人類最速ウサイン・ボルトの速さは時速37~44km

ランニングも「走る」と言いますが、ロードバイクも「走る」と言います。まぎらわしいですよね。私はウサイン・ボルトよりも速く走ることができます。自分の二本の脚の力だけで。相手は人類最速の男ですから、どの文脈の中で述べているかは自明だと思います。
人類最速の男というと如何にも凄そうですが、実はそんなにたいしたことありません。100m9秒58というのは時速にすると37~38kmです。瞬間最速時速でも44.72キロに過ぎません。
もっともわかりやすいのが日本人がなかなか達成できない100m10秒です。これは時速36kmです。計算、簡単ですね!
ロードバイクで本当に速く走りたかったら、回転数で勝負するという鉄則を捨てて、重ギアを血の味がするまで力の限り踏み抜いてください。重たいペダルが軽く感じられるように筋力を鍛えることが速く走る唯一の道です。ホビーレーサーの勝負は実はいつでも短距離勝負です。だから短距離走向けの走り方に変える必要があるのです。
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ロードバイク通勤をすることになった筆者が、趣味のロードバイク乗りとなり、やがてホビーレーサーとして仲間たちとスピードを競うようになるところまでを描いたエッセイ集です。
※本書の内容
●通勤バイク四重苦とは?
●ママチャリ・ダンシング最強伝説
●スピードこそロードバイクのレーゾンデートル。通勤レースのすすめ
●軽いギアをクルクル回すという理論のウソ。体重ライディング理論。体重ペダリングのやり方
●アマチュアのロードバイク乗りの最高速度ってどれくらい?
●ロードバイクは屋外で保管できるのか?
●ロードバイクに名前をつける。
●アパートでローラー台トレーニングすることは可能か?
●ロードバイククラブの入り方。嫌われない新入部員の作法
●サブスリーランナーはロードバイクに乗っても速いのか?
●スピードスケートの選手がロードバイクをトレーニングに取り入れる理由
●デブでうんち(運動音痴)だからロードバイク乗りなのか?
●インポテンツになるという噂と対策
●スティーブ・ジョブズ「知の自転車」。論文の嘘を暴け
●旅サイクリングのやりかた
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ロードバイクならば人類最速記録を簡単に記録更新できる

人間そのものが、そんなに速く走れる生き物ではないのです。
ところが自転車(ロードバイク)に乗れば、時速36kmなんて余裕です。もちろん人によります。私の場合ですが。本稿の執筆者ハルトはサブスリーランナーです。通勤バイクの戦績は全勝無敗でした。
自転車(ロードバイク)とランニングの両立は可能か? サブスリーランナーはロードレーサーに乗っても速いのか?
ところが、これが人類最速44.72kmとなるとそう簡単には打ち破れません。もちろん人によります。私の場合ですが。
100mの距離でこのスピードを出すのは無理です。河川敷の一直線のコースで、サイクル・コンピューターを眺めながら徐々にスピードをあげて、最後は死ぬ気で重たいペダルをぶん回します。血の味がするぐらいペダルを回さないとウサイン・ボルトには勝てません。
【ロードバイク】体幹の筋肉を使って走るために骨盤を立てる乗り方がおすすめです。
しかしボルトの時速44.72kmは一瞬ですが、ロードバイクならその速さで数百メートルは走り続けることができます。
人類最速の男に勝った満足感を得て、スピードを緩めます。フレームの上に倒れ込むようにしてハアハアあえぎます。きつすぎて、よだれが出そうです。しかしそれでも日常レベルでボルトを打ち破ることができます。それがロードバイクという乗り物です。
陸上短距離走だと金メダルを取れない日本人が、スピードスケートだと金メダルを取れるのは何故なのか?
速く走るコツは、ペダルをクルクル回すのではなく、重たいギアをガシガシ踏み込む

死ぬ気でウサイン・ボルトと格闘する中で得たロードバイクで速く走るための秘訣を公開しましょう。マラソンで一時間を切るためには時速42.195kmで走る必要があります。いわば『サブ・ワン養成講座』です。時速42.195kmを超えるにはどうすればいいのでしょうか?
ウサイン・ボルトを打ち破るのに一番効果的だったのは弱虫ペダル(軽いギア)を素早く回転させるという自転車(ロードバイク)の鉄則を捨てて、アウタートップ(重いギア)を力の限りグイグイ回していくことでした。
マラソンの世界でどうしても2時間台(サブスリー)を達成できず、ピッチ走法を捨てて、ストライド走法に変えて、難関を突破した自分と重なります。
わたしはマラソンの走法でもストライド走法を推奨しています。
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雑誌『ランナーズ』のライターが語るマラソンの新メソッド。ランニングフォームをつくるための脳内イメージ・言葉によって速く走れるようになるという新メソッドを本書では提唱しています。
(本文より)
【入力ワード】写真からランニングフォームを学ぼうとする人が多いので注意喚起したいと思います。写真からフォームを学ぶのはお勧めできません。写真というのは瞬間を切り取ったものなので、間違った解釈をする可能性があるからです。「振り上げた脚」(往路)なのか「戻ってきた脚」(復路)なのか、写真ではわかりません。大地を蹴ったように見えている脚が本当に大地を蹴っているのか、大地を蹴ったように見えているだけなのか、写真からはよくわからないからです。写真で振り上げた膝の高さを見て「ふむふむ、膝はここまで上げるのか」と思い込んでマネするのもよくありません。慣性の法則で結果として脚がそこまで上がっているだけで、実際のランナーの意識としてはそこまで上げようとしていないかもしれません。「結果としてのフォーム」と「ランナー本人の走るときのフォーム意識(入力ワード)」は、必ずしも同じではないのです。
【腹圧をかける走法】そもそも息をするのは、酸素を吸うためです。吐くことよりも、吸うことに意識をおくほうが自然な発想です。肺の中に残っている空気(残気量)は、どうせゼロにはできないのです。吐き切るという努力は、動かない壁を押すような無駄な努力です。そこに力を割くべきではありません。持ち上がらないバーベルを無理やり持ち上げようと喘ぐと、余計に息が苦しくなってしまいます。楽に息するのとは真逆のことです。それよりも思いっきり吸うことです。そのための走法が腹圧をかける走法です。肺を絞って痩せた人のように走るのではなく、腹はたるんたるんと力を抜いてだらしなく腹が太った人のように走ります。そもそも重力は下向きなのだから、横隔膜を下げることは理にかなったことです。それに対して、吐き切ることを意識すると、重力に逆らって横隔膜を持ち上げながら肺を絞らなければなりません。どちらが楽にできると思いますか?
【ストライド走法】ピッチ走法には大問題があります。実は、苦しくなった時、ピッチを維持する最も効果的な方法はストライドを狭めることです。高速ピッチを刻むというのは、時としてストライドを犠牲にして成立しているのです。
【踵落としを効果的に決める走法】私はカラテ素人ですが、サブスリーランナーとして、すくなくとも「踵落とし」を無力化する方法をすぐに思いつくことができます。答えはカンタン。攻撃側が踵を振り上げて止まったポイント(これを上死点といいます)に、自ら打撃ポイント(脳天など)を近づけていくことです。上死点では運動エネルギーがゼロになっているために、破壊力もゼロです。上死点から距離をとらないことで「踵落とし」というキックを無力化できます。
ストライドを稼ぎたいあまりに、未熟ランナーほど振り出した前足が最も伸びきったところで着地してしまうのです。つまり「膝が伸びきったまま」「踵から着地」してしまうのです。これは「踵落とし」の運動エネルギーがゼロになっている上死点で着地してしまっているのと同じことです。これでは速く走ることはできません。
言葉のもつイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化して速く走れるようになる新理論の書。言葉による走法革命。とくに走法が未熟な市民ランナーであればあるほど効果的です。本書はあなたのランニングを進化させ、市民ランナーの三冠・グランドスラム(マラソン・サブスリー。100km・サブテン。富士登山競争のサミッター)を達成するのをサポートします。
●「動的バランス走法」「ヘルメスの靴」「アトムのジェット走法」「かかと落としを効果的に決める走法」「ハサミは両方に開かれる走法」「腹圧をかける走法」
●マラソンの極意「複数のフォームを使い回せ」
●究極の走り方「あなたの走り方は、あなたの肉体に聞け」
●【肉体宣言】生きていることのよろこびは身体をつかうことにこそある。
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ロードバイクも同じことです。ロードバイクで本当に速く走りたかったら、回転数で勝負するという鉄則を捨てて、重ギアを血の味がするまで力の限り踏み抜いてください。
ロードバイクの先輩からは、軽いギアをクルクル回転させた方がいいと教わります。それはツール・ド・フランスなどの本当の意味での長距離ライドを経験したプロのテクニックがホビーレーサーのところまで降りてきたものでしょう。
100マイル(160km)ぐらい走ってようやくロードバイクでの長距離といえるのではないでしょうか。
しかし日常レベルの練習会で160kmも走ることはまずありません。ホビーレーサーの勝負は実はいつでも短距離走なのです。
長距離走と短距離走ではすこし走り方が違います。だからロードバイクでも短距離走向けの走り方に変える必要があるのです。
重たいペダルが軽く感じられるように筋力を鍛えることが速く走る唯一の道
またそもそもペダルの重い軽いは個人の感覚の問題で相対的なものです。ある人にとって重たいペダルも別の人には軽いペダルです。重たいペダルが軽く感じられるように筋力を鍛えることが速く走る唯一の道なのです。
おのれの肉体のみで、日常レベルで人類最速以上のスピードを手に入れた時、どうして私が若干上から目線でマラソンのトップ選手を語ってしまうのか、皆さんにもわかってもらえると思います。
もっとも陸上コーチだって、自分の現役時代よりも成績のいい選手をいくらでも指導していますから、選手実績なんてそんなに気にすることないのかもしれませんね。
みなさんもぜひ自転車(ロードバイク)に乗って、人類最速のスピードってやつを体験してみてください。

