心からチップを払いたくなる瞬間というものがある

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【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者

youtube 始めました。(grandma-cuisine

どうもハルトです。みなさん今日も楽しい旅を続けていますか?

日本、いい国ですよね。日本から出なくても、何の問題もありません。日本で暮らせるということは、とても幸せなことです。

しかし日本から出ないと経験できないこともあります。

その一つがチップ。日本から出たことがない人は、チップを払ったことがないのではないでしょうか。

チップは、サービスに対する感謝の心づけです。

この習慣を日本からなくしたのは豊臣秀吉だと聞いたことがあります。

織田信長以前の日本には、関所の通行税や、座(ギルド)に上納金を支払っていたのですが、有名な『楽市・楽座』によってそれら(何か行動するたびにいちいち払わなければならないのですから、チップみたいなものです)を撤廃しました。

後継者の豊臣秀吉は、織田信長の政策を引き継ぎましたので、楽市楽座も引き継ぎました。秀吉が天下統一しましたので、天下が楽市楽座となったということです。つまり日本からチップをなくしたのは秀吉だというわけですね。

チップのない国の人間にとって、このチップというのはとても面倒くさいです。いちいち小銭を取り出して払わなければいけない。

ポーターが荷物を運ぼうとすると、ひったくって自分で運びたくなります。後でチップを払わなければなりませんからね。

とくに空港で大きな札しか両替してもらえなかった時には、要注意です。

タイでのことです。

空港から直接ホテルに着いて、部屋までポーターが荷物を運んでくれました。当然、彼はチップをもらえるものと思って、私がチップを渡すのを待っています。

100円程度の小銭をあげればいいのですが、こちらは空港で大きなお金しか両替してもらえなかったため、手元に小銭がないのです。

ポーターがいつまでも立ち去らないので、泣く泣くチップを渡しましたよ。一番小さなお札で(1000円前後でした)。

( ノД`)シクシク…

自分で運びたかったのに。

チップの金額もタクシーの運転手には料金の15%ぐらい上乗せで払うとか、レストランでは消費税を抜いた本体価格に20%を上乗せして払うとか、国によってだいたいの目安が決まっているのですが、めんどくさいことこの上ないです。

(ꐦ°д°)計算できるかっつーの!!

そのくせ屋台やフードコートでは払わなくていいのです。

じゃあタベルナとか、ビストロとか、こじゃれたケーキ屋とかは払うべきなのか。中間的なものはどうなるのでしょうか。

一流ホテルではルームメイクしてもらう人に対して、枕元に100円程度のチップを置いておいた方がいいと言います(枕チップ。ピローチップ)。ではバックパッカーの泊まるような安宿の場合も枕チップは必要なのでしょうか? 一流ホテルがレストランなら、ゲストハウスは屋台のようなものです。屋台のチップはいらないのですから、安宿のルームメイクにチップはいらないとも言えます。払う基準がよくわからない。

しかし「貰えるものは貰いたい」のが人情ですから、観光業界ではチップというのはどんどん勢力を広げています。「国としてはチップの習慣はないが、ホテルなど観光業界だけはチップの習慣がひろがりつつある」ということもよくあります。

白人たちが気前よくチップを渡すので、その国の流儀に従ってノーチップの日本人が、なんだか気まずい思いをしなければならないこともあります。こうして観光地は白人優先になっていくわけです。一番いい部屋やテーブルは白人さんに取っておこうということになります。

それでも私は、現地の人がチップを払わない場面では、払いません。

ケチなのではなく、それが私の流儀だからです。

たとえば買い物でも同じ流儀を貫きます。「日本の価格から見て安い」というだけではまず購入しません。市場などでも現地の価格まで値切り倒します。

そうしないと現地の価格を吊り上げてしまうからです。

例えば日本に来るリッチな中国人観光客が、日本の化粧品を常に日本人の2倍の値段で購入しつづけたらどうでしょうか。やがて販売員は日本人に売るのは嫌になって中国人にしか売りたくなくなるのではないでしょうか。

また、観光客はチョロイと思われるのも不本意です。こちらは暮らすように旅をしているのだから、暮らしている人と同じ価格にしてもらうというのは旅の本質的なこととかかわるのです。

そんな私でも、思わずチップを払ってしまったという体験があります。

タイでのことです。

当時から私は布製の3ウェイバックを愛用しているのですが、なんと南京錠の鍵をカバンの中に入れたまま鍵をしてしまったことがありました。

(((( ;゚д゚)))アワワワワ

どうしましょう。財布もパスポートも一切合切がカバンの中です。

痛恨のミスですが、迷っている余地はないようでした。

私は決意し、開かないカバンを転がして、ホテル1階のレセプションに行きました。

「でかい刃物を貸してくれ」

これまで爪切りやハサミを借りたことはありましたが、刃物を借りたことはありません。

「何だ? どうしたんだ?」

レセプションの人は驚いて尋ねます。人を殺せるほど大きな刃物を借りようというのですから、おだやかではありません。

「キーをカバンの中に入れたまま鍵を閉めてしまった。パスポートもカバンの中だ。さいわい布製なのでカバンを切り裂いて中身を取り出す。ジャックナイフみたいな大きな刃物はないか?」

ナイフを突き立てて、カバンを引き裂くジェスチャーをします。

愛用のカバンでしたが、他に方法はありません。財布とパスポートのためです。

帰国する時は、新しいカバンを買って帰るしかありません。

何とか切り裂かずにバックが開かないかとレセプション係もいろいろ試してくれますが、もちろん開きません。

やがてレセプション係は諦めて、荷物係の人を呼んでくれました。バックパッカーが最終日に荷物をホテルに預けて出歩くときに利用するあの荷物の係の方です。

荷物係は私のカバンの南京錠を見て、

「ちょっと開けてみるから待っていろ」

そう言うと、クリップを伸ばしたみたいな針金を南京錠の鍵穴へと差し込んで一生懸命鍵を開けようとします。

ハァ?! (━_━)ゝ

ルパン三世じゃあるまいし、針金で南京錠が開くか!

バカにした目で荷物係を見下ろして、彼の作業にはいっさい期待しませんでした。

それよりも刃物をどこで、どうやったら無料で貸してもらえるか頭を巡らせます。

包丁を借りるのは無理だろうなあ。

バッグの布が頑丈そうなのが今更ですがネックです。

先が尖ったハサミなら穴ぐらい開けられるかな? 穴さえ開けば、そこから切れるかもしれないが。。。そんなことを考えているうちに

「開いたよ」

(゚∇゚ ;)エッ!?

なんとあっさりと荷物係は針金で南京錠を開錠してしまったではありませんか。

な、なにぃ~!

まさか本当に針金で南京錠が開くなんて。

荷物係を眺める目つきが感謝と尊敬にみるみる変わっていきます。

まさかカバン無傷で、サイフとパスポートを取り戻せるなんて。

私は思わず財布から1000円程度のお札を取り出して荷物係に手渡していました。

むっちゃ・グラシアス。コップクン・カー」

荷物係は最初はチップなんていらないと断りましたが、私が是非にと手にお札を握らせました。

「コップクン・カー。謝謝。謝謝」

この時は本当に助かりました。1000円程度じゃ安すぎるかなと思ったくらいです。もっと出してもよかった。

ああ。こうしてチップというものが誕生したのだな、と実感しました。

レストランでは何%、タクシーでは何%というのではなく、こういう自然な感情にチップというのは任せたいですよね。

チップの額も、相手のガンバリ具合や、こちらの感謝の度合いで変わってくるのが本来の姿なのだと思います。

欧米人はチップがあるからサービスがよくなると信じています。だから払うんですね。

荷物係の神業のおかげで南京錠が開いて、私はカバンを切り裂かなくてもすみました。

しかし。。。

針金で開いてしまうような南京錠なんて、何の役にも立たないじゃないか。

(๑•﹏•)

私はそう思い、その南京錠は捨てました。

今では4桁のダイヤルロック式の南京錠を使っています。これならば鍵をカバンの中に入れたまま施錠してしまうこともありませんから。

3桁ではいけません。3桁の数字のロックなんて、1、2、3、4~と順番に合わせていけば、30分もあれば開いてしまいます。役に立ちません。

基本、チップ嫌いのハルトですが、日本人でも心からチップを払いたくなる瞬間というものがあります。

そういうときは、心のままに支払えばいいのです。たとえそれが現地のチップの相場をぶっ壊すことになろうとも。

サハラ砂漠で大ジャンプする著者
【この記事を書いている人】

瞑想ランニング(地球二周目)をしながら心に浮かんできたコラムをブログに書き綴っているランナー・ブロガーのアリクラハルトと申します。【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。
ランニング雑誌『ランナーズ』の元執筆者。初マラソンのホノルル4時間12分から防府読売2時間58分(グロス)まで、知恵と工夫で1時間15分もタイム短縮した頭脳派のランナー。市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。地元走友会のリーダー。月間走行距離MAX600km。『市民ランナーという生き方(グランドスラム養成講座)』を展開しています。言葉の力で、あなたの走り方を劇的に変えてみせます。
また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。
そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。江戸川左岸の撃墜王(自称)。スピードが目的、スピードがすべてのスピード狂。ロードバイクって凄いぜ!!
山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。
その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。タイ。ベトナム。カンボジア。マレーシア。シンガポール。インドネシア。ニュージーランド。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の28ケ国。パリとニューカレドニア、ホノルルとラスベガスを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。ソウル日本人学校出身の元帰国子女。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。
登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。
千葉県在住。夢の移住先はもう決まっています!!

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