走りながら考えた。
ゆっくり走れば、走ることは「特別」ではない。
そして世界と触れ合うことができる。
それが世界だ。
この世界に生きていることの証をたてるため、肉体を動かそう。
大地に汗を滴らせよう。
走ることが生きること。
その表現ではまだまだ足りない。走ることが「特別なこと」になってしまう。
よく生きるためのコツは「一生に一度」の経験を「毎日」経験することだ。
特別なことを日常まで引き下げてしまうことだ。
走ることは「知恵」を授けてくれる。
それがおれの執筆動機だ。
足裏で地面にリズミカルに叩いて走るように、キーボードをリズミカルに叩いて書きながら生きる。
足裏と指先が叩き疲れたら、すばらしい音楽を聴きながら休む。
こうして最高の一日は暮れていく。