- 自分時間を取り戻す革命。メメント・モリ。死を忘れるな
- 【書評】堀江貴文『時間革命』
- TIME IS LIFE
- 時間泥棒に自ら時間を差し出してはいないか?
- 他人時間に自分時間を売り渡しているのは「自分」
- ホリエモンのオリジナルな考え方ではなく、人類の普遍的な考え方のひとつ
- 自分の時間を増やすには、人にまかせること。他人を使うこと
- 人は「暇つぶし」のために働いている
- 食欲、性欲、睡眠欲は「幸福を感じるための最高のツール」
- 「時間の換金グセ」をやめないと一生あくせく働くことになる。
- 予防医療によって死なないことで自分時間を確保する
- 最高の「いま」を生きる
- 好きな仕事は自分時間だけれど、やらされている仕事、嫌な仕事は他人時間
自分時間を取り戻す革命。メメント・モリ。死を忘れるな
このページでは堀江貴文さんの著書『時間革命』をネタに、人生の生き方について語っています。
タイムイズライフの哲学は、いにしえの哲学であり、人類の普遍的な考え方のひとつです。
自分時間を取り戻す革命を人生に起こしたかったら、生き方を変える行動をするしかありません。
ライフタイムを吸いとられている仕事の内容が不満なら、今すぐに転職しましょう。
【書評】堀江貴文『時間革命』
ホリエモン独自の哲学を展開した本……と紹介できるといいのですが、堀江さんが発明した新しい生き方はひとつも書いてありません。
ただそれでも一読の価値がありますので紹介します。
最初に出会った神さまを人は信じるものです。たとえそれが二番煎じだったとしても。
人類に最初に提唱した先駆者を尊敬するのではなく、自分の最初に教えてくれた身近な人を尊敬するのです。
IT業界の革命児から囚人、そして今では思想家と、余人があまりやっていない時間の過ごしかたを実践している堀江貴文さんが書いているからこそ、本書の説得力が上がっているということがあります。
「何を言うかではなく、誰が言うかが重要」。
ビジネスで大きく成功している堀江さんがアルバイトや好きでもない労働を「他人時間の労働だ」と捉えて喋る文脈には、他の人が語るよりも説得力があります。
「同じことを言うにも、どう言うかで心への響き方が違う」
『時間革命』の内容についてまずは簡単にご紹介します。
TIME IS LIFE
まずは「時間こそが人生だ!」「タイムイズライフ」という堀江さんの考え方が紹介されます。
「時間は人生そのものだ。時間の質を高めれば、人生の質も高くなる。ハッピーになれる」という考え方です。
実はこれは古くからある考え方です。
私が自殺を考えたマレーシアのキナバル山の山荘で、私を救ったポスターの励ますような言葉にもそれと全く同じことが書いてありました。
ホリエモンの斬新な新しい考え方では全くありません。
何千年も昔の人も同じように考えた人は大勢います。
たとえばメメント・モリ(死を忘れるな)という芸術運動もそのひとつでしょう。
しかしあのホリエモンが「お金は自分時間を生むための手段でしかない」と言えば説得力があると思いませんか?
自分のやりたいことを、すべて自分のお金で準備しなければならないとすると、準備に時間がかかりすぎて、寿命が尽きてしまいます。
たとえば始めるのにお金がかかる事業などは、一生のうちに、貧乏人は誰も立ち上げられないことになります。
しかし今は信用さえしてもらえれば、株や企業債があるのです。
お金があれば人を雇って雑務を頼めるし、信用があれば銀行からお金を借りることができます。
借金することですぐに事業がはじめられれば、個人の時間を節約できた、と考えるのが堀江流なのです。
時間(人生)を切り売りし、換金する行為をやめよう
アルバイトなどに、時間(人生)を切り売りし、換金する行為をやめようと本書は主張しています。
あなたの時間(人生)は本当に時給1000円ほどの価値しかないのですか? と。
アルバイトの場合、経営者側にとっては、本来自分がやらなければならない仕事を低賃金で外注できれば、その分、自分の時間が浮くというメリットがあるのです。
お金と時間はトレードオフの関係にあるわけですね。
しかし本当に重要なのは時間であってお金ではありません。手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』は終始このテーマが貫かれています。大金持ちが死ぬ間際に「やり残したことがあって」寿命をお金で買おうとするのですが、残念ながら時間(寿命)をお金で買うことはできません。
お金は貯められますが、時間は貯められないのです。「いま」しか時間はありません。お金は増やせますが、時間は増やせないのです。
手塚治虫は死ぬ直前の残りの寿命はお金よりも価値があることを描きましたが、ホリエモンは20歳前後の人生の若い盛りの時代をわずかなお金に換金する労働にすべてを費やしてしまうのは勿体ない、と疑問を投げかけています。
時間こそは誰もが平等に手にできる唯一の資産
ぼくたちの「時間=人生」は、他人に売り渡すためにあるのではない。そうホリエモンは言います。
私の人生を変えた本『ヴァガボンディングガイド』にもこれと全く同じ主張が書かれています。
サマーバケーション(という有給休暇)を国が制度として付与してくれるのを待つ必要はない。仕事を辞めればすむことだ、と『ヴァガボンディングガイド』には書いてあります。
堀江さんは旅好きとしても知られていますが、やはり旅人のスピリッツを持っている人なのだと感じました。
お金持ちだから旅をしているのではないということです。
『ヴァガボンディングガイド』は、お金がないと旅行ができないというのは思い込みだ、貧乏放浪旅をすればお金なんてなくなって何とかなる、むしろ失ってはいけないのは時間だ、時間こそが誰もが平等に持っている唯一の資産なのだから旅に出たいと思った時に出るべきだ。そういうことが書いてある本です。
ぜひ一度読んでみてください。私の人生を変えた本です。
時間泥棒に自ら時間を差し出してはいないか?
「人生の質を高めるには、自分時間を増やし、他人時間を減らす」ことだと堀江さんは言います。
いやな仕事や会社など他人の時間に振り回されている場合ではない。自分の時間を起点にすべきだ、と。
これも古くからある考え方です。アドラー心理学を知っていますか?
コントロールできる自分事とコントロールできない他人事にわけて、コントロール可能な自分事のみに集中するようにとアドラーはすすめています。
『時間革命』の中にはアドラー心理学の考え方がちょくちょく登場します。堀江さんはアドラーの考え方に影響を受けていると感じました。
好きな仕事は自分時間だけれど、やらされている仕事、嫌な仕事は他人時間です。
他人時間を強要してくる相手は時間泥棒です。じぶんも時間泥棒にはなりたくないという倫理観をもっています。時間を取り上げることが刑罰になるという刑務所暮らしで堀江さんはこのことを実感したといいます。
だとすれば嫌な仕事を我慢して続けている(他人時間を生きている)ことは刑務所にいることと似ているということになりますね。
自分時間を増やすためには、他人時間を減らすしかありません。
誰もが24時間しか持っていないからです。
それができないのは、嫌われるのが恐いからだ。と堀江さんは言います。ここにもアドラー心理学の影響が見られます。
嫌われる勇気が必要なのは、自分時間を増やすためです。
嫌われないように他人の顔色を気にして生きているのは他人時間を生きていることになるというわけです。
頭の中の他人の評価や過去の思い出に負の感情を再燃させて自分時間を奪われる。
こんな無益なことはないとホリエモンは合理的です。
なかなかこうまでドライに考えられないものですが、大きなことを成し遂げる人はさすがに違いますね。
他人時間に自分時間を売り渡しているのは「自分」
自分時間を奪っているのは他人時間ですが、他人そのものではありません。
他人時間の発生源は、あなた自身の中にある、と鋭いことを堀江さんは言います。
なぜなら自分時間を捨てている真犯人は自分に他ならないからです。
自意識が作り出す世間体(=承認欲求)は心の中のマボロシだから、そぎ落としてシンプルに、スピードに行動せよと本書は勇気を鼓舞します。
本当に大切にしたいこと以外はすべて手放し、自分の根本的な欲求に向きあうこと。
シンプルに考えることで時間が増える。と単純な主張をしています。
先の『ヴァガボンディング・ガイド』の場合は、その時間で旅に出ようという本だったわけですが、別にビジネスを始めたってかまわない。
やりたいことは違っても、考え方は同じです。
ホリエモンのオリジナルな考え方ではなく、人類の普遍的な考え方のひとつ
さて、これまでの人生哲学は、実はホリエモンが世界で最初に考えたものではないという論旨で展開してきました。
ホリエモンのオリジナル性を否定することで、逆に「人類の普遍的な考え方のひとつである」と本書の有益性を逆に強く証明できたのではないかと思っています。
本書『時間革命』は古くからある「タイムイズライフ」の哲学を再提起しているにすぎないのですが、提起の仕方が非常に現代的です。
その現代的な提案こそが、ホリエモンの真骨頂と言えるかもしれません。
スマホを利用した自分時間仕事術については、スマホ以前の哲学者は誰ひとりとして述べていませんからね。
最新テクノロジーを語ることの有利さは、誰もが大家、先駆者になれるところにあります。
自分の時間を増やすには、人にまかせること。他人を使うこと
さて、ホリエモンのライブドア社はブログやニュースを配信する広告収入型の会社だったと思っている人はいませんか?
それは一面に過ぎず実は「投資」の会社でした。
野球チームを買おうとしたり、ニッポン放送を買ってフジテレビを買収しようとしたことは有名です。
投資家らしく、ホリエモンは時間についてこう言います。
自分の時間を増やすには、人にまかせること他人を使うことだ、と。それが彼の時間術の核心だそうです。
さすが経営者ですね。
たとえば先の『ヴァガボンディング・ガイド』において、放浪の旅のため、バックパッカーが自分の時間を最大限に取り戻すために、旅の時間をつくるためには「仕事をやめること」という手段を提案していることにくらべて、経営者らしくホリエモンは同じ考えを深掘りしています。自分の不得手は人にまかせて、その分、自分は得意な分野に集中しろ、と言います。
ブラック企業なら転職すればいい、嫌な仕事ならやめてしまえとホリエモンは思っていますが、そうする勇気のない人が多いことを彼は知っています。だからといって勇気のない人にあわせた意見を言うのではなく、堀江さんはあくまでも自分の意見を言っているのです。別の世の中全員が自分の言う通りにするべきだという意味ではありません。
白黒つけるぜ的なゼロイチ思考は生き方をハードにします。
影響を受けて行動するかどうかは、自分時間を生きるあなた自身が決めることなのです。
人は「暇つぶし」のために働いている
あなたは食べるために働いていますか?
すくなくとも今日や明日の仕事を「食うためだけのために」している人はほとんどいないのではないでしょうか。
私もそうです。今日の仕事は明日のメシ代のためではありません。堀江さんはこのような仕事を暇つぶしと言っています。
仕事=本当はしなくてもいいものだと。
やらなくても誰も困らないような仕事だったら、仕事の意義はたのしい趣味的なもの、自己満足できるものしかやる必要がないのではないでしょうか?
ベーシックインカムのような制度は、仕方なく仕事をしている人を労働時間から解放してくれます。
あなたの時間には限りがある。時間を失うことは人生を失うことだから、嫌な仕事で負け組になることはない。
結果に差が出ることは避けられないが、仕事の目的が楽しむことならば、結果として成果がでなくても不満はもたないはずだ。
成果、お金……そういうものが目的である限り、あなたの人生は他人時間に食い荒らされて終わるだけだ。仕事は楽しいか、楽しくないか、価値はそれしかないと、ホリエモンは負けても満足できる競争社会をつくろうと提案しています。
食欲、性欲、睡眠欲は「幸福を感じるための最高のツール」
食欲、性欲、睡眠欲を満たすことが「幸福を感じるための最高のツール」だと古代ギリシアのエピクロス学派みたいなことを言っています。いわゆる快楽主義ですね。
人生は無常だが、現れては消える「泡」に幸せを感じられてしまう存在が人間なのだから、次から次へと現れる泡を楽しめばいい、とホリエモンは主張しています。
人生に意味なんかないんですね。
「時間の換金グセ」をやめないと一生あくせく働くことになる。
自分の境遇に文句ばかり言う人がいます。
自分がストレスの生活を選んでいるのに。他の生き方も選べるのに。
転職すればいいんですよ。
スケジュールを他人時間でいっぱいにして「忙しい」と不満を垂れていれば、自分の人生の空虚さを忘れていられるからそうしているだけなのです。
みんな他人のことを気にしすぎです。心のエネルギーを他人事に振り向けて浪費するのは本当にばかげていると完全にアドラー心理学と一致したことを堀江さんは言っています。
そうではなく、架空の他人をアタマから追い払い、無心になって没頭できることを見つけよう。
めんどくさい、うっとおしいを解消する手段を常に考えながら、自分でルールを決めること。
他人の作ったゲームの上で動かないこと。
「時間の換金グセ」をやめないと一生あくせく働くことになるぞ、と。
予防医療によって死なないことで自分時間を確保する
さすがホリエモンと思わせる章に入ってきました。イヤハヤ合理的な人ですね。
タイムイズライフの哲学者はたくさん知っていますが(私もその一人です)、こうまで具体的なひとはなかなかいなかったと思います。死なないことで自分時間を確保する、なんて。
最高の「いま」を生きる
嘘は他人が信じる現実に迎合する行為だから、ウソをつけばつくほど他人時間を生きることになります。
本音こそが自分時間です。本音を隠すたびにあなたの人生はどんどん他人時間で埋め尽くされていきます。
ストレスの99%は過去か未来に由来したものだそうです。
人間の脳みそは、目の前にありもしない過去を再現したり、未来をシミュレーションしたりして「わざわざイヤな感情を水増しする」という厄介なくせをもっていますよね。フロイトの言う「防衛機制」とか。「反復脅迫」とか。悪感情を反芻して強化してしまうから、その場で整理をつけてもう思い出さないようにしなければなりません。今が輝いていれば過去、未来を思う余裕はないはずですから。
イマココが楽しい。夢中になるという瞑想をしようとホリエモンはいいます。
「やりたいこと」があるやつが本当に強い。
人生の滝も、自分ではコントロールできないものだから、その流れを楽しんでしまえ。
自信の根拠は数字ではない。本当の自信とは自分の心によせる強固な信用である。数字には上には上が必ずいるものだから。根拠なんてない方がいい。
自分の心だけはコントロールできると確信できるかどうか。思い通りにできるのは自分の心だけだ。
そのためには最高の「いま」を生きることだ。
堀江さんはそのように主張しています。
好きな仕事は自分時間だけれど、やらされている仕事、嫌な仕事は他人時間
友人に「夢はホテルで暮らすことだ」という男がいます。私の知人の職業は公務員。給料の上限が決まっています。今の職業を続けている限り、夢がかなう可能性はゼロですね。
「夢=強烈な望み」だとしたら、ホリエモンの言うとおり、ただちに転職するべきですね。
堀江さんはホテル暮らしをしていることで有名です。洗濯など自分でしないし、食事は100%外食ということですね。
スマホひとつで仕事できると豪語するホリエモンだからできることです。THEノマドワーカーなのが堀江さんです。
モバイルデバイスで顧客の時間をいかに獲得するかを競っている現代では、スマホをつかって情報のシャワーを浴びることが重要だと本書『時間革命』の中で主張されていました。
そして友よ、夢があるなら、他人時間の中に生きることをいさぎよしとせず、今すぐに転職しましょう。
堀江貴文『時間革命』1秒も無駄に生きるな、は現代の良書です。ぜひ読んでみてください。
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このブログの著者が執筆した純文学小説です。
「かけがえがないなんてことが、どうして言えるだろう。むしろ、こういうべきだった。その人がどんな生き方をしたかで、まわりの人間の人生が変わる、だから人は替えがきかない、と」
「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
本作は小説『ツバサ』の後半部分にあたるものです。アマゾン、楽天で無料公開しています。ぜひお読みください。
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物語のあらすじを述べることについての私の考えはこちらをご覧ください。
私は反あらすじ派です。作品のあらすじ、主題はあんがい単純なものです。要約すればたった数行で作者の言いたかった趣旨は尽きてしまいます。世の中にはたくさんの物語がありますが、主役のキャラクター、ストーリーは違っても、要約した趣旨は同じようなものだったりします。
たいていの物語は、主人公が何かを追いかけるか、何かから逃げる話しですよね? 生まれ、よろこび、苦しみ、死んでいく話のはずです。あらすじは短くすればするほど、どの物語も同じものになってしまいます。だったら何のためにたくさんの物語があるのでしょうか。
あらすじや要約した主題からは何も生まれません。観念的な言葉で語らず、血の通った物語にしたことで、作品は生命を得て、主題以上のものになるのです。
作品のあらすじを知って、それで読んだ気にならないでください。作品の命はそこにはないのです。
人間描写のおもしろさ、つまり小説力があれば、どんなあらすじだって面白く書けるし、それがなければ、どんなあらすじだってつまらない作品にしかなりません。
しかしあらすじ(全体地図)を知った上で、自分がどのあたりにいるのか(現在位置)を確認しつつ読書することを私はオススメしています。
作品のあらすじや主題の紹介は、そのように活用してください。
※キンドル本の読み方は以下のページで解説しています。
転職サイトのご紹介
今は、退職代行サービス、転職情報サイト、転職エージェントというのがあります。
このようなサイトに登録しておくと、転職の条件をセットできますので、条件に合う企業を探せます。
あなたが会社を選び、会社があなたを選べばマッチング成立です。
なんだがカップル成立みたいな話しですね。
実際、合コンのようなノリで、登録だけしておいても損はありません。
男女もそうですが、一発でマッチングするとは限りません。
出会う機会は多い方がいいのです。
たくさんの案件が登録されているサイトですので、美女(優良案件)と出会う確率が跳ね上がります。
同じ「働く」でも嫌な仕事は他人時間、楽しい仕事は自分時間です。
堀江さんのいう『時間革命』とは、自分の楽しいことをやるという選択のことです。
いつまでも他人時間に人生を奪われていないで、自分が楽しいと感じられる仕事を見つけてください。
時間は容赦なく過ぎていきますよ。
勇気を出してください。
私は自由の味方です。応援しています!!