マラソン『ピッチ走法よりもストライド走法』ダメージなんか度外視して走れ

マラソン・ランニング
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【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者アリクラハルトの旅する人生を走り抜けるためのオピニオン系ブログ。

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ギア比の魔法とは、ストライド走法のこと

「ランナーはピッチ走法で走るべきなのか、ストライド走法で走るべきなのか」この永遠のテーマについて、本書『市民ランナーという走り方』では結論をだそうと思います。

私は競技用自転車(ロードバイク)に乗ります。そしてロードバイクに乗ればマラソン世界記録を軽く打ち破ることができます。それどころか人類最速ウサイン・ボルトよりも速く走れます。どうしてただの市民ランナーにこんな離れ業ができるのかわかりますか?

自転車のペダルを必死に回したからではありません(ケイデンス=ピッチを上げたからではない)。秘密は自転車のギア比にあります。ペダルを一回転するとギア比によって自転車のホイールは数回転もします。ホイールの数回転分のストライドをワンピッチで稼いだのと同じことなのです。

このギア比の魔法こそが、ただの市民ランナーがウサイン・ボルトよりも速く走れる秘密の答えです。ロードバイクが速く走れるのは圧倒的なストライドをもっているからです。ローディー(ロードバイク乗り)のケイデンス(ピッチ)が凄いからではありません。

ランニングはピッチではなくストライドを意識して走るべきだと私は考えています。

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速いから苦しくない=宙に浮くから苦しくない

初マラソンでホノルルマラソンを走った時、ツアーバスでマラソンコースの視察に行きました。自分もランナーだという現地ツアーガイドが言ったことをよく覚えています。

「速いマラソンランナーよりも遅いランナーを尊敬します。なぜなら速いランナーは苦しい時間が短くて済むけれど、遅いランナーは長い時間苦痛に耐えているから」そう言いました。なかなか面白い考え方だと思います。

所詮は世界記録なんて出せない人間が、それぞれの限界に挑んでギリギリのところで走っています。遅い人の方が、苦しむ時間が長い。それは確かだと思います。

ランニングは宙に浮いて移動するものです。速い人ほど宙に浮いています。遅い人ほど地面と格闘しています。遅い人の方が辛いというのは、心理的にも物理的にも正しいのです。

このページでは、その苦しむ時間を最大に短くするための根本的な原理である「市民ランナーはピッチ走法よりもストライド走法を選べ」ということについて述べています。

私はロードバイクに乗れば大迫傑どころかウサイン・ボルトよりも速く走れます。ピッチのおかげではありません。ギア比によるストライドのおかげです。一流の選手を育てた著名なプロコーチがピッチ走法をすすめていたとしても、市民ランナーのあなたはストライド走法を意識してください。

プロコーチの理論には、世界の超一流と戦う人たちならではの「落とし穴」があるから、です。

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楽だから速く走れる。キツイから時間がかかってしまう。

4時間台で走っていた頃も、2時間台で走っていた頃も、ゴール後半の苦しさに変わりはありませんでした。遅かろうが速かろうが、その時々の限界まで苦しい。その時間に長く耐えているのはたしかに遅い方のランナーです。

むしろ楽だから速く走れて、苦しいからこそ遅くて時間がかかったのです。

「自分に打ち勝った人」「克己した人」はむしろ遅いランナーかもしれません。わたくしアリクラハルトのサブスリー養成講座「サブスリーフォーム」とは「 宙に浮く感覚を重視します」。

ジャンプしない走りなんて、走りじゃない。

走りとは何か? ジャンプしない走りなんて、走りじゃない。足はしかたなく着いているだけ
走ることの究極は、飛ぶことです。陸上動物最速のチーターも、ライバルのガゼルも、宙を浮いている合間にちょこっと足を着いているいるだけ、という走り方をしています。ジャンプしない走りなんて、走りじゃない。本当は宙に浮きたいのです。足はしかたなく着いているだけなのです。

このフォームで走ると、瞬間瞬間の苦しさが違います。宙に浮いているんですから「楽」なのです。

ぜったいに蹴っ飛ばすことのできないアスファルトの地面を蹴り続けているよりも(ピッチ走法)、フワッと宙に浮いてしまった方が楽に決まっています(ストライド走法)。

だから私はストライド走法を推奨しているのです。『走行スピードはストライド次第、走行距離はピッチで伸ばすことができる』と私は考えています。

そもそも一流選手ほどピッチ数が多くて、市民ランナーほどピッチ数が少ないというのは典型的な「先入観」です。実は市民ランナーもオリンピック選手も、ピッチリズムはそんなに変わりません。マラソンのテレビ中継で三拍子でカウントしてみればわかります。

違うのはストライドなのです。一歩一歩の歩幅が、一流選手と市民ランナーは全然違うのです。

ピッチはリズム感だから、自分の脳ミソでコントロールできるのです。もちろん疲れれば落ちてきますが、根性とか気合とか魂で、ピッチは維持することができます。

何よりもピッチを維持する最も簡単な方法はストライドを狭めることです。これが問題です。ピッチを維持しようと必死になると、いつのまにかストライドが狭まり、結果としてスピードが遅くなっていたりします。

あなたはピッチを維持するために頑張っているのですか? それとも速く走るために頑張っているのですか?

繰り返しますが、一流も二流もピッチは変わりません。違うのはストライドなのです。スピードを決めるのはストライドです。

意識すべきはストライドなのです。

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市民ランナーはピッチ走法よりもストライド走法を意識するべき根拠

市民ランナーがランニングを学ぶ場合、プロの書いたランニング本を参考にした方がいいのでしょうか?

それとも私のように鈍足から脳ミソで這い上がった同じレベルの市民ランナーからノウハウを学んだ方がいいのでしょうか?

ランニング関係本の多くは、名の知れた元一流選手か、一流選手を育てたプロの監督が書いています。そのようなランニング本では、相手が市民ランナー向けでも「ピッチ走法」を推奨していることがほとんどです。私も影響されて、かつてはピッチ走法で走っていました。

しかしピッチ走法で何度もサブスリー挑戦に失敗したので、ランニングの教科書のことは忘れて、自分の自由なリズムで走ったことで、結果としてストライド走法のランナーとなり、関門突破に成功しました。

市民ランナーは、プロコーチの言葉を鵜呑みにしてはいけません。名のある一流の指導者は、もともと素晴らしいストライドをもった素質ある選手ばかりを指導している、ということを忘れてはなりません。

ここで「素晴らしいスピードを持つ」「素質がある」というのは「凄いストライドの選手」という意味です。ピッチは一流も三流もあまり変わらないのですから。くどいほど言いますが、エリートと市民、違うのはストライドなのです。

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おれたちストライダーズ。ピッチャーなんかじゃねえぜ

エリート向きの指導要綱で、そのまま市民ランナーを指導するからうまくいかないのです。

オリンピッククラスの指導者の考え方の本質的ベースにあるのは『オリンピックで、凄いストライドの黒人選手に、短脚の日本人が勝つため』に編み出されているということを見落としてはなりません。市民ランナーがサブスリーを達成するために考え出された指導方法ではないのです。

同じ走法をしていては、黒人選手に勝てません。生まれ持ったバネがあるため、日本人は黒人のストライドにはかなわないのです。全く違う武器で勝負するしかないのです。そうです。ピッチ走法です。

過去、瀬古俊彦のようなピッチ走法の選手が黒人選手に勝ってきたから、そのイメージもあるのでしょう。

カリスマ指導者がピッチ走法を提案するのは、自分の選手が黒人選手に勝つために「差別化の戦略」を指導してきたことの延長線上にあります。

しかし残念ながら、差別化のために王道を外れてしまいました。

しかし私がストライド走法を推奨するのは、市民ランナーのことしか見ていないからです。ピッチ走法で壁に突き当たっている人は、一度ストライド走法を試してみてください。簡単な壁なら、それだけで突破できるでしょう。それほどストライド走法は力を持っているのです。

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腸腰筋の伸縮反射を利用した「逆くの字」走法

筋肉はバネのように伸びたら縮むという性質があります。大腿骨を前に持ち上げる腸腰筋も同じです。

腸腰筋は伸びたらバネのように縮みます。腸腰筋はお腹の深部の前側についていますので、その筋肉を伸ばすためには逆「くの字」に腹を張ることです。これを「逆くの字走法」と命名します。

具体的にいいます。

どうせ宙に浮くのですから、はじめから腰を高く持ち上げます。そして前から綱で引っ張られているかのようにお腹をぐいっと前に突き出します。すると脚にひっぱられて尻がぐいっと後ろに突き出されます。これで「逆くの字」の完成です。

「逆くの字」で引き延ばされた腸腰筋は伸縮反射で縮もうとします。すなわち大腿骨が前に戻ってくるのです。この伸縮反射を利用すれば、自然と大腿骨が前に来るので、その勢いを利用して大きなストライドが確保できるというわけです。

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弱点を補うのが真の指導。だからストライド走法

カリスマコーチがエリート選手を指導する場合、彼らの身体のバネや脚の勢いを考慮する必要はありません。元々そういう条件をもともと備えた素質のある最強選手を指導しているのですから。

しかし、市民ランナーはそうではありません。もともと実力のない人たちです。

身体のバネがなく、脚に勢いがない、ストライドの狭い人たちが市民ランナーなのです。はじめからジャンプして宙に浮くことができるエリート選手とは出発点が違うのです。当然、指導要領も違ってしかるべきです。

もちろん到達点(目標)だって違います。

ストライド走者がピッチを意識することで得られる効果がある

カリスマコーチがピッチ走法を指導するのには、実はもうひとつ理由があります。素質あるストライド走者にピッチを意識させることで、得られる効果があるのです。

それを以下に説明します。

ストライドとは前に足を伸ばして稼ぐものではなく、宙を浮いて稼ぐものです。

宙を浮くためには抵抗のない空間で前脚を振り戻してくる必要があります。「踵落としを有効に決める走法」です。振り戻してきたカカト落としの勢いで宙に浮くわけです。

重心の前側で着地するのではなく、重心の真下で着地するイメージです。

そのように前に振り出した足をしっかりと振り戻すためには、ストライドを狭めてピッチの勢いを増すように意識すると効果的なのです。

振り戻す脚に勢いをつけるためにも、ピッチ走法を指導した方が相手がエリート相手の場合には理にかなっているのです。

ところが市民ランナーはエリート選手ではありません。遅い市民ランナーはストライドが小さい場合がほとんどです。膝を後で折りたたまないために、脚を素早く動かせません。

空中に浮くためには、大腿骨を振って、勢いをつけて振り戻してこなければならないのです。

エリート選手が教えられなくてもできていることが、市民ランナーはできません。王道の走る技術が市民ランナーにはないのです。ですから市民ランナーを強くするにはストライドを鍛えるのが第一なのです。だからこそ「効果的にカカト落としを決めるにはどうしたらいいか、考えてみよう」というような問いかけが意味を持ってくるのです。

大きな筋肉(お尻や背中など)を駆使して走るためには、ある程度の時間がかかります。全身がダイナミックに躍動するためのには、膝下だけ小さく動かすよりも、モーションが大きくなるはずです。

プロコーチの本に書いてあったからといって、ピッチを維持するために、膝から下だけの小さな走りにあなたはなっていないでしょうか? だとしたらこのコラムを読んだ甲斐がありました。

またストライドを伸ばそうと後ろに地面を蹴っていないでしょうか。

後ろにアスファルトを蹴る必要はありません。『ハサミは両方に開かれる』を使えば、振り上げる方の遊脚を意識すれば、軸足を蹴らなくても大きなストライドを稼ぐことが出来ます。ハサミというのは片方をひらけば、もう一方もひらくものなのです。脚も同じです。

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第三の解答。どっちも使え。複数のフォームを持とう

ここでは「ピッチ走法」か「ストライド走法」かという究極の二者択一に対して「市民ランナーはストライド走法を意識」すべきであるという解答を提示しました。

どちらか選べと言われたら「ストライド走法」です。

しかし、私ハルトはもうひとつ別の「第三の解答」を持っています。

それはフォームは複数あってもいい。という回答です。

実は、これこそが私ハルトのサブスリー養成講座の核心部分「マラソンの極意。複数のフォームを使い回す」になります。

サブスリーを目指すようなシリアスランナーほど「理想のフォーム」を追求する傾向があります。

スピードが出て、疲れない、「究極の走り方」ってやつを追い求めます。

そういう幻のイメージを練習するたびにずっと私も追求していました。

しかし、今、私はそういう理想の追求は「しないほうがいい」と思っています。

それが私のランニング講座もうひとつの核心の哲学「ランニングの奥義。あなたが一番速く走れる方法は、あなたの肉体が一番知っている」になります。

この境地こそが本サブスリー養成講座の二大特徴であり、カリスマコーチや一流ランナーが今までに書いてこなかった部分です。いわば頭脳派市民ランナーの「悟り」の境地です。

ひとつのフォームに拘泥しすぎるというのは、結局、特定の箇所に疲労をためてしまうことに他なりません。

たとえばアキレス腱のバネを生かして走ると速く走れますが、その走りを42.195km続けることはやめたほうがいいということです。

理想のフォームを追求するあまり、疲れ切った筋肉にさらに頼ることは、結局、全体のタイムを下げることになりかねません。

それよりも、疲れていない筋肉をさがして、そこをメインの出力場所にするような意識でいた方がいいと私は思っています。

その時点でガラリとフォーム(入力意識・走るノウハウ)を変えてしまえばいいのです。

ランニングは骨盤を起して腰からお尻にかけての後ろ側の筋肉をつかって走れとランニングの指導書には書いてあると思います。しかし本書ではそれだけでなくすこし腹を抱くようにして脊椎の前側の筋肉をメインエンジンにする瞬間があってもいいと主張します。身体の背面も前面もどちらの筋肉もどっちも使え、使えるものはぜんぶ使えというのが本書の特徴です。メインとなる筋肉でランニングフォームはバランスを変えます。そのためには複数のフォームをもっていることが大切なのです。

「ピッチ走法がいいのか? ストライド走法がいいのか?」私の答えは「どっちも使え」です。

フォームなんかにこだわらず、なりふり構わず走りましょう。フォームのためのフォームであってはいけません。フォームなんか意識しないでスピードのみを追求しましょう。

楽に、軽く、が究極の正解です。

ストライドを維持するために走っているのではありません。ピッチを維持するために走っているのではありません。あなたはスピードを出すために走っているのです。

それを忘れないでください。

フォームは複数持って、疲れたら、その都度、変えていきましょう。

それがこのサブスリー養成講座の核心です。

ストライド走法もピッチ走法も、どっちも使って、なりふりかまわずゴールに向かって走ることです。

それが自己ベスト更新の最良の方法です。

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このブログ著者の小説『結婚』
小説『結婚』
愛とは何か? 結婚とは何か? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。恋人のアスカはツバサのもとを去っていきます。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。  離れたくない。その叫びだけが残った。  全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。 引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。 そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。 それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自信が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。 アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。 死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。 生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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愛とは何か? 結婚とは何か? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。恋人のアスカはツバサのもとを去っていきます。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。  離れたくない。その叫びだけが残った。  全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。 引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。 そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。 それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自信が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。 アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。 死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。 生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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このブログの著者の小説『片翼の翼』
小説『片翼の翼』
なぜ生きるのか? 何のために生きるのか? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。 かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。 同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。 アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。 自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。 人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。 ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 ※※本作は小説『結婚』の前編、バックストーリーに相当するものです。両方お読みいただけますとさらに物語が深まる構成になっています。※※
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小説『片翼の翼』
なぜ生きるのか? 何のために生きるのか? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。 かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。 同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。 アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。 自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。 人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。 ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 ※※本作は小説『結婚』の前編、バックストーリーに相当するものです。両方お読みいただけますとさらに物語が深まる構成になっています。※※
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【この記事を書いている人】

アリクラハルトと申します。【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。
市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。地元走友会のリーダー。月間走行距離MAX600km。『市民ランナーという生き方(グランドスラム養成講座)』を展開しています。言葉の力で、あなたの走り方を劇的に変えてみせます。
また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。
そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。
その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。タイ。ベトナム。カンボジア。マレーシア。シンガポール。インドネシア。ニュージーランド。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の28ケ国。パリとニューカレドニア、ホノルルとラスベガスを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。
登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。千葉県在住。

【この記事を書いている人】
瞑想ランニング(地球二周目)をしながら心に浮かんできたコラムをブログに書き綴っているランナー・ブロガーのアリクラハルトと申します。【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。 市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。地元走友会のリーダー。月間走行距離MAX600km。『市民ランナーという生き方(グランドスラム養成講座)』を展開しています。言葉の力で、あなたの走り方を劇的に変えてみせます。 また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。 そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。 その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。タイ。ベトナム。カンボジア。マレーシア。シンガポール。インドネシア。ニュージーランド。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の28ケ国。パリとニューカレドニア、ホノルルとラスベガスを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。 登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。千葉県在住。
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