しいですよ。今日まで興味がないとスルーしていたものに、時間が急にできたからって急に興味を持てますか?
若いころに向いてないと考えていたものは、おそらく老齢になっても向いていません。
これまでやらなかった趣味には、やらなかっただけの理由がある
先人たちを見ていると、ゴルフ、テニス、ビーチにプール、料理、語学、釣り、読書、……などに興じる人が多いようです。これまでにかじったことのある趣味を深めていくのなら大丈夫ですが、老後に新しい趣味を開拓するのはあんがい難しいと思います。ずっと猛烈サラリーマンで遊んでこなかった人は、急に遊べといわれてもうまく遊べないということです。
これらは日本でも始められる趣味であり、好きでたまらないものならばもうとっくに日本で始めているはずだと思います。ロングステイ先で急に始めようとしても「合わなかった」とガッカリする可能性が高いと思いますよ。
私の場合、いくら時間ができて安くても、ゴルフ、釣りを新しく始める気がしません。そんなにやりたいと思っていたら、もうとっくに日本でやっています。これまでやらなかったのは、やらなかっただけの理由があるものなのです。
老後に趣味は急にはできないもの。若いころからの助走期間が必要
わたしはタイではタイ古式マッサージを必ず受けますが、最近では日本でもタイ式マッサージを安く受けられるようになってきました。
わざわざそのために海外に行く意味ありますか?
読書なんて、むしろ日本で図書館を利用した方が、海外よりもむしろ充実しています。
日本の気候を云々する人がいますが、エアコンを使えばいいのです。どんな高原よりもエアコンは涼しく、どんな熱帯よりもエアコンの方が湿気もなく快適です。今は避暑地、避寒地という考え方はなくなりました。エアコンがあるからです。
上杉謙信の関東遠征に雑兵が従ったのは豪雪・避寒のため(私の新説)
わたしの場合、ランニングが趣味なのですが、たとえばバリ島ではランニングはキツイものがあります。なぜって犬が放し飼いだからです。走っていると大きな犬が吠えかかってきます。歩車道の区別のない道なので急に犬を避けると今度はクルマが怖い……。
むしろ年中熱帯の中をランニングするよりも、春夏秋冬あったほうが気分が変わって年間を通してランニングを楽しむことができます。
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※雑誌『ランナーズ』の元ライターである本ブログの筆者の書籍『市民ランナーという走り方』(サブスリー・グランドスラム養成講座)。Amazon電子書籍版、ペーパーバック版(紙書籍)発売中。
「コーチのひとことで私のランニングは劇的に進化しました」エリートランナーがこう言っているのを聞くことがあります。市民ランナーはこのような奇跡を体験することはできないのでしょうか?
いいえ。できます。そのために書かれた本が本書『市民ランナーという走り方』。ランニングフォームをつくるための脳内イメージワードによって速く走れるようになるという新メソッドを本書では提唱しています。「言葉の力によって速くなる」という本書の新理論によって、あなたのランニングを進化させ、現状を打破し、自己ベスト更新、そして市民ランナーの三冠・グランドスラム(マラソン・サブスリー。100km・サブテン。富士登山競争のサミッター)を達成するのをサポートします。
●言葉の力で速くなる「動的バランス走法」「ヘルメスの靴」「アトムのジェット走法」「かかと落としを効果的に決める走法」
●絶対にやってはいけない「スクワット走法」とはどんなフォーム?
●ピッチ走法よりもストライド走法! ハサミは両方に開かれる走法。
●スピードで遊ぶ。スピードを楽しむ。オオカミランニングのすすめ。
●腹圧をかける走法。呼吸の限界がスピードの限界。背の低い、太った人のように走る。
●マラソンの極意「複数のフォームを使い回せ」とは?
●究極の走り方「あなたの走り方は、あなたの肉体に聞け」
本書を読めば、言葉のもつイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化されて、同じトレーニング量でも速く走ることができるようになります。
あなたはどうして走るのですか? あなたよりも速く走る人はいくらでもいるというのに。市民ランナーがなぜ走るのか、本書では一つの答えを提示しています。
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どんなレースに出ても自分よりも速くて強いランナーがいます。それが市民ランナーの現実です。勝てないのになお走るのはなぜでしょうか? どうせいつか死んでしまうからといって、今すぐに生きることを諦めるわけにはいきません。未完成で勝負して、未完成で引退して、未完成のまま死んでいくのが人生ではありませんか? あなたはどうして走るのですか?
星月夜を舞台に、宇宙を翔けるように、街灯に輝く夜の街を駆け抜けましょう。あなたが走れば、夜の街はイルミネーションを灯したように輝くのです。そして生きるよろこびに満ち溢れたあなたの走りを見て、自分もそんな風に生きたいと、あなたから勇気をもらって、どこかの誰かがあなたの足跡を追いかけて走り出すのです。歓喜を魔法のようにまき散らしながら、この世界を走りましょう。それが市民ランナーという走り方です。
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海外でないと始められない趣味とは?
けっきょく、人間、ダイヤモンドや鉄やウランを食べるわけじゃないので、食べること、暮らすこと、住むことはどこでやってもたいして変わりません。
趣味が大切になりますが、海外じゃないとできない趣味というのは、数えるほどしかありません。ゴルフのように日本じゃ高いけど海外だと安いから回数を増やせる系の趣味は海外に行った甲斐があります。
渡航先でないと始められない趣味としては、
旅行・エクスカーション……ロングステイ自体が旅行ですが、その都市を拠点に周辺を旅するという楽しみ方があります。ビザランにも使えて一石二鳥ですね。
宗教体験……瞑想、出家、アシュラムなどでヒッピー生活を送るなどスピリチュアル系の経験は旅行先でないと体験できません。大麻などの体験もここに含まれます。
お散歩……ただ歩くだけのことですが、周囲が「見慣れた世界」と「見慣れぬ世界」では脳への刺激が違います。
日本人として活動する……日本人会ボランティアとか、日本語教師とか、書道教室とか、日本人として活動することは、海外でないとできません。また「お友達」もこの範疇に入るでしょう。日本語で話せるから日本人の友だちが貴重になるし、現地の人との交流もあなたが日本人だからこその場合があります。「ただの人」が「日本人という特別な存在」になれるのが海外暮らしです。
どこに住むか? 民泊。コンドミニアム。サービスアパート
調理場のないホテルよりも、Airbnbなどをりようした民泊、コンドミニアム(マンション)、サービスアパート(家具付き賃貸住宅)などを利用する人が多いようです。サービス・アパートはキッチンがあって自炊ができ、テレビ、冷蔵庫など基本的な家財が備えつけになっています。室内清掃や洗濯サービスが付いていることが多く、係員が常駐しています。
購入やタウンハウス・テラスハウスなどは、ガチ勢のすることです。二カ月ぐらいの人はやりません。
アジア圏では屋台が充実しているので、外食で問題ありませんが、その他の地域だとやぱり食材を購入してきて自分で料理した方が滞在費が安くすみます。
バックパッカーの場合、三枚の下着、シャツを洗いながら乾かしながら着るという方法で極端に荷物を減らしますが、ロングステイの場合は部屋に洗濯機が備品となっている場合が多いので、荷物を増やすことができます。
いやむしろ快適のために、できる限り荷物を持ち込んだ方がいいでしょう。船便など別便で送る手もあります。
海外ロングステイ先でしかできないことは、現地料理、現地文化ぐらい
現地料理、現地文化(踊り、楽器、織物など)ぐらいしか行った先でしかできないことってないんですよ。
先輩たちの中には、現地のクリーンアップに日本人として参加しているという人がいました。これはただのボランティアの掃除です。しかし日本のイメージをいっしょにアップしている使命感で日本でするよりもボランティアの充実感をもつことはできるでしょう。
主婦はメイドを雇って家事から解放されるメリットあり
主婦の場合は、庶民でもメイドを雇って家事から解放されるというメリットを享受できる場合があります。人件費が安いからですね。しかし言葉が通じない、マイカーに乗れないなど、それ以外の苦労が増えるので、いい面ばかりではありません。
わたしがもしタイにロングステイしたらマッサージをやってもらいまくります。王様のようにマッサージを受けまくると思います。日本では高くて受けられないマッサージですが、タイでなら受けられます。熱帯地方の暑い国で、冷房の効いた部屋でマッサージしてもらうのはこの世の天国です。この例などはロングステイした甲斐があったというものです。ロングステイしないとできない体験ができたわけですからね。
海外ならでは。日本人同士、旅人同士の交流
最後に海外ロングステイでしかできない体験のスペシャルをご紹介します。
滞在している日本人どうしの交流。……ロングステイならではの体験の決定版といえばこれです。
日本人の交流なんて日本だとあたりまえすぎて「ない」ものが、外国だと吊橋効果で日本人というだけで仲良くなれたりします。日本語を話したいという欲求をもっともかなえてくれるのは日本人に他なりません。
現地の日本人会などに顔を出すようになれば、あなたはもう立派な現地滞在者です。
ソウル日本人学校の偏差値レベルと韓国語。卒業生の進路。公立? 私立?
ロバート・ハリスは著書の中でこんなことをいっています。
「世界中を旅して経験を積んだとしても、ホームカントリーの人間と仲良くできないとしたら、意味ないじゃん」
→ いつかどこかの国でひとかどの人間になれたら、おれは決して日本人には辛く当たらない。彼らがのぞむなら、できるかぎり力になってやろう。
外国で趣味の友人がつくれる人は、きっと国内でも趣味の友人がつくれます。それじゃあどうしておまえは海外ロングステイを狙っているのかって? 全部、日本でできるじゃないか、と。
理由はこれにつきます。老人ばかりの国は、おもしろくないからですよ。
人は人から意欲をもらって、突き動かされるものなのです。