早期退職する人で、もっとも多いのは「なにもしたくない」系の人たち

早期退職、FIREに踏み切る人のなかには、いろんなタイプの人がいます。私はそれ系の本や雑誌をたくさん読んでいるので、いろんなタイプを知っているのですが、典型的には三つのタイプに分かれると考えます。
①自分のしたいことをやるタイプ
②なにもしたくないタイプ
③結局、再就職するタイプ
夜通しゲームをやりたいという人もいるでしょう。それには翌朝、起きなくていいというのが前提ですからね。①のタイプです。
しかしもっとも多いタイプは「ぐうたらしたい」「なにもしなくない」という②のタイプではないかと思います。『あやうく一生懸命生きるところだった』の韓国人著者もこのタイプですね。
『あやうく一生懸命生きるところだった』もう金持ちになるのは諦めた
意外と多いのは、たとえば退職したら温泉三昧の暮らしをしたいと熱望していても、すぐに飽きてしまい、寂しくなったりして結局は再就職するというような①のタイプに見えて③のタイプです。現実には①のタイプは口で言うほど多くないのではないか、という気がします。
早期リタイヤ組の典型。温泉三昧、釣り三昧、サーフィン三昧

①のタイプの典型例として、海辺で暮らしてサーフィン三昧というものがあります。温泉三昧、釣り三昧と並んで典型例の三強ではないでしょうか?
私は、自分に向いているかどうかは別として、多くの人が魅力を感じるものにはそれなりに魅力があるはずだと考えているので、温泉も釣りもいちおう体験はしています。
温泉はぬる湯ならまだいいのですが、熱いお湯はダメでした。そもそも自家発電でいくらでも汗をかいて熱くなれるランナーなので、温泉の恩恵をあまり感じません。サウナなんか大嫌いです。走ったほうがずっといい。
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雑誌『ランナーズ』のライターが語るマラソンの新メソッド。ランニングフォームをつくるための脳内イメージ・言葉によって速く走れるようになるという新メソッドを本書では提唱しています。
(本文より)
【入力ワード】写真からランニングフォームを学ぼうとする人が多いので注意喚起したいと思います。写真からフォームを学ぶのはお勧めできません。写真というのは瞬間を切り取ったものなので、間違った解釈をする可能性があるからです。「振り上げた脚」(往路)なのか「戻ってきた脚」(復路)なのか、写真ではわかりません。大地を蹴ったように見えている脚が本当に大地を蹴っているのか、大地を蹴ったように見えているだけなのか、写真からはよくわからないからです。写真で振り上げた膝の高さを見て「ふむふむ、膝はここまで上げるのか」と思い込んでマネするのもよくありません。慣性の法則で結果として脚がそこまで上がっているだけで、実際のランナーの意識としてはそこまで上げようとしていないかもしれません。「結果としてのフォーム」と「ランナー本人の走るときのフォーム意識(入力ワード)」は、必ずしも同じではないのです。
【腹圧をかける走法】そもそも息をするのは、酸素を吸うためです。吐くことよりも、吸うことに意識をおくほうが自然な発想です。肺の中に残っている空気(残気量)は、どうせゼロにはできないのです。吐き切るという努力は、動かない壁を押すような無駄な努力です。そこに力を割くべきではありません。持ち上がらないバーベルを無理やり持ち上げようと喘ぐと、余計に息が苦しくなってしまいます。楽に息するのとは真逆のことです。それよりも思いっきり吸うことです。そのための走法が腹圧をかける走法です。肺を絞って痩せた人のように走るのではなく、腹はたるんたるんと力を抜いてだらしなく腹が太った人のように走ります。そもそも重力は下向きなのだから、横隔膜を下げることは理にかなったことです。それに対して、吐き切ることを意識すると、重力に逆らって横隔膜を持ち上げながら肺を絞らなければなりません。どちらが楽にできると思いますか?
【ストライド走法】ピッチ走法には大問題があります。実は、苦しくなった時、ピッチを維持する最も効果的な方法はストライドを狭めることです。高速ピッチを刻むというのは、時としてストライドを犠牲にして成立しているのです。
【踵落としを効果的に決める走法】私はカラテ素人ですが、サブスリーランナーとして、すくなくとも「踵落とし」を無力化する方法をすぐに思いつくことができます。答えはカンタン。攻撃側が踵を振り上げて止まったポイント(これを上死点といいます)に、自ら打撃ポイント(脳天など)を近づけていくことです。上死点では運動エネルギーがゼロになっているために、破壊力もゼロです。上死点から距離をとらないことで「踵落とし」というキックを無力化できます。
ストライドを稼ぎたいあまりに、未熟ランナーほど振り出した前足が最も伸びきったところで着地してしまうのです。つまり「膝が伸びきったまま」「踵から着地」してしまうのです。これは「踵落とし」の運動エネルギーがゼロになっている上死点で着地してしまっているのと同じことです。これでは速く走ることはできません。
言葉のもつイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化して速く走れるようになる新理論の書。言葉による走法革命。とくに走法が未熟な市民ランナーであればあるほど効果的です。本書はあなたのランニングを進化させ、市民ランナーの三冠・グランドスラム(マラソン・サブスリー。100km・サブテン。富士登山競争のサミッター)を達成するのをサポートします。
●「動的バランス走法」「ヘルメスの靴」「アトムのジェット走法」「かかと落としを効果的に決める走法」「ハサミは両方に開かれる走法」「腹圧をかける走法」
●マラソンの極意「複数のフォームを使い回せ」
●究極の走り方「あなたの走り方は、あなたの肉体に聞け」
●【肉体宣言】生きていることのよろこびは身体をつかうことにこそある。
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釣りも経験しましたが、向いていませんでした。太公望呂尚のように大自然の中で思索しながらじっと待つというのがだいご味なのでしょうけれど、イラチなのでできませんでした。私は歩くのが好きなので、ずっと座っているよりも、歩く方が向いているのです。
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さて、最後のサーフィンです。食わず嫌いにならないように、一度はサーフィンを経験しておこうと、この夏、レッスンに申し込んで体験してみました。
サーフィンしようとすると、いつもデスロール

さて、サーフィンです。やってみたのですが……やっぱり向いていませんでした。そもそもその存在を知りながら、この齢まで手を出さなかったというだけで、心の底からやってみたい衝動があったわけではありません。
ただ、海辺暮らしサーフィン三昧というリタイアの典型例に対し、海辺暮らしは予想がつくものの、サーフィン三昧は予想もつかなかったので、挑戦してみたのでした。
それなりに走り込んでいるので、ボードの上に立てるだろうと思っていたのですが、現実にはまったく立てませんでした。そもそも立つためには腕の力で上半身を持ち上げる必要があるのですが、その段階でボードがぐるりと一回転してしまうのです。まるでワニのデスロールのように。足をつかう以前のところで無理でした。バランス感覚がないのでしょう。よく立てるよなあ、サーファー。
さらにいえば、視力問題も大ネックでした。私は普段は眼鏡をしているのですが、それでサーフィンをするのは無理です。コンタクトレンズをつけてやったのですが、濡れるとレンズがずれてしまいます。目の悪い人に向いているとは思えません。視力の悪いサーファーは裸眼でやる人もいるそうです。岸辺かどっちかわかればじゅうぶんなんだとか……しかし私はとてもその気にはなれません。
砂問題もあります。耳の穴の中などに砂が入ります。水着などにも砂が付着しますので、クルマの中や家の中まで砂を持ち込むことになります。サーフィン自体が楽しければ、プラスがマイナスを打ち消してくれるんでしょうが、私の場合、マイナスばかりが目立ちました。
サブスリーランナーはスポーツ万能か?

市民ランナーとして長距離走を走り始めて以来、マラソン走れば二時間台。走ればたいてい人よりも速くて、周囲から褒められることばかりなので、自分のことはスポーツ万能かのように思っていました。二十年もお山の大将をやっていればそうなります。しかし久しぶりにランニングやサイクリングや登山以外のスポーツをやって、思い出しました。
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ロードバイク通勤をすることになった筆者が、趣味のロードバイク乗りとなり、やがてホビーレーサーとして仲間たちとスピードを競うようになるところまでを描いたエッセイ集です。
※本書の内容
●通勤バイク四重苦とは?
●ママチャリ・ダンシング最強伝説
●スピードこそロードバイクのレーゾンデートル。通勤レースのすすめ
●軽いギアをクルクル回すという理論のウソ。体重ライディング理論。体重ペダリングのやり方
●アマチュアのロードバイク乗りの最高速度ってどれくらい?
●ロードバイクは屋外で保管できるのか?
●ロードバイクに名前をつける。
●アパートでローラー台トレーニングすることは可能か?
●ロードバイククラブの入り方。嫌われない新入部員の作法
●サブスリーランナーはロードバイクに乗っても速いのか?
●スピードスケートの選手がロードバイクをトレーニングに取り入れる理由
●デブでうんち(運動音痴)だからロードバイク乗りなのか?
●インポテンツになるという噂と対策
●スティーブ・ジョブズ「知の自転車」。論文の嘘を暴け
●旅サイクリングのやりかた
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「ああ、おれって決してスポーツ万能ではなかったよな。すくなくともすぐできちゃうような器用なタイプではないなあ」
考えてみれば学生時代、脚力があったのでサッカーは得意でしたが、野球は人よりはへたくそでした。
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テニスなども、脚力でカバーできる分だけ上手に見えるだけで、本当はそれほどでもないのでしょう。
そもそもランニングは野球やサッカーよりは、座禅に似ているのです。スポーツがうまいというよりは、座禅がうまいといったほうが、正しい評価だという気がします。
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暑い夏の過ごし方。エアコンの効いた部屋ごもりが正解
こうして早期リタイヤ典型三選と命名した温泉三昧、釣り三昧、サーフィン三昧のすべてが向いていないと判明した私です。
そもそもこうして自分の向き不向きを理解していくのも、自分を知るプロセスのひとつなのでしょう。
人より速く走れるからって、どんなスポーツでもできるというわけではない。そういえば竹馬も乗れませんでした。簡単に乗りこなせると思ったのですが……。
そもそも夏場の楽しみ方を私は探していたのです。暑い夏に外でアクティブに活動できないか? 暑さが避けられないなら濡れればいいんじゃないの? そんな思いでサーフィンやキャニオニングやSUPやプールに挑戦したのでした。しかし暑さは暑さ、日焼けは日焼けです。
その結果、今では夏はエアコンの効いた場所に閉じこもっているのが正解だと今では思っています。アラスカの人が冬ごもりをするように、わたしたちは夏ごもりをする生活を選べばいいのです。
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人は夢をかなえた後に、何をして過ごせばいいのか?

さて、みなさんの早期リタイヤ、退職理由は何でしょうか?
私の場合は、自分の夢をかなえるためでした。その夢とは作家になることでした。これまでに一冊の小説、一冊の哲学書、二冊の実用書、二冊のエッセイ集を執筆しています。①のタイプですね。
しかし六冊の著作を出版し、夢をかなえてしまいました。そこでほかの人たちが何をしているのか探してみたのですが、リタイヤの典型的な三例はすべて向いていないことがわかったのです。
今、私が考えていることは、海外大放浪です。これならばこれまでにやってきたことですし、自分に向いていることもわかっています。この手の趣味は仕事をしていてはできないこと、退職したことをありがたく思えるようなものでなければなりません。そういう意味でもやっぱり自分にはこれしかないのではないか、という気がしています。
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(本文より)
カプチーノを淹れよう。きみが待っているから。
カプチーノを淹れよう。明るい陽差しの中、きみが微笑むから。
ぼくの人生のスケッチは、まだ未完成だけど。
裏の畑の麦の穂は、まだまだ蒼いままだけど。
大地に立っているこの存在を、実感していたいんだ。
カプチーノを淹れよう。きみとぼくのために。
カプチーノを淹れよう。きみの巻き毛の黒髪が四月の風に揺れるから。
「条件は変えられるけど、人は変えられない。また再び誰かを好きになるかも知れないけれど、同じ人ではないわけだよね。
前の人の短所を次の人の長所で埋めたって、前の人の長所を次の人はきっと持ちあわせてはいない。結局は違う場所に歪みがでてきて食い違う。だから人はかけがえがないんだ」
金色の波をすべるあなたは、まるで海に浮かぶ星のよう。
夕日を背に浴び、きれいな軌跡をえがいて還ってくるの。
夢みるように何度も何度も、波を泳いでわたしのもとへ。
あの北の寒い漁港で、彼はいつも思っていた。この不幸な家族に立脚して人生を切り開いてゆくのではなくて、自分という素材としてのベストな幸福を掴もう、と――だけど、そういうものから切り離された自分なんてものはありえないのだ。そのことが痛いほどよくわかった。
あの人がいたからおれがいたのだ。それを否定することはできない。
人はそんなに違っているわけじゃない。誰もが似たりよったりだ。それなのに人はかけがえがないなんてことが、どうして言えるだろう。
むしろ、こういうべきだった。
その人がどんな生き方をしたかで、まわりの人間の人生が変わる、だから人は替えがきかない、と。
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