『女ごころ』の謎を文豪の作品で探求する

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【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者アリクラハルトの人生を旅しながら走り抜けるためのオピニオン系ブログ。

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このページでは文豪サマセット・モーム『女ごころ』について解説しています。

かたや、将来、知事になろうという老いた紳士との裕福で危険のない未来。

かたや、いつ捨てられるかわからない同年代のチャラ男との、贅沢とは無縁の危険な逃避行。

あなたならどちらを選びますか?

女ごころは、どっちを選ぶでしょうか?

筆者自身によるYouTube読み聞かせ版はこちらをご覧ください。

【寝る前に聞くお話し】『女ごころ』とはどういうものか。モテない君が文豪の名作に学ぶ
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物語のあらすじを述べることについて

物語のあらすじを述べることについての私の考えはこちら。

物語のあらすじを紹介することについて
このページでは、日本脚本家連盟で作劇術を学んだこともある、物書きのはしくれが「物語のあらすじを紹介することについて」の考え方をまとめたページです。 ネタバレといって、物語のあらすじを紹介することを禁忌視する人がいますが、あらすじを紹介...

私は反あらすじ派です。

作品のあらすじ、主題はあんがい単純なものだ。

たった数行で作者の言いたかった趣旨は尽きてしまう。

「作者は、死すべき人間だとしても、短い命を燃焼させて充実して生きることを訴えたかったのです」

あらすじや作品の主題を要約した言葉からは何も生まれない。

数行で語らず、物語にしたことで、作品は他のとは違うおもむきを得る。主題以上のものになる。ときには永遠の命を得ることもある。

ほんの数行の主題を語ったところで、作品の価値はわずかたりとも減じない。

作品の命はそこにはないからである。

しかしあらすじ(全体地図)を知った上で、自分がどのあたりにいるのか(現在位置)を確認しつつ読書することを私はオススメしています。

作品のあらすじや主題の紹介は、そのように活用してください。

そしてあらすじを知って作品を読んだ気にならず、手にした地図をたよりに、作品そのものに挑戦してください。

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【書評】『女ごころ』主要キャラクターは4人。読みやすい

主役はメアリー・パントン。30歳。8年間結婚した夫を失った未亡人です。

メアリーは美人で、ゆくゆくはインド・ベンガルの知事になろうというエドガー・スウィフトに求婚されています。

エドガーは20歳以上年上で、父親のような目で、メアリーを見つめています。

しかし美女メアリーには特殊な性癖がありました。

格下の「地位のない貧しい男」に自分をあたえて、自分を崇拝してもらいたいという「お姫様願望」です。

一定数の女性が、この性癖をもっているのではないでしょうか?

その性癖でメアリーは、カールというオーストリア人のバイオリン弾きと肉体関係を持ちます。

寂しそうでみじめに見えた若者を、少しの間でも幸福にしてあげたいと思ったわけで、まさに「お姫様願望」が満たされる関係でした

カールは亡命してきた下手くそな音楽家です。お金どころか国籍もありません。

この関係はメアリーの一方的なお姫様願望の気まぐれだったのですが、カールは本気になってしまいます。

孤独で不安定なカールはしあわせに飢えていたのです。

それが悲劇を生みます。

夢に見たこともないものをメアリーはあたえ、カールの世界は変わってしまいました。

一度知ってしまったら、もう元には戻れません。

「メアリーを失ったら、人生なんてこれ以上生きていく価値はない」

そう思いつめたカールは、メアリーの気まぐれに翻弄されて、自殺してしまいます。

まさか相手が死ぬと思っていなかったメアリーは、死体の処理に困ってしまいました。

そこでチャラ男のロウリー・フリントに相談するのです。

ロウリーはメアリーに求婚していたのだが、あまりのチャラさに一度は拒否されていたのでした。

はい。死体処理という秘密の行為を一緒にやった男女はどうなるでしょうか?

だいたい想像つきますよね?

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裕福で危険のない生活か。贅沢とは無縁のデンジャラスな逃避行か。女ごころはどちらを選ぶ?

女ざかりの美女が、20歳も年上の厳格な公務員に嫁ぐか、危険な匂いのする秘密を共有した同年代のチャラ男と一緒に生きていくか?

女ごころってやつは、秘密を共有した危険な男を選ぶのです。『女ごころ』はそういうお話しです。

かたやインドで知事になろうという老いたエドガーとの裕福で危険のない未来。

かたやいつ捨てられるかわからない若いロウリーとの贅沢とは無縁の危険な逃避行。

あなたならどちらを選びますか?

現代の日本人女性は、エドガーを選ぶ人も多いんじゃないかな、と思います。

別にそれが悪いとは思いませんが、現代日本女性の野性的な生命力が衰えていることが、エドガーを選ぶ人が多い理由ではないかと思います。

ある一定数の、生命力にあふれている女性が、ロウリーを選んでしまう気持ちが、わたしにはわかる気がします。

わたしは男性ですが、女だったら間違いなくロウリーを選ぶでしょう。

乗るかそるかやってみる。それでこそ人生です。

どんなに高名で地位があっても女にはモテない。いい女は若い男に持っていかれてしまう。男性側から見るとそういう作品でもあります。

だってしょうがないじゃない。でもそれが「女ごころ」なんだもん。

「女ごころ」はそんなモームの茶目っ気あふれる作品でした。

人生には『仕事を辞める』という選択肢があります。

人生を変えたいのならば、仕事を辞めるという選択肢がある。
団体バスの行き先がろくな場所ではないとわかったら、もうバスは降りてしまっていいのではないですか? 仕事を変えれば、生き方を変えることができますよ。 今は退職代行サービスや、転職エージェントがあなたのキャリアアップを助けてくれる時代です。

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私はオーディオブックは究極の文章上達術だと思っています。

※※他のサマセット・モーム作品についての書評も書いています。よかったらこちらもご覧ください。

『月と六ペンス』サマセット・モーム
『月と六ペンス』。傑作が燃えて灰になっても、すばらしい世界は今も目の前にある。ストリックランドは大自然とか世界にインスパイアされて傑作を書き上げたけれど、彼の傑作がなくなっても、傑作を生みだした母体である自然や世界は目の前にまだ残っています。何ら損なわれたものはないのです。傑作は他の誰かの手でいつかまた再現されます。
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