ドラクエ的な人生

海外旅行でツアーとはぐれちゃった事件

どうもハルトです。みなさん今日も楽しい旅を続けていますか?

このページでは、個人旅行者がめずらしく団体ツアーで行った海外旅行で、自由時間にツアーとはぐれて置いてきぼりにされてしまった事件について書いています。

そこからなんとかこれまでの個人旅行でつちかった経験をいかしてツアーに復帰するまでの奮闘と、その際に起こった「人の縁」という奇跡について、このページでは書いています。

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不安が旅を面白くする「出たところ勝負」の個人旅行

私の海外旅行は「出たところ勝負」の個人旅行が主です。航空券だけ日本で購入し、後はすべて現地で手配します。宿も決めていきません。安宿街に行き、ホテルは自力で探します。その日の最大の冒険は「今夜の宿泊場所の確保」だったりすることがよくあります。

世の中には数年単位でさすらっている人もいます。自分の旅行を「放浪」と称しているのは、旅のベースのところがそういう人たちと同じだからです。

日本では想像もしなかった場所に滞在していることがよくあります。でも自由と偶然に身を任せる感覚が個人旅行の最大の醍醐味だと思っています。不安が旅を面白くするのです。

香港安宿事情

世界の安宿街(ダウンロードフリー画像)

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団体旅行を選ぶこともある

自由な放浪の旅を愛する私ですが、ときには団体ツアーを選ぶこともあります。

とくに4箇所以上の都市を周遊する場合には団体旅行が選択肢に入ってきます。たとえばトルコに一生に一回しか行けないとしたら、トロイ遺跡も、カッパドキアも、パムッカレも、新約聖書のエフェソも、イスタンブールも、ぜんぶ見たいですよね。

これらすべてを個人で手配するのは非常に面倒くさいものです。手配が面倒くさいというのが最大の理由でツアーが選択肢に入ってきます。

個人旅行が安くあがるのは、現地で庶民の移動手段で移動するからですが、それゆえに不確実です。バスには座席が埋まってしまって乗れないかもしれませんし、そもそも予想に反してそんなバスルートは存在しないかもしれません。日程に余裕がなかったり、絶対に見たいものがあったりする場合には、個人旅行は避けたほうがいい場合もあります。あまり無茶な日程を組むと、日程通りに帰国便に間に合わない事態も考えられます。やはり放浪の個人旅行は『深夜特急』のように帰国日が決まっていなかったり、タージマハルのような著名な観光地をそもそも見る気がない場合にこそ向いているのだと思います。

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自由時間に、ツアーの仲間とはぐれちゃった事件(置いてきぼり)

ところでそんな団体ツアー旅行ですが、みなさんはツアーの仲間とはぐれたことはありませんか?

私たちにはあります。トルコ周遊ツアーにイロハと二人で参加したときのことです。イスタンブールのグランバザールでツアーの皆さんとはぐれてしまいました。

それは自由時間のことでした。いったん解散し、時間になったら再度集合するという「よくある自由時間」です。

わたし「再集合、何分後だっけ? 四十五分後だっけ?」

イロハ「そういったと思うけど」

ところが団体の再集合時間は15分後でした。現地ガイド(トルコ人)のちょっとなまった日本語でちゃんと説明があったのですが「じゅうごふんご」を「よんじゅうごふんご」と聞き間違えてしまったのです。

っていうか、グランバザールの見学時間が15分ってありえます?

もしこれが個人旅行だったら、たぶん一日ずっとグランバザールで過ごしています。個人旅行者にとって海外の市場は一番の「おもしろスポット」ですから。

15分の見学時間なんてありえない、という先入観が、時間を聞き間違えさせたのかもしれません。

そもそも垂涎スポットのグランドバザールに夢中になりすぎて、気づいたときには指定の15分なんてとっくに過ぎていました。美しい異国のトルコランプや絨毯やガラス製品に魂を奪われているうちに、時間がたっているのを忘れてしまいました。45分でも足りませんでしたが、団体行動しているので仕方なく、後ろ髪を引かれる思いでウィンドウショッピングを切り上げて集合場所へと駆け戻ったのです。

ところが集合場所には誰もいませんでした。いくら待っても誰も来ません。あたりを探しましたが、ツアー仲間は誰一人として見つけることができませんでした。

30分待って気づきました。ツアーは先に出発してしまい、置いてきぼりにされてしまったのだ、と。

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個人旅行にはない団体旅行ならではのトラブル

正直「こりゃあまずい」と思いました。(汗)

個人旅行に比べて団体ツアーはトラブルが少ないのがメリットですが、ツアー仲間とはぐれちゃうというのは個人旅行にはない団体旅行ならではのトラブルだといえるでしょう。

ツアーは次の旅程をこなさなきゃなりません。次の訪問場所に時間の予約があります。いつ帰ってくるかわからない私たちをいつまでも待っているわけにいきません。

その理屈は頭ではわかるのですが、見捨てられた当時は大パニックでした。

黄金や布製品やお皿、宝石、香辛料……次から次へと現れる異国情緒あふれる商店に夢中になっていた間は幸せでしたが……これは個人旅行ではなく、ツアー旅行でした。帰国便のチケットを含めてツアー会社が取り仕切っていますので、なんとかどこかでツアーに合流しなければ、日本に帰ることができません。

さしあたり今夜泊まる場所さえも、ツアーと合流しなければ自力で探さなければなりません。

まずい、まずい、まずい、まずい、まずい……。

ヤバいと思う反面、ツアーとはぐれてから、急に楽しくなってきました。このトラブルをなんとか解決しなくっちゃと思ったら急に面白くなってきたのです。

トラブルこそ旅の醍醐味。今こそ、これまでの個人旅行でつちかった経験値を発揮する時です。

……というように、ツアーから置いてきぼりにされたら急に旅が生き生きとしてくるのですから困ったものです。長らく個人旅行を続けてきた結果、団体旅行にはそぐわない人間になってしまったのかもしれません。自由すぎるというか……ツアーに向いていないタイプなのは間違いないでしょうね。

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困った旅人を助けてくれるのはホテルのレセプション。

ツアー仲間とはぐれちゃった私たちが、その後、どうしたか、お話しします。

集合場所でずっと待っていても、おそらくもうツアー仲間が私たちを探しに戻ってくることはないでしょう。日程表に書かれたとおりに、次の観光地を見て夕食をとっているはずです。ツアーは時間で動いています。お客様と約束した予定をこなさなければならないのです。

私たちは宿泊予定のホテルに自力で行って、ロビーでツアーと合流しようと思いました。さいわい旅程表には宿泊先のホテル名が明記されていました。

そういう意味ではラッキーでした。これから他の都市に移動するような旅程だったら、二度とツアーと合流することはできなかったでしょう。

また、格安ツアーだと予約ホテルが郊外にあったりします。観光地、繁華街から遠く「安かろう悪かろう」だったりするのですが、この時はたまたまイスタンブール市内のホテルでした。それもラッキーでした。

しかし、問題もありました。ツアーが宿泊するホテル名はわかりましたが、ホテルの場所がわかりません。ホテルの場所がわからなければ、タクシーに乗ることもできません。

これには困りました。しかし私たちには経験値があります。

パリでアパルトマンに泊ったときのことです。オーナーと会って鍵を手渡してもらうスタイルだったのですが、時間に会えず困っていた時、旅人を助けてくれたのはホテルのレセプションでした。

みなさんも、このことは覚えておいていいでしょう。困った旅人を助けてくれるのはホテルのレセプションです。必ずしも自分の泊まるホテルでなくても、ホテルは旅人を助けてくれます。

過去の経験値から、私たちは近くの一流ホテルに飛び込んで、レセプションに事情を説明しました。フロントの係の者は嫌な顔ひとつせずに、インターネットをつかって私たちが泊まる予定のホテルの場所を調べてくれました。タクシーで何分ぐらいかかるかも教えてくれました。チップを渡そうとしましたが、受け取ろうともしません。

レセプションでは『わたしたちは日本人でとても困っている』とアピールしました。トルコは親日国だから、あえての日本人アピールです。

私は道を聞くのも現地人との交流のひとつだと思っています。ただ道を聞くぐらいなら通行人に聞いたと思いますが、ホテルの住所はメモを取る必要があったため、ホテルのレセプションを頼ったというわけです。

※ちなみに当時の私たちは現地SIMカード・スマホはおろか、携帯電話さえ持ち歩いていませんでした。現地SIMカード・スマホがあれば、簡単にホテルの場所なんて調べられます。そのかわり現地の人との会話のチャンスをひとつ失ってしまいますけど。

さほど遠くない場所だったのでタクシーでホテルまで移動しました。

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奇跡は人の縁

 

さて、これでどうにかツアーが宿泊する予定のホテルまでは行けました。

ホテルのフロントに腰かけて、次の作戦をねります。考えなければならないのは「ツアーと合流する方法」です。

旅程表を見ると、ツアーはどこかで夕飯を食べてからホテルに来るようです。何時に来るかわかりませんが、かなり遅くなりそうです。このままレセプションのあたりでずっとツアーを待つという手がありますが、何時に戻ってくるかわからない人たちをひたすら待つというのはけっこう辛いものです。

また、ツアーコンダクターも私たちのことを必死で探しているかもしれません。なんとか「こっちは無事で、宿泊予定ホテルのレセプションで待っている」ことを伝えたいのですが、当時はまだスマホを持ち歩いていませんでしたから、連絡がとれないのです。

ツアー仲間が来るまで、ホテルのフロントのソファに座ってひたすら待つことを私は覚悟していました。

ところがしばらく待っていると、他の日本人団体ツアーがホテルにやってきました。

「あれ、あの人…」

パートナーのイロハが呟きます。そのツアーの女性アテンダントに見覚えがあるというのです。

「たぶん…。間違いないと思う。オリエント急行の終着駅で食事をしていた時、ウチのアテンダントと彼女が話をしているのを見たから」

「まさか。気のせいじゃないの?」

私は容易に信じられませんでした。イスタンブールで知っている人に再会するなんてことは確率的にありえないことだと思ったからです。

「もしそれが本当なら……勇気をだして声をかけてみよう」

私は彼女に近づいて、

「お忙しいところ、すいません。私たちは××さんのツアーの者ですが、××さん(ツアコン)を知っていますか? あなたが××さんとオリエント急行の昼食で喋っているのを見たというんですが……」

思い切って声をかけてみると、イロハの記憶どおり、うちのツアコンと彼女は友だち(同業者の仕事仲間)でした。

「これで助かった……」

正直、ほっとしました。

私たちはツアーとはぐれてしまった事情を彼女に話し「××さんが私たちのことを探しているかもしれません。彼と連絡とれませんか?」

その女性アテンダントのケータイには××さんの連絡先がありました。

彼女は、我々のアテンダントに電話して、私たちと電話を代わって××さんと話しをさせて、無事を伝えて安心させただけでなく、なんと私たちの今夜の部屋のチェックインまでしてくれたのです。

本当に助かりました。

アテンダントの心配も解消することができたし、わたしたちも何の心配もなく部屋でひと眠りすることができて、フロントで無為な時間を過ごさずに済んだのです。

感謝のしるしにチップを渡そうとしましたが、彼女は頑として受け取りませんでした。外国にもこのような人もいるのです。

「いい人だったな。ツアーの仲間にも謝らなきゃね。貴重な時間をわたしたちを待たせるために使わせてしまったのだから」

グランバザールの約束の場所、時間に、ツアーは私たちのことを15分ぐらい待ってくれたそうです。集合場所の周辺にはお店がいっぱいだったから、それを眺めて待っていたので時間を無駄にはしていなかったそうですが、いちおう平謝りです。

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集合時間はデジタル腕時計のアラームに覚えさせる

イスタンブールではたまたまうまく合流できたけれど、基本的にはツアー仲間とはぐれちゃうなんて大トラブルなんだから気をつけなければなりません。

個人旅行では、いつも時間を忘れて好き勝手に過ごしているから、たまに団体行動だと調子が狂うのです。

それ以来、私たちは再集合の時間はデジタル時計のアラームに記憶させるようになりました。デジタルアラームならば時間を忘れることはありませんし、時間が近づけば教えてくれます。

もちろん、再集合の時間も聞き間違いのないように。それがそもそもの前提です。

私はアメリカの現地バスツアーで、フィフティーンとフィフティを聞き間違えて、休憩時間が50分かと思い、昼寝してバスの出発に置いていかれそうになりそうになったことがあります。ツアーの人が探してくれたので助かりましたが。

ツアーに置いてきぼりをくったばかりに、旅が楽しくなり、さらには「人の縁」という奇跡的な体験までさせてもらうことができました。

でも……でも……やっぱり置いてきぼりをくらったツアーに合流できたのはラッキーだったと思っています。ツアーが街を去る日だったらと思うと今でもゾッとします。

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あいつ今何してる?

実は、このトルコツアーには私たちだけでなく、普段は個人旅行をしている旅の達人たちも参加していました。やはり短い日数で効率的に回るためにツアーに申し込んだのだそうです。

私たちが「待たせてしまって、心配させてしまって平謝り」した人たちの中にも、

「海外旅行でいちばんおもしろい市場の見学時間が15分だなんて、時間が全然足りないですよね。一緒に離団すればよかったなあ」

なんて笑ってくれる人もいました。こういう人たちのことは、いつまでも覚えています。

常に自力解決、常に冒険の個人旅行もいいものですが、ツアーにはツアーのたのしさがあります。

とくにツアー仲間のことは、一緒に修学旅行に行った学友ぐらい思い出に残っています。ときどき、あいつ今、どこを旅しているかなあ、と思い出すことがあります。写真などを眺めていると、時々なつかしくツアー仲間のことを思い出すのです。

一緒に旅した仲間たちが、今日も元気に世界の空を飛び回っていることを私は祈っています。

※そのほかの旅先でのトラブルの数々はこちらのまとめサイトからどうぞ

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