サラリーマンより遊民
「遊民主義」をとなえているアリクラハルトと申します。
わたしが遊民主義をとなえるようになったのは、諸外国を放浪していく中で、数かぎりない「何もしていないで寝転がっている人」を見たことがきっかけです。
東南アジアではスーツ姿のサラリーマンが「働かなきゃ生きていけない貧しい人」に見えました。どうみてもサンダルで寝転がって日向ぼっこしている「何もしていない人」の方が豊かな人に見えてしかたがなかったのです。
どちらになりたいか? と聞かれたら、スーツ姿のサラリーマンではなく、Tシャツに短パン、サンダルの寝転がっている人【遊民】でした。わたしは「あちら側」に行きたかったのです。それ以来わたしは「サラリーマンより遊民」という哲学を日本で実践できないものか、と考えています。
このブログで訴えている「サンダルは自由の象徴」「ネクタイはやがて滅び去るだろう」などは、すべてユーミン主義(遊民主義)から主張していることです。
ハンモックには丈夫な立木が二本必要?
わたしは遊民主義のアイコンとしてサンダルを選びました。しかし遊民主義のアイコンとして、他にも候補となるものはありました。その中のひとつが「ハンモック」です。
ハンモックはまさしく「のんびり眠る」に直結しているアイコンです。遊民主義にぴったりだと思いませんか? しかしわたしはアイコンにサンダルを選び、ハンモックはやめました。
サンダルは走ることにも直結するため「走ることで自由になる」遊民の自由思想を表現することができます。サンダルは日本人にとっても馴染みの深いものです。とくにビーチサンダル(ビーサン)は日本の草履から発展したものだといわれており、THE日本文化だといってもいいでしょう。
わたしが遊民主義のアイコンにハンモックを選ばなかったのは、ハンモックは日本人にとってあまり馴染みがないと思ったためです。これまでにハンモックで寝たことがある日本人って100人中何人ぐらいいるんでしょうか。
東南アジアの市場では「おみやげ」としてのハンモックがよく売られています。「両端を木に結ぶだけだ。簡単に設置できるよ」と店員は購買を勧めてきます。「いや木がないから」と断ると「木がない? オーマイガッ!」と驚かれました。「木がないなんて、なんて可哀想なんだ」という言い方です(笑)。
しかし実際のところ、自宅の庭にハンモックを吊るせるような立木がある日本人はそんなにいないんじゃないでしょうか。体重の半分を支えるようなそこそこ丈夫な立木が二本必要ですし、寝転がって網を張れるだけの十分なスペースが立木のあいだに確保できることが必要です。
「アジアのおみやげのハンモック」はお値段も手ごろで、畳むと小さくなるので邪魔にならず、カラフルで魅力的だったのですが「実際に日本で使えるかな?」という点で、ついに買って帰ってくることはありませんでした。
自立式ハンモック
ところが最近では「自立式ハンモック」というのが販売されています。
これは非常に便利です。自立式ですから立木がなくても使えます。それどころか庭がなくてもアパート、マンションでも使えます。自宅でハンモック生活を楽しめます。
これならば遊民主義のアイコンにしてもよかったかな、と思うほどです。支柱の分すこし重たくなりますが、どこへでも運んでそこで眠ることができます。キャンプ場などでも活躍するのではないでしょうか。
ハンモックで実際に寝た感想は……なるほどよく眠れます。同じベッドでばかり寝ていると寝床の感触に飽きてしまいますが、ときどきハンモックで寝ると気分転換になるでしょう。寝るということがイベント化します。楽しくなります。ひなたでちょっと昼寝するのに最適です。
テント、椅子を捨て、タープとハンモックでキャンプする人たち
芸人のヒロシがYouTubeで流行させたようですが、最近ではハンモックとタープのみでキャンプする人が増えているそうです。
なんとテントと椅子を持って行かないというのです。旧来のキャンプスタイルからは考えられません。
どうするのかというと、椅子の代わりにハンモックに座るのです。そしてハンモックの上にタープをかけてそこで寝るそうです。タープの角度しだいで雨露は防げます。
なるほど天候がよければなんとかなりそうですね。アウトドアが従来よりもっとアウトドアになります。
おすすめの多用途ハンモック。寝る。座る。干す。
しかしハンモックを椅子にするにはちょっと工夫が必要です。寝る高さだと座るには高すぎます。低い位置にハンモックを張りなおさなければなりません。そうしないと椅子として使うには座り心地が悪くて仕方ありません。
ハンモックを張りなおすなんて面倒だと思っていたら、3WAYハンモックというものが販売されていました。
自立式でハンモックにもなり、フレームを調整して専用のハンモックを張ると椅子になるという製品です。
普通のハンモックを椅子として使うと「背もたれ」がありませんが、こちらの専用ハンモックだと背もたれができる設計のため、体重を後ろにあずけてリラックスすることができます。
寝具として使わないときには、付属のポールを取り付けて「物干し台」にもなるというスグレモノです。
これは「買い!」ではないでしょうか。自宅で使うならこれしかないと思います。
蚊帳付きのハンモック(アウトドアの天敵は蚊)
デイキャンプならまだいいのですが、実際にタープとハンモックで夜を明かすとなると最大の敵は「蚊」ではないでしょうか。
テントの中の狭い空間ならば蚊を全部殺してから眠ることができますが、タープとハンモックではそうはいきません。
キャンプなどでは蚊帳つきのものが圧倒的に便利です。夜中に蚊に襲撃されたらとても眠っていられません。
おすすめの3WAYハンモック。ハンモック。マット。寝袋。
こちらのハンモックは、違う設計思想での多目的ハンモックです。アミアミの蚊帳ではなくファスナーで上部を閉じられるため「寝袋」として使える仕様になっています。
また素材からマットとしても使用できるというものです。
網系より布系。ハンモックは自由な遊民の象徴
アジアで売っていた「おみやげ用ハンモック」は網系のハンモックでした。しかしこうした新素材の布系ハンモックだと、ひとつで多用途に使えます。
旧来のアミ系ハンモックだといくら軽くて安くても買う気にならなかったわたしですが、自立式ハンモックや、多用途ハンモックだったら話しは別です。
とくに自立式のハンモックは日本の住宅事情にはあっていると思います。立木が二本ある場所にしか設置できないというハンモックの不自由を自立式は解消しています。
見晴らしのいい場所まで車で自立式ハンモックを運んで、のんびりとハンモックで眠るのは最高ですよ。
それこそまさに豊かな暮らしを体現する人=遊民なのです。