ドラクエ的な人生

ラヴァラヴァ、サロン、パレオ、パシュミナ、クローマー、アフガンストール、ベルベルストールとは? 日本の風土で使えるか?(服飾文化輸入)

このページでは文豪サマセット・モームの「南洋もの」と呼ばれる小説に登場するラヴァラヴァと呼ばれる腰布を通して、

ラヴァラヴァ、サロン、パレオ、パシュミナ、クローマーについて語っています。

これらの布切れは、日本で使えるでしょうか? 服飾文化として輸入可能でしょうか?

(結論)

これら腰布は、日本の風土では実用品というよりは嗜好品だと思います。身につけると気分が全然変わりますよ。

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南洋の服装ラヴァラヴァ(パレオ・サロン)は日本で使えるか?

文豪サマセット・モームの「南洋もの」シリーズですが、これらの物語が旅情をそそるのは、小説中に南洋の風俗のことが描かれるためではないでしょうか。

自分が「その場所にいるかのような」風俗が旅情をそそるためにモームの「南洋もの」はファンが多いのです。

異国情緒の風俗といえば、着ているものが筆頭ではないでしょうか。

ちなみにモーム『雨』作中に出てくるサモアラヴァラヴァというのはハワイでいうパレオのことです。長方形の布をからだに巻き付けてつかうものです。バリ島だとサロンといいます。これらは同じものです。

ちなみにわたし(サンダルマン・ハルト)はこのラヴァラヴァ(サロン)を日本でも使用できないものか試したことがあります。

なぜって日本はサモアと同じく島国ですし、日本の夏はサモアに負けず劣らず蒸し暑いからです。

裸に布一枚巻くだけのサロンに防寒効果はほとんどありません。

冬は論外です。まったく使い物になりません。

夏限定で使えないものかと試したのだが、結果は……わたしには向いていませんでした。

何が向いていないって、内股どうしが汗でくっつくのが気持ちが悪いのです。

もっとはっきりいうと、(夏なので)汗ばんだ陰嚢がぺちょっと内股にくっつくのが気持ちが悪いのです。

パンツをはいていれば陰嚢と内股が直接ふれあうことはないのですが、サロンだとどうしても直接ふれあうことになってしまいます。

湿気の多い場所では、サロンはつかえません。

さらにいえば落下したら即、下半身真っ裸です。

座り込んでも横チンモロ見えの可能性があります。

それしかないのならしかたがないが、わざわざサロンを腰に巻いて過ごす実用的なメリットは感じられませんでした。

股間がむれるほどむし暑いのならば、はじめから内股の汗をパンツの布で吸い取ってもらったほうが快適です。

カンボジアにはクローマーといって、帽子にもパンツにも、肩掛けにも、服にも、カバンにも何にでもなる万能布があります。他国ではパシュミナという名前で売られています。日本でいうストールのようなものです。

そのパシュミナも文化の輸入として日本で活用できないか試したことがあります。

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布系。万能だが、中途半端。専用のものを使った方がいい

アフガンストールとか。マフラーにもなるし、帽子にもなります。

布系です。折り方次第で何にでもなるのが売りなのですが、万能なのはいいのですが、すべてにおいて中途半端なのです。残念ながら。

たとえば帽子。キャップの方がつばがあって便利です。被るだけなので簡単ですし。

ベルベルストールとか。巻くのがたいへんなので、基本巻いたら巻きっぱなしです。着脱して温度や湿気を調節できません。

基本的にサロンなど布系のものは、一枚の長方形の布しか織る技術がなかった頃の産物なんだろうと思います。

万能というのは、万能に使わざるをえなかったためにそう呼ぶだけで、すべてにおいて専門品にはかないません。

頭に巻いて帽子にするにはひさしが足りないし、着脱が不便ですし、頭がむれます。

服として体に巻くにしても、化繊Tシャツの方がずっと運動性が高いのです。

普段使いにパレオを腰に巻くよりも、おとなしくパンツをはいた方がいいに決まっています。

ただし不自由さを楽しむ、異国情緒を楽しむというのなら話しは別です。

実用品としては今一歩な「大判の布」であるが、嗜好品として使うのであれば楽しめます。

普段着とまるで違うから、気分が大きく変わります。

たとえば家の中だけ着るとか、ビーチでのみ使うなど非日常の使用をするぶんにはとても楽しいアイテムだと思います。

ひとり一着ぐらい持っていても損はありません。わたしも「一枚布系」は旅には必ず持っていきます。

「風呂敷」のようにバッグになる、という人もいます。無理やりだなあ。わたしだったら安いビニールの「買い物袋」をつかいます。

むしろ「バスタオル」として利用したりしています。「大判の布」は旅先では本当に重宝します。

それは「旅」が「限られた荷物の中でやりくりする」ものだからに他なりません。

※※他のサマセット・モーム作品についての書評も書いています。よかったらこちらもご覧ください。

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