天然ボケ系ナチュラリストにはどうツッコんだらいいのだろうか?
うちのナガシマ(天然系ナチュラリスト)がYouTubeでお笑い動画を見ていました。
お笑い第七世代だという「霜降り明星」を見て大爆笑した後、他の動画で「爆笑問題」を見て「爆笑問題ってぜったいお笑い第一世代だよね」と言ったので、わたしは腰を抜かすほど驚いたのです。
いやいや第一世代って!! オレは心の中で、
「ツービートを知らんのか。太田光はビートたけしのオールナイトニッポンからお笑いを学んだんだぞ」
とか、
「欽ちゃんを知らんのか! コント55号の方がぜったいに世代が上だぞ トビマス トビマス」
とか、
「林家三平を知らんのか!! 知らんって……ドーモ、すいません」
とか、心の中で全力でツッコんだのですが、実際には、
「いや……ちがうんじゃない?」
と、控えめなリアクションにしておきました。
お笑い第一世代っていったい誰なんだ?
控えめなリアクションにしたのは、おそらくナガシマも「たけしや欽ちゃんを知らないはずはない」からです。ナチュラリストなので「爆笑問題は第四世代ぐらいよね」とか脳内での微妙な調整をすっ飛ばして遡れるだけ遡って瞬発的に「第一世代」と口にしてしまったのだろうと思います。まあ天才ナガシマの考えることはわれらシモジモには理解できないので、あくまでも愚かなわたしの想像ではありますが。
控えめなリアクションにしたもうひとつの理由は、激しいツッコミをした後で「じゃあ第一世代って誰なのよ?」と聞かれても答えられないからです。
歴史上、いちばん古いお笑い芸人って誰なんでしょうか。なんかエノケンとかエンタツ・アチャコとかいうのを聞いたことがありますし、そもそも落語は江戸時代からあるわけだから、古くは江戸時代まで遡るはずです。
シェイクスピアの戯曲には「道化」が登場します。道化というのは王様を笑わす人です。一種のお笑い芸人です。
しかしそこまで遡ったら第七世代ではおさまらないだろうから、たぶん第一世代は「テレビ後」のことを指しているのに違いないとわたしは予想しました。
お笑い各世代の代表的な芸人
ネットで調べてみると第七世代というのは霜降り明星のせいやが適当に発言しただけで明確な定義があったわけではないそうです。しかし第七世代があるってことは第一、第二世代があるだろうってことで、いろんな人が世代を定義していました。わたしの予想通りそれは「テレビ後」からはじまります。
主要なタレントをさっと上げると、
第一世代=立川談志、桂文枝、クレイジーキャッツ、コント55号、ドリフターズなど
第二世代=やすきよ、ツービート、紳助竜介、阪神巨人、明石家さんま、タモリなど
第三世代=ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、とんねるず、出川哲朗など
第四世代=爆笑問題、ナインティナイン、極楽とんぼ、くりいむしちゅーなど
第五世代=オリエンタルラジオ、キングコング、中川家、バナナマンなど
第六世代=ナイツ、NON STYLE、ロバート、オードリー、トレンディエンジェルなど
第七世代=霜降り明星、ぺこぱなど
先輩後輩のキビシイ業界だというから、こういう世代分けはお笑い業界の中で「なんとなく」なされてきたのかもしれませんね。
正解だからっておもしろいわけじゃない。不正解でも笑わせたもの勝ち
ナガシマに対しての「爆笑問題が第一世代のわけがないやろ!」という心の中のツッコミは正解だったことがわかりました。ついでに「たぶん第四世代ぐらいじゃないの?」というわたしの予想は、たまたまですが当たっていました。
でもこういうのって正解だからっておもしろいわけじゃありません。正解だからってそれが何でしょうか。
しょせんはお笑いの話しです。不正解でも笑わせたもの勝ちではないでしょうか。
うちのナガシマのほうが、わたしよりもずっとおもしろい人間です。でもだからといってお笑いのセンスがあるわけではありません。
ナガシマはメチャクチャ面白いですが、天然ボケなので計算しているわけではないのです。その証拠にツッコミ力はありません。天然でボケることはできるのですが、ツッコめないのです。
ときどきサンドウィッチマン(第六世代ぐらいか?)がボケ・ツッコミを逆にしたコント(伊達ちゃんがボケ、富澤がツッコミ)をやっていますが、本当にお笑いの実力があればそういうことができるのです。
しかしナチュラリストはボケしかできません。天然だからです。
オレがボケても「んなわけあるかい」ぐらいのツッコミひとつ返ってこないのです。
長嶋語録(迷言)で有名な長嶋茂雄は別に人を笑かそうと思っていないでしょう。でも聞いているこっとは笑ってしまいます(長嶋はどの世代にも分類されていませんね)。うちのナガシマも同じなのです。
ナチュラリストは得です。自分で意識しなくてもボケて人を笑かすことができるのですから。それで人に愛されるなら最高です。
たまにわたしも気分転換でボケ役に回りたい時があります。しかしあまりにも強力なボケ役の相方と組んでしまったために、役割は常にツッコミ役になってしまいます。
だから今日もわたしは全力でツッコむのでした。
ナチュラリストと一緒にいると、突然ビックリするような発言が飛び出すことがあります。驚いたり、笑ったり、こっちのツッコミ力に磨きがかかります。何より楽しいのがいい。
それが天然ボケ系ナチュラリストな人たちなのです。ちょっとうらやましくもあります。
正解だからってそれが何でしょうか。笑わせたもの勝ちではないでしょうか。
【この記事を書いている人】
瞑想ランニング(地球二周目)をしながら心に浮かんできたコラムをブログに書き綴っているランナー・ブロガーのアリクラハルトと申します。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。
初マラソンのホノルル4時間12分から防府読売2時間58分(グロス)まで、知恵と工夫で1時間15分もタイム短縮した頭脳派のランナー。市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。月間走行距離MAX600km。ランニング雑誌『ランナーズ』の元ライター。著書『市民ランナーという走り方(グランドスラム養成講座)』。言葉の力で、あなたの走り方を劇的に変えてみせます。
また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。
そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。江戸川左岸の撃墜王(自称)。スピードが目的、スピードがすべてのスピード狂。ロードバイクって凄いぜ!!
山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。
その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。タイ。ベトナム。カンボジア。マレーシア。シンガポール。インドネシア。ニュージーランド。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の28ケ国。パリとニューカレドニア、ホノルルとラスベガスを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。ソウル日本人学校出身の元帰国子女。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。
登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。
千葉県在住。夢の移住先はもう決まっています!!
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