焚き火。温められた血が全身をめぐって、あったまる
ときどき焚き火キャンプを楽しんでいます。
とくに冬場に焚火に手をかざすと、ずっとかざしていられないぐらい手のひらが熱くなりますね。
手のひらには血管が集中していますので、そこから温められた血が全身を駆けめぐることで、温まることができるのではないでしょうか?
焚き火はにおう。衣服に臭いがつく
冬キャンプに欠かせない焚き火ですが、この焚き火は大昔は生活必需品でした。エアコンをはじめとする各種近代暖房器具がなかったころには、焚き火は冬の必需品でした。暖炉やいろりは焚火の変形です。基本的には同じものですね。
さて、この焚き火。やっているときにはあまり感じませんが、実際にはものすごくにおいます。とくにそれを感じるのは帰宅後の衣服。焚火で使ったウエアは、洗濯したのに焦げたようなにおいが抜けません。おそらくは煙のにおいなのでしょう。
このにおいの元である焚き火の煙は、体に悪くないのでしょうか?
焚き火の煙は体に悪い。吸い込まない方がいい
洗濯してもにおうということは、肺の中でも同じように、においが消えないはずだと思います。
調べたところ、焚火の煙には、体に悪影響を及ぼす成分(一酸化炭素やPM2.5)が含まれているそうです。いくら暖かいからって、やっぱり煙は吸い込むべきではありません。ひどいと頭痛がするそうです。
ときどき焚き火の煙にいぶされて眼球がしみることがあります。あれもよくないんですね。
風上に立つ工夫。ふたりで三脚のキャンピングチェア
私は嫁と二人でキャンプをすることが多いのですが、キャンプの周りの椅子は三脚です。
煙を吸い込まないためには、遠く離れるか、もしくは風上に位置どるしかありません。しかし風向きって急に変わる時があるので、いつも同じ場所にはいられません。つまり移動しなければなりません。
そういうときに椅子が三脚あると、移動がとても楽です。アウトドアチェアで軽いので、椅子ごと移動すればいいのですが、それよりも立って人だけ移動した方が楽なので、そうしています。
先祖の暮らし。キャンプは現代ではものすごく贅沢な行為
私は、体に悪いものは極力排除する主義です。
蚊取り線香も大嫌いです。あの煙を吸い込むと頭が痛くなります。蚊は蚊取りバドミントンで撃墜しています。
「蚊取り電撃ラケット」で「蚊殺しバドミントン大会」(絶滅屋)
暖房もエアコン派です。エアコンは電気だから火災の心配もないし、温度調節もできるし、ボタンひとつで簡単だし、燃料補給しなくていいし、なにより空気を汚さないので最高です。灯油ストーブなんかは確実に室内の酸素を消費して部屋の空気を汚していますよね。
そんな私ですが、冬キャンプでは、焚火にかぶりついています。煙を吸い込んでも、肺から体が温まるぐらいの気持ちで、焚き火の周りから離れません。
かつて寒い地域の人たちはみんな利用していた焚き火ですが、体に悪い部分もあったのですね。それでも寒いよりはマシだと、デメリットを引き比べて採用したものでしょう。
それが人類の友、焚き火です。
わざわざ寒い時期に、払わなくてもいい場所代を払って、薪を買って、吸わなくてもいい煙を吸い込む。それがキャンプです。ものすごく贅沢な行為だといえるでしょう。
そうまでして、なんでこんなことをやっているのかというと、やはり安楽な生活だけでは物足りないからでしょうね。
人生を買うという行為だけで終わらせないために。『ロビンソン・クルーソー』
ハードシェルに守られた近代の楽すぎる暮らしから時には離れて、先祖が何千年、何万年とやってきた、本能に染みついた古い暮らしをやってみると、自分の中の古い部分が目覚めるような気がします。焚火を眺めていると時間がたつのを忘れて物思いに浸ってしまうのは、それが先祖の暮らしであり、太古の心の琴線にふれるからではないでしょうか。