人類最速ウサイン・ボルトの速さは時速37~44km
ランニングも「走る」と言いますが、ロードバイクも「走る」と言います。まぎらわしいですよね。私はウサイン・ボルトよりも速く走ることができます。自分の二本の脚の力だけで。相手は人類最速の男ですから、どの文脈の中で述べているかは自明だと思います。
人類最速の男というと如何にも凄そうですが、実はそんなにたいしたことありません。100m9秒58というのは時速にすると37~38kmです。瞬間最速時速でも44.72キロに過ぎません。
もっともわかりやすいのが日本人がなかなか達成できない100m10秒です。これは時速36kmです。計算、簡単ですね!
ロードバイクで本当に速く走りたかったら、回転数で勝負するという鉄則を捨てて、重ギアを血の味がするまで力の限り踏み抜いてください。重たいペダルが軽く感じられるように筋力を鍛えることが速く走る唯一の道です。ホビーレーサーの勝負は実はいつでも短距離勝負です。だから短距離走向けの走り方に変える必要があるのです。
※※※※※※※※※※
このブログの作者の書籍『通勤自転車から始めるロードバイク生活』のご紹介
この本は勤務先の転勤命令によってロードバイク通勤をすることになった筆者が、趣味のロードバイク乗りとなり、やがてホビーレーサーとして仲間たちとスピードを競うようになるところまでを描いたエッセイ集です。
その過程で、ママチャリのすばらしさを再認識したり、どうすれば速く効率的に走れるようになるのかに知恵をしぼったり、ロードレースは団体競技だと思い知ったり、自転車の歴史と出会ったりしました。
●自転車通勤における四重苦について。
●ロードバイクは屋外で保管できるのか?
●ロードバイクに名前をつける。
●軽いギアをクルクル回すという理論のウソ。
●ロードバイク・クラブの入り方
など、初心者から上級者までを対象とした内容になっています。書籍のお求めはアマゾンキンドル図書からお願いいたします。
× × × × × ×
ロードバイクならば人類最速記録を簡単に記録更新できる
人間そのものが、そんなに速く走れる生き物ではないのです。
ところが自転車(ロードバイク)に乗れば、時速36kmなんて余裕です。もちろん人によります。私の場合ですが。本稿の執筆者ハルトはサブスリーランナーです。通勤バイクの戦績は全勝無敗でした。
自転車(ロードバイク)とランニングの両立は可能か? サブスリーランナーはロードレーサーに乗っても速いのか?
ところが、これが人類最速44.72kmとなるとそう簡単には打ち破れません。もちろん人によります。私の場合ですが。
100mの距離でこのスピードを出すのは無理です。河川敷の一直線のコースで、サイクル・コンピューターを眺めながら徐々にスピードをあげて、最後は死ぬ気で重たいペダルをぶん回します。血の味がするぐらいペダルを回さないとウサイン・ボルトには勝てません。
【ロードバイク】体幹の筋肉を使って走るために骨盤を立てる乗り方がおすすめです。
しかしボルトの時速44.72kmは一瞬ですが、ロードバイクならその速さで数百メートルは走り続けることができます。
人類最速の男に勝った満足感を得て、スピードを緩めます。フレームの上に倒れ込むようにしてハアハアあえぎます。きつすぎて、よだれが出そうです。しかしそれでも日常レベルでボルトを打ち破ることができます。それがロードバイクという乗り物です。
陸上短距離走だと金メダルを取れない日本人が、スピードスケートだと金メダルを取れるのは何故なのか?
速く走るコツは、ペダルをクルクル回すのではなく、重たいギアをガシガシ踏み込む
死ぬ気でウサイン・ボルトと格闘する中で得たロードバイクで速く走るための秘訣を公開しましょう。マラソンで一時間を切るためには時速42.195kmで走る必要があります。いわば『サブ・ワン養成講座』です。時速42.195kmを超えるにはどうすればいいのでしょうか?
ウサイン・ボルトを打ち破るのに一番効果的だったのは弱虫ペダル(軽いギア)を素早く回転させるという自転車(ロードバイク)の鉄則を捨てて、アウタートップ(重いギア)を力の限りグイグイ回していくことでした。
マラソンの世界でどうしても2時間台(サブスリー)を達成できず、ピッチ走法を捨てて、ストライド走法に変えて、難関を突破した自分と重なります。
わたしはマラソンの走法でもストライド走法を推奨しています。
※雑誌『ランナーズ』のライターにして、市民ランナーの三冠王グランドスラムの達成者の筆者が走魂を込めた書籍『市民ランナーという走り方』(サブスリー・グランドスラム養成講座)。Amazon電子書籍版、ペーパーバック版(紙書籍)発売中。
言葉の力で速く走れるようになる、というのが本書の特徴です。走っている時の入力ワードを変えるだけで速く走れるようになります。言葉のイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化されて、同じトレーニング量でも速く効率的に走ることができるようになります。踵着地とフォアフット着地、ピッチ走法とストライド走法、どちらが正解か? 本書では明確に答えています。あなたはどうして走るのですか? あなたよりも速く走る人はいくらでもいるというのに。市民ランナーがなぜ走るのか、本書では一つの答えを提示しています。
× × × × × ×
ロードバイクも同じことです。ロードバイクで本当に速く走りたかったら、回転数で勝負するという鉄則を捨てて、重ギアを血の味がするまで力の限り踏み抜いてください。
ロードバイクの先輩からは、軽いギアをクルクル回転させた方がいいと教わります。それはツール・ド・フランスなどの本当の意味での長距離ライドを経験したプロのテクニックがホビーレーサーのところまで降りてきたものでしょう。
100マイル(160km)ぐらい走ってようやくロードバイクでの長距離といえるのではないでしょうか。
しかし日常レベルの練習会で160kmも走ることはまずありません。ホビーレーサーの勝負は実はいつでも短距離走なのです。
長距離走と短距離走ではすこし走り方が違います。だからロードバイクでも短距離走向けの走り方に変える必要があるのです。
重たいペダルが軽く感じられるように筋力を鍛えることが速く走る唯一の道
またそもそもペダルの重い軽いは個人の感覚の問題で相対的なものです。ある人にとって重たいペダルも別の人には軽いペダルです。重たいペダルが軽く感じられるように筋力を鍛えることが速く走る唯一の道なのです。
おのれの肉体のみで、日常レベルで人類最速以上のスピードを手に入れた時、どうして私が若干上から目線でマラソンのトップ選手を語ってしまうのか、皆さんにもわかってもらえると思います。
もっとも陸上コーチだって、自分の現役時代よりも成績のいい選手をいくらでも指導していますから、選手実績なんてそんなに気にすることないのかもしれませんね。
みなさんもぜひ自転車(ロードバイク)に乗って、人類最速のスピードってやつを体験してみてください。