ドラクエ的な人生

クラス会に全然知らない人が紛れ込んでいたら、どう対処するか。

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同窓会に知らない顔が紛れ込んでいたらどうする?

弟がクラス会を行ったと聞きました。PUFFYの大貫亜美ちゃんもその一員であるソウル日本人学校のクラス会です。

ソウル日本人学校の偏差値レベルと韓国語。卒業生の進路と有名人。同窓会と将来

ハルト

いいや、男4人でやったらしいよ。しかもお互いによく顔がわからなかったんだって

イロハ

えっ! どういうこと? クラス会なんでしょ? 元クラスメートでしょ?

ハルト

弟が帰国したのは小3なんだ。9歳だよね。記憶っていうのは上書きされてしまうものだから、その後、人生の濃密な体験を積み重ねることで、古い経験は忘れ去られてしまう。弟なんて自分が帰国子女だという自覚もあまりないぐらいだから、当時のことはほとんど覚えていないんだ。その時以来、約30年ぶりに会ったから、お互い、ほとんど初対面みたいなものだったみたい。

イロハ

まるで男同士の合コンじゃない(笑)それじゃあ全く赤の他人が来てもわからないってことよね

ハルト

映画『20世紀少年』か!? あるいは映画『ちょっと今から仕事やめてくる』

イロハ

どちらも知らない人が同級生として紛れ込んでいるのよね。

ハルト

ちょっと今から仕事やめてくる』では、ブラック企業で心を病んで自殺しそうになった主人公(工藤阿須加)を助けてくれたのが自称クラスメイト(福士蒼汰)だったんだけど、主人公はそいつのことを(こんなやつ同じクラスにいたっけなあ?)ぐらいな感じで覚えていなかったんだよね

イロハ

本当はそれは自殺を助けるための嘘で、自称クラスメイトと付き合っていくうちに、自殺を思いとどまり会社も辞めて、最後にはバヌアツに旅立つって話だったよね……バヌアツかあ。あたしもちょっと今から仕事……

ハルト

やめときなさい

イロハ

ところで30年ぶりにどうやって会えたの?

ハルト

兄貴どうしが同窓生で連絡を取り合っているから、そのツテで弟たちを引き合わせたんだ。でもほとんど初対面みたいなものだから話しも盛り上がらなかったみたいだよ

イロハ

海外赴任、帰国子女なんてせっかく貴重な体験だったのにもったいないね。

なんだかあたしも昔の友達に久しぶりに会いたくなっちゃったな。クラス会、やらないかなあ

ハルト

そのクラス会に全然知らない顔の人がいたらどうする?

イロハ

合言葉を決めておけばいいんじゃない。山と言えば川みたいな合言葉を

ハルト

それならおれたちソウル日本人学校にはいい合言葉があるぞ。それは『ナムイ島』だ

イロハ

なあに『ナムイ島』って?

ハルト

韓流ブームを牽引した『冬のソナタ』のロケ地で有名になった南怡島のことだよ。『冬ソナ』以降、南怡島は大々的に日本にも紹介されるようになってナミソムって現地発音で紹介されているけど、おれたちソウルの日本人社会では南怡島はナムイ島と呼んでいたんだ

イロハ

なるほど。だから知らない人が紛れ込んでいてもわかるってわけね。

ハルト

そう。ナミソムと呼ぶ人がいたら、そいつは偽同級生だな。おれたちのクラスメイトだったら絶対にナムイ島と言うはずだもの

イロハ

なるほど。つかえそうな合言葉ね。私の場合もそのような

自分たちだけが使っていた言葉ってあるかしら? さがしてみよう。

ハルト

ああ。そんな話をしているうちに、またナムイ島に行きたくなっちゃったよ。あの島で毎年キャンプファイヤーをやったんだ。友達みんなでバンガローに泊まってね。本当に楽しかったよ。船に乗ってね

イロハ

行けばいいじゃない。ソウルなんてすぐそこよ

ハルト

そうだね。それじゃあ、あの思い出の島がどう変わったか、見に行ってこようか

……というわけで、バックパックひとつで、宿予約なし、アポなし、予定なし、行き当たりばったりの放浪旅に出かけてきます。

ハルト

ちょっと今からソウル行ってくる!

なあに現金とパスポートさえあればなんとかなるさ!!

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旅人が気に入った場所を「第二の故郷のような気がする」と言ったりしますが、私にとってそれは韓国ソウルです。帰国子女として人格形成期をソウルで過ごした私は、自分を運命づけた数々の出来事と韓国ソウルを切り離して考えることができません。無関係になれないのならば、いっそ真正面から取り組んでやれ、と思ったのが本書を出版する動機です。私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。

【本書の内容】
●ソウル日本人学校の学力レベルと卒業生の進路。韓国語習得
●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
●関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件
●僕は在日韓国人です。ナヌン・キョッポニダ。生涯忘れられない言葉
●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
●天皇制にこそ、ウリジナルを主張すればいいのに
●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
●韓国帰りの帰国子女の人生論「トウガラシ実存主義」人間の歌を歌え

韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。

「近くて遠い国」ではなく「近くて近い国」韓国ソウルを、ソウル日本人学校出身の帰国子女が語り尽くします。

帰国子女は、第二の故郷に対してどのような心の決着をつけたのでしょうか。最後にどんな人生観にたどり着いたのでしょうか。

Bitly

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