韓国からの入国に隔離規制がされるだと?
新型コロナウィルスの騒動で、韓国との行き来に制限がされるというニュースを見た。ソウル日本人学校の子供たちがテレビに映っていた。かわいい私の後輩たちである。私はソウル日本人小学校の出身である。
その後輩たちが帰国したら「14日間隔離」で自宅から出られない措置が取られると聞いてペンをとった。
日本人学校の子女には「一時帰国」と「永久帰国」という二種類があって、永久帰国だったら14日間の隔離も別に痛くないが、一時帰国だったら14日も自宅軟禁されていたら帰国にあてた日程が消化されてしまう。楽しみにしていた一時帰国なのに、自宅にいるしかないなんて。。。後輩たちが可哀想すぎる。
大人になって世界中を旅するようになってわかるのだが、帰国子女を名乗るのが恥ずかしいぐらい韓国は近い。東京から見たら沖縄の人の方がずっと遠方なのだ。
韓国駐在員の一時帰国の旅程なんてほんの数日のはずである。それでも駐在員の妻子にとって最大の楽しみである一時帰国が自宅隔離で終わるなんて気の毒すぎる。限られた一時帰国の時間を14日も自宅隔離されたら、何のために帰ってきたのかわからない。
せめて日本人だけでも自由にさせてやれよ。病原菌の検査なんてすぐ済むんだろ。韓国帰りだけ隔離したって意味がないと思う。どうせ病気は蔓延するし、おさまるときにおさまるだろう。韓国人を不潔と思うかもしれないが、奴らはキムチを食ってるから大丈夫なんだよ。
と、憤慨していたら、今度は韓国が対抗措置を打ち出したらしい。日本にだけ報復的な入国規制を行うと発表してまた日本人に嫌われているようだ。子どもみたいな対応はもうやめてもらいたいものだ。
しかしそのスペシャル報復のおかげで韓国に再入国できなくなって、一時帰国のつもりが永久帰国になってしまうソウル日本人学校の子もでるようだ。よかったな。後輩たちよ。コロナさまさまじゃないか。元気を出せよ。
「やーい、韓国人!」といじめられた経験をもっているので、私は単純な韓国大好き人間ではない。第二の故郷に違いないが、嫌いの方向にメーターを振り切ることもできる。
韓流スターにハマっている韓国大好きの妻
そんな私の妻が悩ましいほど韓流スターのはまっている。どこのオバサマだ、君は?
BTSの音楽で目を覚めて、BTSの動画を見てから眠る。
日本に永久帰国したとき「やーい、韓国人!」といじめられた経験から、人生から韓国を排除しつづけてきたのに、最も身近な人が韓国にドはまりしているのだ。……どうしておれはこう韓国に縁があるのかな。
韓流スターの動画を見ているだけならいいが、とうとう韓国語の勉強を始めてしまった。憧れのスターが何を喋っているか知りたいのが何よりもの動機らしい。
イヤハヤ。
そして韓国語のあれやこれやを私に聞いてくる。
なぜおれに聞く? おれに聞くな~(動揺)
ハングルマル モルゲッソヨ。
ちなみにソウル日本人学校では週に一度、韓国語の授業があった。
妻よ。君が今、勉強していることは、おれは小学校の時に授業中に習ったことだ。
あまりに妻が韓流音楽を聴くので、私の耳にも自然と聞こえてくる。食わず嫌いだったが、聞いてみると非常にレベルが高い。昔の民謡みたいな韓国音楽と韓流は全然違う。
ブログ執筆中にBGMで流してみたが、悪くなかった。何言っているのかよくわからないのがいい。執筆の邪魔をしない。
ときどきわざわざ日本語で歌っていることもあるが、あれはやめてほしい。言葉が耳に入ってこないから執筆のバックグラウンドミュージックたりえるのだ。日本語で歌われると執筆の邪魔である。音楽が意味をもってしまうからだ。
イロハの韓流スター好きも、言葉がわかってしまったら却って冷めるのではないだろうか?
他の言語にくらべて韓国語の習得は簡単
韓国語の習得がアラビア語のような他の国の言葉にくらべて簡単なことをおれは知っている。
基本的なハングルの習得には2日もあれば十分だ。ローマ字にように組み合わせて、読むだけなら読めるようになる。後は意味を覚えるだけだが、どちらも漢字由来だから日本語とよく似てるんだよなあ。
クスクス笑っちゃうような韓国語もある。赤ちゃん言葉の日本語みたいな韓国語が結構あって笑える。
夜中にイロハが一生懸命、言葉を口に出して隣国の言葉を覚えようとしている。
日本人なんか査証なしに入国させないと息巻いている隣国の言葉を。
なんでそんなに韓国が好きなのよ。
はああ。……どうしてこうおれは韓国に縁があるのかな。どうやら韓国とは縁が切れない一生のようだ。前世はあの国の生まれかもしれんな。
妻よ。夫のおれを無視して韓国に夢中になっているけど、おれだって半分韓国人みたいなものだから、おれのこともBTSぐらい愛してくれ~~
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旅人が気に入った場所を「第二の故郷のような気がする」と言ったりしますが、私にとってそれは韓国ソウルです。帰国子女として人格形成期をソウルで過ごした私は、自分を運命づけた数々の出来事と韓国ソウルを切り離して考えることができません。無関係になれないのならば、いっそ真正面から取り組んでやれ、と思ったのが本書を出版する動機です。私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。
【本書の内容】
●ソウル日本人学校の学力レベルと卒業生の進路。韓国語習得
●関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件
●僕は在日韓国人です。ナヌン・キョッポニダ。生涯忘れられない言葉
●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
●日本海も東海もダメ。あたりさわりのない海の名前を提案すればいいじゃないか
●天皇制にこそ、ウリジナルを主張すればいいのに
●もしも韓国に妹がいるならオッパと呼んでほしい
●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
●「トウガラシ実存主義」国籍にとらわれず、人間の歌を歌え
韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。
「近くて遠い国」ではなく「近くて近い国」韓国ソウルを、ソウル日本人学校出身の帰国子女が語り尽くします。
帰国子女は、第二の故郷に対してどのような心の決着をつけたのでしょうか。最後にどんな人生観にたどり着いたのでしょうか。
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