仕事後に京都に向かって出発しました。車中泊の旅です。
関東の人間のため、京都に行くのはそこそこ大旅行になってしまいます。
一泊二日は無理ではないが勿体無い、というのが関東人にとっての京都ではないでしょうか。
映画『シェルタリングスカイ』満月なんて何回だって眺められる
途中、富士川サービスエリアで車中泊をする。
「京都そのものよりも車中泊の方が好きなんじゃないの?」
とイロハにからかわれる。
実際、ビジネスホテルに泊まるつもりで出発していたら、これほどワクワクしてはいないだろうと思う。
映画『シェルタリングスカイ』の有名なラストの独白。
「人は生涯で、満月を見るのは、あと何回ぐらいだろうか? 恐らく20回くらいだろう。それなのに、まだ、それが限りないように思っている(人生の短さ、儚さを嘆いている)」
あと20回だって? ポール・ボウルズはどれだけ朝型人間だったのだろうか?
すくなくとも車中泊はやっていなかったに違いない。車中泊を生涯の趣味にすれば、満月なんて何回だって眺められるよ。夜中にトイレに行くたびに月が「Road to toilet」を照らしている。
太陽こそ神。命は星屑がほんの一瞬、太陽の光を浴びてキラリと反射しただけのもの
車中泊の朝はいつも最高だ。昇る朝日は神々しい。太陽こそが地球の神であり、命とは星屑がほんの一瞬、太陽の光を浴びてキラリと反射しただけのものではないだろうか。
少し寒くなってきたけど、桜エビかき揚げ蕎麦で朝食
いろは「エビが香ばしくて美味しかったニャー」
ハルト「なんで猫なんだ? 野良猫を見たからか?」
リアル富士山は雲に隠れて見れなかったけれど、カマボコ富士山を見ることができました。
たくさんのお茶畑。将来、静岡県に住むのも悪くないなあと思う。豪雪地帯ではないし、海もあるし、東海道は心臓でいう大動脈だからな。
キミはアフロなブッダを知っているか?
京都旅の目的は紅葉狩りであるが、ついでに見たかったもののひとつに『アフロ仏』があった。
アフロブッダとは、金戒光明寺にある仏像のことである。
散髪もせずに修行しまくっていたために螺髪が御覧の通り伸びてしまい、実験に失敗して爆発しちゃった科学者みたいになっている仏像である。
散髪前。「アフロはん」と縁なき衆生に呼び捨てにされていました(汗)。
アフロ仏をもうちょっと上に登ると、突然、散髪後の如来はんが現れます。こちらが散髪後。サッパリしたなーー。
祇園のハードロックカフェはファンキーだぜ
金戒光明寺から真如堂、銀閣寺まで歩いて本日の徒歩放浪旅は終了。
夜は祇園を散歩。いかすハードロックカフェを発見。
世界中でハードロックカフェを見てきたけれど、こんな変わったハードロックカフェは見たことがありません。
エレキギターにTボーンステーキがハードロックカフェだと思い込んでいた私にはちょっとした衝撃でした。
京阪の特急電車は特急券なしでも乗れる
本日の宿は伏見駅(に泊めてある車の中)。
祇園四条から京阪電車に乗ったのだが、最初に来た電車が特急だったので見送って、普通電車に乗った。
後で関西在住の友人に聞いたら、なんと京阪の特急は、特急券なしで乗れるらしい。
関東者だから、特急と聞いて反射的に見送ってしまった。関東の貧乏人は、ふつうは特急には乗らない。
特急に乗るには乗車券のほかに特急券が必要だからだ。それが関東の常識である。
特急なのに特急券がいらない、というのはカルチャーショックであった。
大阪で「関東煮」というものが売っていて、興味津々で注文したら「おでん」が出てきてがっかりしたことがある。あれもカルチャーショックであった。
関西は異文化です。関東から見ると。
人間は「定義」の中で暮らしている。定義とは人間が決めたものであり、確かなものではない。定義は「思い込み」であるかもしれない。旅はそんなことも教えてくれるのだ。