ドラクエ的な人生

スポーツ心臓を持つ人は長生きすることができるのか?

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犬が長生きできないのは、愛して、優しくする方法をもう知っているから

Quoraというサイトが面白くてときどき観ています。その中に「なぜ犬は長生きできないのですか?」という切ない質問がありました。おそらく愛犬に先立たれて悲しむ人が、やりきれない思いを質問にぶつけたものでしょう。

その回答にこんなものがありました。

「人間は、いい人生を送るための方法を学ぶために生まれてくるんだ。例えば、いつもみんなを愛して、優しくすることだよね。でも、犬はもうその方法を知っているから、人間みたいに長くいる必要はないんだよ

そのように六歳の子供が答えたというのです。回答は多くの人から拍手喝采されていました。たくさんの高評価を受けていました。

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アスリートは長生きできるか? スポーツ心臓、マラソン心臓

「なぜ犬は長生きできないのですか?」という質問には他にもいろんな回答が寄せられていました。世の中にはそれだけ愛犬家が多いということでしょう。中でももっとも多かった回答は「犬は心拍数が多いから」というものでした。哺乳類の心臓の一生における拍動数はだいたい10万回と決まっているそうです。それはゾウでもネズミでも同じです。生涯心拍数に限りがあるのなら、心拍数が多い生き物ほど寿命が身近くなるという理屈です。

※ちなみに私はマラソンランナーで心拍数が遅すぎて健康診断で異常値が出たことがあります。50~100未満が正常範囲なのですが40台が出ました。私は狂喜しました。異常値なのになぜ喜んだかわかりますか? オリンピック金メダリスト高橋尚子さんの全盛期の心拍数は30台だったそうです。要するに心拍数が低いほどマラソンに強いということです。これをスポーツ心臓、マラソン心臓といいます。

やりました! すばらしい心臓を手に入れることができて、長生きできるのでしょうか? 他の人よりも心拍数が少ないわけですから理論上は長生きできるはずです。

ところが残念ながらそううまくはいきません。心拍数が低いアスリート心臓を手に入れたからといって長生きできるとは限らないのです。それは厳しいトレーニングの末に手に入れた心臓です。トレーニングを止めればそのうち心拍数は正常値に戻ってしまいます。一度下がったらずっと低い心拍数のままというわけではないのです。筋肉ムキムキになってもトレーニングをさぼったら筋肉が落ちてしまうのと同じです。

しかも長時間にわたる激しいトレーニングの最中、アスリートは心臓を酷使しています。トータルすればむしろ心拍数は激しく打ちすぎだといえるでしょう。これがアスリートは寿命が短いとされる理由のひとつです。

激しい心拍は荒い呼吸と連動しています。活性酸素も心配されます。

また細胞の分裂回数は決まっているという説もあります(テロメア=命の回数券)。アスリートは筋肉などを傷めつけて超回復させることで強くなっているのですが、これは強制的に細胞分裂をうながしているのと同じことです。生命の回数券を自分からじゃんじゃんちぎっているようなものです。

だからアスリートは短命なのです。太く、短く、それがアスリートの生き方です。

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※雑誌『ランナーズ』の元ライターである本ブログの筆者の書籍『市民ランナーという走り方』(サブスリー・グランドスラム養成講座)。Amazon電子書籍版、ペーパーバック版(紙書籍)発売中。

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どんなレースに出ても自分よりも速くて強いランナーがいます。それが市民ランナーの現実です。勝てないのになお走るのはなぜでしょうか? どうせいつか死んでしまうからといって、今すぐに生きることを諦めるわけにはいきません。未完成で勝負して、未完成で引退して、未完成のまま死んでいくのが人生ではありませんか? あなたはどうして走るのですか?
星月夜を舞台に、宇宙を翔けるように、街灯に輝く夜の街を駆け抜けましょう。あなたが走れば、夜の街はイルミネーションを灯したように輝くのです。そして生きるよろこびに満ち溢れたあなたの走りを見て、自分もそんな風に生きたいと、あなたから勇気をもらって、どこかの誰かがあなたの足跡を追いかけて走り出すのです。歓喜を魔法のようにまき散らしながら、この世界を走りましょう。それが市民ランナーという走り方です。

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